呼ばれてますよ、魔王様   作:英雄祈願侍

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挫折

 

 

 

アウラと助けてくれた魔族はあの場から離れた場所に身を隠していた。

じめじめとした風通しの悪い場所で、肌に衣服が張り付く。体育座りのまま、じっと虚空を物憂げに見ているアウラは、何を考えているのだろうか。

あの騒ぎによって人類が集まりつつある。今ならば魔族が攻めたという事実も消し去れる程度のボヤ騒ぎだ。救世主たる魔族の魔法により、住民たちは眠らされて、記憶を改竄(かいざん)された。よってこの出来事は人々の記憶から消え去った。

しかし失態は失態。魔法を使い、住民を動員して、異端者を殺すという策は失敗に終わった。

 

── 沈黙。

両者ともに一言も発さない。アウラ当人としては自らが先に話す事はプライドが許さず踏み切れなかった。対して救世主は、じっとその様子を観察するだけで物言わない。

嫌な汗がアウラの肌を伝う。圧力を後ろからひしひしと感じ始めていた。

取り合えず、無言なのは良くないとアウラは一先ず話しかけた。

 

「助けなど要らなかったけど」

「あそこまで追い詰められておいて?笑える冗談ですね」

「……」

 

事実だった。

アウラは油断していた、そのせいでフリーレンに隙をつかれたのだ。

言い返せないのも仕方の無い事だった。卑怯者と責任逃れすることも出来た、魔法使いの風上にも置けない彼女を糾弾することも出来た。

ただ負けという事実は覆らない。油断したせいで負けてしまった、いつもならばあの物量に成すすべもなく人類は蹂躙される。其上今回は人質まで使ったのだ。それで戦果は在りませんなど、プライドの高いアウラにとっては煮え湯ものだろう。

 

「…もう油断しないわ、次こそは必ず」

「凄んだ意気込み、続くといいですね」

「はぁ。相変わらず私に辛辣ね」

「助けて貰って感謝の言葉が無いのが原因でしょう」

 

確かにお礼を言ってはいなかったと、図星だったアウラは嫌そうな顔で感謝する。

 

「分かったわよ、ありがと」

「感謝の言葉が貴女から出る事も鳥肌ものですね」

「…あのね、私だって怒るのよ」

「では、冗談は辞めにします」

 

あの時から、この奇跡のグラオザームはアウラに対して突き放すような態度を取り始めた。

アウラ自身は気が付いていないが、尻拭いを永遠とさせられるというのは腹立たしいのだと。何時まで経ってもお転婆娘で、計画通りに動かないのが呆れ果てる原因だろうが。

当人は全く気付く様子もなく、反省の色は見えない。

 

「で、なんでこんな場所に居るの。グラオザーム」

「アウラ、貴女の行動にシュラハトは良くない未来を視たそうで」

「成程ね」

 

あの未来が見える魔族が今回も絡んでいるらしい。

いつも何を考えているか分からない、能力に加えて言葉足らずなのだ。余計に何も見えてこなかった。

そんなやつの命令にいつも通りに従うグラオザームにアウラは『シュラハトの犬が』と心の中で罵倒する。

 

「心外ですね、私の主はあくまでも魔王様ですよ」

「ナチュラルに心を読むんじゃないわよ…」

 

深いため息をついたアウラを興味なさげに、グラオザームは話を続ける。

 

「彼は、ここであの者たちを殺す事は駄目だと」

「でもここで見逃す方が魔族の損失だわ」

「しかし、私達よりも彼の方が先を見えているのは事実です」

「従うしか、ないって訳ね。でも癪だわ、負けっぱなしではい終わりなんて」

「そうですか」

「なんならこの後すぐに、もう一度攻めようかしら。シュラハト風情の言葉に従う程、私はあいつの事が好きじゃないの」

 

話を聞いた上でまだ独断専行をしようとするその愚かさに、グラオザームは無表情ながらも侮蔑が混じった眼に変容させた。

相も変わらず、短絡的だ。未だに失敗をプライドの高さが邪魔をして活かせていないのか。それとも魔王様のお気に入りであるその立場に心踊り、正常な判断が出来ていないだけなのか。

どちらにしても、この流れは良くないですね。

そう思ったグラオザームは絶対にアウラを従わせられる最終手段を使う。

 

「では、この失態を魔王様にお伝えしましょうかね」

「え」

「こんなにも呆気なく制圧されて、時間をかけて街を掌握しかけたのにも拘らず、全て意味がなくなりました」

 

「……」

 

「魔王様はどう思われるでしょうね」

 

それだけは不味いとアウラは渋々要求を呑む。そんな事、あっていい筈がない。絶対に…。

天秤にかけられたそれは呆気なく偏る。

尻尾を巻いて人類から逃げ出すという惨めよりも、魔王様からの失望の方が恐ろしかった。

それに自分の失態がバレるのも、なんだか恥ずかしい。今でもそんな抜けている部分があるのだと知られたくはなかった。

 

「分かったわよ…、従うわ」

「えぇ。賢い選択ですね」

「上から目線ね…」

「全知のシュラハトの手の上ですから、私よりも彼の方が上でしょう」

 

そういう事じゃないのだけれど、と悪態をつきつつ、全てを視ている奴の次の指示を訊く。

 

「で、その全知のシュラハト様はなんて言ってたの」

「一度魔王城に帰って来いとだけ」

「ふーん、そう」

 

そう興味なさげに返し掛けたが、一つ気になる事があったのかモジモジと体を動かしながら、聞きづらそうに話を切り出した。

 

「…因みに、魔王様は居ないわよね?」

「えぇ。今は外出中です」

「そう。なら今すぐにでも帰るわね」

 

一安心だと、先程の態度を一変して、なんなら胸に手を当て深い溜息をつく彼女の姿にグラオザームは呆れてものも言えないと言わんばかりの表情を浮かべた。

常に無表情であるグラオザームのそんな表情など然う然う見れるものでも無い。

それほどまでに、唖然としたという事だろう。

 

「…まだ引き摺っているんですか」

「黙りなさい、もうあの出来事なんて気にしてないから」

「純情で、まるで少女のような多感さですね」

 

その的確に嫌なところを付いてくる言葉に何も言い返せないのか無視をして、アウラは魔王城の方向へと飛行して飛び去って行った。

 

「…全く、魔族の中で古参なのにあの様ですか」

 

呆れたような言葉と共にグラオザームもその後へ続いた。

 

 

 

 

 

⬛︎⬛︎⬛︎

 

 

ある人が言った

「生まれがその生命の道筋の大半を決める」と。

 

ある人が言った

「生命とはまっさらで、環境によって色を変えるのだ」と。

 

私はそれに対し「なにもわかってないのね」と哀しみを含蓄された声を細々と吐き捨てた。

 

私は、アウラという名前をつけられた魔族はいつの日かそう思った。

私は生まれた時から自分の本能が獣だと分かっていた。拘束されることを忌避していることを理解して生きていた。

自由に生きる事こそ、私に適した生き方だって把握していた。

しかしその心持ち、認識はすぐに蓋をされ、薄暗い心の奥底に仕舞われていた。

 

── 弱かったからだ。

 

だってしょうがないじゃない。

私の魔法は、『服従する魔法(アゼリューゼ)』は天秤に自身と対象の魂を載せ、お互いの魔力量を比較するもの。

なら、生まれたばかりの私ではその能力なんて使えないただの置物で、魔法が使えない魔族だった。

 

だから、私は同族から馬鹿にした目で見られる事が多かったの。

当時の私は心底ムカついていた。だからその気色の悪い目をひっくり返すために努力をしていた。でも私が努力すれば、アイツらもその分だけ努力している。

絶対に消えない差があったの。

今なら彼奴らの気持ちが分かるわ。だって皆一様に魔王様の役に立つため日々頑張っているのに私だけ歩みが遅い。

 

ならそんな弱者を嬲り、日々の鬱憤を晴らす事こそ魔族の僅かに残された娯楽なのよ。

魔族は血の気が多いわ。自分の生が1番大事だとしても2番目には…いや3番目ね。そこにそれが上がるかもしれないぐらいには重要だった。

 

泣きそうだったわ。

夜の殻の中で、私は声を上げて泣きたかった。悲しくて、悲しくて、自分の愚かさに、息が詰まる思いだった。

魔族には、社会性が無い。この悩みを打ち明けられるものは私には居なかった。自らの弱みを見せる事は何よりも忌避される行為だ。

この天秤も最初は私に似合っているって思っていた。本能で生き、誰にも拘束されない。平等に全てに対応する私にピッタリだと確信していた。

だけれどいつしか憎い、と負の感情を向けるようにもなっていた。ただのガラクタと同等でしかないこれを私は何度地面に叩きつけようとした事か。

想いを巡らす度に、感情が反応する。

 

だからいつしか、実らない鍛錬も、縮まらない差も、もうどうでもいいと。

つまらないと、不愉快だと不満を漏らす事すらせず、失われた激情が恋しくなるほどの虚無を感じていた。

所詮は、こんなものかと魔族の生を諦めかけた事もあったの。

 

でも世界は私に微笑んだ。

そんな時、あのお方は私を助けてくれたのよ。

以前より私に目を付けていたらしく、あまりの惨状に見かねたのか、その絶望が染みついた毎日を一変させてくれたの。

 

「何をしている」

 

私をいつものように取り囲んでいた魔族たちは、その威厳ある声に、誰が話しかけたのか魂より理解して一斉に整列した。あの頃はたかが低級魔族、最高種である魔王様に逆らうなんて到底無理だった。

 

「お前たち。まずは我の為に日々の鍛錬をする事、誇らしく思う。まずは褒めようその過程をな」

 

「だが、これは頂けん。何故、その少女を寄って集って虐げるのだ?」

「そ、それは…こいつが弱いから」

「今強いからなんだ。こ奴こそ、未来魔族を導く器であろう。」

 

曇っている目に、呆れたのか溜息を付きつつ鍛錬の指導をしていた魔族に魔王様は問い詰める。

 

「貴様らの(まなこ)は節穴か?そしてリヴァーレ、何故この現状を知り、放置した」

「若造たちのじゃれ合いを、老骨である俺が止めるわけもない」

「我からすればお前もその他も幼子でしか無いのだがな」

「それはそうだ。魔王からすれば月とすっぽんだろう」

「それは比較にならないほど違うという意味だ。相変わらず武しか興味が無いのだな」

「小難しい話は分からん。俺の役割は戦場を踊る事だ」

「否定はせん。お前たちが楽しそうな事こそ我の極上よ」

 

口を三日月みたいに歪ませたその笑顔を見て、魔王様はもう何も言うまいと会話を諦め、私の方へその高い背を縮ませた。そし目を合わせて話しかけてくれた。

 

「…話が逸れた。アウラよ、お前は自身の魔法に対し思い悩んでいるらしい。そして弱き自分に嫌気が差している。そうだろう?」

「え、ええ。確かに、そう…だわ」

「そうか、一つ訊こう」

 

じっと私の目を見て、心の奥底まで見通す慧眼を見せつけながら魔王様はこれからの話をする。

 

「お前は今だけが、闘いだと思うか」

「それは…どういう」

「ふむ。分かりにくいか、では砕けた言い方をする。未来はお前にとって戦場では無いか?」

「ちが、う。私たちは魔族、悠久の時を生きる生命」

「そうだろう、我らは今だけを生きる人間とは異なる者達だ。ならば今弱い事を嘆くな、お前は強くなればこの魔王にとてつもない恩恵を(もたら)す魔法を持つ者だ」

「え…」

「お前が今弱いか、それを我はどうでもいいと断言しよう。仮にひ弱であろうと我は慈しみを持ち愛でると誓う。が、強いものにはより大きな庇護を与えるのも持続力の秘訣だからな。多少の贔屓は許せ」

 

運命を変える事は、私だけでは不可能だった。

生まれた時から今までの短い間で、諦めていた自分が情けない。

運命は運ばれるものだった。あらゆる選択肢を、海に落とした一つの石を探し当てるという事は、魔王様が居なければ出来なかった。

あの時、それに気づかされた。

私は今まで何故か思い込んでいた。今だけが戦場で、未来なんてものまで思考を巡らせたことは無かった。

 

「私でも、…魔王様のお役に立てる?」

「あぁ、無論だ。我の言葉が信じられんというのならシュラハトにでも訊くか?吾奴ならば信用も置けよう」

「いえ、それは要らないわ」

「…?そうかならばよい。もう一度思い悩むことがあれば我に聞け、お前たちもだ。弱い者虐めは我の望む事ではない。お前たちは我の子、それは今後変わらぬ不変の事実よ」

 

『申し訳ありませんでした』そう謝る魔族たちの事を私の目はもう映していない。

あるのはこの場から用は終わったと去る魔王様の背中だけだ。

木々の様に逞しく、水のようなしなやかさを持ったそれはこの世のものではない美しさがあった。私はそんなものにそれ程興味が無かったのだけれど、あれだけは良いものって言える。秀麗なあの姿は、私にとってこの世を輝かせる太陽だわ。

 

「だから、あの背中に私は憧れた」

 

でも、その背中には触れられない。私は指を咥えてそれが歩んでいく様を眺める事しか出来ない。近い筈なのに、手を伸ばしても空を切るだけ。

 

「魔王様が何を考えているか、分からないわ。軍議は苦手、それに私の戦場じゃないし」

 

でもこれだけは分かる。

あの方が居るからこそ今の私が居る。最初は何の役にも立たなかったこの魔法も成長しきった今ならば活躍の機会が増えた。

だから私は今日も歩める。

失敗続きだが、いつかまた褒められることを望んで。

 

声を上げて叫びたい。

『導いてくれるのは、貴方だけ』って。

 

私と貴方との間にある差を、縮めさせて。

そして見してもらいたい、貴方の視界に写る光景を、共有して欲しいの。

ずっと、そう思っているわ…

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

「ん…、ここは」

 

フリーレンが目を覚ますと何処かの部屋に居た。

少し香ってくる珈琲の匂いに鼻を鳴らしながら、辺りを見回すとアイゼンが隣のベッドに寝ていた。

 

「確か…、なんだっけ」

 

寝る前まで何をしていたのか思いだせなかった。でもどうせ記憶にも残っていないことだ、くだらない話でもして疲れて寝ていたのだろうと、考える事を辞めにした。

 

「アイゼン。起きて」

「…あぁ、もう朝か」

「多分昼だよ、私たち寝すぎたみたい」

 

うたた寝をしていたと分かるぐらい、髪の毛がバサバサに乱れている。

両者は互いにその様を笑いあった。お互い様なのにもかかわらず。

そんな時、部屋唯一の出口である扉からこんこんと音がした。

誰だか分からない来客に怪訝に思いながらも「はい」と返事をして入っていいと許可を出す。

そうすると初老の男性が、ぺこりとお辞儀をして入ってきた。

 

「なにかな」

「あぁすみません、このカフェの家主です。お二人が外で倒れていたので寝かせていたのですが、大丈夫ですか?」

「そうだったんだ、ありがとう」

 

感謝を述べつつ、頭を下げると「当然のことをしたまでです」とあくまでも謙虚な態度を崩さななかった。そんな男性に、眩しいものを幻視した。

その輝かしい男性は、申し訳なさそうにフリーレンらに聞きたい事があるのですと、疑問を浮かべる。

 

「何故倒れているかは…?」

「なんでなのか、外で寝ていたかは分からないんだ」

「…それはそれは、大層お疲れだったのでしょう。旅人とは知らず知らずのうちに疲れると聴きました。今日のうちはお好きなようにこの部屋を使っていただいて構いません」

「お言葉に甘えて。今日はお世話になるよ」

「宜しく頼む」

 

「えぇ」と返事を返した男性は、何かを思い出したのかぽんと手を叩き、その浮かんだ記憶を吐きだす。

 

「あ、そういえば衛兵の人たちがあなた方に聞きたい事があると言っていましたね。起き次第伝えて欲しいとの事だったので…、お時間ありますか?」

「うん」

「では、呼んできますので暫く待っていてください」

 

ふぅっと息を吐き、フリーレンはベッドに背を預けた。

全く以て、不可解だね。こんな長時間の記憶が曖昧だなんて、まるで魔法みたいだ。

ちょっと待って、それってまさか。

…そうか、成程分かったかもしれない。

 

「そっちも分かったか」

「アイゼンも気が付いたみたいだね」

 

そうフリーレン達が糸口を掴み掛けたところで、出て行った男性と1人の甲冑を着た衛兵が部屋に来た。その男性はベッドから腰を上げようとするフリーレンとアイゼンに手でそれを制して、座ったまま聞いてくれと言う。

 

「あぁすまないね。そんな固くならなくていい」

「分かった」

 

がしゃんと頭を外し、皺が刻まれた歴のある顔を周りに見せる。

 

「お疲れなところすまないね。こちらも仕事なもので」

「そっか。それで何が聞きたいの?私たち悪い事なんて何もしてないよ」

「ふむ、その様子だと知らないらしいな。なら、今回も無駄足か」

「何かあったの」

「実は、この街の半数ほどの人間が道端で倒れているという不可解な出来事があったのだ」

「…それで?」

「……」

 

アイゼンと阿吽の呼吸で誤魔化すという方向に舵を切った。何とか策が通じたようでアイゼンは何も知らないふりをしてくれている。

 

「幸い怪我はなく、ただ数時間の記憶が無いだけだった。しかしそんな不可解な出来事が起きてしまった原因は知りたい。だから聞きまわっていたのだ」

「成程ね、じゃあ本当に知らないや。私達も倒れている側だったらしいし」

「…なんなのだろうな」

 

「不気味だ」と言いながら顔を歪ませる衛兵に対してフリーレンらは気まずそうに顔を逸らすが、次はどうしようかと考える事に夢中で幸い気が付かなかったらしい。

ほっと心の中で溜息を付きながら、その耐えの時間が過ぎ去るのを今か今かと無言で待ち望んでいた。

 

「では、何か思いだしたら教えてくれ」

「うん、またね」

「では、私もこれで。下のカフェに居ますので用があった場合はそちらに」

「あぁ、今日はよろしく頼む」

 

そう一言ずつ話をして、出ていく人たちを見送る。彼らの抑えられた靴音が階段を下っていくのが聞こえなくなったところで、無言のまま示し合わせたかのように部屋にあった鍵をかけた。そしてフリーレンとアイゼンは弾かれたように部屋にあった椅子に座り、今の現状を整理する。

 

「アイゼン」

「あぁ」

「多分魔族の魔法だよ。私がこんな風に何も覚えていないなんて可笑しいよ。人間が使う精神魔法ではない」

「確かに形跡の無い魔法、魔族らしいな」

 

ひっそりと魔力を探ってみるが、何かしらに邪魔をされた詳しくは分からない。

そんな芸当が出来る者に、何かをされた記憶は無いけど確信はあった。

それに知っている、魔族には卓越した精神魔法の使い手が居ると。その魔族による犯行だろうと当たりを付ける。

 

「取り合えず、この街からは早く出よう。何が起きるか分からないし、安心して寝れない」

「明日、朝には出ようか」

「そうする」

 

その一言と共に一旦、仮眠を取る事にした。何故かボロボロで疲れている身体に頭が警笛を鳴らしたからとも言える。

 





へっぽこアウラ。
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