もしもモモンガ様が人間だったら   作:15巻まだ?٩(๑•ㅂ•)۶

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今回はナザリック内部の話です。どうぞ、お楽しみください。


第10話:お世継ぎ問題

 

ナザリック地下大墳墓第十階層玉座の間には、多数の異形種が所狭しと並んでいる。最前線にはいるのは第四、第八を除く守護者、そして守護者統括だ。

 

 そしてそれらすべてを統括する地位に立ち、玉座に座するのはオーバーロード、死の支配者のアンデットだ。

 

「さて、まずはこれまで私一人で勝手に動いたことを詫びよう」

 

 絶対的な支配者たるモモンガが何をしようと咎める者はここにはいない。

 

「なにがあったかは、アルベドに全て話した。あとで聞くが良い。ここで皆に告げることは2つだけだ」

 

 モモンガは先程の出来事を振り返りながら、皆へと報告を行う。

 

「まず私が動いた際、プレイヤーの仲間と思わしきものとの接触があった」

 

 玉座の間にざわめきが走る。当然だ。アウラを筆頭にずっと探していたプレイヤーの影を自らの主人があっという間に掴んだのだから。

 

「そして、現在彼らのことはニグレドに監視させている」

 

 そして告げると同時にモモンガは玉座から立ち上がり、スキルを発動させる。

 突然モモンガの姿が人間の形態に代わり、再び動揺が走る。

 

「私は新たな身体を得た。人間としての私の名はモモン。勿論お前たちが人間を嫌悪しているのは知っている。私に仕えることを拒むものは立ってそれを示せ」

 

 モモンガは辺りを見回すが、立ち上がるものはいない。

 

 (まあこんな場で立ち上がりづらいよな)

 

「モモンガ様、そのようなものはおりません。今後も我々一同御身にお仕えさせて頂きます」

 

 皆の代表でアルベドがモモンガへと意見を告げる。モモンガとしてはその言葉を信じたいが、やはりまだ不安が残る。

 

「そうか、私からは以上だ。アルベドからは何かあるか?」

 

「いいえ、モモンガ様。」

 

「そうか、では、転移《テレポーテーション》」

 

 モモンガは玉座から足早に去っていった。

 

 

 ――――――――――――――――――――――

 

 

「さて、デミウルゴス。例の議題を」

 

 モモンガが転移した後、アルベドはデミウルゴスに議題の進行を任せる。

 議題はずばり。

 

「モモンガ様のお世継ぎ問題だ」

 

 本日3回目のざわめきが玉座に駆け抜ける。

 

「皆も知っての通り、モモンガ様はオーバーロードから人間種へとお姿を変えられた。いや、変えられるようになったというのが正確かね」

 

「そうね、あくまで変身のようなスキルなのだから」

 

 デミウルゴスはアルベドに頷き、発言を続ける。

 

「つまりアンデットであった頃とは異なり、かの御方の跡継ぎを()していただけるのだよ」

 

「おお……」

 

 下僕たちにとって、それは至高の喜びだ。もし、他の御方達のようにモモンガ様が居なくなってしまっても、仕えるべき主を残して頂けるのだから。

 

「しかし、デミウルゴス。その場合アルベドやシャルティアのどちらかになるということか?」

 

 コキュートスが疑問を挟むとデミウルゴスは想定通りと言った様子でそれに答える。

 

「いや、彼女らに限らないよ。プレアデスや一般メイド、その他NPCであっても可能性はある」

 

「ちょっとデミウルゴスっ!」

 

 アルベドと話し合っていたこととは違うのか、アルベドはデミウルゴスに横槍を入れる。

 

「私の味方をしてくれると約束したはずよ」

 

「なんのことか分からないね、私はあくまでお世継ぎを設けることについての約束をしたまでだよ」

 

 デミウルゴスの言にアルベドはなおも納得行かない様子だ。

 

「なんでありんすか、アルベド。自信がありんせんの?」

 

 デミウルゴスの援護射撃に、アルベドのライバルたるシャルティアは挑発する。

 

「ぁ?殺すぞ偽乳」

 

「誰が偽乳だ、この大口ゴリラっ!」

 

「ヤツメウナギっ!」

 

 火種は燃え上がり、大火へと進化を遂げる。デミウルゴスはその光景を見て、少々呆れかえる。

 

「アルベド、シャルティア。話はまだ終わっていないよ、それに現在の最有力候補は君たちでは無いかもしれない」

 

「「は?」」

 

 デミウルゴスの2人の言葉に思わず、2人は喧嘩を止め、デミウルゴスに視線を向ける。

 

「あー、そんなに殺意を向けられても困るのだがね」

 

 デミウルゴスは肩をすくめてアルベドとシャルティアの2人の視線を躱す。

 

「モモンガ様は今後あの人間を通して冒険者として活動されるおつもりだと私は推測している」

 

「ああ、あのガゼフとかいう男ね」

 

 アルベドは報告にあった男を思い出す。モモンガ様がやけに気に入っていたのに嫉妬してしまったのを思い出す。

 

「そうだ。モモンガ様が冒険者モモンとして活動されるお時間が増えれば必然的に傍に着いているものが1番有利ではないかね」

 

「まさか……!」

 

 みんなの視線が一斉にプレアデスの1人に向けられる。そう、ナーベラル・ガンマだ。

 

「実際にモモンガ様からもナーベという仮の名前も頂いたみたいだしね」

 

「ちょっとナーベラル、貴方なぜ出発の段階で私に声をかけなかったのよ!」

 

 アルベドの凄い剣幕にナーベラルは圧倒される。たまたま傍付きの当番だったために可哀想なナーベラルである。

 

「申し訳ありません、アルベド様。アルベド様に連絡を入れるように申し上げたのですが、それは不要だとモモンガ様が」

 

「くぅぅぅぅぅ」

 

「アルベド、そのぐらいにしておきなさい。ナーベラルを選ばれたのもひょっとすればモモンガ様のご意思かもしれない。実際にモモンガ様はナーベラルの匂いを気に入っていたような様子だった」

 

 デミウルゴスのとんでもない発言により、アルベドから発せられるナーベラルへの殺意が更に増す。

 

「ナーベラル、おんし後でたっぷり話しんしょう」

 

「私もよ、ナーベラル」

 

「ぼ……僕も……」

 

 モモンガ様のお気に入りに最も近いナーベラルにシャルティア、アルベド、そして何故かマーレまでが興味を示す。

 

「ふふっ、とはいえみなにチャンスがあるのは事実だ。皆励むことだよ」

 

 デミウルゴスとしては狙い通り、皆お世継ぎに興味が向いた。これで誰かがモモンガ様の心を射止めれば、デミウルゴスにとってこの上ない喜びだ。

 




という訳で、お世継ぎの議題が出ました。
実際この流れだとナーベラル程有利な人はいないと思うんですよね、2人きりで常に行動ですし。

そして誰よりもこの事態を喜ぶデミウルゴス、、、

お読み頂きありがとうございました。
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