もしもモモンガ様が人間だったら   作:15巻まだ?٩(๑•ㅂ•)۶

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宝物庫内で転移したら当然あいつが出てきますよね笑


第2話:物語の始まり

 

「……」

 

 ナザリック地下大墳墓の最奥。一人の男が目を閉じたまま、固まっている。

 

「………………いや、ここでグダるかよ!」

 

 椅子から立ち上がったモモンガは大声で叫ぶ。せっかく綺麗に終われると思ったのに水を刺されたことに苛立ちを覚えながら、GMへメッセージを送信する。

 

「……ってあれ?どうなってるんだ?」

 

 しかし、バグだろうか。コンソールが開けない。最近はフルダイブ型のゲームでの事故は減ってると聞いていたが、最後に運営がやらかしたのか。

 

「おっふ!そのお声は、やはり、やはり、やはり!モモンガ様でしたか!」

 

 現状についてのそんな推測は次の瞬間には吹き飛ぶことになる。聞きなれない声、謎のハイテンション。しかし、見覚えのある軍服にアバター。

 

 何を隠そう。彼こそがパンドラズ・アクター。モモンガが唯一作り上げたNPCだ。

 

「えっ……えっ……えっっっっーーー!」

 

 そんなNPCが動き出し、喋るという自体にモモンガは思わず、叫び声をあげる。これがオーバーロードの姿であれば、精神が抑制されていたかもしれないが、今は人間だ。

 

「どーされましたか?モモンガ様。まるで人形が動き出したかのような驚きをっ!!」

 

 まさにそれが起きてるんだよ!とモモンガは叫びたかったが、ひとまず堪え、深呼吸をして落ち着きを取り戻す。

 

「いや……おまえ……パンドラズ・アクター……だよな……?」

 

そして彼は至極当たり前のことを質問する。

 

「勿論ですとも父上。まさか私の名前をお忘れになられたのですか、ちちぅぇぇ」

 

 パンドラは創造主に忘れられたショックで大幅に演技をした後その場にへたり込む。

 

 (くふぅ、こいつのリアクションきついな……)

 

 自身の設定に忠実なパンドラに感動と羞恥心を覚えながら、一先ず情報を整理する。

 

 サービス終了時間になっても一向にログアウトされない現状。GMとの連絡もつかず、孤立状態だ。しかし、これだけならまだフルダイブ中の事故とも考えられるが、最大の疑問は。

 

「パンドラ、決してお前を忘れていた訳では無い」

 

 自我を持ち動くNPCだ。パンドラはモモンガが設定した通りの性格で動いている。タチの悪いイタズラか運営のサプライズか。

 

「さぁ、立つのだパンドラ」

 

 パンドラに近づき、手を差し伸べる。

 

 (なんかいい匂いが……あ、そうだ、こいつ。そういう意識も高いんだった……って……匂い?!!)

 

「父上……ならば何か異常が?その凛々しいお姿も、、普段のお姿とはかなり異なるご様子」

 

「ああ、どうやら異常事態のようだ」

 

 パンドラを起こしながら、回らない頭を何とか回し事態の把握に務める。

 

 サービスが終了してもログアウトされないこと、DMの連絡がつかないこと、NPCが動き出したこと、電脳法で禁止されている匂いを感じたこと

 

 これらを踏まえて考えられるのは、、、

 

「異世界転移……か?」

 

 前にそんな作品を読んだことがあるが、流石に馬鹿馬鹿しい。ならばユグドラシル2?いやしかし、匂いの実装はおかしい。

 

「ん〜っ、モモンガ様っっ!!イセカイテンイとは何を意味するのでしょうかっ!もしや異常事態の正体がお分かりにっ!?」

 

 パンドラは盛大に手足を使って一言一言に感情を込め、モモンガに問いかける。流石はアクターである。

 しかし、そのアクション一つ一つがモモンガの精神にダメージを与える。

 

 (きっついわぁぁぁ)

 

 今すぐこの部屋を抜け出したい衝動に駆られるが、ここは宝物殿。下手に動けば、この騒動でおかしくなったトラップが誤作動を起こす可能性もある。

 

「そう……なのかもしれない。とりあえず今は事態の把握が重要だ。まずはパンドラ。お前は俺の事どう思ってるんだ?」

 

 モモンガはパンドラとの今後の関係性を決めるべくそう問いかける。するとパンドラは迷うことなく答える。

 

「はっ!それはもちろん、私の創造主にして、世界で最も素晴らしき御方かと!」

 

「お、おう……」

 

 好意的な反応が帰ってきたことに一先ず安心するが、あまりの慕われぶりに正直ドン引きだ。

 

 (創造主は事実だけど、最も素晴らしき御方って、褒めるにしても言い過ぎだろ)

 

 またアクターとして設定した影響か。そうモモンガは結論づけると次の段階に移った。

 

「では、これより異常事態を把握するために玉座の間に転移する。お前はタンク職に変身し、私を守れ」

 

「はっ!」

 

 そう命じると、パンドラは即座にピンク色の肉棒へと変身する。ぶくぶく茶釜だ。

 

 (流石に初手でアルベドやセバス、そしてプレアデスのいる玉座の間に転移するのはリスクが高いか?いや、でもいざとなればリング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンの指輪で逃げ切れるか)

 

 そう結論付け、覚悟を決めたモモンガはパンドラに密着すると転移を発動させた。

 

しかし、今の彼は人間の姿のままだ。これを失念していたことに彼はのちのち後悔することになる。




初手パンドラが相手だとなかなかモモンガ様の精神にとって良い影響がありそうですね。

お読み頂きありがとうございました。
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