とある幻想の四重響奏 -Quartet of a Imagine-   作:独楽と布団中の図書館

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ちょっと小休止。

■2015/02/03追記
脱字修正しておきました。


08. Examination for the Settlement

 現状の考察と僅かな違和感。

 理由なんて誰にも分からない。

 

 

■Examination for the Settlement■

 

 

 

 交差点での人間離れした戦いから一時間ほど。小萌さんの部屋で私たち――当麻と私、インデックスにメリアの四人は、その順番で時計回りにちゃぶ台を囲んでいた。

 

 私と当麻で部屋から貴重品や着替え一式を持ってきて今に至る。その道中、当麻が深嗣に連絡を入れていたが、やはり音信不通だった。とりあえず当麻が部屋のことをメールにして送ったらしいが、こんな大事に一体どこに行っているのだろう。あとで文句の一つでも言わねばなるまい。

 

 

 

「私は上条柚姫というのだけど、えっと、アルストロメリアさん? アナタも『魔術師』ってことでいいのかしら?」

「うん。メリアでいいよ」

「めりあ、とうま。さっきは助かったかも。ゆずきも私を庇ってくれたんだよね? ありがとうなんだよ」

「それはいいが食べすぎだお前。俺たちにはともかく、月詠教諭には遠慮しろ。頼むから」

 

 

 私とメリアは今まで切り出せなかった自己紹介を簡単に済ませる。小萌さんの用意したお菓子を凄い勢いで消化していくインデックスを、当麻が呆れながら嗜めた。マンションに戻って空になって冷蔵庫を見てから、インデックスの食欲を警戒すべきものだと当麻は認定していた。食料が枯渇した経緯を説明したら、インデックス共々私もこっぴどく説教されてしまった。

 

 思い出してしまい、はぁ、と溜息を零した。……気を取り直すために、軽く部屋を見回すことにする。

 

 

 八畳ほどの1Kの部屋は、土壁に畳という学園都市では中々見る機会のない造りをしていた。天井や壁がヤニで黄ばんでいて随分と年季が入っているように見える。四人でも入ると結構手狭に感じるし、こういった和風な部屋で暮らしたことがないからちょっと新鮮だ。うん、ちょっとは気が紛れた。

 部屋の主である小萌さんは、今は焼肉のために買出しに出かけている。小萌さんに話を聞かせるわけにもいかないから一人で行ってもらったのだが、その時に当麻は少々申し訳なさそうな顔をしていた。

 今でも少し居心地が悪そうな当麻は、それで、と話を戻した。

 

 

「あの連中は何だ?」

「一年前までの記憶が無いからわからないけど、多分『Necessarius〈必要悪の教会〉』の人間だと思う」

 

 

 ネセサリウスとやらが何なのかは分からないが、さっきの派手な戦いを見たせいで、私はインデックスが記憶喪失だったと知っても特に驚かなかった。メリアも表情一つ変えなかった(というより常に無表情だから分かりづらい)のだが、当麻だけが溜息を吐いた。

 聖人がいたあたりで組織規模の騒動だとは想像していたが、まさかイギリス清教の最高戦力を有する部署が動いているとは思わなかった。とのことだ。

 

「えっと……、」

 

 当麻の言葉から察するに、ネセサリウスとやらは魔術師によって構成された宗教軍隊みたいなものなのだろうか。

 そう聞けば、

 

「近からず遠からず、てとこだ」

「戦争しているわけじゃないし、武器は近代的な物じゃないけど」

「魔術師は個人を優先する場合が多いから軍隊と言うよりは集団のほうが正しいかも」

 

 と三者三様に答えてくれた。

 さっき三人に説明してもらって(当麻は随分と渋っていたが)、私も『魔術』と呼ばれるものについては多少なりとも理解はしていた。曰く魔術とは『超能力ではない別の法則で超自然的な現象を発生させる技術』。超能力を先天的な才能とするなら、魔術は後天的な努力の結晶。ざっくり説明すると、才能を持たない人間が才能を持った人間と同じ場所に立つためのもので、努力によって低能力者から超能力者になった美琴と同じか、それ以上に努力を必要とするのだそうだ。超能力者と魔術師を区別するならば、違いは持って生まれた才能の差。プラスからかマイナスからか。スタートラインが決定的に違うのだ。

 

 ……話を戻そう。私からも気になったことが一つあった。

 

「記憶が無いのは何故だかわかる?」

「わかんない。でも目が覚めていきなり追い回されたから、ずっと逃げるしかなかったんだよ」

 

 

 

 いきなり追い回された、ね……。

 

 

 神裂火織と名乗った女性と会話しながら立てた仮説を立証するには、まだまだ情報不足だ。神裂さんとやらの反応を見れば、彼女がインデックスに対してどんな感情を持って敵対しているのかくらいは分かる。だが、そこに至るまでの理由や道筋が私にはまだわからない。

 

「覚えてる範囲でいいから、詳しく説明してもらえるかしら?」

「私は『外的要因以外で記憶を忘れるってことが無い』から全部覚えてるんだよ。変な部屋で目が覚めたら武器で攻撃されて、それから毎日あの二人に追いかけられたんだよ。理由はわからないけど、もしかしたら記憶を失ったのは誰かに消されたせいなのかも」

「忘れることが無い……?」

 

 あの二人とは神裂火織と、当麻が会ったと言うステイル=マグヌスという男のことだろう。その二人にずっと追いかけられていたというのは、まあ想像していた通りだ。記憶の抹消も単なる事故とは考えづらいため、インデックス本人の記憶が無い以上そう考えるのが妥当だろう。

 

 それよりもインデックスが当たり前のことみたいに、さらっと最初に言った言葉のほうに私は首をかしげた。そんな私を見てインデックスは、ちゃんと説明するんだよ、と頷いた。

 

「私は見た風景や聞いた音、一度覚えたことを忘れないんだよ。雑踏の中で聞こえてきた声一言一句や、木の枝に付いた葉っぱの枚数まで。本なら一文字たりとも忘れないんだよ」

 

 インデックスの説明を受けて当麻が、なるほど、と呟いた。

 

「お前みたいな小娘が『禁書目録』と呼ばれている理由がそれか。『完全記憶』だったんだな」

「さっきからとうまはちょっと失礼かも。……でも、うん。それで正解なんだよ」

 

 当麻の物言いに少し唇を尖らせたものの、さして気にした様子もなくインデックスは頷いた。

 

 私も聞いたことがある。当麻が言った完全記憶とは『完全記憶能力』のことで、一種の症候群みたいなものだ。

 詳細はインデックスの説明が全てだった。本人の意思とは関係無しに、その時の五感全てを脳内記憶として蓄積させていく。自らが見た景色、聞いた音、手に入れた知識をそれ以降一切忘れることができないのだ。楽しかったことも、嫌だったことも。『忘れる』という精神の防衛機能の一部が欠落する、いわば不治の病だ。

 

 インデックスが魔術側でどんな立場なのかは前もって説明してもらっていたから、今のインデックスと当麻の話で理解できた。10万3000冊の魔書を脳内に完全記憶した、人の形をした魔導図書館。今朝インデックスの自己紹介で感じた気味の悪さはコレが原因だったようだ。

 

 ……酷い話だ。虫唾が走る。根本から人間と違うものだと言われれば話は別だが、いくら特殊な能力を持っていても、どこまで行っても人は人でしかないというのに……。

 

 

「『変な部屋』って何?」

 

 

 先ほどまで考えをまとめていたらしいメリアが(ぼーっとしているようにしか見えなかったが)、気になった点をインデックスに問いかけた。

 

「祭壇みたいなものがある広い部屋だったよ。簡易的な儀式場だったのかも。何か魔術を発動した後だと思う」

「じゃあ、その魔術のせいでインデックスは記憶を失ったってこと?」

「話を聞く限りは」

 

 そしてその場に神裂火織とステイル=マグヌスがいたのなら、その術を使ったのはその二人ということになるのか。それとも、二人とは別の第三者がいたのか。そこまでは判断できなかった。

 分からないことだらけだ。情報不足の穴を四人で埋めるためにこうして話し合っているのだが、原因も知らずに逃げ回るしかなかったインデックスが知り得る情報は、巻き込まれた私たちに毛を生やした程度でしかない。

 インデックスの言う『一年前』に、一体何があったのだろう。……なんて考えても、答えなんて見えてこない。

 

「あの二人、何なんだろうね」

 

 全員で黙って考え込んでいると、ぽつりとメリアが呟いた。

 

「神裂火織(あの人)に私たちを殺す気は無かったはずだよ。もしかしたら手加減もしてたと思う」

 

 神裂火織が私たちの生死を問わなければ、初手の打ち合いの時点で殺されていたかもしれない。少しだけ悔し呟いたメリアに私も頷く。周りを気にせずにインデックスを確保するつもりだったのなら、そもそも邪魔者である私の話なんて聞かずに、力ずくで連れて行けばよかったのだ。実力行使を好まないのだろう。話しするつもりはない、とも言っていた。……つまり神裂火織は排他的で、しかし被害を出すことに躊躇している。その『甘さ』によって助かった身としては、正直ありがたかったが。

 

 当麻も、こっちはそんなに酷くはなかった、と前置きしてステイル=マグヌスとの邂逅で腑に落ちなかった点を上げた。

 

「あの似非神父も『知り合いの忘れ物を取りに来ただけだ』と言っていた。『忘れ物』とやら以外に手をつけた様子もなかったな」

 

 敵でも獲物でもなく、『知り合い』。もう友人とは呼べないから知人と呼んでいるような物言いだったそうだ。少しくらいは聞き出しておいたほうが良かったかもな、と当麻は自嘲気味に口の端を吊り上げた。

 

 当麻の言っていた通り、私たちの部屋の玄関だけが焼かれていたが、部屋の中を荒らされてもなければ、金銭的なものに触れられた形跡もなかった。本当に『忘れ物(ベール)』を取りに来ただけだったのだろう。

 

 

「今分かるのはこれくらいかしら?」

「情報不足。上辺しか分からない」

「あとは奴らに聞くしかないだろ。――お前もそれでいいな」

 

 

 確認するような当麻の言葉に、私もメリアもインデックスを見る。三人の視線を浴びて、インデックスは素直に喜びきれないような、でも嬉しいような、そんな中途半端な表情をする。少々卑屈な顔だ。

 

 

「うん、でも 『必要悪の教会』を敵に回すことになるんだよ? さっきは助かったけど、今度こそ本当に死んじゃうかも。……それでも、いいの?」

「くどい」

「遅い」

「しつこい」

「いひゃぃ……!?」

 

 

 呆れた私はインデックスの左頬を抓る。ちなみに返答は私、当麻、メリアの順だ。

 本当に呆れた。私たちの身を案じてくれているのは嬉しいのだが、この期に及んでそんな心配をしても意味はない。巻き込まれたのは確かで、流されるままにインデックスを連れて歩いたのも確かだ。でも、ここでインデックスを放り捨てるくらいなら、神裂火織に襲われた時点でインデックスを切り捨てている。

 

 それに、

 

「神裂火織にあんな啖呵切っておいて、私が逃げると思う?」

「う……」

「最後まで付き合う気が無いなら、そもそも助けたりしない」

「ぐ……」

「散々巻き込んでおいて今更そんな戯言抜かすな。お前を助ける気が無いのなら、あの場所に捨て置いている」

「むぅ~~……」

 

 理由はどうあれ、私たち三人に退くつもりなんてない。私は『友達』を助けたいから。メリアは「魔術側の問題なら魔術師(わたし)も力を貸す」と言っていた。当麻だけは理由がよくわからないが、一度決めたことを変えるような性格をしていないから、多分このまま最後まで付き合うつもりなんだろう。

 それに正直、神裂火織とステイル=マグヌスとは本当に敵になるとは思っていなかった。当麻もメリアもそうなのだと言う。二人について考え、考察してくだけ二人が敵だと思えなくなってきているようだった。

 

 畳み掛けるように三人でインデックスに念押しすれば、

 

 

「わかった、わかったんだよ。もう私は何も言わないんだよ」

 

 疲れたけど安心したような表情でインデックスは笑った。どうやら私たちの意志はちゃんと伝わったらしい。うむ、そうやって素直に助けられてればいいのだ。

 

「それにしても三人とも息ぴったりなんだよ。本当に今日初めて会ったの?」

 

 初めて出会った、というのは私たち兄妹とメリアのことだろう。確かにそれは私も気になっていた。真っ先にメリアが肯定する。後に私と当麻が続く。

 

「うん。そのはず」

「そのはず、なんだけど……」

「妙に自然というか、なんだろうな」

 

 小さい頃から施設で暮らしていて、木山先生や研究員の人を除けば常に私たち――私、当麻、深嗣の三人だけの世界だった。よく覚えていないがそのはずだ。だから私たちは内向的で、神裂火織ほど酷くはないが排他的でもある。踏み込まず、踏み込ませない。三人の中である程度の差異はあるものの、一定のラインを引いて、それ以上は人に近づかない。近づけない。

 

 だからこそ不思議だった。メリアが私たちを助けてくれた時、何故私がメリアから逃げなかったのか。メリアはあの時は神裂火織の相手で手一杯だったのだし、逃げる隙はいくらでもあったはずだ。……それでも私は逃げなかった。メリアの言葉を無視することだって出来たはずなのに、だ。そんな理由の分からない信頼は、吊り橋効果によるものなのだろうか――?

 

「……心当たりは無いんだがな」

「私も無いよ」

 

 当麻が訳が分からないと言わんばかりに左手で頭を抱えた。メリアも首を傾げている。当然、私にもよくわからない。しかも考えすぎたせいか妙に頭痛くなってきた。なんなの、これ。

 そんな状況に嫌気が差したらしい当麻が、今はそんなことどうでもいい、と話を切り上げるように言った。

 

「まずは『あの二人』にもう一度会って――」

 

 

 

 

 

 

「ただいま帰りましたー」

 

 

 

 

 

 これからの指針を決めようした当麻の言葉は、丁度帰って来た小萌さんに遮られた。

 流石に小萌さんの前では話せない。全員それが分かっているようで、確認するように全員で首を縦に振った。

 

「よい、しょっ、と」

 

 そんな私たちに気付かずに、小萌さんは両手に持った二つの大きなビニール袋をキッチン横の床に置いた。どさ、と音を立てたあたり、中に焼肉用の材料が山ほど詰まっているのだろう。見たところ、一袋につき大きな焼肉セットが15パックほど。五、六歳くらいの女の子にしか見えない体躯の小萌さんからすれば重労働ではないだろうか。

 当麻が真っ先に軽く頭を下げた。

 

「すいません、手伝えなくて」

「いいのです。こうやって生徒の面倒を見るのが私の大好物なのです」

 

 それとお金は必要ありませんからね、と当麻に念を押した。

 小萌さんは少し疲れているように見えるが、それでも嫌な顔一つせず、どころか嬉しそうに「えっへん」と胸を張った。大変失礼ながら背伸びした幼女にしか見えない。これで実際に教師をしてると言うのだから驚きだ。

 小萌さんがコンロ下の棚からカセットコンロと焼肉用のプレートを取り出して、換気扇をまわして準備は万端。当麻とインデックスの間に座った小萌さんが、プレート上に山のように肉を広げて焼肉パーティが始まった。

 

「俺が焼きますよ」

 

 大量の肉を捌きはじめた小萌さんに、菜箸貸してください、と当麻が差し出した手には代わりに取り皿が乗せられた。

 

「ダメです。上条ちゃんは男の子なんですから、そんなこと気にせずに沢山食べなきゃいけないのです。なので焼肉奉行は先生が担当します」

 

 生徒は先生の言うことを聞くものです、と言いながら取り皿に焼き終わった肉を端から入れていく。小萌さんの言葉通り、当麻の持つ取り皿には山のように焼肉が積み上がっていた。見た目、脂ぎった、ただの山である。

 

「こんなもんでいいですか?」

「ええ、まぁ。……どうも」

 

 満面の笑顔の小萌さんに当麻は微妙にそっぽを向いた。左手で頬をかきながら肉を摘んでいく。小萌さんを前にすると何となく当麻が子供っぽくなる。妙に甲斐甲斐しい。相変わらず『善い人』は苦手のようだ。

 

「インデックスちゃんも沢山食べるのですよ」

「ありがとうなんだよこもえ!」

「はい、メリアちゃんも」

「うん」

 

 インデックスとメリアにも当麻と同じ分だけ肉を渡された。二人はそれを当たり前のように受け取って、当たり前のようにタレをかけて食べ始める。……嘘でしょ?

 

 

 

 ……どうしよう、次は私の番だ。

 

 

 

 

「お待たせしました柚姫ちゃん。一杯食べてくださいね」

「……ありがとうございます」

 

 そして差し出されるは肉の山。……女子中学生相手にちょっと量多すぎやしませんか。小萌さんを見れば、にこにこ笑っている。笑顔が眩しい。善意が痛い。小萌さんを気遣う当麻の気持ちが何となく分かった。これはダメだ。勝てるわけが無い。

 

 

 ……取り合えずご飯はありませんか。

 

 

 

 

「はい、もちろんです!」

 

 

 

 

 渡された山盛りご飯に、私の手からぽとりと箸が零れ落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

………………。

…………。

……。

 

 

 

 

 

 

 

「いやー、まさか全部食べてくれるとは思いませんでしたー」

「ご馳走様でした、小萌さん」

「おいしかったんだよ」

「ごちそうさま」

 

 食事も終わり、私たちは腹ごなしも兼ねながら外を歩いていた。小萌さんの部屋には風呂が無いのだ。だから彼女がいつも使っているという銭湯に案内してもらっていた。

 大量にあった焼肉の九割ほどを平らげてインデックスはご満悦だ。世話好きな小萌さんも、会った時よりも幾分かつやつやしてる感じだ。私はといえば、最初に渡されたお肉さえ食べきれずに残りをインデックスに食べてもらった。メリアも少しだけ手をつけて、残りをインデックスに任せていた。最初から他力本願だったらしい。それを見た小萌さんの小言を、メリアは風のように受け流していた。当麻は渡されるままに食べていたが、普段からあまり食べてないせいか(それでも男子の平均程度の量は食べていたが)途中で脱落していた。

 

 

 

 

 外に出てから十分ほど。胃のもたれも無くなってきたあたりで、ふと、一人足りないことに気付いた。

 

「あれ? 上条ちゃんはどこに行ったのでしょう?」

「姿が見えないんだよ」

 

 一緒に銭湯に向かっていたはずなのに、当麻がいなくなっていたのだ。小萌さんとインデックスもそのことに気付いた。

 答えたのはメリアだった。

 

「用事が出来たから先に行っててほしい、って言ってた」

「用事?」

 

 

 聞けば、うん、とだけメリアは頷く。詳しく言うつもりはないようだった。いや、小萌さんの前で言いたくないのだろう。……それはつまり、『あの二人』に関係した話だということで。

 

 

 

 

「お兄ちゃん、大丈夫かな……」

 

 

 

 呟いた私にメリアは、わからない、と首を横に振るだけだった。

 

 

 

 

 




■今回没になった部分(食事後皿洗い中の1コマ)※大分テキトーになってます




 食事もギリギリ食べ終えた私たちは(ほとんどインデックスの力によって完食できたも同然だったが)、私と小萌さんを除いて今現在銭湯に向かうために準備をしていた。
 私と小萌さんは食器を洗っている最中だ。


「いやー、まさか全部食べてくれるとは思いませんでしたー」
「ええ、はい。ごちそうさまでした」


(本編とほとんど同じ説明なので割愛)


「小萌さんって、お兄ちゃんのこと良く知ってるんですね」
「はい、これでも上条ちゃんのクラスの担任です。ですから柚姫ちゃんも、先生のことはちゃんと『先生』と――」



「コモエ、準備できた」
「あとはこもえとゆずきだけなんだよ」
「食器洗いなら俺が代わりますよ、月詠教諭」
「あ、あはは……。じゃあ後はお兄ちゃんに任せて私たちも準備をしましょう、小萌さん」




「な、なんで誰も先生って呼んでくれないんですか――!?」





……オチなど無いっ!(後の話との繋ぎもなかったので没になりました)


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