砂漠に咲くは、鉄の華   作:山崎五郎

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戦闘、開始

 

『ノノミ! 横薙ぎに掃射!

 ただし相手に直接当てず足元狙いで!』

 

『了解しました!』

 

 

不良集団…カタカタヘルメット団とアビドス&先生との戦闘が始まった。 ノノミの愛銃であるミニガン(リトルマガジンV)から矢継ぎ早に放たれる弾丸が地面を穿ち、土埃を巻き上げる。

 

ヘルメット団とアビドス面々の間に煙幕の如く広がったそれは、両者の視界を奪う。 しかし屋上から見下ろすユミカの瞳は、両者の姿をハッキリと視認できている。

 

 

『ユミカ、狙撃を! 当たらなくてもいいから敵を動揺させて!』

 

「……成る程な、了解した!」

 

 

スナイパーライフルをヘルメット団の側に向け、発砲。

直ぐ様スライドを引き空薬莢を排出、再び発砲。

 

が、本人の言の通りに放たれる弾丸は決定打となる一撃にはならず、八割が命中することはなく周囲の地面やバリケードに着弾。

数少なく命中したものも足や腕をかすめる程度に収まってしまった。

 

 

『クソッ、さっきからうっとおしい…!』

 

『おい、下手に動くな! 狙われるぞ!』

 

「ああ、そうだな。

 ま、狙うのは俺じゃない(・・・・・・・・・)けどよ」

 

 

ニヤリ、と下を見下ろしながらユミカは笑う。

ヘルメット団はこちらが放った弾丸と、その主である狙撃手探しに夢中で土煙が晴れてきている(・・・・・・・・・・)ことに気付けていない。 フルフェイスヘルメットで視界が隠れてしまっていることがそれに拍車をかけていた。

 

つまり、真正面にいる敵からすればいいマトでしかないわけで。

 

 

『セリカ!シロコ! 攻撃!』

 

『『了解!!』』

 

『いてててて!?』

『お前ら顔を出すな!遮蔽物に隠れぎゃっ!?』

 

 

シロコとセリカのアサルトライフルから放たれた弾丸たちが見事命中。 堪らずその場に合った遮蔽物に身を隠そうとするも、そこそこの人数であるヘルメット団は全員が隠れられるわけもなく。

 

 

『ちょっ、もうちょっと詰めて…!』

 

『これ以上は無理だって!

 つーか早いとこやり返して…!』

 

『痛いっ! 尻、お尻撃たれたぁ!』

 

 

この通り、ところどころ飛び出た頭やら足やら何やらを狙われるだけ。 そして、遮蔽物で身を隠しても上方から狙いをつけているユミカのスナイパーライフルによる攻撃や、投擲される手榴弾などを防げるわけではない。

 

気づけば、この戦闘における攻守の立ち位置は逆転していた。

 

が、流石にヘルメット団もただただ一方的にやられているわけではない。 弾丸を受けることも厭わず身を乗り出して撃つものや、手榴弾を投げ返すものもいる。

 

 

「っ、と…! とうとうこっちも見つかったか」

 

『アイツだ! さっきから撃ってきてたやつ!』

 

『狙え狙え! 

 撃ち落としてやれー!!』

 

 

ユミカの存在を確認したであろうヘルメット団が、先ほどまで狙い撃ちしてきた借りを返さんと弾丸を放つ。

 

流石に屋上までは距離がありユミカ本人には命中しないが、それでも近くを掠める程度の狙いはつけられる。

思わずユミカもスナイパーライフルを引っ込め姿を隠した。

 

 

「おーおー、怖ぇ。

 さっきちょこちょこ狙われたのがそんなに気に障ったか?

 

 だが、俺ばっかり狙ってて良いのかね…? 先生!」

 

『分かってるよ! ホシノ、盾を構えて突撃、シロコとセリカもその後ろに身を隠しながら前進!』

 

『了解! んじゃ行こうか、二人とも!』

 

『うん!』『ん』

 

 

『へっ…うがっ!?』

 

『ぐえっ!?』

 

 

ユミカに気を取られていたせいでホシノ達の接近に気づけなかった不良に、ホシノがほぼゼロ距離で蹴りとショットガン(Eye of Horus)の銃撃を叩き込む。

 

強烈な連撃を受けた不良生徒は瞬く間に意識を刈り取られ、一人また一人と倒されていく。

しかし敵集団の中央でそんな大立ち回りをすれば即座に狙われるだけだ。 が…

 

 

『ん、やらせない』

 

『よそ見してんじゃないわよ!!』

 

 

後に付いてきていたシロコとセリカがそれをさせない。

ヘルメット団側の前線は、少しずつ押し戻されていく。

 

 

『皆! 後は敵指揮官だけだよ!』

 

『ひっ!?

 ちっ…近づくんじゃねぇ!!』

 

 

追い込まれたリーダー格の少女がサブマシンガンを乱射する。

しかし恐怖に怯えた手で握っていては狙いなど定まらず、その上迫ってきているのはアビドス一の俊敏たるシロコ。

 

更に…上方からの銃撃が、不良の手を止める。

 

 

『いてっ!? し、しまった、スナイパーが…!』

 

 

『シロコ!これでトドメ「やっちまえ!シロぉ!!」わっ!?』

 

『ん、了解』

 

『ひっ…う、うわああああああぎゃっ!?』

 

 

がら空きになった肉体にアサルトライフルの銃弾が突き刺さる。

更に蹴りで地面に倒し、立て続けに銃撃を叩き込む。

 

先ほどまで指示をしていた先生も、勢いよく命令したユミカも、その他のアビドスの面々も流石にこれには引かざるを得なかった。

 

 

『さっさと帰って』

 

『いぎゃっ、わ、分かった!

 分かった帰るからやめて!!』

 

『シロコちゃ~ん。

 これじゃどっちが悪者か分かんないよ〜…』

 

 

『ううっ…チクショウ、覚えてろよー!』

 

「…絵に描いたような三下台詞だな。

 まあ…ひとまずは良しとするか」

 

 

こうして、アビドス面々&先生による初陣は、見事な勝利で幕を閉じることとなった。

ちなみにこの後、ランニングから戻ってきたマナコとイルナに『何があった』と問い詰められることとなるのは、また別の話である。

 

 

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