Z-ONE先生のブルーアーカイブ5D's   作:福留しゅん

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シロコ、超弩級砲塔列車を粉砕する

 ◆三人称視点◆

 

「ど、どうなってるのよ!?」

「そんな、オフィシャルカード版のラーにこんな効果なんて……」

「ハイランダーがラーを制御下に……?」

「まさか、ニセホシノ先輩が使ってた……」

"「壊獣」や《ラヴァ・ゴーレム》以上の除去能力……!"

 

 まさかの事態に驚きを隠せないアビドス一同。声を上げるセリカ、信じられないアヤネ、愕然とするノノミ、心当たりのあるシロコ。3体の相手モンスターをリリースできる能力を驚く"先生"。

 

「それ、オフィシャルカード版の《ラーの翼神竜》と同じようにラーの能力を一部切り取った調整版?」

 

 一番早くその正体を見抜いたのはホシノだった。

 その口調はいつになく低く、重く、威圧感が伴っている。

 

 それもそうだ。《ラーの翼神竜》は神の怒りを買わない程度に弱体化してオフィシャルカード化してキヴォトスで出回っているが、その他のサポートカードがあるなどホシノは聞いていない。許可した覚えもない。

 

「そうだよ。その名も《ラーの翼神竜-球体形》!」

「ハイランダーだととっくに一般流通してるー」

「ま、本物と比べて八つ裂きになっちゃってるヲーの介護カードだね。相手の超強力カードもまとめてボッシュート!」

 

 なぜハイランダーがラー関連カードを所有しているか。それをホシノたちは知る由もない。無論使用者たるノゾミたちハイランダー側だって把握していない。シェマタの研究の成果、雷帝の作品などとは、ちっとも。

 

 しかしシロコとホシノだけは思い出す。頭上のラーは《ラーの翼神竜-不死鳥》同様ニセホシノが所有していたラーのサポートカードだと。だとしたら、ニセホシノを作ったクロコはこの件でこれらを入手したのではないか?

 

 しかし、普通なら真のラーの担い手であるホシノに使うのは悪手でしかない。《球体形》をリリースして通常のラーの特殊召喚が可能だし、そもそもホシノならヒエラティック・テキストを読んでラーを変形出来る。

 

 ハイランダーがこのカードを使うのは、厄介なモンスター除去のためだけではない。

 

「速攻魔法《緊急ダイヤ》をはっつどー!」

「《弾丸特急バレット・ライナー》を緊急発車するー」

「また別のレベル10の列車モンスター……!」

「別の列車モンスターを特殊召喚して「超弩級砲塔列車」をエクシーズ召喚するつもりでしょうか……?」

 

 再び別の列車モンスターが2列で爆走する列車と並走する。

 しかしノゾミもヒカリも後続を呼び出そうとせず、代わりに黄金の球体のままでいるラーを指さした。

 

「いっつ、しょーたーいむ」

「私はレベル10《弾丸特急バレット・ライナー》とそっちのフィールドにいるレベル10《ラーの翼神竜-球体形》でオーバーレイ!」

「はあっ!? こっちのラーと!?」

「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築ー。エクシーズしょうかーん」

 

 ラーと《バレット・ライナー》が異世界へ続く混沌の渦へと飲み込まれていき、爆発。召喚されたのは《グスタフ・マックス》に匹敵する巨体な列車砲。しかし、その列車砲の目を引いたのはそんな大きさではなかった。

 

「ランク10、《超弩級砲塔列車シェマタ》! 砂漠の上も雪の上も山の中も爆走して、定刻通りにただいま到着ー!」

 

 そのモンスターの側面にはゲヘナ、そしてアビドスの校章が描かれていた。

 

 《超弩級砲塔列車シェマタ》。それはハイランダーの一般生徒を含めてこの場にいるほとんどが見るのは初めてだった。アロナがデータベースに検索をかけてもヒットしないのは、ハイランダーオリジナルのモンスターだからだ。

 

 何故ハイランダーの超弩級砲塔列車モンスターにアビドスの校章が? それにゲヘナの校章も描かれているのは? シェマタの名には聞き覚えがあるが、どうして目の前の列車砲にその名が付いている?

 

 しかしクロコの召喚した「エーテリック」モンスターエクシーズと対峙したアビドスの生徒たちは、この《シェマタ》から神やそれに類似する超越モンスターから感じられる圧倒的プレッシャーを感じ取れなかった。

 

「パヒャヒャッ! 《シェマタ》は相手フィールドにいるレベル10「ラーの翼神竜」モンスターをエクシーズ素材にしてエクシーズ召喚出来るんだ」

「《シェマタ》は神の力を持つつよつよモンスター。すごいぞかっこいいぞー」

 

 考えるのは後だ、とホシノたちは切り替えた。効果が何であれ通常のオフィシャルカードの範疇に収まっていると推察。シロコやセリカたちは応戦するべく身構える。ノノミたちが新たなモンスターを召喚しようとした矢先、ホシノがいち早く飛び出した。

 

 そんなホシノに向けて《シェマタ》の砲口が向けられる。ホシノが疾走してヒカリたちのもとまでたどり着くよりも早い。更にヒカリたちは機関砲の弾丸をホシノにお見舞いするため、ホシノは盾を《シェマタ》に向けられない。

 

「《シェマタ》の攻撃力はエクシーズ召喚時のエクシーズ素材の攻撃力の合計の半分になるんだよ」

「だから4,000+3,000÷2で攻撃力は3,500ー」

「《超弩級砲塔列車シェマタ》でダイレクトアタック!」

「ゴッド・ブレイズ・キャノンー」

 

 《シェマタ》が火を吹いた。それはまさに不死鳥が放つ火炎弾のように超圧縮されたプラズマ光弾。ホシノは負傷を覚悟で盾をそちらへと向けて防御の構え。衝撃に備える。そんなホシノの脇めがけてヒカリたちは容赦なく弾丸を浴びせる。

 

「ホシノ先輩!」

"私は《希望皇ホープ》の効果を発動! オーバーレイユニットを1つ取り除き、攻撃を無効化する! ムーンバリア!"

「ん、罠カード《カウンター・ゲート》を発動する。ダイレクトアタックを無効にして1枚ドローする」

 

 そんな《シェマタ》の光弾を弾いたのは"先生"のホープ。ホープの翼が展開されてシールドのようになり、ホシノの前に立って《シェマタ》の攻撃を防いだ。更にシロコの罠カードにより出現した盾のような扉がヒカリたちの銃弾を阻む。

 

「だったら見せてあげるよ。もっと面白いものをさ!」

「ヒカリは《超弩級砲塔列車シェマタ》の効果発動ー。オーバーレイユニットを1つ取り除いて《希望皇ホープ》を破壊するー」

 

 しかし、間髪入れずに《シェマタ》の砲口がホシノをかばったホープへと向けられた。そんなホープを守るように光の壁が形成される。ヒカリが視線を移すと"先生"が伏せカードをオープンしたようだ。

 

"永続罠《ナンバーズ・ウォール》を発動してるから、《ホープ》は効果破壊されないよ"

「パヒャヒャッ、ところがどっこい!」

「《シェマタ》の破壊は「ラーの翼神竜」モンスターをオーバーレイユニットにしてる場合、破壊耐性と効果を受けない効果を貫通するー」

"何!?"

「ゴッド・フェニックス・キャノン!」

 

 再び《シェマタ》が火を吹いた。しかし発射されたの光弾ではなく、まるで火の鳥と化した不死鳥が羽ばたくようだった。そんな不死鳥は《ホープ》を抱き込み、炎の渦と化した。《ホープ》は悲鳴を上げながら破壊されてしまう。

 

 オーバーレイユニットを攻撃力にする能力。モンスターを問答無用で破壊する能力。これではまるでホシノが召喚する正真正銘の神である《ラーの翼神竜》そのままではないか。アビドス一行はそう思わざるを得なかった。

 

「きょうじん、むてき、さいきょー」

「さあて、じゃあ《ジャガーノート・リーベ》にランクアップしてトドメを……」

「させないよ、そんなこと」

 

 《シェマタ》がホープを処理している隙にホシノはヒカリとノゾミに急速接近。ノックダウンさせるべく自分の銃をヒカリに突きつける……直前、ノゾミが機関砲に付いた列車の運転レバーを一気に押し込んだ。

 

 途端、ヒカリたちの乗った装甲列車に急ブレーキがかかる。更にカーブに差し掛かっているのもあって装甲列車は脱線、向かい側のシロコや"先生"たちの乗る列車が走行するレールに乗り上げた。

 

"ふ、複線ドリフトぉ!? まさか実際にやるなんて……!"

 

 行く手を阻まれる形になったシロコたちの列車がヒカリたちの列車に衝突する。

 その衝撃でホシノはバランスを崩したものの、逆に列車を蹴ってホシノたちの元へと軽やかに戻る。

 

「ヒカリは《シェマタ》の効果はつどー」

「オーバーレイユニットを1つ取り除いて、私たちのライフを100にして、減らした分の値を《シェマタ》の攻撃力に加える!」

「太陽神ごういつー」

「ラーの合体能力まで……!?」

"あ、実際に合体はしないんだね"

 

 "先生"のちょっとがっかりしたような発現が頭にきたのか、ヒカリとノゾミがまるで汽車が汽笛を鳴らしたように怒り出す。

 

「だって《シェマタ》に合体機能が無いんだもん!」

「アップデートをよーきゅーするー」

"やっぱりモンスターとの合体はロマンだよね"

「"先生"も変なこと言ってないで攻撃力10,000以上になったあの列車砲をどうにかしてよ!」

 

 再びシェマタの砲口がホシノたちに向けられた。そしてエネルギーが充填され始める。先程の比ではない膨大なエネルギーは"先生"たちにも肌で伝わってくる。

 そんな中、シロコは平然と自分のデュエルディスクにカードを置いた。

 

「ん、問題ない。《希望皇ホープ》の破壊をトリガーに《ブルーアイズ・ジェット・ドラゴン》を特殊召喚する。《ブルーアイズ・ジェット・ドラゴン》で《シェマタ》を攻撃する。フルアヘッド・バースト!」

 

 《青眼の白龍》を模したジェット機が口から吐いた光を全身にまとい、《シェマタ》へと突撃を開始。そんなジェット機に向けてシェマタの狙いが定まり、プラズマ光弾が発射された。

 

「パヒャヒャッ! 攻撃力たった3,000でつよつよになったシェマタに攻撃ー? 返り討ちだよ! ゴッド・ブレイズ・キャノン!」

「ん、それはどうかな?」

「なにー?」

「ダメージステップ開始時に《シェマタ》を対象に効果を発動、シェマタをバウンズする。フルアヘッド・ノヴァ!」

 

 ところがプラズマ光弾はジェット・ドラゴンに命中せず、ジェット・ドラゴンのまるで残像のように機体がブレたかと思うとすり抜けてしまった。逆にシェマタはジェット・ドラゴンの突撃を受けて大砲から真っ二つになり、盛大に爆破炎上した。

 

「え、ちょっとヤバい感じ?」

「そんしょうおおきめー?」

「お仕置きの時間ですよ~☆」

 

 立て直そうと後続の「列車」モンスターを召喚しようとしたヒカリたちだったが、その前にノノミのマシンガンフルバーストが炸裂。ヒカリたちが乗る装甲列車は中破し、ヒカリたち本人もグロッキー状態に。

 

 複線ドリフトのせいもあって両方の列車は停車し、ヒカリたちはアビドス一行に列車から引きずり降ろされたのだった。




《超弩級砲塔列車シェマタ》
エクシーズ・効果モンスター
ランク10/地属性/機械族/攻 ?/守 ?
レベル10モンスター×2
このカードをX召喚する場合、相手フィールドの「ラーの翼神竜」モンスター1体もX素材にできる。
(1):このカードがX召喚に成功した時、このカードの攻撃力・守備力はX素材モンスターの攻撃力の合計の半分アップする。
(2):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
100LPになるようにLPを払い、このカードの攻撃力・守備力は払った数値分アップする。
(3):このカードが「ラーの翼神竜」モンスターをX素材としている場合、以下の効果を得る。
・1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて、フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの効果を無効にし、破壊する。


《CX-超弩級砲塔列車ファラオ・シェマタ》
エクシーズ・効果モンスター
ランク11/地属性/機械族/攻 ?/守 ?
レベル11モンスター×3
このカード名の(3)(4)(5)(6)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがX召喚に成功した時、このカードの攻撃力・守備力はX素材モンスターの攻撃力の合計アップする。
(2):このカードが「ラーの翼神竜」モンスターをX素材としている場合、このカードは神属性モンスター以外のカードの効果を受けない。
(3):このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
100LPになるようにLPを払い、このカードの攻撃力は払った数値分アップする。
(4):自分フィールドのレベル10モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターをこのカードの下に重ねてX素材とする。
(5):手札の「融合解除」を墓地に送って発動できる。
このカードの攻撃力の分自分はLPを回復し、このカードの攻撃力を0にする。
(6):このカードのX素材を1つ取り除いて、フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの効果を無効にし、破壊する。
※なお、このカオスモンスターエクシーズは設計止まりでカード化出来ていない。ラーの神秘の解析不足のため。

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