Vol.2 時計じかけの花のパヴァーヌ編 OP 遊戯王5D's OP3より FREEDOM
(イントロ)
ポーズを決めるモモイ、ミドリ、ユズ
(タイトル画面)
ミレニアム自治区全体
(キズツキー)
D.U.の町中に立つ不動遊星の姿をしたZ-ONE
(タチアガルー)
ミレニアムタワーをバックにするアリス
(フリムカズー)
ハイウェイをDホイールで走るモモイとミドリ
(カコモー)
ミレニアムの校舎をバックにするヴェリタスとエンジニア部
(オソーレールー)
《TGブレード・ガンナー》を背にするシルエット状態のリオ
《天帝龍樹ユグドラゴ》を背にするシルエット状態のヒマリ
(ナンドデモーイウヨー)
広い空間で一人きりのアリス
(キミハーヒトリジャナイー)
アリスに手を差し伸べるモモイ。その後ろにミドリとユズ
モモイの手を取るアリス
(ムネニーヒメーター)
アニメ通り展開されるデュエルレーン
(ムゲンノミライヘト)
Dホイールで走るアリス、モモイとミドリ、ユズ
(ウゴキハジメタ)
C&C4人がポーズを決める。最後はシルエット状態のトキが攻撃。
(マバユイーヒカリノー)
シルエット状態の《シューティング・スター・ドラゴン》と《クリスタルクリアウィング・シンクロ・ドラゴン》が大空を飛ぶ
(アウトロ)
Dホイールで疾走して光になるゲーム開発部
後ろには《スターダスト・ドラゴン》、《パワー・ツール・ドラゴン》、《レアル・ジェネクス・ヴィンディカイト》。
背景の空には《No.9天蓋星ダイソン・スフィア》
(アウトロ)
赤い瞳をしたアリス(?)がシルエット状態の《機皇帝ワイゼル》、《機皇帝スキエル》、《機皇帝グランエル》を召喚
(アウトロ)
ミレニアム生徒一同
◇◇◇
シャーレは現在"先生"と私が職員として在籍し、一人一人ずつ生徒が当番として手伝いに来てくれることで回っています。決まりはありませんが基本的に"先生"と私が同時に不在にすることはありません。どれもこれも出張先では処理しきれないほど膨大な事務仕事があるせいですがね。
普段は"先生"が生徒の悩みや相談に乗るために出張に行くのですが、今回は私が行くことになりました。どうやら連邦生徒会に提出した書類に不備があったらしく、リンに直ちに修正するよう要求されたためです。
出張先はユウカが通うミレニアムサイエンススクール。そこのゲーム開発部からの要請を受けてになります。
シンクロ召喚やライディングデュエルを発明した最もネオ童実野シティに雰囲気が近い都市。先生としてより前に科学者として、そして一人のDホイーラーとして興味がありました。正直に言いますと今回の出張は楽しみにしていましたよ。
ゲーム開発部はどうも部員数不足や実績不足で廃部の危機に立たされており、起死回生の一手として次の「ミレニアムプライス」で新作のゲームを提出するつもりなのだとか。
「で、それがどう『廃墟』に結び付くのです?」
「そこにG.Bibleがあるからだよ!」
どうやら連邦生徒会によって立ち入りが制限されている廃墟と呼ばれる区域にG.Bibleなるデータがあるのだそうです。伝説のゲームクリエイターがミレニアム在籍中に作った「最高のゲームを作れる秘密の方法」が入っているのだとか。
「伝説って?」
「うん! それってハネクリボー? ……じゃなくって」
とにかく、そのG.Bibleからゲーム制作のノウハウを会得出来れば廃部の危機を救う最高のゲームが作れるはず。よって廃墟に行ってそれを探し出そう、とモモイが発案したのがこれまで経緯です。
「幾つか質問がありますが、いいですか?」
「うん。何でも聞いてよ」
「モモイ達はこれまでも創作活動を行ってきたようですが、今更G.Bibleが必要なのですか?」
「インスピレーションって山あり谷ありでさ。次から次へとアイディアが湧く日もあったら何も思いつかない日もあるじゃん」
「ええ、そうですね」
私とてかつては研究者の端くれでしたので、充分に承知しています。
スランプに陥った際の選択肢は3つ。それでも悩みに悩んで何とかアイディアをひねり出すか、一旦気分転換して頭をスッキリさせて明日の自分に期待するか、または……過去の成功事例を調査して参考にするか。
「別にG.Bibleを丸パクリするつもりは無いよ。そう、伝説のゲームクリエイターのエッセイを読みたいのと同じなの!」
「成程。往年の傑作ゲームや名作ゲーム、今の流行は既に研究済み、という理解でいいですね? 全てをやり尽くしてもなおアイディアが枯渇しているから危ない橋を渡らざるを得まい、と?」
「ううっ……! う、作りたい作品と売れる作品にずれが出ちゃうのは稀によくあるから……」
「ミレニアムプライスで評価される作品を作るのが目的では?」
叩けばホコリが出るようなもので、追求すればするほどモモイはしどろもどろになっていきます。この様子だとG.Bibleにすがらずともまだ対策は講じられる気もしますが、『G.Bibleを次回作制作の参考にする』もモモイがひらめいたアイディアには違いありませんか。
「分かりました。同行しましょう」
「本当!? 良かったぁ、駄目って言ってくるとも考えてたんだ」
「危険だと判断されたら直ちに引き返す。それを守るのなら、ですがね」
「もちろん!」
と、言ったわけで私はゲーム開発部のモモイとミドリと共にミレニアムの廃墟へと足を運ぶこととなったのです。
◇◇◇
ところがその廃墟、人がいないどころか無人ロボット兵器が徘徊しているではありませんか。何とか見つからないように隠れながら進みましたが、三人共隠密行動の達人でもないですし、あっけなく見つかってしまいました。
「Z-ONE先生って"先生"みたいに指揮出来るの?」
「まずは自由に戦いなさい。タンク役がいませんから私がモンスターを召喚して代役にします」
「うん、お願いね」
「では……集いし希望が新たな地平へいざなう。光さす道となれ。駆け抜けろ、《ロード・ウォリアー》!」
私がシンクロ召喚した《ロード・ウォリアー》が先陣を切って無人ロボット兵器へ突撃、モモイとミドリが続きます。二人は《ロード・ウォリアー》のサポートもさることながら息のあったコンビネーションは目を見張るものがありました。
「きりがありませんね……」
「それじゃあ私もモンスターを召喚するね!」
しかしロボット兵器は無尽蔵とも思えるほどに次から次へと湧いてきて襲いかかってきます。私はロボットの群れを突破すべく、2体目のシンクロモンスターを召喚しようとしましたが、その前にモモイが小型デュエルディスク、通称D・パッドを展開します。
「《D・モバホン》を召喚して効果発動! サイコロを振ってー、出た目は……3! 3枚デッキからドロー! 《D・スコープン》を特殊召喚して効果発動! 手札の《D・ラジオン》を特殊召喚するよ」
そして次々とディフォーマーモンスターをフィールドに並べていきます。《ディフォーマー》、不動遊星と共にシグナーだった龍亞の使っていたテーマですか。彼のデッキよりも爆発力は増しているようですね。
「レベル4の《D・ラジオン》にレベル3の《D・スコープン》をチューニング! 鋼の逆鱗に触れたい人はご自由に! シンクロ召喚!」
そこでモモイが召喚したのは黄金色の機械竜でした。左右両方の手に装備した電気工具、鋼の翼。なんとモモイが召喚したのはシグナー竜である《パワー・ツール・ドラゴン》……ではない? 《レッド・デーモン》と同じく亜種のようですね。
「いっけぇ《機械竜パワー・ツール》で攻撃だ! フルメタル・デモリション!」
《パワー・ツール》の加勢により前方の敵を蹴散らした私達はロボット兵器共の波を突破し、私達は視界に入った工場内に逃げ込みました。狭い入口の前なら楽に迎え撃てると踏んだのですが……、
「あれ、あのロボットたち、急に追ってこなくなった……?」
ロボット達は工場内に入ってくる様子がありません。立入禁止区域に設定されているのは間違いなさそうですが、理由は判断材料が少なすぎて考えつきません。とにかく危機は去ったとだけ解釈して良いでしょう。
「接近を確認」
工場内を探索していたら、突如として声が聞こえてきました。声の主はどうやらスピーカのようです。侵入した我々をセンサーで検知したのでしょう。
「対象の身元を確認します。才羽モモイ、資格がありません。才羽ミドリ、資格がありません」
「え、え!? 何で私のこと知ってるの?」
「私のことも……一体どういう……?」
モモイやミドリの疑問自体は不思議ではありません。ミレニアムまたは連邦生徒会のデータベースと繋がっていて判別したのでしょう。どうしてこんな廃墟の工場がアクセスできるのか、という新たな疑問が生じますがね。
生体認証が解錠の条件となればハッキングして突破しましょうか。そもそもモモイが目的とするG.Bibleがここにあるとも限りませんし。G.Bibleの詳細な在処が分からない以上はいかにも怪しいここを探索するのは悪い手ではないのですが……。
「対象の身元を確認します。■■ユウセイ……おはようございます」
「!?」
今、私は何と呼ばれた?
■■ユウセイ、それは私がZ-ONE……いえ、不動遊星となる前の名前。
あの破滅が舞い降りると知らなかった頃、一介の科学者としての……。
何故、キヴォトスで私がその名で呼ばれた……?
「えっ。Z-ONE先生ってユウセイって名前なの?」
「モーメントのエネルギー源の遊星粒子と同じ?」
「ええ。それが名付けの由来だそうです」
正確には遊星粒子から名付けられた不動遊星にあやかったのだそうですけどね。世界が滅亡に危機にさらされた際に不動遊星を思い出したのはそれも関係しています。
「同伴者の才羽モモイ、才羽ミドリの両名を"来客"として認定。入場資格を与えます。承認しました」
「え、どういうこと!?」
「当の先生も戸惑ってるみたいだけど……」
しかし、私の本名を知る者はキヴォトスは当然ながら元の世界にももう一人たりとも残っていなかった筈です。それこそ同志たるアポリア達すら知らない事実。生体認証だって不動遊星をして認識されなければおかしいのですが……。
「下部の扉を開放します」
アナウンスの直後、目の前の扉ではなくなんと私達が立っていた床が開きました。ああ、これは近頃テレビで見たバラエティ番組で芸人がボッシュートされるみたいだな、と漠然と思いながら私達三名は落下しました。
「くっ、《ジェット・ウォリアー》!」
私はとっさに召喚した《ジェット・ウォリアー》に掴まって落下を免れ、すかさずモモイとミドリの下に回り込んで二人を受け止めました。減速したところで《ジェット・ウォリアー》で下に着地します。
落ちた先は通路ではなく開けた空間でした。機能性観点で常識な四角い部屋ではなく円形の部屋でした。机や機材どころか物があまり見られず、かと言って使われていないわけでもなさそうです。
「いやー、流石に死ぬかと思った……」
「先生、ありがとうございます。助けてくれて」
「そんなに深いところまでおちたわけじゃないみたいだけど……ん?」
「えっ……!?」
部屋の中央には女の子が眠っていました。
生まれながらの姿で椅子に横になる少女。
永眠しているように彼女からは生命の息吹を感じられませんでした。
さながら精巧に作られた人形。それが率直に抱いた印象でしょう。
「すごい、肌もしっとりしてるし柔らかい……あれ?」
恐る恐る彼女へと近づいたモモイは文字が書かれていることに気付きます。
AL-1S。これは彼女の型番または識別番号でしょうか?
この少女は何者で、そしてこの場所は一体何なのでしょうか?
――「じゃ■■。■■を■べる■■ユ■■トの開■■■ンー」
不意に頭に蘇る、摩耗され尽くした大昔の記憶。
何故もう姿も顔も声も思い出せない"□□"のことを思い出した?
あの時彼女が私に見せてくれたのは……駄目です。全く思い出せません。
パヴァーヌ編ではZ-ONEの方がミレニアムに来ました。大まかには原作通りの流れになりますが、どう変わっていくかはお楽しみ下さいませ。
ご意見、ご感想お待ちしています。