◆三人称視点◆
アル、アリス、ユカリ対リンのライディングデュエル。
現在後攻1ターン目、アルのバトルフェイズ中。
アルは《クリムゾン・ブレード・ドラゴン》で《太陽龍インティ》を効果破壊するも、DS版《月影龍クイラ》が蘇ってしまった。
「くっ。だからってこのまま悔しがったりはしないわよ。私は手札から速攻魔法《バトル・チューニング》を発動するわ! この効果で、レベル7《クリムゾン・ブレード・ドラゴン》にレベル2《レッド・リゾネーター》をチューニング!」
「バトルフェイズ中にシンクロ召喚を……!」
「深淵の闇より解き放たれし魔王よ! その憤怒を爆散させなさい! シンクロ召喚! 出なさい、《琰魔竜レッド・デーモン・アビス》!」
アルは真紅の剣士を素材に新たな悪魔の竜を召喚した。巨大な刃を腕から生やしたそのレッド・デーモンは、先程呼び出した個体より更に悪魔らしく進化を遂げていた。
「《琰魔竜レッド・デーモン・アビス》で《スターダスト・ドラゴン》に攻撃よ! アビス・レイジ・バスター!」
「リバースカードオープン、罠カード《くず鉄のかかし》を発動し、その攻撃を無効にします」
殴りかかる《琰魔竜レッド・デーモン・アビス》の前に鋼鉄のかかしが飛び出し、全てを打ち砕く拳を受け止めた。鋼鉄のかかしは倒れるだけで破壊はされず、その剛拳は《スターダスト・ドラゴン》まで届かない。
「抜かりはありません。まだ続けますか?」
「くーっ! ……。まあいいわ。出だしとしては上々。場を固めてバトンタッチしときましょう。メイン2に移行。手札からレベル1《シンクローン・リゾネーター》を特殊召喚して、レベル9《琰魔竜レッド・デーモン・アビス》にチューニングよ」
「レッド・デーモンを更に進化……いえ、これはアルさんのフェイバリットカードの……」
「泰山鳴動! 山を裂き地の炎と共にその身を曝しなさい! シンクロ召喚!」
デュエルを見守る便利屋68社員はアルのエースモンスターの登場に皆して喜ぶ。このモンスターを従えるアルはとても格好いいのだ。なお異論は認めるが、聞く気は毛頭ない。
「私のアウトロー、《琰魔竜レッド・デーモン・ベリアル》!」
「これがアル様の《れっど・でーもん・べりある》……!」
「連続進化です!」
「墓地に送られた《シンクローン・リゾネーター》の効果で《レッド・リゾネーター》を回収。それから《琰魔竜レッド・デーモン・ベリアル》の効果を発動するわ。《レッド・リゾネーター》を墓地に送って、舞い戻りなさい、《琰魔竜レッド・デーモン・アビス》! 1枚伏せてターンエンドよ」
2体のレッド・デーモン進化体を随伴させてアルは走る。ユカリとアリスはその姿に頼もしさを感じ、闘志が更に湧いてきた。高揚する気分を抑えつつ、ユカリは自分のデッキに手を伸ばす。
「では、身共の手番、とくとご覧あれ! 札を1枚!」
ユカリはリンのフィールドを確認する。
魔法・罠カードの効果を受けずに攻撃出来ない《地縛神Wiraqocha Rasca》、破壊されても後続が蘇る《月影龍クイラ》、そして《スターダスト・ドラゴン》。
伏せカードは《くず鉄のかかし》ともう2枚。手札は2枚。
まずはライフを1にしてくる《地縛神Wiraqocha Rasca》の攻略が先決と判断し、狙いを定めた。
「まず、《BF-上弦のぴなーか》を通常召喚しますわ。そして自分の場に「BF」もんすたぁが現れたので、《BF-疾風のげいる》、《BF-黒槍のぶらすと》を特殊召喚しますの」
「相変わらず【BF】は展開力が凄まじいですね……」
「身共はれべる4《BF-黒槍のぶらすと》にれべる3《BF-上弦のぴなーか》をちゅーにんぐ! しんくろ召喚! 《BF-あーまーど・うぃんぐ》!」
「妨害はしません。続けてください」
ユカリは墓地に送った《BF-上弦のピナーカ》の効果を発動して、「BF」モンスター1枚を手札に加えた。
「身共はれべる7《BF-あーまーど・うぃんぐ》にれべる3《BF-疾風のげいる》をちゅーにんぐ! 黒き旋風よ、天上へと舞い上がる翼になれ! しんくろ召喚! 《BF-ふるあーまーど・うぃんぐ》!」
「確かそれがユカリさんのエースモンスターでしたか」
「アル様!」
「ええ、よくってよ! 《琰魔竜レッド・デーモン・アビス》の効果を発動して、このターン中《地縛神Wiraqocha Rasca》の効果を無効にするわ! アブソリュート・ヘル・バインド!」
《琰魔竜レッド・デーモン・アビス》が口から放射した炎が《地縛神Wiraqocha Rasca》を束縛し、締め上げた。けたたましい悲鳴を上げるも逃れられず、やがてぐったりと力が抜ける。
「これで攻撃対象にならない効果は無効、攻撃出来ますわ。更に《BF-ふるあーまーど・うぃんぐ》は完全耐性ですので、《くず鉄のかかし》は効きませんの」
「なるほど。これで《地縛神Wiraqocha Rasca》は完全に無防備になったわけですか」
「ばとるふぇいず! 《BF-ふるあーまーど・うぃんぐ》で《地縛神うぃらこちゃらすか》に攻撃! そあーいんぐ・しゃどう・すとらいく!」
《BF-フルアーマード・ウィング》が翼を羽ばたかせて飛翔、地縛神へと接近し、固く握りしめた拳で地縛神を殴りつけた。なすすべなく攻撃を受けた地縛神は大きく吹っ飛ばされて落ちていく……が、
「そんな、どうして破壊できていませんの!?」
《地縛神Wiraqocha Rasca》は大きく翼を広げて再び飛び立ち、空を覆い尽くすかのように天を舞った。
アルとアリスは見た。《BF-フルアーマード・ウィング》の拳が地縛神に命中する直前、巨大な亀が盾となって現れたことを。
「墓地の《超電磁タートル》を除外してバトルフェイズを終了させました」
「まさか、一番最初に墓地の送ったかーど……! 《ABF-驟雨のらいきり》で効果破壊しておけばよかったですわ……!」
「それだと《スターダスト・ドラゴン》で防がれちゃうわ。《超電磁タートル》を使わせただけ良しとしましょう」
「む、無念ですの……!」
ユカリは自分の手札を確認する。3枚消費して1枚サーチしたので合計4枚。ここは温存せずに展開することにした。
「手札から《BF-無頼のゔぁーた》を特殊召喚して効果を発動しますわ。このかーど、そして山札かられべる4《BF-精鋭のぜぴゅろす》とれべる2《BF-鉄鎖のふぇーん》を墓地に送って、《ぶらっくふぇざぁ・どらごん》を特殊召喚しますわ!」
「そんな方法で最上級シンクロドラゴンを……!?」
「黒き疾風は! 秘めたる思いをその翼に現出しますわ! いざ舞い上がれ、《ぶらっくふぇざぁ・どらごん》!」
その名のとおり黒い羽の翼を広げて鳴き声を上げた《ブラックフェザー・ドラゴン》はDホイールで疾走するユカリと並走するように飛行する。ユカリは2枚伏せてターンをアリスへと譲った。
「ごめんあそばせ。身共では突破出来ませんでしたわ」
「アリスは大丈夫です。アリスのターンです! ドローします!」
アリスはドローカードを確認し、手札に加えた。それからリンの盤面を再確認する。相手のモンスターはいずれも守備表示。3体を同時に倒さない限りリンに戦闘ダメージは与えられない。
「まずは展開します! アリスはエクストラデッキの《スターダスト・ドラゴン》を公開して《ジャンク・マイスター》を特殊召喚します! 効果でデッキから《ジャンク・アーマー》 をサーチして、自身の効果で特殊召喚します! 《ジャンク・アーマー》 の効果でリリース後、デッキから《ジェット・シンクロン》を特殊召喚します!」
「召喚権を使わないでシンクロ素材を……!」
「レベル4《ジャンク・マイスター》にレベル1《ジェット・シンクロン》をチューニングします! 集いし星が、新たな世界を切り開く! 光差す道になります! シンクロ召喚!」
緑の輪により一筋の光と化した《ジャンク・マイスター》は、まるで《スピード・ウォリアー》のような姿をしたシンクロモンスターとなって地上絵のサーキット上を走り始めた。
「駆けてください! 《ジャンク・スピーダー》!」
「見たことの無いシンクロモンスターですね……。相変わらずミレニアムはシンクロモンスターの開発が盛んなようです」
「シンクロ素材になった《ジェット・シンクロン》の効果で《ジャンク・サーバント》をサーチします。シンクロ召喚した《ジャンク・スピーダー》の効果でデッキからレベル1《スクラップ・シンクロン》、レベル2《アサルト・シンクロン》、レベル3《ジャンク・シンクロン》、レベル4《スターダスト・シンクロン》、それからレベル5《ホイール・シンクロン》を特殊召喚します!」
「チューナーモンスターが一気に……!?」
大量に現れたチューナーモンスターを引き連れるアリスは勇者ではなくどちらかと言えばモンスターマスターだなぁ、とアルは素直な感想を抱いた。
アリスは《スターダスト・シンクロン》の効果で《セイヴァー・ミラージュ》を手札に加えた。
「レベル5《ジャンク・スピーダー》にレベル1《スクラップ・シンクロン》をチューニングします! 集いし星雨が、魂を風に乗せて世界を巡る、光差す道になります! シンクロ召喚! 《スターダスト・チャージ・ウォリアー》!」
「全体攻撃可能なシンクロモンスター……いえ、この場合は中継点ですか」
「効果で1枚ドローします!」
アリスはアルに視線を送った。アルは「ええ、まかせて」と不敵に笑い、再び《琰魔竜レッド・デーモン・アビス》の効果で《地縛神Wiraqocha Rasca》を無力化した。
「それから、速攻魔法《墓穴の指名者》を発動します! これでリンの墓地に眠る《太陽龍インティ》を除外します!」
「何ですって……!?」
「アリス、ゲームで習得しました! もろは切りって言います!」
リンはDホイールの墓地ゾーンから自動的に取り出された《太陽龍インティ》のカードを除外ゾーン入れに挿入する。これで《太陽龍インティ》と《月影龍クイラ》による循環はされなくなった。
1ターンが長いです。5D's時代はもっと簡単だったのですが、OCG順守でのアニメをやらなくなった理由が良く分かります。でもストラクチャーズ風にやるのはいいかもしれないです。
ご意見、ご感想お待ちしています。