エラー
ライフポイント:8,000(《とどまらぬ大地》の効果で8,700に固定)
手札:1枚
モンスターゾーン:《希望皇ホープ e・ラー》、《エーテリック・セベク e・ラー》、《スターダスト・ドラゴン e・ラー》
魔法・罠ゾーン:《輪廻の海》、《常闇の空》、《とどまらぬ大地》、《ストレイン・エレメント》、伏せカード1枚
フィールドゾーン:《捻れて歪んだ先の終着点》
シャーレの先生
ライフポイント:8,000
手札:各5枚
モンスターゾーン:《No.39希望皇ホープ》、《NO8エーテリック・セベク》、《スターダスト・ドラゴン》
現在エラーのターンが終了しました。
改めて盤面を確認します。こちらには私を含めてシャーレの先生3名のエースモンスターが並び、対するエラー側には各々に対応した「e・ラー」モンスターが立ちはだかっています。
フィールド魔法と3枚の永続魔法はいずれも強力なもの。これによりこちらがモンスターを場に出す度にエラーはモンスターを出現させ、「e・ラー」モンスターへと繋げていく戦法なのでしょう。
とはいえ、「e・ラー」モンスターがコピー元のモンスターの効果を持っていると仮定しても、モンスターエクシーズのホープとホルスの「e・ラー」はオーバーレイユニットが無いので効果を発動できません。
"じゃあ私からいくね。ドロー"
「さあ、どこからでもかかってきてください!」
実質妨害札は《スターダスト・ドラゴン》と伏せカード1枚限り。これではいかようにもやれてしまいます。例えモンスターの展開が出来なくても充分。それを一番手の"先生"も分かっているようで、落ち着いています。
"私は《希望皇ホープ》に手札から《ZW-阿修羅副腕》と《ZW-風神雲龍剣》を装備カード扱いで装備するね"
「えっ?」
"これでホープの攻撃力は2,300アップして、全体攻撃出来て、効果の対象にならなくなるから"
「……。初手からゼアル・ウェポン2枚はずるくないですか?」
"これでおあいこだね。いっけぇホープ! ホープ剣・アシュラ・スラッシュだ!"
満面の笑みをこぼした"先生"がフィールドに出したゼアル・ウェポンによりホープの腕が4本になり、更に巨大な剣を装備しました。そして「e・ラー」モンスターへと飛び込んでいくと、剣を一閃。3体の「e・ラー」は胴体から両断され、塵一つ残さず消滅しました。そこに初めから何もいなかったかのように。
"戦闘ダメージは発生しても、永続魔法《とどまらぬ大地》の効果でライフはモンスターの攻撃力の合計で固定されたまま。けれどモンスターが一掃されたことでその効果は失われる、だったよね"
「ええ。その通りです」
"なら、《エーテリック・セベク》と《スターダスト・ドラゴン》のダイレクトアタックを受けてもらうよ"
「きゃあぁぁっ!?」
スターダストとホルスの同時攻撃を受けたエラーは凄まじい勢いで後方に吹っ飛ばされ、フィールド魔法《捻れて歪んだ先の終着点》で見えなくなった床の上を転がりました。
攻撃を仕掛けた"先生"が心配して駆け寄ろうと迷ったらしく、しかしすぐさま気を引き締め直し、エラーを見据えます。大ダメージを受けたエラーはよろけながらも立ち上がり、笑みをこぼします。
「やりますね。さすがに1ターンぐらいは保つかなーって淡く期待してたんですけど」
"それは現代遊戯王のデュエルスピードでは望めないんじゃないかな"
「遊戯王……ああ、デュエルモンスターズのことですね。"先生"のターンは続いてますから、どうぞ」
"じゃあ2枚伏せてターン終了するよ"
おそらく"先生"ならもっと展開出来たでしょうに、永続魔法で新たに下僕を呼び出されることを警戒してでしょう。
……いえ、もしやあえてそこまでに留めた? 私やゼアル先生も抱いている一つの可能性に、"先生"も感づいている?
「ターン終了前、私は永続罠《天地創造》を発動します。このカードはドローフェイズにドローする代わり、ライフを半分にして好きなカードを1枚ドローします」
"随分とインチキなドローソース使うんだね"
「その代わり引いたカードは即座に破壊されますけれどね」
"サーチしたカードをすぐ破壊……"
しかし、エラーの使役する「ストレイン」モンスターは破壊されることでフィールド上のモンスターエクシーズのオーバーレイユニットになり、効果を発揮する。コンボとしてとても優秀です。
「私のターンです。ドローする代わりに《ストレイン・フィラメント》をサーチして、破壊します。そして永続魔法《常闇の空》の効果で《ホープ》のオーバーレイユニットします。《ストレイン・フィラメント》がオーバーレイユニットになったので効果発動。相手のフィールドにいるモンスターと同じ数になるようデッキからモンスターを特殊召喚します」
"もう2体の《ストレイン・スポア》と《ストレイン・ニューク》……。けれど、それだけじゃないよね?"
「察しが良くて助かります。この効果で特殊召喚したモンスターは特殊召喚成功時に破壊されます。3体の「ストレイン」モンスターを破壊」
ここで《スターダスト・ドラゴン》の効果を発動すれば「e・ラー」モンスターの再出現は防げます。しかしあえてやりません。ゼアル先生も"先生"も、私と考えが一致しているようです。私たちは頷き合いました。
「2体の《ストレイン・スポア》は《ホープ》と《セベク》のオーバーレイユニットに、《ストレイン・ニューク》は《ホープ》のオーバーレイユニットにします。《ストレイン・スポア》の効果発動。いでよ、《希望皇ホープ e・ラー》、《エーテリック・セベク e・ラー》!」
新たに召喚された「e・ラー」モンスターですが、《ホープ》は「ZW」を装備した状態です。もしやと予想はしていましたが、本当に装備カードの情報も参照するとは。これで再び我々のモンスターを凌いできました。
「《ストレイン・ニューク》の効果発動。このカードをオーバーレイユニットにしたモンスターの「e・ラー」モンスターは相手に一度ずつ攻撃出来ます」
"全体攻撃付与……!"
「バトル! 《希望皇ホープ e・ラー》で全体攻撃します!」
"リバースカードオープン、罠カード《ハーフ・アンブレイク》を発動。《希望皇ホープ》は破壊されず、戦闘ダメージも半分にする"
「じゃあ《エーテリック・セベク》への攻撃はどうしますか?」
「そっちは《ホープ》のオーバーレイユニットを1つ取り除いて無効にするね。ムーンバリア!"
「最後に《スターダスト・ドラゴン》への攻撃は?」
"罠カード《バトル・ラッシュ》を発動。《スターダスト・ドラゴン》はこの戦闘では破壊されず、戦闘ダメージは相手が肩代わりする"
《希望皇ホープ e・ラー》の一閃を受けてもこちら側の3体のモンスターは健在のままでした。相手の怒涛の攻撃を上手くいなした形になります。エラーは思ったように戦局を覆せず、若干悔しがります。
「でしたら、《エーテリック・セベク e・ラー》で《スターダスト・ドラゴン》を攻撃します」
"《エーテリック・セベク》じゃなくていいの?"
「どっちを残しても次のターンで巻き返されるんでしたら、ダメージをより与えられる方を選択するだけです」
《スターダスト・ドラゴン》が破壊され、墓地へ送られました。衝撃は……覚悟していたほどではありません。しかしリアルソリッドビジョンではないのは間違いありません。ライフが0になればどうなるかは自然と察せます。
「1枚伏せてターンエンド。次はゼアル先生ですか?」
「いえ。次は私が行きましょう」
手札は……まるで私にそうしろと言わんばかりに控え目でした。であるなら、私はデュエリストとしての勘とこの手札を信じ、私の役目を果たすまでです。
「私のターン、ドロー。手札から魔法カード《死者蘇生》を発動。《スターダスト・ドラゴン》を蘇らせます」
「この瞬間《輪廻の海》の効果を発動して、デッキから《ストレイン・フィラメント》を特殊召喚します」
召喚、特殊召喚した数だけ特殊召喚し続ける永続魔法。やはり相手ターンでも効果は使えましたか。1ターンに1度、とカード効果を宣言していないので、おそらくは無尽蔵に後続を呼び出すに違いありません。
「チューナーモンスター《ジャンク・アンカー》を召喚」
「《輪廻の海》で、デッキから《ストレイン・ボム》を特殊召喚します」
「レベル8《スターダスト・ドラゴン》にレベル2《ジャンク・アンカー》をチューニング。集いし願いが新たな時空の扉を開く、光さす道となれ! シンクロ召喚!」
「レベル10……《サテライト・ウォリアー》ですか?」
いえ、違います。《サテライト・ウォリアー》を出すのならもっと展開してシンクロモンスターを墓地に貯めてからにします。ここはエラーにすべてを出し切ってもらうため、このモンスターを選びます。
「現れろ、《時械神祖ヴルガータ》!」
現れたのは鎧のようでオブジェのような空の器。しかしその鎧の中に守護天使の力が宿り、神の降臨へと至ります。エリドゥではリオしか目撃していなかったので、デュエルを見守る生徒一同は驚きの声を上げます。
「セフィラの守護天使とは違う時械神!? くっ、ですが、相手フィールドにモンスターが特殊召喚されたので、《ストレイン・ニューク》を特殊召喚します!」
「構いません。バトルです。《時械神祖ヴルガータ》で《希望皇ホープ e・ラー》に攻撃」
「時械神は戦闘・効果では破壊されず、戦闘ダメージを受けない、でしたね。それで、戦闘後の効果は?」
「相手フィールドのモンスターを全て除外します」
「えっ?」
「もう一度言います。相手フィールドのモンスターを全て除外します」
時械神の発した閃光によりエラーの「ストレイン」モンスター3体、そして「e・ラー」モンスター2体の姿は消えました。これで再びエラーの場はがら空きになり、ライフは本当の値に戻ります。
「続いて《希望皇ホープ》でダイレクトアタック。これで終わりです」
「え、と。時械神の効果ってバトルフェイズ終了時に発動するんじゃありませんでしたっけ?」
「本来のタイミングはダメージ計算終了時です。キヴォトスに来た際に弱体化調整されましたが、《時械神祖ヴルガータ》はそのままのようです。それで、どうしますか?」
「まだ終わりません! 罠カード《ラスト・グロウン》を発動します! このカードは自分フィールドにモンスターがいない時、自分のライフが尽きる前に「ストレイン」モンスターを1体デッキから特殊召喚して、バトルフェイズを終了させます!」
伏せカードは防御札でしたか。さすがにこのターンで勝負が決まるとはあまり思っていませんでしたが、このままではこちら側が押し切ってしまいます。しかしエラーがこのままで終わる筈がありません。
「《ストレイン・デスモゾーム》の攻撃力は相手のライフの半分になります」
「3枚伏せてターンエンド。この瞬間、《時械神祖ヴルガータ》の効果により、除外したモンスターを相手フィールドに特殊召喚します」
「あ……。《時械神メタイオン》とかみたいにフィールドから取り除いたっきりじゃあないんですね」
「ですが貴女の「e・ラー」モンスターはトークン扱い。戻ってくるのは「ストレイン」モンスターだけです」
……今の発言、気になります。
私が《時械神メタイオン》を呼び出したのはLINK VRAIS内のみ。エラーがこれまでキヴォトスでの出来事全てを観察していたとしても、LINK VRAINSにアクセスしたならチヒロやデカグラマトンが観測しているはずです。
エラー。《時械神メタイオン》の効果を知っている貴女は、やはり……。
絶望神さんは早くe・ラー関連カード(特に4枚の「アンチ」モンスター)をOCG化して介護してもらわなければいけないでしょう。
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