Z-ONE先生のブルーアーカイブ5D's   作:福留しゅん

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"先生"、アロナを卒業させる④

 エラー

 ライフポイント:1,250(《とどまらぬ大地》の効果で5,000に固定)

 手札:0枚

 モンスターゾーン:《絶望神アンチホープ》

 魔法・罠ゾーン:《輪廻の海》、《常闇の空》、《とどまらぬ大地》、《天地創造》

 フィールドゾーン:《捻れて歪んだ先の終着点》

 

 シャーレの先生

 ライフポイント:4,750

 "先生"の手札:2枚

 Z-ONEの手札:1枚

 ゼアル先生の手札:6枚

 モンスターゾーン:《No.39希望皇ホープ》、《FNo.0未来皇ホープ・ゼアル》、《時械神祖ヴルガータ》

 魔法・罠ゾーン:《くず鉄のかかし》

 

 現在、ゼアル先生のメイン1中です。

 もう一人のシロコとゼアル先生は絶望神を前にしても勇気を失いません。

 無論、"先生"や私もです。

 

「新たにモンスターが特殊召喚されたことで、私はデッキから《ストレイン・ヒュージ》を特殊召喚します」

「先生のデッキマスター能力を発動。特殊召喚に成功した時、エクストラデッキから「未来皇ホープ」4体をオーバーレイユニットにする」

「その効果は……"先生"をプレナパテスから解放した際のエクシーズチェンジ・ゼアルの再現ですか」

「装備カード《ダブル・バスターソード》を先生に装備する。これでもう一回攻撃出来るようになった。次に装備カード《王者の聖外套》を先生に装備する。これで戦闘相手と同じ攻撃力になる。更に魔法カード《オーバーレイ・リバース》を発動して、墓地のモンスター2体を先生のオーバーレイユニットにする」

「っ……! こうも軽々と攻略しようとするなんて……!」

「バトル。《ホープ・ゼアル》で《アンチホープ》に攻撃。ホープ剣・フューチャー・スラッシュ!」

 

 ゼアル先生が絶望神へと突撃します。携えた剣、漲る気迫、鋭く睨む眼光、そのどれもが絶望の化身すらもろともせずに突き進む勢いに満ちていました。対峙する側のエラーが恐怖で軽く悲鳴を漏らすほどに。

 

「《アンチ・ザ・スカイ》の効果発動! このカードを墓地に送って、攻撃モンスターの《ホープ・ゼアル》を破壊します!」

「デッキマスターの《FNo.0未来皇ホープ・ゼアル》はオーバーレイユニットにしてる「未来皇ホープ」モンスターエクシーズの効果を発動できる。《FNo.0未来皇ホープ》の効果を発動。破壊される代わりにオーバーレイユニットを1つ取り除く」

「くっ! 《アンチ・ザ・アビス》の効果発動! このカードを墓地に送って、このバトルでは破壊されません!」

「フィールドで効果を発動したから《ホープ・ゼアル》の効果を発動。1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除いて、《絶望神アンチホープ》のコントロールを得る」

「《絶望神アンチホープ》はモンスターエクシーズのモンスター効果は受けませんよ」

「けれど、これで《ホープ・ゼアル》はこのターン、戦闘・効果で破壊されなくなった」

「何ですって!?」

 

 《絶望神アンチホープ》は「アンチ」モンスターをオーバーレイユニットのように消費してゼアル先生の猛攻を防ぎます。しかし、オーバーレイユニットが4つもあるゼアル先生を前に徐々に追い詰められていきます。

 

「もう一回、《ホープ・ゼアル》で《絶望神アンチホープ》を攻撃する。ホープ剣・フューチャー・スラッシュ!」

 

 攻撃力は互角ですが、破壊されない《ホープ・ゼアル》は健在。結果、《絶望神アンチホープ》だけが破壊される形となりました。両断され、朽ち果てていく絶望の化身でしたが、身に纏っていたエレメントを縛る鎖がまた一つ解放されました。

 

「《アンチ・ザ・アース》の効果を発動……! このカードが墓地に送られた時、墓地の《アンチホープ》を召喚条件を無視して特殊召喚します……!」

 

 そして、絶望神が再び慟哭しながら蘇りました。

 しかし、危機を乗り越えたエラーは息を切らしていました。

 絶望神の状態がエラーと直結しているのかは分かりませんが、追い詰められているのが分かります。

 

"絶望は不滅、ってところか……"

「その通りです! さあ、次は時械神で攻撃しますか?」

「これでオーバーレイもどきになってる「アンチ」モンスターはいなくなった。《時械神祖ヴルガータ》で攻撃する」

「《ストレイン・ヒュージ》の効果を発動! このカードを破壊してその攻撃を無効にします!」

「ん……仕留めきれなかった」

「《ストレイン・ヒュージ》は《常闇の空》の効果で《ホープ・ゼアル》のオーバーレイユニットになります」

 

 《希望皇ホープ》では攻撃力が足りません。もう一人のシロコは攻撃を諦め、改めて自分の手札を確認します。こちらの場にいる3体のモンスターはいずれも絶望神の攻撃を切り抜けられますが、まだ場を固めるのでしょうか。

 

「ん……、魔法カード《サクリファイス・ランクアップ》を発動する。先生のオーバーレイユニットを2つ取り除いて、ランク1《No.78ナンバーズ・アーカイブ》を特殊召喚する」

「エクシーズ召喚じゃないモンスターエクシーズの特殊召喚ですか……。絶望神の能力はそんなケースを想定してませんか」

「《ナンバーズ・アーカイブ》の効果発動。ん……、このエクストラデッキのカードの中から1枚選んで」

 

 確か《ナンバーズ・アーカイブ》は相手が選んだカードが「No.1」~「No.99」だったら特殊召喚できる効果。もう一人のシロコは「NO」や「ホープ」で占められていて、成功確率は低い筈ですが……。

 

「一番右です。あ、私から見てですからね」

「じゃあこのモンスターエクシーズを特殊召喚する。来て、《No.99希望皇龍ホープドラグーン》!」

「……。えぇ~?」

 

 それは偶然か必然か。エラーはそのモンスターを引き寄せました。

 エラーは暫くの間言葉を失い、やがて精一杯とばかりに困惑の声を上げました。

 気持ちは分かりますが、現実は受け入れるしかありません。

 

「1枚伏せてターンエンドする」

「私のターンです。ドロー!」

 

 エラーは《天地創造》の効果を発動せずにデッキからカードを引きました。そしてドローカードを確認し、目を見開きます。手が僅かに震え、何か呟きかけましたが、慌てて自分の口を手で押さえました。それからよろめく身体を何とか踏ん張らせ、再び私たちを見据えます。

 

「……フィールド魔法をセットして、発動します。このカードはルール上《捻れて歪んだ先の終着点》として扱います」

 

 これまで絶望に染められた世界の墓標が消えていきます。情景は連邦生徒会長の執務室に戻りました。外ではヴァルキューレとSRTの生徒たちの活躍でオレイカルコスの軍勢を鎮圧出来たらしく、空は落ち着いていました。

 

「《絶望神アンチホープ》で《希望皇ホープ》を攻撃します」

"《希望皇ホープ》の効果を発動。オーバーレイユニットを1つ取り除いて、その攻撃は無効にするね"

「ターンエンド。さあ、次は"先生"のターンです」

"私のターン。ドロー"

 

 《捻れて歪んだ先の終着点》が消えてから、このキヴォトスの希望、未来、青春を守る戦いとは思えないほど静かで、穏やかでした。絶望の化身として振る舞っていたエラーも、先生も、もはやそんなことはどうでもいいとばかりに相手を見据え続けます。

 

「ん……この瞬間、《希望皇龍ホープドラグーン》の効果を発動する。オーバーレイユニットを1つ取り除いて、《FNo.0未来皇ホープ》を特殊召喚」

「《輪廻の海》の効果で2枚目の《ストレイン・ヒュージ》をデッキから特殊召喚です」

 

 もう一人のシロコが呼び出したホープドラグーンが吠え、ゼアル先生がオーバーレイユニットにしていた《未来皇ホープ》が蘇りました。蘇生制限についてはゼアル先生のデッキマスター能力が何とかしたのでしょう。

 

「次にリバースカードをオープン。罠カード《エクシーズ・リボーン》を発動。《FNo.0未来龍皇ホープ》を特殊召喚。《エクシーズ・リボーン》はオーバーレイユニットになる」

「《輪廻の海》の効果で2枚目の《ストレイン・フィラメント》をデッキから特殊召喚します」

 

 これでランク0が3体。

 もう一人のシロコ、そしてゼアル先生が"先生"の方を向きました。"先生"は2人に対して頷きました。

 

"私は、ランク0の《FNo.0未来皇ホープ・ゼアル》、《FNo.0未来龍皇ホープ》、《FNo.0未来皇ホープ》でオーバーレイ!"

「行こう、先生」

"うん、行こう、シロコ。"

「そんな! 絶望神がいる限りエクシーズ召喚は……いえ、まさか……!」

 

 もう一人のシロコ、ゼアル先生、そして2体の「未来皇ホープ」が飛び上がり、光となって絡まり合い、やがて異世界の渦へと飛び込んでいきました。エラーはやはり心当たりがあるようで、後ずさりました。

 

 そう、私がアロナとデュエルした際、「エクシーズ召喚できない」「エクシーズ召喚を無効にする」効果を全て無視して、ピンチの局面にも召喚できる希望の戦士がいるではありませんか。

 

「縦横無尽なる希望の力とともに」

"新たな時代の天地開闢を成し遂げる!"

「これが私たちの青春!」

"「《SNo.0 ホープ・ゼアル》!」"

 

 現れたもう一人のシロコとゼアル先生が合体して誕生した新たな究極体ZEXALは、以前アロナが召喚した《SNo.0 ホープ・ゼアル》と異なり、シロコがベースとなっていました。

 

「ですが、《輪廻の海》の効果で2枚目の《ストレイン・ボム》を特殊召喚します!」

"「《SNo.0 ホープ・ゼアル》の攻撃力は2つのうち1つを選択する。私はオーバーレイユニットの数×1,000を選択する」"

「攻撃力6,000……! それでも、《時械神祖ヴルガータ》を攻撃を《ストレイン・ヒュージ》の効果で無効にして、《アンチホープ》の破壊を《ストレイン・フィラメント》の効果で肩代わりすれば、もう絶望神は倒せませんよ!」

"「それはどうかな?」"

「何ですって……!?」

 

 自分フィールドの状況を改めて説明し、相手に絶望を与える。それに対して「それはどうかな?」と返す。これは私たちイリアステルが不動遊星たちを相手に何度も起こされた奇跡……いえ、彼らが自らの手で手繰り寄せた運命と同じです。

 

"私が通常ドローしたカードは……《シャイニング・ドロー》"

「!? シャイニング・ドロー……?」

"《希望皇ホープ》を対象に効果を発動。デッキ・エクストラデッキからカード名の異なる「ZW」を任意の数だけ装備できる。私はエクストラデッキから《ZW-獣王獅子武装》、《ZW-弩級兵装竜王戟》、メインデッキから2枚目の《ZW-阿修羅副腕》を《ホープ》に装備するね"

「いえいえいえ、「ZW」は自身の効果で装備された時に能力をアップしますから、それでは効果を付与するだけですよね」

"うん、だからこうする。魔法カード《武装転生》を発動。装備カードをモンスターとして特殊召喚する!"

 

 "先生"が発動した魔法カードによって《希望皇ホープ》が装備した「ZW」が解体され、《ZW-獣王獅子武装》、《ZW-弩級兵装竜王戟》がモンスターとして特殊召喚されました。

 

「それって……ありなんですか?」

"デュエルディスクが処理してるから、ありなんじゃない?"

 

 そして、「ZW」自身の効果により再び《希望皇ホープ》に装備されました。これにより攻撃力アップ効果も有効となり、《希望皇ホープ》は完全武装状態と化したのです。

 

"更に、装備魔法《リバース・ブレイカー》を《ホープ》に装備。これで発動してる永続魔法と永続罠は攻撃の度に破壊できるから"

「攻撃力8,500の全体攻撃……!?」

"バトル! 《希望皇ホープ》で「ストレイン」モンスターたちに攻撃! ホープ剣・クアドルプル・スラッシュ!"

 

 《希望皇ホープ》の連続攻撃で場を埋め尽くしていた「ストレイン」モンスターは全滅。そしてフィールドを支配していた3枚の永続魔法、永続罠も破壊し尽くしました。

 

 2体の《ストレイン・フィラメント》の効果で呼び出された《NO10エーテリック・ホルス e・ラー》も、《No.39希望皇ビヨンド・ザ・ホープ e・ラー》も今の《希望皇ホープ》の前には無力。真っ二つにされて消え去ります。

 

 ちなみに《ストレイン・ボム》のバーンダメージは私が残った手札の《エフェクト・ヴェーラー》を墓地に送って無効にしておきました。最後まで油断せずに詰めていきましょう。

 

 あと、《捻れて歪んだ先の終着点》として扱う未知のフィールド魔法カードは完全耐性なのか、破壊できませんでした。テキストどころか絵柄も分からないため、正体は分かりません。

 

"これで残ったのは絶望神だけだね"

「そんな! 絶望が無くなることなんて……!」

"いや。これで終わりにしよう"

 

 《ホープ・ゼアル》の剣が巨大になりました。それは以前《究極時械神セフィロン》を打ち倒した時と同じく、まるで朝日のように美しく輝きます。終焉を迎えようとしている絶望神は、自身の消滅が信じられないようで、狼狽えているようでした。

 

"「ホープ剣・ゼアルスラッシュ!!」"

 

 そんな絶望神をゼアル先生は真っ二つに切り裂きました。

 後にもう一人のシロコ曰く、「ケーキ入刀みたいだったね」だそうです。

 そんなシロコへのゼアル先生の返しは……そうですね。男気があった、とだけ言っておきましょう。




絶望粉砕。
ようやくここまで来ました。あとは突っ走るだけです。
ラストまであと3話、だと思います、多分。

《あまねく奇跡の始発点》
フィールド魔法
このカードはルール上「捻れて歪んだ先の終着点」として扱う。このルールは「絶望神e・ラー」「捻れて歪んだ先の終着点」が時空の彼方に送られた場合、無効となる。
(1): 自分・相手のターンに1度、自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動できる。
「ホープ」Xモンスターをエクストラデッキから特殊召喚する。
その後、デッキからカードを1枚ドローし、モンスターの下に重ねてエクシーズ素材とする。
(2): このカードはカードの効果を受けない。

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