Z-ONE先生のブルーアーカイブ5D's   作:福留しゅん

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Vol.3 エデン条約編1,2章~表~
サオリ、セイア襲撃を阻止する


Vol.3 エデン条約編1,2章 OP 遊戯王5D's OP2より LAST TRAIN -新しい朝-

 

(イントロ)

避難を呼びかけるナギサ。巡航ミサイルの直撃で崩壊する古聖堂

(イントロ)

Dホイールで疾走するZ-ONE

(トオクカナタヲ)

シャーレオフィスビル屋上でD.U.を見通す"先生"

その傍を飛んでいく《希望皇ホープ》

(タンジュンニ)

《RR-ライズ・ファルコン》に乗って大空を駆けるサオリが《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》に乗って大空を飛ぶアズサを追い抜く

(ジブンステル)

ナギサ。後ろには《マスター・ヒュペリオン》

(サイダイゲン)

補習授業部の面々

(ウーヲーオーキョウガドンナ)

スズミ。後ろには《LL-アセンブリー・ナイチンゲール》

(ウーヲーオーワズカナ)

ミカとセイア。ティーパーティーでの一幕。

(ウーヲーオーアスハマタ)

ベアトリーチェと対峙するサオリ

(トーモーセーバーイーイー)

Dホイールでスタンバイして発進するZ-ONE

(トギレナイヨウニ)

崩壊した古聖堂近くの町に走る炎。《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》が空を飛ぶ下にいるアズサ

(カエゾエキレナイ)

《教導の騎士フルルドリス》に《赫の聖女カルテシア》をチューニングしてシンクロ召喚される《赫聖の妖騎士》

召喚者は髪が真っ白になり瞳が真っ赤に染まったアツコ

(タシカナアシタガ)

《赫聖の妖騎士》と戦う《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》

《RUM-幻影騎士団ラウンチ》でランクアップしてエクシーズ召喚された《ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴン》が反撃

(ニドトナイキョウヲー)

《閃光竜スターダスト》をシンクロ召喚するミカ

(トギレナイヨウニ)

アリウス自治区上空を飛ぶ《閃光竜スターダスト》と《RR-アルティメット・ファルコン》

(アウトロ)

フードを被った状態のアリウススクワッド

一番奥にはベアトリーチェ

(アウトロ)

エデン条約編メインメンバー集合

 

 

 ◆三人称視点◆

 

「やることが……やることが多い……!」

 

 トリニティ総合学園二年生、ティーパーティー所属サンクトゥス派、錠前サオリは多忙を極めていた。

 

 どれもこれもサンクトゥス派リーダー兼ティーパーティホストの百合園セイアが入院中……という建前でヘイローを壊されて暗殺……と見せかけて身を潜めているため、自然とサオリのやることが増えたからである。

 

 サオリはアリウス分校中等部から進学してきたよそ者。お嬢様学校特有の粘着や嫌味のこもった小言、陰湿な嫌がらせの数々を黙って耐え凌ぐほどお人好しでなく、正面から叩き潰してきた。おかげで問題児扱いされて反省部屋送りになるのはいつものことだった。

 

 はっきり言ってサオリがトリニティでの学校教育についていくのはアリウスでの訓練とはまた違った苦難の連続だった。ただでさえ入学出来たのも奇跡的な学力だっただけに━━もっともこれはアリウスでの教育事情が原因なのだが━━赤点を出さないように夜通しで予習復習に明け暮れるのもザラ。

 

 それでもサオリがトリニティで成り上がろうとするのは全てアリウスのためだった。内側からは力が及ばず変えられなかった。なら外側で発言権を有する立場になればきっと変えられるはず。そう信じて文武両方に励んできた。

 

「君は……まさか、未来が書き換わった……? けれどどうして……?」

 

 セイアと出会ったのは二回目の定期試験でようやく平均以上を取った頃だった。

 

 セイアは何故かサオリを見るなり驚いてきた。この時のセイアの独り言は小さすぎてサオリには聞き取れなかったが、セイアにとってサオリがここトリニティに在籍していることが信じられないようだった。

 

 その原因がサオリを変えることとなったあの邂逅だと察したサオリは、その時の大人から預かって懐に入れている神のカードに手を触れる。この出会いもまた神の導きなのだとしたら、サオリが大人しくする理由は無かった。

 

「初めまして、サオリ。この出会いを嬉しく思う」

「は、初めましてっ。セイア様」

 

 こうしてセイアとの接点が生まれたサオリは今まで以上に勉学に励んだ。成績優秀者、模範生だと評価されるまでには入学してから一年を要した。そしてサオリは晴れてティーパーティー入りを認められたのだった。

 

 そんなサオリだったがアリウスとの関係を完全に断たれたわけではない。物心ついた頃からの仲なミサキとヒヨリとは現在も連絡が取れている。無論電話等気軽に意思疎通が取れるわけではなく、都度工夫をこらした連絡手段を使ってだが。

 

「は? ティーパーティーのミカ様がミサキ達に接触してきた?」

 

 二年生になったある日、そんなミサキ達から驚くべき報告が届いた。

 

 サオリにとってトリニティに入学して一番衝撃的だったのはアリウスとの生活模様の違いではない。トリニティがもはやアリウス分校のことなど忘却の彼方へと追いやっていたことだった。

 

 アリウスがあれほど自分たちを追いやったトリニティへの憎悪を募らせていたのに、と怒りで歯を食いしばりすぎて危うく歯が欠けるところだったが、加害者の意識はそんなものかと一定の理解もした。

 

 そんな中、生徒会長の一人であるミカがアリウスとの仲直りを提案してきたことにサオリは困惑を隠しきれなかった。すぐにでもミカと話をしたかったが、現時点で今なおアリウスと繋がっていることがばれるのはマズいと思い留まった。

 

 しかし、ミカがトリニティとアリウスの融和を取り持ってくれるのならアリウスも変わっていくのではないか、と密かに期待を寄せた。サオリにとってアリウスの生徒会長は決闘を経てもなお底が知れぬ存在だが、ミカならばひょっとしたら、と希望を抱いたって良いだろう。

 

 まあ、そんなサオリの純真さはやはり踏みにじられたわけだが。

 

「アリウスの部隊がトリニティに侵入、セイア様のヘイローを破壊しようとしている、だと……?」

 

 トリニティは連邦生徒会長の発案によりゲヘナと結ばれようとしていたエデン条約に注力している。ティーパーティーホストのセイアは中立。ミカは表向き消極的賛成に回っているが、ミカがゲヘナを嫌っていることは薄々察せられる。セイアに何かがあればホストの座を望める位置にミカがいる。

 

「だからセイア様を少し懲らしめるためにアリウスをトリニティ内部に呼び寄せる……? 駄目だミカ様、貴女はアリウスを知らないからそんな甘い計画を立ててしまうんだ……!」

 

 アリウス……いや、あの生徒会長は世間知らずのお嬢様・小娘が能天気に門を開いてくれるぞ、と思っているに違いない。現にヒヨリ達からの連絡によればミカが想像する「ちょーっと」どころではない危害をセイアに加えるらしいことが記されている。

 

 もはや自分だけで対処出来ない問題だ、と判断したサオリはセイアにだけ洗いざらい喋った。しかしセイアの反応はサオリがあれこれ頭の中で思い描いたものと全く違っていた。

 

「そうかい。今度がその時というわけか。見えていたよ」

 

 セイアは知っていた? アリウスの襲来を?

 セイアがアリウスの内情を知るすべなど無いのに?

 

 トリニティでアリウスを知ることが出来るのは未だ接点のあるサオリ、ミカがアリウスとの仲直りの第一歩として招き入れた転校生、そしてミカ本人のみ。シスターフッドの情報網はおそらくサオリの想像以上だろうが、アリウスが進める作品までは把握していまい。

 

 故に、セイアとミカは密かに繋がっている。そうサオリは結論付けた。

 ならサオリは2人の意を汲んでこの襲撃をアリウスのためになるようにしなければいけない。

 

 幼かったあの時、トリニティーのティーパーティーの制服を着た生徒が降臨させた神を見た者は少なからずいる。彼女達はサオリ同様に内乱を集結させた生徒会長の方針に疑問を抱き続けている。なら、この大規模な作戦を利用してそうした反マダム派の生徒をアリウスから一旦切り離せられないだろうか?

 

 そこでサオリはミサキ達を通じて選抜される生徒を操作。隠れ反マダム派を相当数紛れ込ませることに成功した。彼女達は怪しまれない程度に作戦を遂行しつつ、最終的に行方をくらましてアリウスから離脱するよう手筈を整えている。

 

「セイア様。今晩は部屋から動かずにじっとしていてください。私が命を賭してお守りします」

「無駄だよ。未来は決まっている。無理に庇って貰う必要は無い。サオリまで何かあったらいけない」

「……っ。セイア様。これはお守りです。絶対に持っていて下さい」

「待つんだサオリ。サオリ……!」

 

 サオリはセイアにとあるカードを握らせてから部屋を出て、部屋の前で立ち塞がった。セイアは彼女が見たという未来とやらを受け入れるつもりのようだが、サオリは到底受け入れられない。あのカードがセイアを救ってくれるよう祈るばかりだ。

 

 しんと静まる暗い世界。照明が消えた廊下の向こうから姿を見せたのはサオリもよく見知ったアリウスの生徒達。向こうはミカの人払いが完全ではなかったことが想定外だったようだが、直後にサオリの顔を見て正体に気づく。

 

「お前は、マダムに逆らった反逆者――!」

 

 ガスマスク越しに何かを言い終える前にサオリはその生徒にヘッドショットを食らわせた。

 

「すまない。あまりに長く喋るものだから手が滑った」

 

 言い終える前にサオリはその場から飛び退いて戦闘開始。アリウスの生徒達も応戦を始める。

 

 サオリはいつか戦わなければならない日が来ると確信していたため、何とか時間をひねり出して正義実現委員会に混ざって活動している。おかげで訓練に専念するアリウスの生徒達にも引けを取らない戦いが出来た。

 

 無力化に成功したサオリは襲撃者を尽く拘束して一つの部屋に押し込んだ。第二波が来る前にすぐセイアの部屋の前に戻ったサオリだったが、閉めて出てきたセイアの部屋の扉が開いているではないか。

 

 ひゅ、と息を呑んだ。一瞬にして体温が冷えた。

 

 応戦するために視線は離したが警戒心は向けたままだった。なのにいつの間にか自分に気取られることなく廊下に入り込んでいて、かつ部屋への侵入を果たした。こんな真似を出来る者など指を折るほどしかサオリは知らない。

 

「セイア様!」

 

 部屋へと飛び込んだサオリ。セイアと対峙していたた者へすかさず照準を合わせて発砲……する前に、その者から致命的な一撃が投げられた。セイアをいとも容易く死に追いやれる、ヘイローを破壊する爆弾。

 

 しかし、それが本来の役目を果たすことはなかった。

 セイアの前に突如として現れた巨大な手に掴まれたから。

 

 サオリも襲撃者も圧倒された。守られたセイアすら見開かれた目を釘付けにされる。セイアを守った手の先が形作られ、翼を生やした鎧となっていく。がらんどうだった器の胸部にあった鏡面がゆらぎ、人ならざる存在の目元が映し出された。

 

「サオリ……このモンスターは一体何なんだ……?」

「モンスターではない……神だ。天使の力を宿し、時を超越する器の神々」

「そうか……。サオリ達はこの神を目撃していたんだな……」

「《時械神ガブリオン》、セイア様を助けていただいて……感謝する」

 

 セイアを守護したのはサオリが無理やり持たせた、かつて託された神のカードだった。戦闘・効果では破壊されず、戦闘ダメージを0とする時械神の効果によりセイアはヘイローを破壊する爆弾から守られた。

 

「アズサ。まだ続けるつもりなら無力化する」

「いや……もうしない。私はもう、元には戻れなくなってしまった……。サオリみたいに」

「……そうか。私はマダム派を掃討する。周囲が混乱している間に自分の部屋に戻れ。ティーパーティー権限で反省室送りにされたくなかったらな」

「ティーパーティー……サオリがなったと聞いてヒヨリがたいそう驚いてた」

 

 この後、サオリはアリウスからの侵入者の撃退に成功。反生徒会長派は予定通りどさくさに紛れて失踪。生徒会長派で逃走に成功したのはごくわずか。サオリが根回しして正義実現委員会が早々に出動、追撃したためだった。

 

 セイアはアリウスが最重要人物に位置づけていたことからも、表向きは入院中、しかし実はヘイローを破壊されたことにして救護騎士団のミネ団長の協力を得て匿ってもらうこととなった。

 

 アリウスを招き寄せたミカだが、実は彼女がセイアと通じていなかったことをサオリが知るのは少し後のこと。ミカがZ-ONEと共にタイプスリップして幼少期のサオリ達と出会ってからとなる。




トリニティのセイア、ナギサ、ミカにそれぞれの守護天使の力を宿した時械神を使わせる、これも本展開を書くにあたりやってみたかったことの一つです。時械神、というよりセフィロトはデカグラマトンとも密接に関係してるので、Z-ONEとデカグラマトンの関係も調整が必要ですね。

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