Z-ONE先生のブルーアーカイブ5D's   作:福留しゅん

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ここから4話Z-ONEとアロナのデュエルが続きますので、結果だけ知りたい方は4話読み飛ばしてください。


Z-ONE、アロナとデュエルする①

「「デュエル!」」

 

 こうして私とアロナとのデュエルが始まりました。

 

 ギャラリーの何割かは得体のしれないアロナに恐怖心を込めた視線で見つめ、もう何割かはどうせ私が勝つだろうと気楽に観戦。残りの何割かは私たちのデュエルタクティクス分析すべく真剣に観察します。そして……ヒマリたちは固唾をのんで見守っていました。

 

「私の先攻です」

「どうぞ」

「ターンエンドです」

「……!?」

 

 どんな出だしをするかを見せてもらおうと思っていましたが、なんとアロナは何もせずにこちらへターンを譲ったではありませんか。これには観客たちも呆れた様子です。

 

(ドローゴーは他のトレーディングカードゲームには戦術としてありましたが、デュエルモンスターズでやってくるとは……)

 

 アロナの手元を見ますが手札を5枚きちんと握っています。どうやら隠れて発動していたなんて真似はしていないようです。本当に何もせずに終わらせたんですか。手札だけでどれほど攻撃を凌ぐつもりか分かりませんが……。

 

「私のターンです。ドロー」

「……」

 

 アロナは私をじっと見つめています。私の一挙一動を見逃さないように。

 ……。ここは慎重に念押ししたほうがいいですね。

 

「私は……メインフェイズに移りますが、何かありますか?」

「えっ?」

「え?ではありません。普段はデュエルディスクが処理してくれるので疎かになりがちですが、フェーズの移行を相手に確認するのは巻き戻し対策のため常識でしょう」

「確かにそうですけど……」

「それとも、こちらが勝手に進行しているどさくさに紛れてカードを発動するつもりですか? そういった姑息な手は止めて、きちんと宣言してください」

「ご、ごめんなさいっ」

 

 アロナは深く頭を下げてきます。……本当に「実は発動していた」をするつもりだったんですか。無邪気な子どものように見えて強かですね。やはり私のデュエリストとしての勘は間違っていなかったようです。

 

「では改めまして。私は相手のドローフェイズ中、フィールド魔法《ヌメロン・ネットワーク》を発動します!」

「相手のターン中にフィールド魔法を……!?」

 

 一体どんな効果を、とデュエルディスクで相手フィールドの状況を確認して……固まってしまいました。アロナのフィールド魔法は今まで見たこともない文字で記されていたのです。丸と時計の針を組み合わせた楔形文字のような。これではどんな効果なのか確認しようがありません。

 

 わざわざ自分のメインフェイズではなく次の相手のドローフェイズに発動するとは。それほど奇襲要素の強いカードなのでしたら、迂闊にデッキを回して多くのカード効果を発動するのは危険ですね。

 

「やはりこのデッキにしておいて正解でしたか……」

「さあユウセイ先生、どこからでもかかってきてください!」

「では、私は自分のフィールドにモンスターが存在しないので、このカードをリリース無しで召喚します」

 

 私がモンスターカードをセットすると、光とともに現れたのは空っぽの器。しかし正面の鏡面に顔が映し出されると途端に存在感が増し、周囲の空気を支配します。しかし恐怖ではなく畏怖を人にもたらします。

 

「現われよ、《時械神メタイオン》」

 

 ケテルのセフィラの守護天使の力を宿した時を統べる神を降臨させます。

 そんな絶対的存在と相対したアロナ、驚きをあらわにしました。

 この【時械神】デッキでアロナ、貴女の全容を暴きましょう。

 

「え? え? あの、ユウセイ先生? レベル10の超大型天使族モンスターなんてシンクロデッキと相性悪いですよね?」

「ええ。普段とは違うデッキを使っていますから」

「そ、そんなぁ! せっかくシンクロメタのカードもデッキに入れたのに~!」

 

 演技ではなく素でやっているのでしょうけれど、そんな庇護欲を誘われる半べそかいたって容赦はしませんよ。

 

「バトルです。《時械神メタイオン》でダイレクトアタック」

「え? 攻撃力0のモンスターで攻撃するんですか?」

「何かありましたらどうぞ。何もなければダメージステップに移りますが」

「……。いえ、素通しします」

 

 この攻撃が通っても《時械神メタイオン》の効果は空振りに終わります。警戒した相手が誘いに乗ってくれたら御の字だったのですが、そう簡単に釣られませんか。さすがにいい勘をしていますね。

 

「2枚カードを伏せてターンエンド。アロナのターンですよ」

「では私のターン、ドロー! 私はデッキから魔法カード《ヌメロン・ダイレクト》を発動します!」

「デッキから魔法カード!?」

「正確にはデッキから魔法カード《ヌメロン・ダイレクト》を墓地に送って、その効果を得た《ヌメロン・ネットワーク》の効果を発動、ですね」

 

 アロナが発動した魔法カードもやはり円と針で構成された文字でテキストやカード名が記されていました。しかしアロナが宣言したカード名とテキストの文字とを比較すれば解析も可能かもしれません。

 

「私はエクストラデッキから攻撃力1,000以下の「ヌメロン」モンスターエクシーズを4体特殊召喚します」

「なにっ!?」

「現われてくださいNo.1~4! 《ゲート・オブ・ヌメロン-エーカム》、《ドゥヴェー》、《トゥリーニ》、《チャトゥヴァーリ》!」

 

 ナンバーズモンスターエクシーズを4体も同時に特殊召喚!? エクシーズ召喚の概念が根本から覆されるような規格外の展開ですね……。

 

 召喚されたモンスターエクシーズはこれまで対峙してきたどのモンスターエクシーズよりも異質な気配を纏っていました。正ではないし負でもない、まるで虚数のような得体のしれない存在のようです。

 

 そしてこの4体のナンバーズがデカグラマトンに後攻1ターンで勝利したモンスターたちの正体です。おそらくデカグラマトン戦の顛末を踏まえれば、推察されるこれらのモンスター効果は……。

 

「バトルです! 《ゲート・オブ・ヌメロン-ドゥヴェー》で《時械神メタイオン》に攻撃します! 《時械神メタイオン》は攻撃力0ですからこれで戦闘破壊します」

「時械神は戦闘・効果では破壊されません」

「えっ!? そ、それなら、《ゲート・オブ・ヌメロン-ドゥヴェー》の効果を発動! 《ヌメロン・ダイレクト》の効果でオーバーレイユニットを取り除かず、フィールド上の全ての「ヌメロン」モンスターエクシーズの攻撃力を倍にします!」

「!?」

「《ゲート・オブ・ヌメロン-トゥリーニ》で攻撃! 効果を発動して攻撃力を倍に。《チャトゥヴァーリ》で攻撃。また倍にします。これで攻撃力は8,000ですよ! 《ゲート・オブ・ヌメロン-エーカム》で攻撃してフィニッシュです!」

 

 やはり攻撃力倍増効果でしたか。確かに攻撃力8,000にも増大されると脅威以外の何物でもありません。《リミッター解除》を使われれば4体目の攻撃力は16,000。事前情報も無く兆候も見られなかったのであれば、1ターンキルされるのも当然でしょう。

 

 そして連続攻撃が終わると4体共攻撃力16,000にもなりました。

 

「時械神の戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0です」

「そ、そんなぁ! それならもっと早く言ってくださいよぉ!」

「何を言っているのですか……」

 

 どうやらアロナも時械神の効果を確認できないようですね。

 さて、強くなるばかりの《ゲート・オブ・ヌメロン》を残しておいても百害あって一理ありませんし、退場していただきましょうか。

 

「バトルフェイズ終了時、《時械神メタイオン》の効果を発動します」

「あ、さっき発動したけど何も起こらなかった効果ですね」

「このカード以外のフィールドのモンスター全てを手札に戻し、戻した数×300ポイントのダメージを与えます」

「ええっ!?」

 

 4体の《ゲート・オブ・ヌメロン》が淡く輝くと、やがて光の粒子となって消え去り、アロナのエクストラデッキへと戻っていきます。そしてアロナは《時械神メタイオン》の発した光を伴う衝撃波をまともに食らいました。

 

「ひ……酷いです~」

「まだアロナのターンです。続きをどうぞ」

「で、でしたら、手札から2枚目の《ヌメロン・ダイレクト》を発動して4体のナンバーズを特殊召喚します」

「メインフェイズ2で……?」

 

 アロナの手札消費は合計2枚の筈なのにあっさりリカバリーされるとは。他のエクシーズデッキが形無しなのではないでしょうか?

 

「そして私は、《ゲート・オブ・ヌメロン-エーカム》でオーバーレイ!」

「今度はRUM抜きでランクアップを……!?」

「1体のモンスターエクシーズでオーバーレイネットワークを再構築します。カオス・エクシーズ・チェンジ! 現われてくださいCNo.1! 《ゲート・オブ・カオス・ヌメロン-シニューニャ》!」

 

 現れたのは時械神にも負けない大型サイズのモンスターでした。モニュメントのようにも見えますしモンスター名の通り門にも見えますし、異世界の機械兵器にも見える、不思議な造形をしていました。

 

「《ゲート・オブ・カオス・ヌメロン-シニューニャ》がエクシーズ召喚に成功したので効果を発動、フィールドのモンスターを全て除外します!」

「なっ!?」

 

 相手のモンスターエクシーズが強く光り輝いたかと思うと、他のNo.2~4、そしてこちらの《時械神メタイオン》が光に飲み込まれ、光が収まった後には何も残りませんでした。

 

「なるほど、分かりました。時械神は破壊耐性はあっても除外は効くんですね」

 

 アロナの指摘通り、時械神も無敵ではありません。カードの効果は普通に受けますし除外やバウンズにも無力です。それを知られるのは想定内ですが、どのような攻略法を繰り出されるかは未知数ですね。

 

「カードを2枚伏せてターンを終了します」

「相手のメインフェイズ2終了時、リバースカードオープン。永続罠《虚無械アイン》を発動します」

「……! どんな効果が……やっぱり読めない……」

 

 フィールドに出現したのは巨大な黄金のリングでした。元の世界では妥協召喚能力の無かった時械神を召喚する補助的な役割がありましたが、テキストの書き換わったここキヴォトスでの効果は展開を補助するもののようですね。

 

 このカードを発動した際、デカグラマトンとマルクトが反応を示しました。セフィラに対応した守護天使ではないのですが、どうやら彼女ら2名はアイン・ソフ・オウルと何かしらに関係があるようです。




アロナの使う「ヌメロン」カードはアニメ版とOCG版の良いところ取り。更に俺ルールも発動してやりたい放題状態です。

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