Z-ONE先生のブルーアーカイブ5D's   作:福留しゅん

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Vol.4 カルバノグの兎編1章~裏~
Z-ONE、SRTの廃校だけは防ぐ


Vol.4 カルバノグの兎編1章 OP 遊戯王ZEXAL OP2より BRAVING!

 

(チカヅイテ)

疾走するミヤコ

(ユメトキボウハ)

"先生"とアロナ

(ハシリマワッテ)

原作通り「オノマトペ」モンスター+ホープ

(シンジツトウソノ)

FOX小隊。オトキ→クルミ→ニコ→ユキノの順

(ハジマッテモイナイ)

《銀河眼の光子竜》を召喚するアオイ

(アシタヘツヅク)

サンクトゥムタワーからD.U.を見下ろすリン

(ヨワキニナルマエニ)

サンクトゥムタワー廊下を歩くカヤ

(トビダシテイコウ)

主に"先生"とアロナ

(チカヅイテ)

ユキノと対峙するミヤコ

(トオノイテイク)

背を向ける"先生"に立ちはだかるRABBIT小隊

(シンジツヲ)

《ヴァレルロード・ドラゴン》を召喚するユキノ

《H-Cエクスカリバー》を召喚するミヤコ

(ミエナイミライカラ)

強襲するカイザーPMC兵士、ジェネラル。そしてプレジデント。

(キボウヲサガシダス)

砲塔列車に乗るヒカリとノゾミ

(ダレヨリモ)

走る"先生"と追いかけるRABBIT小隊

(カケアガルヨ)

RABBIT小隊とFOX小隊

(ヨワサトタタカッテ)

"先生"とデュエルするカヤ

(カチアガルツヨサヲ)

究極体ZEXAL化する"先生"

(カケガエノナイ)

"先生"と原作通り「オノマトペ」モンスター

(アシモトニヒロガル)

カヤ。召喚されるシルエット状態の《極神皇ロキ》

(アスヲミタ)

原作通り《CNo.39希望皇ホープレイ》

(アウトロ)

"先生"とアロナ

 

 ◇◇◇

 

「Z-ONE先生。ちょっといいでしょうか?」

「はい、何でしょうか?」

「SRTの状況、そして私達の希望を説明します。力になってほしい」

「私でよろしいのですか? 良ければ"先生"に取り次ぎますが」

「いえ、Z-ONE先生がいい。あの人の評判は耳にしていますが、この問題には正義と悪、良し悪しは関係ない、政治的なものですので」

「分かりました」

 

 サオリやミカと共にアリウスをベアトリーチェの圧政から解放した直後、私はSRTのユキノから相談を受けました。私はアリウス異変の事態が落ち着いたらではどうかと提案しようと思いましたが、ユキノの様子からもはやそんな時間は残されていないと察せました。

 

「SRTは連邦生徒会長の下での中央集権体制では必要不可欠な武力でした。SRTは複数の学園にまたがったり学園単独では手に負えない事件を解決するために開校されたんです。生徒は全員エキスパート、装備も設備は最新のものが揃っていました」

「しかし会長が失踪してしまった今、治安維持は元の各学園の自治に任せた昔に戻っています。各自治区は各学園に任せ、D.U.や自治区間の隙間はヴァルキューレが担う。そしてSRTは過剰戦力と見なされ、連邦生徒会は運用に及び腰になっているのでしたね」

「おそらく連邦生徒会はこう考えているのでしょう。シャーレの先生がいれば学校同士が協力して問題を解決出来るのだから、SRTは腐らせておくよりヴァルキューレと統合して治安維持にあたらせてしまえ、と」

「今回派遣されたのはSRT廃校が正式決定される前にサオリ……トリニティのティーパーティーから要請があったから。今回の作戦が成功しても連邦生徒会長が失踪してシャーレがある以上、SRTが微妙な立ち位置なのには変わりなし、ですか……」

 

 事情はある程度知っていましたが、生の声を聞くと印象が違いました。母校を失う虚しさ、憤り、悔しさ、諦めがひしひしと伝わってきます。そんな不条理な現実を前にユキノはただ手にする銃で撤回を求めようとせず、廃校が検討される要因を踏まえたうえで何とか存続させようと可能性を探しているようです。

 

「別に市民の暮らしを守りたいのでしたらヴァルキューレに転籍して、一大事が起こった際にシャーレのもとに集ってはどうですか?」

「それは無理です。我々SRTがヴァルキューレに染まってしまうのは断じて避けたいのです。これは別にヴァルキューレを見下しているのではなく、公正に悪を裁くSRTの正義が果たせなくなるからだとお考えください」

「その主張は理解しますが、巨悪を打ち砕くには権力、財力、暴力が必要です。大義だけで正義は成し得ない。連邦生徒会長という責任を取れる存在が不在であれば、役目は果たせないでしょう」

「シャーレ直属組織にしてしまうのは?」

「あくまで生徒の主体性に任せて先生は生徒に寄り添うスタンスのシャーレが武力を持つのは本末転倒でしょう。そして"先生"が最初から生徒に銃口を向けるやり方を好みません」

「つまり、母校が取り潰されるのをただ指を咥えて眺めていろ、と?」

 

 血も涙も無く合理性のみ考えればその方が望ましいのでしょうが、かといってその理由が責任者不在で自分たちでは責任を持てないから、という連邦生徒会の情けない内部事情なのが頭の痛いところです。

 

 連邦生徒会から切り離す……SRTの治安維持権は連邦生徒会が担保するものですから、武力介入すれば私刑になりますか。連邦生徒会全体でSRTを受け持つ……のは嫌がったから手放す選択をしたんでしたね。過剰戦力を削ぎ落として存続……ヴァルキューレと役割が被ってしまいますから、なら統合させてしまえ、になりますか。

 

「仕方がありません。大人の悪知恵を働かせ、連邦生徒会を丸め込みましょう」

「いけるのですか? 連邦生徒会の役員たちは尻込みしているのに」

「連邦生徒会の弱み、矛盾点を突けば難しくはありません」

「そう、ですか……」

 

 ユキノは安堵の吐息を漏らしました。固唾をのんで見守っていた他のSRT生徒も期待を込めた眼差しで私を見つめてきます。そこまで希望を託されても応えられるかは分かりませんが、居場所を失うのだけは阻止しなくてはいけませんね。

 

 そんなやり取りの後、私は連邦生徒会のリン首席行政官のアポイントを取り、指定された日時にサンクトゥムタワーを訪れました。彼女の執務室に入るとカヤ防衛室長とユキノが控えていたので、来訪目的は分かっているようです。

 

「Z-ONE先生。わざわざご足労いただきましてありがとうございます、しかし、SRTの廃校はアリウスの件の後に再度議論が交わされ採決を取りましたが、廃校撤回案は否決されています」

「その件についてディベートするつもりはありません。今日は一つリンに問いたかったので来ました」

「? 答えられる範囲でしたら何なりと」

「何故新たな連邦生徒会長を就任させないのですか?」

 

 部屋の中が静寂に包まれました。カヤは思いがけない私の質問に焦った様子で、リンは不愉快だと隠そうともしないで顔をしかめました。リンにとって連邦生徒会長は単なる上司でも同級生でもなく、親しい間柄なのだと伝わってきます。

 

「行方不明になっている連邦生徒会長は連邦生徒会が目下総力を上げて捜索中です」

「そうは言いましても、既に失踪してから少なくない期間が経過しました。リンが代行となって切り盛りしている現状を続けるには無理があります。連邦生徒会長と首席行政官の二足わらじでは捌ききれない量の業務を他に振り分けているせいで、各部室が逼迫しているのは把握しているでしょう」

「……連邦生徒会長が戻ってくれば全て解決します。それまで私たちが支えきれば問題ありません」

「つまり、連邦生徒会は連邦生徒会長が戻って来るのを信じているから、それまでは暫定的な体制を続ける、という理解でいいですか?」

「ええ、そうです。それがどうしましたか?」

 

 よほど私の言い方が気に障ったのか、リンはわずかながら言葉を荒げました。一方のカヤは私の意図に気づいたらしく、「あ」と言葉が出そうになったのを慌てて口をふさいでいました。当の私はリンが蜘蛛の巣に引っかかる蝶に見えます。

 

「では、連邦生徒会長麾下のSRTを廃校させるのはおかしな話ですね」

「何故……いえ、まさか……!」

 

 リンはようやく自分がはめられたと気づいたようです。聡明な彼女であれば感づかれるとも思ったのですが、膨大な業務量で疲労困憊になっているのか頭が回りませんでしたか。ユキノは目を見開いてこちらを見つめていました。

 

「連邦生徒会長が帰ってくること前提で現状維持するのならSRTは残しておかなければおかしいでしょう。逆にSRTを廃校するのなら速やかに連邦生徒会長がいなくても済む新体制に移行すべきです。気づいていないだけかもしれませんが、リンたちがしているのはダブルスタンダードですよ」

「そんなことは……!」

 

 別にリンたちが現状に甘んじて甘い蜜を吸っているとは思ってませんし、自分たちの出来る範囲を弁えて問題を処理していますから能力は確かでしょう。しかし、連邦生徒会長の帰る場所を残している、それは連邦生徒会の弱みです。

 

「勿論リンたち連邦生徒会がSRTの責任を負いきれないのは理解します。一方でもし連邦生徒会長が戻ってきた時にSRTが無かったらどうするんですか? 今度は統合先のヴァルキューレから切り離しますか? それとも新生SRTでも開校しますか?」

「では私たちにどうしろと? 廃校が駄目だと言うのでしたら会長が戻って来るまでSRTを遊ばせていろと?」

 

 さて、ここからが交渉です。

 連邦生徒会とSRT、双方が納得出来る妥協点を提示出来れば穏便に片付きます。

 存続しても扱いきれず、廃校は納得いかない、となれば……。

 

「休校にするのがいいでしょう。在校生は基本的にはヴァルキューレに留学扱いにし、望むのなら転校も認める。そして連邦生徒会長が復帰すれば休校は解除して在校生をSRTに戻す。これならどうですか?」

「休校……確かに事務手続きが違ってくるだけで生徒たちの扱いは廃校とさほど変わりませんか。ですがヴァルキューレの生徒と軋轢が発生するのでは?」

「それは統合しても起こりうるので、休校への変更に対する課題ではありません」

「……。次の定例会議の際の議題にさせてください」

 

 前向きに検討するのでしたら結構。しかし大人の政治家というのは検討しましたが実施は厳しいので見送ります、などと平然と釈明する輩ですからね。リンが気の毒にはなりますが、ここは念押ししておきましょう。

 

「リン。エデン条約の件もでしたが、連邦生徒会長不在の影響で発生している歪みは徐々にキヴォトスに悪影響を及ぼしています。シャーレの"先生"が奔走していますが、彼一人に責任を負わせるのは酷でしょう」

「そんなことは百も承知です。全ては残された私たちが不甲斐ないせいです……」

「別に責めているわけではありません。ただ、リンには誇りを持って仕事をしてもらいたいのです。連邦生徒会長が戻ってきた時にやましいことなく胸を張って「おかえりなさい」と笑顔で言えるように」

「……。ええ、そうでしたね」

 

 用件は済んだので私はリンに挨拶を告げて執務室を後にしました。カヤやユキノも後から続きます。……何だか二人共私に関心しきりです。そこまでの交渉術を発揮した覚えは無いのですが。

 

「お見事でしたよ、Z-ONE先生。連邦生徒会長を引き合いに出されたらさすがのリン行政官もSRT存続に趣旨替えするでしょう」

「リン首席行政官のウィークポイントを的確に突きつつ妥協点を提示し、更にフォローも欠かさない。これが大人の話術ですか」

 

 そうは言いますが、SRTが現状のままで事件解決出来るような体制に整えてこそ満点と言えるでしょう。それを怠って妥協点に落ち着いたことは責任逃れでしかありません。恨まれたって仕方がないでしょう。

 

「以前の私だったらそう判断して武力行使に及んでいたかもしれません。今回の作戦、キヴォトス中を騒がせるゲヘナの温泉開発部や便利屋68と行動を共にしました。そして思い知りました。SRTという入れ物に拘らなくてもSRTの正義は成し遂げられる、と」

 

 しかし、当のユキノは頭を横に振りました。その面持ちには不満や怒りは感じられず、明日への一歩を踏み出そうとする清々しさが見られました。

 

 カヤもまたこれまでSRT特殊学園存続を主張し続けていたユキノらしからぬ発言に驚きをあらわにします。サオリに端を発したアリウス騒動での作戦が一体ユキノにどのような影響を及ぼしたのか、以前のユキノを知らない私には分かりません。

 

「ですけどヴァルキューレに編入したらSRTとしての活動はもう出来ませんよね。どうするつもりなんですか?」

「便利屋68を参考に傭兵会社を起業しようかと。ただし戦争屋としてではなく、あくまで治安維持活動の一環を補助するように、仕事は厳選するつもりです」

「でしたらSRTの装備や設備一式は一旦シャーレ預かりにしてしまいましょう。必要な場面になったらシャーレに申請して出庫するシステムを構築しないと」

「私はてっきりヴァルキューレに没収されると想定してましたが……」

「ヴァルキューレでは持て余すだけですよ。ま、融通をきかせる見返りに連邦生徒会防衛室からの依頼は贔屓してくださいね」

 

 カヤは微笑を浮かべ、ユキノは感謝の意を込めて軽く頭を下げました。

 

 これでSRT廃校問題については一件落着。ユキノも引き続き正義を執行し続けることでしょう。

 

 しかし、このSRT無期限休校がそう遠くない日に問題となってしまったのです。

 SRT期待の一年生、RABBIT小隊が公園を占拠したことによって。

 もっとも、私はその間別件でD.U.地区を離れていたので預かりしれませんが。




◇月雪ミヤコ
使用デッキは【ヒロイック】
エースモンスターは《H-Cエクスカリバー》
切り札は《No.86 H-Cロンゴミアント》

◇不知火カヤ
使用デッキは「極星霊」を主軸にした【極星】
切り札は《極神皇ロキ(アニメ版とOCG版の良いところどり)》
他の極神はOCG版でしか召喚できない。

あいにくカルバノグの兎編1章は対策委員会編1,2章同様スルーします。"先生"側でほぼ原作通り進んでます。
ご意見、ご感想お待ちしています。
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