Z-ONE先生のブルーアーカイブ5D's   作:福留しゅん

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Final. あまねく奇跡の始発点編1,2章~裏~
Z-ONE、謎の少女の願いを受ける


Final. あまねく奇跡の始発点編1,2章 OP 遊戯王GX OP3より ティアドロップ

 

(ウーツムキ)

荒廃したキヴォトスに佇むシロコ

2章になると片目を包帯で覆うようになる。

(ナミダヒトツブ)

アビドス生徒一同

しかし話数を重ねると徐々に減っていく。

消える順番はホシノ→セリカ→アヤネ→ノノミ。

2章最後ぐらいにはミイラのように包帯まみれの謎の少女だけになる。

(間奏中)

ゲヘナの風紀委員会一同

(しかし徐々に減っていき、最後には荒廃したゲヘナの映像だけになる)

トリニティのティーパーティーと正義実現委員会

(同上。最後には荒廃したトリニティの映像だけになる)

(ツヨガルキミノ)

シロコ。後ろには【青眼】デッキのモンスター一同。

(カクスタメ)

ヒナ。後ろには魔王龍ベエルゼ

ユウカ。後ろには水晶機巧-フェニキシオン

(クダケテ)

ヒフミ。「おジャマ」モンスターを召喚。

(ガラスノ)

シロコ→ノノミ→セリカ→ホシノ→アヤネ→シロコの順。

(ムーネーノー)

希望皇ホープ。後ろにはガガガマジシャン等の「オノマト」モンスター

(サラケダシテ)

シロコと"先生"

2章に入ると"先生"が半透明になる

(イツデーモ)

笑いかけるアビドス生徒一同

(スクワーレテ)

アビドス高等学校校舎

(イマダーケ)

ヒナ→ユウカ→ヒフミ→ミヤコ→リン

(ズット)

D.U.地区

(ボクハ)

シロコ。背景映像はシロコのアビドスでの学生生活模様

2章に入ると背景映像はシロコの"先生"との思い出に切り替わる

(アウトロ)

シロコを中心にアビドス生徒一同と"先生"

 

 

 ◇◇◇

 

「おはようございますですわ、ユウセイ先生! 本日も一日、よろしくお願い致しますね!」

「ええ、朝から遠路はるばるお疲れ様です。今日も一日頑張りましょう」

 

 今日は珍しいことに私も"先生"も出張無くシャーレでデスクワークです。今日の私担当のシャーレ当番は百鬼夜行のユカリでした。また会った時はデュエルしようと約束していたのですが、思っていたより早い再会となりました。

 

 とは言え、いつも執務室でパソコンとにらめっこしていると気が滅入ります。せっかくいい天気ですのでたまには気分転換に外で仕事しましょう。シャーレのオフィスビル近くの喫茶店で仕事に専念するのもたまにはいいでしょう。

 

「好きな時に好きなものをオーダーして良いですよ。金は私が持ちますので」

「んーんー。今はいいですわー。あまり飲みすぎるとお花を摘みに行きたくなっちゃいますので。ユウセイ先生は何か飲みます?」

「ミルクでも貰いましょうか……は冗談として、今はこの紅茶で構いません」

「今日の御勤めもぱーふぇくとにこなしてみせますわ!」

 

 そんな感じに始まったテレワークは意外と捗りました。授業中かつ就業中なのもあって店内は静かなもので、ジャズ音楽が小音量で聞こえるぐらいです。集中力が切れそうになったら紅茶とケーキで小休止。いつだったか放課後スイーツ部が勧めてくれただけあって中々美味です。

 

 ユカリから百鬼夜行の近状も聞きました。百花繚乱の部長副部長両名はまだ戻ってきておらず、2年生のキキョウとレンゲが切り盛りしているそうですが、いずれは組織全体が立ち行かなくなるかもしれない、とユカリは不安を顕にしました。だからこそユカリはもっと強く、もっと頼もしくなろうとしているのでしょう。

 

「あらら?」

 

 最初に異変に気づいたのはユカリの方でした。

 

「どうかしましたか?」

「いえ、外が騒がしいような……」

「様子を見てみましょう。ヴァルキューレの生徒が来る前に騒動になるようでしたら鎮圧します」

「了解ですわ! 百花繚乱としての実力、見せて差し上げましょう!」

 

 私は食い逃げを疑われないよう店員に一言申し入れてから店の外に出ます。周囲を窺うとヘルメット団やスケバン辺りが銃火器を発砲している様子はなく、D.U.市民がざわめいているだけのようでした。

 

 D.U.市民が避けるように道を開ける人物は、まるではるか昔学生時代に見たホラー映画に出るミイラ男のように全身包帯で巻かれていました。背丈は小柄で体躯も華奢ですので、キヴォトスの生徒なのは間違いなさそうです。

 

「何なんですの、あのお方は……?」

「分かりませんが、見たからには放置するわけにもいきません」

 

 そんな彼女は本当にミイラ男のようにゆっくりと彷徨い歩きますが、シャーレの制服に身を包んだ私を見るなり、こちらへと向かってきました。私もただ待とうとはせずに彼女の方へと駆け寄ります。

 

「大丈夫ですか?」

「み……」

「み?」

「水……」

 

 乾いた声を絞り出した彼女はふらついて倒れそうになるのを何とか踏ん張りました。私とユカリで両肩を支えて喫茶店の中に連れ込み、とりあえずは要望通りに水を与えることにします。これで容態が上向かなければ連邦生徒会保健室に連絡を入れますか。

 

 ミイラ風生徒は煽るように水を飲み干し、サンドイッチを貪ります。一気に食べたせいで喉に詰まらせ、慌てて水を飲みました。ある程度腹が膨れたからか眠気が襲ってきたようで、彼女は自分で太ももをつねって意識を覚醒させます。

 

「あんた、シャーレの先生? そっか……ここは違うんだ」

「もしかしてもう一人に用事ですか? 彼ならシャーレの執務室で事務処理に追われていますよ」

「へ? 二人体制なの? ……いや、ならなおさら好都合ね。ねえ、お願いがあって……ちょっと困ってるんだけど、一緒に来てくれない?」

「その前に貴女がどなたでどこの生徒なのか教えてくれませんか?」

 

 私が問いただすと目の前の生徒は口を紡ぎます。必死になって言おうとはしているようですが実際に言い出す決心がつかないようです。彼女が一体何を恐れているのか、現時点ではうかがい知れません。

 

 仕方がありません。別に尋問しているわけではありませんので、例によってデュエルモンスターズに委ねるとしましょう。

 私は喫茶店の隅に置かれたストレージコーナーから箱を持ってきて、生徒に1枚引くよう促しました。

 

「ユウセイ先生、これは?」

「ゲヘナのヒナが《魔王龍ベエルゼ》、トリニティのミカが《時械神ミチオン》、アビドスの生徒会長が《オシリスの天空竜》と言った具合に、キヴォトスの生徒は1枚のカードと神秘が惹かれ合う場合があるようです。なのでこの中から1枚カードを引けばこの子のことも自ずと分かるでしょう」

「えっ、そうなんですの? でしたら帰ったら身共もやってみますわ~」

「無理して教えていただこうとは思いません。ですがどう呼べば良いのか分かりませんので、コードネームのようなものを付けましょう」

 

 生徒はおずおずとストレージボックスの中に手を入れ、1枚のカードをドローしました。引いたカードは……《聖刻龍-トフェニドラゴン》ですか。エクシーズテーマなので私の世界には存在していなかったカードですね。

 

「れべる6どらごん族もんすたーですのね。このカードは?」

「聖刻はエジプト九柱の神々、正確にはヘリオポリス九柱神をモチーフにしています。フェニドラゴンはその一体、テフヌトがモデルとされています。雌ライオンの頭を持つ女神ですね。時には同じように猫科の頭を持つバステトやセクメトといった女神とも同一視されています」

「ではテフヌトさんですね! よろしくお願いいたしますわ!」

「テフヌト……分かったわ。しばらくそう呼んでね」

 

 頭部に巻かれた包帯の隙間から生える猫耳、そして目はルビーレッドのキャッツアイ。そしてドローした《聖刻龍-トフェニドラゴン》。彼女の正体は何となく見えてきましたが、私から口にしないようにしましょう。

 

「それで、困ったこととは?」

「……大事なものを取り返したい。でも邪魔があって私一人じゃどうやっても無理なの。だから力を貸してほしい」

「問題ありませんが、在籍校の治安維持組織はどうしたんですか? ゲヘナなら風紀委員会、百鬼夜行なら百花繚乱に相当する生徒たちがいるでしょう」

「……。もう頼れない。現地に行けば分かる」

 

 頼れない、と語った際、テフヌトの顔が包帯の上からでも分かるほどはっきりと歪みました。それは後悔からか、憤りからか、怒りからか。どれにせよこの場で詳しく語る気は無いようです。

 

「ではすぐに出発しましょう。Dホイールを呼び出しますので少しお待ちを」

「Dホイール……? あー、ミレニアムで流行ってるライディングデュエル用のデュエルディスク、だったわね」

 

 ちなみに呼び出すと言ったのはシャーレのオフィスビル駐車場からここまで自動運転させるためです。ライディングデュエルでオートパイロットモードがありますし、それぐらいは朝飯前なのです。

 

「ユカリはどうしますか? 同行するのでしたらその準備もしますが」

「喜んで身共も力になりますわ! 百花繚乱のえりーとの実力、その目に存分に焼き付けてくださいませ!」

「……。うん、よろしく。頼りにするわ」

 

 全身包帯まみれのテフヌトは大怪我を負っているのかと聞きましたが、どうやら怪我の跡が残っているだけで五体満足に動けるようです。ですが疲労が蓄積しているようなので無茶は禁物ですね。

 

 ついでに開いている時間にシャーレの執務室にいる"先生"にモモトークでしばらく席を外す旨を連絡します。"先生"からも返事があって、彼もまた連邦生徒会に呼び出されたのでサンクトゥムタワーにこれから向かうので不在になるようです。

 

「さて、Dホイールが着いたようなので乗りましょう」

「ばいくに三人乗りはさすがに厳しくありませんか?」

「こんなこともあろうかとシャーレオフィスビルの駐車場にサイドカーも駐車していましたので、三人なら問題ありません」

 

 アポリアやアンチノミーがしてみせたようにイリアステルのDホイールには合体変形機能も備わっていますので、こちらから指示を送れば勝手に合体してサイドカーになってやってきます。

 

 テイクアウト分の会計も支払って店から出ると、Dホイールが待ち構えていました。狭いですがユカリとテフヌトにはサイドカーに座ってもらい、私はDホイールを運転するとしましょう。

 

「それで、どちらに向かえばいいですか?」

「……人気の無いところまで行ってくれれば案内する」

「……。では一旦シャーレの駐車場に戻りますか」

 

 運転してから十分もかからずに駐車場に到着。今の時間帯は誰一人としていない寂しい空間だけが広がります。ここで何をするのかとユカリが不思議に思っていると、テフヌトは指で水平方向に空を切りました。

 

 すると、私たちの前方方向の空間が歪み、ワームホールが形成されたではありませんか。テフヌトは驚く我々をよそにその中へと駆け抜けていきました。私とユカリは顔を見合わせ、意を決するとテフヌトの後を追います。

 

 一体どこに空間跳躍したのか。ワープの時間は一瞬だったので想像をふくらませる時間はありませんでしたが、例えそんな余裕があっても目の前の光景は決して想像しなかったでしょう。いえ、私なら出来たかもしれませんが、キヴォトスという世界では厳しかったとは断言できます。

 

「な……。なんですの、これは……」

 

 それは既に終わりを迎えた世界でした。

 見渡す限りが瓦礫の山ばかり。人の営みは無く、ただ文明の跡が広がるだけです。

 既にそれなりの月日が経っているのでしょう。人の気配は感じられません。

 

 ああ、またこんな光景を目にする日が来るなんて。

 あの進化を加速させすぎた罰としてモーメントが逆回転して滅亡した私たちの世界そのままの景色が視界いっぱいに映ります。

 既にあの未来は回避できたと分かっていながらも、胸が締め付けられます。

 

「テフヌトさん! ここで一体何があったんですの!? 他の自治区は……!」

「ここだけじゃないわ。ここの世界じゃあキヴォトス全土がこんな感じなのよ」

「ここの世界……? 一体何を言って……?」

「分からない? じゃあ分かるように言ってあげる」

 

 先に到着していたテフヌトは拳を固く握りしめました。

 

「ここはあなた達とは別の世界。ここのキヴォトスは滅亡してるの」

 

 そして、残酷な現実を私たちに突きつけたのです。




謎の少女テフヌトの正体は誰でしょうか? バレバレですが推理してみてください。

ご意見、ご感想お待ちしています。
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