……今回の話は書いてる途中で作者の方にも少し精神ダメージが入ったりもしました。
ただまぁ、あくまで私がそう感じているだけなので皆さんはいつも通りに読んでいってくださいな。
そんなことはさておき、本編をどうぞ
追記:次の投稿についてのアンケートを貼っときます。よろしければ是非
追記その二:69ON様に描いていただいた挿絵を追加しました。
私は……
私は、守れなかった。
浮かれていたのかもしれない。
紅霧異変のとき、私は霊夢とともに異変を解決した。
あの時は霊夢がメイドをしばいた後に、紅魔館の主である「レミリア・スカーレット」の元へ。
私は大図書館の主である「パチュリー・ノーレッジ」の元を襲撃した直後、地下室から脱走してきたレミリアの妹「フランドール・スカーレット」との戦闘となった。
最終的には、紅魔館を半壊させながら霊夢と二人がかりで吸血鬼姉妹を纏めて退治。
結果紅い霧も晴れ、この異変は無事に収束した。
この際に、当然のごとく霊夢が異変を解決したことが大々的に報じられたのだが……
それよりも大きく、人里などで私の功績も喧伝された。
今にして思えば、こうすることで幻想郷での人間と妖怪のパワーバランスが均衡しているという、賢者たちからのプロパガンダに使われたのだろう。
だが……そんなことに目を向けることなく、私は浮かれ上がっていた。
自分だって霊夢と肩を並べられる。
私も、人間を守る存在に立てるのだと。
今まで血反吐を吐くこともあった努力は、今こうして結ばれたのだと。
しかし、そんなことはなかった。
むしろ………私は……………
「カズッ!!しっかりしろ、カズゥッ!!!!」
「魔理沙、待ちなさい!今のアイツに触れたら……!!」
「離せ霊夢ッ!!カズが……カズがぁぁッ!!」
あの日………私は何もできることもなく、ただ泣き喚くことしか出来なかった。
――黒いモヤみたいなナニカに取り憑かれて気を失ったカズ。
――カズを助けるために、普段は境内の奥に厳重にしまっていたとっておきの札まで使って術をかけ続ける霊夢。
私は………私は何も………
むしろ、アイツがあんな状態になったのも………全ては私が………
――あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッッッッッ!!!!!!!!
――魔理沙の家――
もう、家に籠もって何日目になるだろうか。
霊夢からは未だにカズが目覚めたという連絡がない。
私は……未だに立ち上がることができない。
分かっている。
こんなことをしていても、彼は喜ばないということは。
むしろ、悲しませてしまうだろうということは。
……でも、私は立ち上がることを恐れていた。
立ち上がって………動いて………また、彼や霊夢を害してしまうのではないか?
また……何もできることがなくただ見ていることしかできなってしまうのではないか?
霊夢は否定していたが……なにも、分からない。
ふと、散らかった部屋の隅の方に置かれた鏡に自分の顔が映る。
酷い有様だ。
数日間、風呂どころか最低限の手入れもせず……
泣き腫らした目蓋にむくみきったその顔は、とてもじゃないが年頃の乙女の顔ではなかった。
……流石に、こんな姿では文字通りカズに合わせる顔がない。
ひとまず、流石に風呂でも入って身を清めよう。
そう思って立ち上がった……
――コン、コン
「………ッ!?」
突然、玄関の戸が叩かれた。
寸前まで人の気配も感じなかったが………そんなことはどうでもいい。
この叩き方……
それは、間違いようのない彼のものだった。
『……魔理沙さん、起きて………』
そこまで聞こえたところで、私は既に玄関へと走り出していた。
ドタドタと音をたてて散らかった部屋を駆け抜け……
「カズゥゥッッ!!」
「ま、魔理沙さ……おわっ!?」
戸を蹴破るかの如き勢いで開け放ち、彼の胸に飛び込むかのように抱きつくのだった。
魔法の森の浅い場所。
僕の家から少し離れた場所にその家はある。
森の中にぽつんと小屋のような見た目のボロボロの家が一軒、[霧雨魔法店]と書かれた看板を屋根に乗せて建てられている。
この一見すると唯の空き家にしか見えない家こそ、魔理沙さんの住居である。
(…相変わらず、ガラクタが外に溢れていますね。今度、また掃除しに来ましょうか…?)
外に山積みになっている大量のガラクタを傍目に見つつ、僕は地面すれすれのところまで下りて能力を解除する。
先ほどまで感じられていた透明な感覚がなくなると同時に、全身に血が回りだす感覚がした。
改めて体を動かしてみると、今までとは感覚が違うものの純粋に動きが格段と良くなっている。
五感も冴え渡っており、ついでに何か第六感というか……
感覚的に空間を把握できるようにもなっていた。
その影響か、少し集中して感覚を研ぎ澄ますと魔理沙さんが家の中にいるというのを察知できた。
流石に意識の有無や詳細な場所等は分からないが、気配ぐらいであれば感覚的に把握できる。
「魔理沙さん、起きてらっしゃいますか?」
コン、コンと戸を叩いて彼女を呼ぶ。
読んでいる途中あたりからガタガタと慌ただしそうに何かが動き回る音がして……
「カズゥゥッッ!!」
勢いよく開かれた戸から、まるで弾丸のように魔理沙さんが飛び出してきた。
「ま、魔理沙さ……おわっ!?」
いくら人でなくなった影響で身体能力が上がっているとはいえど、急に飛び出してきた彼女を無理に受け止めようとしたが故に、押し倒されるような形で後ろに倒れてしまった。
「ごめん、カズ……私が……私がぁ……ッ!!」
……自身の胸の中で泣きながら謝ろうとする魔理沙さんの姿を見て、僕の脳裏には昔の記憶がちらついた……
『ごめん……ごめんね………』
燃え盛り、自身を除いて生きているものがいないその場所。
腕に抱えた小さな物を抱きしめながら、幼い少年はそれだけを繰り返し呟く。
焼け焦げた小さな物にすがり、自身も炎に飲まれながらも……
少年は、それだけを呟いていた。
「……魔理沙さん。」
フラッシュバックしたそれを振り払うように、僕は魔理沙さんの頭を撫でながら抱きしめた。
「僕は……大丈夫ですから。貴女が無事で……本当に良かった。」
未だすすり泣きなく彼女をあやす。
日が沈み、またいつも通りの日常が戻りだすその時まで……
白い雪は儚くも溶け消える。
季節のサイクルによって移り変わる景色。
溶けた雪をかき分ける新芽は、今この時は目覚めることができない。
目覚めはいつか?
芽吹きはいつか?
寒空の下で、彼らは抗い出す。
次回「春雪」
和人が淹れる、幻想郷の古茶は苦い
次は設定資料の話を先に書くべきか…?
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先に設定資料を書け
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次の話をさっさと書け