東方死霊録   作:SCOPEWOLF

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どうもこんばんわ。
WAVEさんのレッドショルダーカスタム組んでたら大遅刻かましました()
ところでまたWAVEさんからスコタコ……今回はターボカスタムが出るそうで。
お財布が保ってくれるか……?
そんな訳で本編をどうぞ。


五.騒霊

魔理沙さんの調査によると、今回の異変は「春の力を奪われた」ことが原因で発生したとのことだった。

 

春の力というのは、まぁ簡単に言えばありとあらゆる物が芽吹き、自然が目を覚ますために必要なエネルギーのようなもの……

 

その概念を表現している言葉だ。

 

その春の力は桜の花びらのような形の物体……「桜」と呼称されている、あるいは「桜点」とも称されているその形状をもって実体化している。

 

そして、その桜は幻想郷の上空……

 

そのとある一点の場所へと集まるように動いてるということがわかっている。

 

魔理沙さん曰く、魔法の森に住むもう一人の魔法使い「アリス•マーガトロイド」さんが観測した情報らしい。

 

アリスさんとは香霖堂でお会いしたことがあるが、あの人からの情報なら信用できる。

 

彼女の人柄もだが、その研究への熱意と真摯さは充分に信用できる。

 

まぁその件について少し揉めたらしいが、魔理沙さんとアリスさんのことだ。

 

なんだかんだ魔理沙さんが諭すような形で解決したのだろう。

 

それはそうとして、今はそのアリスさんからの情報を元に幻想郷の上空を飛んでいる。

 

ここまで高く飛んでいると、あまり妖精の子たちも襲って来ない。

 

いかんせん上空の気温は非常に低い。

 

元々春が奪われた影響で寒気の強い冬の気候なこともあり、チルノさん達冬や低温の物体との親和性のある妖精を除いて基本的に冬ごもりのような状態になっているのだ。

 

そのためほとんどの妖精は行動を控えており、今活発に活動している子たちも地上で遊ぶことに夢中になっているため、わざわざこんなところまで襲撃をかけに来ることもないのである。

 

まぁ多少いるにはいるものの、僕以外の三人にとっては大した問題ではない。

 

鎧袖一触とでも表現すべきか、ホワイトロックさんとの弾幕ごっこ以降、僕はなにも出来ずに三人の後をついていくばかりであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……っと、あれか?」

 

魔理沙さんの声に、空の上のソレへと目を向ける。

 

まるで巨大な門のごとくその場所を守っている結界らしきもの。

 

そこに向けて、地上から流れてきた桜達が吸い込まれていっている。

 

「ずいぶんとまぁ立派なものね。……でも、見た感じ効力がだいぶ薄くなってるわ。」

 

「あら、ここから見ただけで結界の状態が分かるのね。さすが、博麗の巫女の名は伊達じゃないわね。」

 

「茶化さないでくれる?退治するわよ。」

 

十六夜さんと霊夢さんが軽口を言い合う中、魔理沙さんは何かの魔導書を手に持って頭を捻っている。

 

「うーん、ほんとに立派な結界だな。これ、どうやって解けばこの先に行けるんだ……?」

 

「何かしらくぐり抜ける方法はあると思いますが……。強行突破するおつもりですか?」

 

「ま、それが一番手っ取り早いんだがな。」

 

魔理沙さんはそう答えつつも魔導書とにらめっこを続ける。

 

「……オンパッキャラマド」

 

「なにそれ?」

 

「そんなので解けるわけないでしょ。」

 

「そうそう、そんなのでこの結界は解けないよ。」

 

「うるせぇ!!……って、最後のやつ誰だ?」

 

いつの間にか自然と紛れ込んでいたその声。

 

僕達はそれに遅れて気づき、ハッとした表情で周りを見渡す。

 

「一体、何も……「だーれだ?」……え?」

 

突然、視界が暗く暗転する。

 

なにか……いや、誰かが僕のすぐ後ろにいる。

 

背中に感じるその感触は柔らかいが……人の温度がない。

 

目を塞がれていることも含め、どうやら僕はその誰かに抱きつかれるような形で目を覆われているらしい。

 

というより、この声には聞き覚えが…………あっ

 

「……もしかして、リリカさんですか?」

 

「おぉ、ピンポーン!正解だよ〜!」

 

塞がれていた視界が晴れてすぐに後ろを向くと……

 

そこにはイタズラっぽく笑う少女。

 

騒霊の三姉妹、プリズムリバー姉妹の三女「リリカ•プリズムリバー」さんがそこにいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや〜、まさかこんなところで和人さんに会うなんてね〜」

 

「あはは……まぁこちらにも色々と事情がありまして。」

 

まさか、こんなところで彼女に会うことになるとは……

 

「……なぁ、カズ。知り合いか?」

 

僕の左の裾を掴みながら、魔理沙さんがジトッとした目で見てきていた。

 

「えーっと……まぁそうですね。数日前に香霖堂の方で道具の修理を依頼なされた方です。」

 

 

 

 

 

時は少し遡るが、僕が香霖堂で店番をしていた時の話だ。

 

その日、霖之助さんが無縁塚へと足を運んでいた為僕が店番をしていた。

 

その時に店にやってきたのがリリカさんと他二人……「ルナサ•プリズムリバー」さんと「メルラン•プリズムリバー」さんだった。

 

彼女たちは各々の楽器の整備や修理を依頼しに来た。

 

前まではただの古道具屋だった香霖堂だが、僕が店員となって少したった頃にあったある出来事をきっかけに、霖之助さんの判断で店の経営方針を変更。

 

ただ古道具を売るだけではなく、その古道具を長く使ってもらうために道具等の修理業も兼任することとなったのだ。

 

実際、この方針変更は見事に的中。

 

霖之助さんは小物や魔法関係の道具をメインに、僕は絡繰りや機械類等に加えて鍛冶屋等では修復が難しい作業道具等をメインに修理や改修業を行った結果……

 

人里どころか、偶に妖怪の方々からも顧客が生まれたのだ。

 

特にこれが呼び水となって香霖堂へと足を運ぶ人も増え、修理ついでに霖之助さんのコレクション外の道具達を大量に売り捌く事ができた。

 

話を戻すが、そんな彼女たちが預けてきた依頼品というのが3つの楽器………

 

バイオリン、トランペット、そしてなぜかキーボードだった。

 

バイオリンとトランペットは霖之助さんがやってくれたが、問題はキーボード。

 

かなり古い型のものだが、それでも幻想郷においては最新の機械と言っても良い代物。

 

ジャンク品のパーツの互換性もない中で、耐久性等で一部の部品を交換しないといけない状態だったのだ。

 

幸いにも完全に故障してたわけでもないために、一旦取り外して内部構造や設計等を調べて新品へと複製。

 

なんとかうまく修理できたらしく、前とは比べものにならないほど音の調子が上がったとお褒めの言葉までいただいていた。

 

 

 

「………んで、その時がきっかけで知り合ったと。」

 

「いや〜、ほんとあれは助かったよ〜!キーの音が少し外れ気味になった時はどうしようかと思ったもん!」

 

彼女曰く、その後に開いた演奏会は大成功。

 

他の姉妹のお二人の楽器もだが、なんと言ってもリリカさんのキーボードは音の質も今までとは比べものにならないほどに調子が良くなったらしい。

 

そのおかげが、依頼から数日後に特別な講演会を香霖堂前で披露していただける程には大きく感謝をされていた。

 

「……で、アンタはあの結界についてなにか知ってんの?」

 

「う〜ん、普段なら演奏会でも聴いてもらってから教えたいところだけど……」

 

そう言いながらリリカさんは僕のほうをちらりと見てくる。

 

「なんか貴女達は急いでるみたいだし、和人さんの知り合いだしね!特別に教えてあげる!」

 

そう言って、彼女は結界の上……

 

門のごとくそびえ立つその結界の上の空間へと人差し指を指し示した。

 

「実はね、あの結界は飛び越えていけば普通に通れるのよ!」

 

「えっ……えぇ……?」

 

リリカさんのまさかの解決方法に、僕はあっけにとられていた。

 

まさか解除するでもなく、普通に上を通り抜けられるとは……

 

ドヤ顔するリリカさんのその答えに対し、僕達は何とも言えない表情で互いを見合うことしか出来なかった。




死したものが裁かれた後に辿り着く場所、それは冥界。
生者など歓迎されぬ異界が一つ。
そこに眠るのは悪夢か?
または絶望か?
それとも……死なのか?
次回「冥界」
一振りの刃に儚く散るは一輪の花か
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