東方死霊録   作:SCOPEWOLF

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どうもこんばんわ。
はい、色々とやっててまた予定より遅れての投稿です。
本当に申し訳ない……。
一応、予定としてはこのあと数話ぐらいは戦闘回を予定していますが……
今の私の技量でどこまで描写できるかは不明です。
期待半分ぐらいでお待ちください。
そんなことはさておき、本編をどうぞ。


六.冥界

死後の世界。

 

それは、様々な国や民族が形成される中でたびたび議論され、様々な形で想像された概念だ。

 

俗に言う「天国」と「地獄」のように、死んだ人間が最後に行き着く場所として様々な物語や伝承に登場する。

 

が、もちろんその存在を立証できる者は居ない。

 

死後の世界に行けるのは死んだ人間。

 

死んだ人間が戻ってくることがない以上、死後の世界を知るものは生きるもの達へと教えることなどできるはずがないのだ。

 

そう、死後の世界に生者は行けないはずなのだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……まさか、完全に死にきる前にあの世に訪れることになるとは。」

 

「私らに至ってはまだ死に目にもあってないうちよ。」

 

「縁起でもないわね。」

 

桜が咲き誇る階段の下。

 

僕達は結界の上を飛び越えた先……

 

霊夢さん曰く、「冥界」と呼ばれている場所へと足を踏み入れていた。

 

「しっかし、ずいぶんときれいな桜だな。地上の桜なんてまだ寒さで凍えてるってのに。」

 

「おまけに、春が集まってる影響で気温もそれなりに温かい。まったく、犯人はいい度胸してるじゃない。」

 

霊夢さんのその言葉に僕は苦笑いを浮かべていた。

 

彼女の額には見事な青筋が浮いており、間違いなくブチギレている。

 

こうなった霊夢さんに容赦という言葉はない。

 

今回の異変の犯人は骨まで残るのだろうか…?

 

そんな事を考えながら歩いていると、階段を少し登ったあたりのところに人影のようなものが見えた。

 

「お出迎えね。」

 

早速、十六夜さんがナイフを取り出して構える。

 

それに合わせ、他のお二人も獲物を構えた。

 

「……貴女達が侵入者ですか。」

 

階段を降りて来たのは一人の人間……ではない…?

 

白髮に緑色の洋服を着たその少女。

 

人の気配を感じるものの、同時に人とは思えない気配を感じる。

 

もしや……?

 

「……半人ね。」

 

「何…?あいつもなのか?」

 

霊夢さんのその言葉に魔理沙さんがそう返す。

 

「えぇ。……でも、和人とは違う種族みたいね。」

 

そんな会話を交わす中、少女は背中に背負っていた刀を引き抜いてこちらへと刃先を向けた。

 

「……この先は冥界。貴女達のような人間が踏み入れるべきではない。去れ。」

 

「じゃあ春をさっさと返しなさい。こちとら寒くて迷惑してんのよ。」

 

「あんな天気じゃ花見もできやしないからな。さっさと返してもらうぜ。」

 

霊夢さんと魔理沙さんの言葉に対し、少女はため息を一つ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ッッ!!」

 

 

 

 

 

 

――ガキィィィンッ!!

 

 

 

 

 

咄嗟に僕は三人の前に立ち、背中に背負っていた短槍を突き出した。

 

突き出した直後、まばたきする間もない一瞬で距離を詰めてきた少女が刀を振り下ろしていた。

 

僕の短槍と少女の刀が接触し、甲高い音を立て火花を散らしながら競り合いの体勢になっていた。

 

「……ほう?これに反応しますか。」

 

少女は刀を傾け、崩しを入れようとしたのか体勢をわずかに変えた。

 

しかし、それはこの状況では隙になる。

 

「はぁッ!!」

 

一息に短槍へと力を込め、体勢の変わり目で踏み込みが緩んだ少女の刀を一気に押した。

 

「……ふっ。」

 

だがさすがに体勢を崩せるわけもなく、押した勢いを利用しながら少女は後方へと下がった。

 

「……和人、アレの相手を頼めるかしら?」

 

僕も地を蹴って後ろに下がった直後、霊夢さんが神妙な面持ちで僕に指示を出した。

 

「な、霊夢!?こんな奴ぐらい私達三人で……」

 

「事は急を要するの。……できるわね?」

 

霊夢さんのその口調と表情……

 

どうやら、何か早急に対応しないと不味いものがこの先にあるらしい。

 

霊夢さんの勘は常人のそれとは訳が違う。

 

女の勘だとかそういうものではなく、一種の才能に近しい先天性の祝福。

 

そう表現できるほどに不可思議ながらも、その精度と確実性が高い。

 

「……分かりました。足止めは任せてください。」

 

「頼んだわよ。」

 

霊夢さんがそう言うやいなや、霊夢さんと十六夜さんが勢いよく地を蹴って急上昇。

 

魔理沙さんは何か言いたげな顔をしていたが、「頼んだ!」の一言をかけて二人の後を追っていった。

 

「この先に行かせは……ッ!?」

 

「貴女の相手は……こちらです!」

 

少女が飛び去ろうとする三人に斬りかかろうとするが、短槍を投げてこれを阻止。

 

そして……

 

「呪撃「フェイタルズジャベリン」!!」

 

追撃でスペルカードを発動。

 

本来は対空用の技だが、こうして牽制して気を引くだけならこれでも充分。

 

生成された五つの槍が偏差で少女へと撃ち出される。

 

「く、このッ!!」

 

勘なのか、僕のスペルカードの性質を感じ取ったらしい少女は撃ち出された五つの槍に対して斬撃を当て、弾幕の爆散が起きる前に全て打ち消された。

 

しかし、スペルカードは一度発動すれば限界時間までは連続して展開し続けられる。

 

僕はすぐに槍を再生成して次々に撃ち込み、そのたびに少女が斬撃でそれを撃墜していく。

 

そうしてまもなく……

 

 

 

――バーンッ!!

 

 

 

破裂するような音とともに限界時間を迎えたスペルカードが爆散し、一枚目のカードがスペルブレイクした。

 

「おのれ……やってくれましたね。」

 

怒りの籠もった視線をこちらに向け、刀を腰の辺りで構える脇構えの体勢でこちらへと敵意を飛ばす少女。

 

既に三人は遠くの方に見える屋敷の方へと飛んで行っており、今から行こうにも僕という邪魔者がいるせいで多少の時間はかかるのだろう。

 

「良いでしょう……。まずは貴方から斬ります!」

 

そう宣言し、少女は斬りかかってきた。

 

これは後に「魂魄妖夢」と名乗った少女……

 

長く武人としての好敵手となる人物との初の戦いだった。




夜闇の如き空に舞うのは桜の花びら。
しかし、その場にのみ弾幕と火花という二つの花びらも咲き誇っては散っていく。
斬れぬは力、貫けぬは信念。
満開の花吹雪の中で半端者たちは踊り狂う。
次回「斬れぬものあまりなし」
刃が散らすはなにものか
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