東方死霊録   作:SCOPEWOLF

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どうもこんにちは。
はい、大遅刻でございます。
AC6ランクマ回してたらいつの間にか遅れましたわ……
因みに今Bランクなんですけども、相手の中に偶にMSや某ソシャゲBからの刺客が紛れてるんですよね……
前にスコープドッグ作ってる人いましたし、もしかしたらAT紛れてるやもしれませんね……
そんなことはさておき、本編をどうぞ


日常:人里②

『ギャァァァァッッ!?』

 

「へ、大したこと無かったな!」

 

人里上空。

 

空から呪いの残滓のようなものをまき散らし、地上へと落下していく人影。

 

妖魔本に宿っていた悪霊に取り憑かれ、つい先ほどまで魔理沙と交戦していた小鈴である。

 

彼女たちの戦いはそう時間もかからずに決着がついた。

 

というのも、妖魔本の悪霊がいかに強かろうとも宿主である小鈴はか弱い人里の人間。

 

弾幕ごっこどころか日頃の運動すらままならない彼女の体が、日頃から異変を解決しに出向いている魔理沙に勝てるはずもなく……

 

「カズ!」

 

「はい!」

 

落下していく小鈴へと和人が駆け寄っていく。

 

小鈴が地面へと叩きつけられそうになるその直前、和人は懐から取り出した一本の紐を彼女めがけて投げた。

 

投げられた紐はまるで蛇のごとくうねり、彼女へと巻き付いてすんでのところで宙に吊り上げた。

 

「ナイスキャッチだ、カズ!」

 

「すぐに解呪に取り掛かります!魔理沙さん、彼女を抑えててください!」

 

「よっしゃ任せろ!」

 

そういうや否や魔理沙は吊られていた小鈴を掴んで地面へと押し倒し、身動きが取れないようがっちりと押さえつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ガァァァァッッッ!?!?!?!?ハナセェェェッ!!!!ハナセェェェェェッッ!!!!!』

 

「はいはい、解呪が終わったら放してやるからな。カズ、まだかかるか?」

 

「少々お待ちを……なかなか厄介な悪霊に憑かれているようでして」

 

こうして今に至る。

 

すでに悪霊の身動きも封じこめているため、人里の人々はその様子を彼らの後ろから見ていた。

 

「まさか小鈴ちゃんが……」

 

「だ、だけど今解呪してくれてるんだろ?」

 

「でも……あの人、確か半妖の……」

 

後ろでコソコソとそんなやりとりをしているが、当の本人達は気にしない。

 

「……ここをこうしたら……よし、魔理沙さん!いつでも引引き剥がせます!」

 

「おし、やったれカズ!」

 

彼女の言葉を聞き、和人は小鈴の頭へと手を置く。

 

「祓えたまえ、清めたまえ……神ながら守りたまえ、幸えたまえ……」

 

 

 

「いざ、悪霊退散っ!!」

 

 

 

『ギィヤァァァッッ!?!?ヤメロォォォッ!?!?』

 

祝詞を唱えて彼が彼女の頭から何かを引っ張り出すように手を離すと、ズルリと引き抜かれた実体のない悍ましい化け物がその手に握られていた。

 

化け物が引きずり出されるのと同時に彼女の身体から力が抜け、彼女がずっと手に持ち続けていた妖魔本が地面へと落ちた。

 

「……なるほど。物に一時的に取り憑いて、持ち主が現れたらそちらに乗り換えるように寄生するタイプの悪霊ですね」

 

「ほぉ、そりゃまた随分とずる賢い奴だな。……となると、妖魔本自体は?」

 

「恐らくですがそこまで害のあるものでもないでしょう。ですが、そちらはそちらで詳しく調べる必要があるので迂闊に触らないでくださいね?」

 

「おうよ!」

 

「……さて、この悪霊はどうしましょうか?」

 

魔理沙と里の人々に注意を促しつつ、和人は手に持つその化け物を見る。

 

『クソ、ハナセェェッ!!!呪ッテヤル……!!呪ッテヤルゾ、下等生物ガァァァッ!!!』

 

「うーん……かなり知能も低いですし、式神とかで縛ったところでたいして使えなさそうですね」

 

「じゃ、手っ取り早く始末しちまうか。どうする?私のマスタースパークで消し炭にするか?」

 

「いえ、僕の能力で処分しましょう。これぐらいのであれば限界量にも満たないでしょうし」

 

彼はそう言うと、手に能力を発動して黒い瘴気のようなものを化け物へと侵食させ始めた。

 

『ヒィィィッ!?!?ヤ、ヤメロォォォッッ!?!?』

 

「残念ですが、生かしたところで霊夢さんにしばかれるだけなので大人しくしていてくださいね?」

 

『ギ、ギィヤァァァァァァッッッッ!?!?!?』

 

最後に悍ましい断末魔を響かせ、化け物は和人の能力によって跡形も無く喰われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……で、私が到着した時には全部終わっていたと」

 

「いやあ、すまんな霊夢。意外と弱っちい悪霊だったんでな」

 

「……別にいいわよ。何もないことに越したことはないわ」

 

人里の茶屋にて、魔理沙と霊夢の二人は茶菓子をつまみながらお茶を啜っていた。

 

現在、監視対象である和人は自警団の団員たちと鈴奈庵の後処理を手伝っており、そのあいだ暇になった魔理沙と救援に駆け付けたものの手持ち部沙汰になった霊夢は二人してお茶を楽しんでいた。

 

取り憑かれていた小鈴については里の診療所に運ばれていったが、医師と霊夢の見立てではこれといった異常は見当たらなかったらしかった。

 

倒壊した鈴奈庵についてはがれきの撤去作業が行われており、店主たちが戻り次第大工との相談のもと復旧作業が行われると思われる。

 

「……ま、特になんも問題なかったようでよかったわ。和人の方についても、これといって問題はなかったんでしょ?」

 

「あー……まぁ、カズ自身は特に起こさなかったな」

 

「……まぁ、でしょうねぇ」

 

渋い顔をして言葉を返した魔理沙に対し、霊夢はさもありなんという表情でお茶を飲んでいた。

 

確かに和人自身は何も問題は起こさなかったし、特に依頼人と何か揉め事があったというわけでもなかった。

 

では、何故彼女は渋い顔をしたのか。

 

それは………

 

 

 

 

「「「博麗の巫女様!」」」

 

 

 

 

「噂をすれば来たわね……」

 

「あー……めんどくせぇ……」

 

霊夢に対して声を張り上げ、彼女たちへと駆け寄ってくる人物たち。

 

数人の里の老人と若い衆が怒りに満ちた表情でそこにいた。

 

「巫女様、あの妖を退治してくださいませ!」

 

「里の皆はアレの危うさを理解しておらんのです!どうか皆の為を思い、目を覚まさせるためにも奴を懲らしめてください!」

 

「魔理沙ちゃんもみんなも、アイツに騙されているんだ!巫女様、どうかお願いします!」

 

彼らが口々に語るのは妖怪を追い払えという嘆願……

 

要するに、和人を退治しろという内容のものであった。

 

「……言っとくけどアイツは妖怪じゃなくて半妖よ。確かに半分妖怪だけど、もう半分はアンタたちと同じく人間。特に問題を起こさない以上こちらとしては妖怪とはみなせないわ」

 

「巫女様!!どうかお気を確かに!!半分であろうと妖怪は妖怪!たとえ半妖であろうとも妖に変わりはありませぬ!!」

 

先頭に立つ老人の言葉に同調するかのごとく抗議をする人々。

 

いわゆる反妖怪派……里では「過激派」と呼ばれている者たちである。

 

「……あんたらが言いたいことはまぁわかったわ」

 

「……!では……!!」

 

「だけど、それはダメよ」

 

霊夢は冷たくもその嘆願を一蹴する。

 

「な、なぜですか!?相手は妖怪……」

 

「だからアイツは半分人間だって言ってるでしょ?確かに妖怪であれば問答無用で退治するけど、アイツが半分人間である以上一方的に妖怪と断じることはできないわ」

 

「……それに、今回和人が人里に入ることに関しては里の長老とか稗田家、その他里の有権者が条件付きで許可したこと。ここでそんな理由で彼を退治したとかなればあの人たちの顔に泥を塗ることになるわよ?」

 

「長老や稗田がなんだってんだ!妖怪に媚びる裏切り者なんぞ知ったことじゃ……」

 

「ほう?そいつはちょっと聞き捨てられんなぁ?」

 

突然、彼らの後ろから太い男性の声が聞こえてきた。

 

過激派の里人達は体をビクリと震わせ、恐る恐る後ろを振り返る。

 

彼らが振り返った先にいたのは……

 

 

 

「誰が裏切り者だと?」

 

 

 

「「「「ち、ちちち長老!?」」」」

 

そこにいたのは熊と見間違うような巨躯の男。

 

着崩されはだけた着物から見えるのはまるで岩盤の如き胸筋。

 

丸太のごとく太く、ガッチリと引き締まった両腕。

 

上のガッチリとした体格に合わせ、これまたズシリとした重みのありそうな逞しい足腰。

 

顔はかなり老けてはいるものの、まさに鬼の如くというべき迫力がある。

 

里の長老……かつて里を襲った妖怪を素手で退治したと言われている巨漢の老人が、仁王立ちで彼らを見下ろしていた。

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