東方死霊録   作:SCOPEWOLF

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どうもこんにちは。
最近サバゲーに行った帰りに、偶然S&TのM1903スプリングフィールドのエアコッキングガンを見つけて即買いした今日このごろ。
いやぁ良いものを手に入れましたわ。
これで芋スナプレイが捗ります()
それはそうとして、ここから数話ぐらい"例のアレ"にも多少なりとも関わる内容をやります。
直接というわけではないですが、幾分かここで語られる内容は"アレ"がどうやって幻想郷に適応するのかという過程になっております。
そんな訳で、本編をどうぞ


日常:トレジャーハント

ある日の無縁塚……

 

「はぁ……なんかちょうどいい掘り出し物はねぇのか?」

 

無数の名もなき墓が乱立するその場所の上空をほうきで飛びつつ、背中に背負った籠にスカベンジした道具やら何やらを積み込んでいる魔理沙がいた。

 

最近物入りがあったこともあって手持ちが少なくなってしまい、ちょっとした小遣いを稼ぐために香霖堂に売る古道具等をここまで探しに来たのだ。

 

ここ無縁塚には様々な道具が流れ着いており、それらの多くは外の世界から流れてきた……あるいは、外の世界からやってきてここで力尽きた仏さんの持ち主だったりする。

 

大部分は再利用もできないゴミなのだが、たまに掘り出し物でそれなりの高値で売り払える物が流れ着いている事がある。

 

外の世界の道具だけでも霖之助に売ればそれなりの音になるが、特に狙い目は外の世界の武器だ。

 

前に彼女はここで外の世界の武器を拾うことがあり、それを和人に見せたところいくらばかりかの円*1で買い取りをしてもらったことがある。

 

そういう事もあって、外の世界の状態のいい品物は香霖堂で霖之助か和人に売ると相当な金になるのだ。

 

多少壊れていても修理屋を兼任している和人に渡せば安値で修理してくれるため、そういった事情を加味すると幻想郷におけるスカベンジはそれなりに金になるのである。

 

まぁそんな事もあって魔理沙は無縁塚の上空を飛び回りながら辺りを調べ回っていた。

 

 

が、探索し始めて数時間……

 

 

めぼしい品は特になく、売ればスズメの涙程度にはなりそうなぐらいの傷だらけの装飾品がいくつか見つかっただけであった。

 

「ったく、ついてないなぁ……。稼ぎがシケてやがって萎えそうだぜ……」

 

そう嘆くも、彼女は諦めずに探索を続けていた。

 

こんなカスみたいな収入だけで満足ができるほど、彼女は慎ましい生き方をしていなかった。

 

だが、それが功を奏したのだろう。

 

「おぉーい、魔理沙ー!!」

 

「ん?このバカみたいに威勢のいい声は……」

 

「誰がバカだとぉ!バカって言ったほうがバカなのよ、バーカバーカ!」

 

どこからともなく氷の妖精「チルノ」が現れ、魔理沙に声をかけてきた。

 

「……っと、そんなことよりもちょっと手伝ってくれ!あたいだけじゃあれを運べないんだ!」

 

「あ?なんか良いものでも見つけたのか?」

 

魔理沙はほんの少しだけ目の前のバカの話に付き合ってやることにした。

 

「へへ、この辺で前にカズトに見せてもらったざっし?とかいう絵本に書いてた乗り物を見つけたんだよ!」

 

「雑誌……?というと、外の世界の品か!」

 

魔理沙はすぐに頭を回す。

 

どうやって運ぶかというのもそうだが、どうやって目の前の妖精からそれを上手いこと奪い取ろうかと思案を巡らせていた。

 

目の前の妖精のことだ。

 

どうせ拾って運んでいった先で凍らせて永久保管でもしようとするのだろう。

 

だが、それでは折角の外の世界の乗り物とやらがもったいない。

 

だからこそ、魔理沙は彼女からその乗り物を強奪しようと……

 

「あっ、香霖堂まで運んでくれたらそいつを売った金を山分けするぞ!」

 

「……………は?」

 

魔理沙は自分の耳を疑った。

 

あのチルノが……山分けなんて言葉を?

 

いや、それ以前に売る?

 

金銭感覚どころか取引なんて言葉なんてものが無いに等しい妖精が?

 

「前にカズトから貸してもらったまんがっていう絵本にあったんだ!魔理沙みたいにお宝を拾って売るのをとれーじゃーはんとって言うんだって!」

 

「トレジャーハント……いやまぁ、確かに近いんだが……」

 

実際はスカベンジ……ようはガラクタ漁りなのだが。

 

「あたいらはそんなにお金使わないけど、でもカズトが前に『お金は持っておいて損にはなりませんよ』って言ってたからな!せっかくだしいつかの時のために取っておきたいんだ!」

 

「……マジか。」

 

魔理沙は開いた口が塞がらなかった。

 

基本的に欲なんてものがなく、欲しいものがあれば無銭で持っていくのが常な妖精が金銭取引を覚え始めた。

 

今までの妖精を知っているからこそ、魔理沙はその事実に驚愕していた。

 

まだ確認できる限りでその兆候があるのはチルノだけだが、今後和人が妖精たちと関わりを持ちだしたらさらにその流れは加速していくのかもしれない。

 

この際何が困るかと言うと、魔理沙としては同業者が増えてしまうことに懸念がある。

 

小遣い稼ぎとはいえ、いざという時の稼ぎ口に同業者が溢れるとなると稼ぎが薄くなる可能性が非常に高い。

 

……まぁ、ひとまずはそのことは置いておこう。

 

「……ま、まぁいいぜ。私に運ばせるんだからそれなりに価値はあるんだよな?」

 

「ふふん、あれは絶対に高く売れるんだ!あたいのとれじゃーはんたーの血がそう言ってる!」

 

「……まぁこの際トレジャーハンターでもいいか」

 

わざわざ訂正するのも面倒故、魔理沙は特にそのへんの指摘はせずに目的の物がある方へと飛んでいくチルノの後を追う。

 

 

 

無縁塚の一角。

 

まるで隠されているかの如く見えづらい位置に空いた洞穴の中に二人はいた。

 

「おいおいチルノ……まさか、こんなところにそのお宝とやらがあるってのか?」

 

「おうよ!……見つけたのはあの鬼巫女に吹き飛ばされて偶然この中に入ったからなんだけど」

 

「相変わらず命知らずだなぁ」

 

まぁ実際、彼女たち妖精は死んでも蘇る故に命という認識が薄いのは確かなのだが。

 

そうこう雑談しながら歩き続けていると、広間のような場所に出た。

 

天井からは光が差しており、丁度それで照らされている場所に"ソレ"が倒れた状態で安置されていた。

 

「こいつは……」

 

「な?こいつは売れそうだろ!」 

 

魔理沙が視線を向けたその先にあったもの。

 

錆含め、腐食した様子のない外装とフレーム。

 

特に見たところどこか破損した様子などが見受けられない完璧な保存状態。

 

そして……前に自身も和人にその写真を見せてもらったことがあるが、その時見たそれとは形状や構造に相違点が多いもののほぼ同一の外観をしているその乗り物……

 

黒塗りの近未来的デザインのバイクが、静かにそこで眠りについていた。

*1
明治時代ぐらいの一円で、現代の3800円相当

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