東方死霊録   作:SCOPEWOLF

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はい、どうもこんばんわ。
また遅刻して投稿です。
もう少し早く書きたかった……
それはそうとしてなのですが……


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 普段着


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 八卦銃


【挿絵表示】
 フル武装

なんと、前回挿絵を書いて69ON様に和人の立ち絵を描いていただきました!
……だいぶ無茶な注文ではありましたが、書いていただいて本当にありがたい限りです。
特に八卦銃についてはさらに新しい設定を生やせそうで楽しみです。
というわけで、名残惜しいですが本編をどうぞ!


日常:紅魔館

ある日の昼時。

 

僕は幾つかの商品を担ぎ、とある場所へと赴いていた。

 

霧で覆われた湖の先にそびえ立つ赤い……いや、紅い館。

 

吸血鬼の館「紅魔館」の敷地に、僕は足を踏み入れていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、僕がここに来た目的なのだが……

 

それは春雪異変の後、僕がここに搬送されたことまで遡る。

 

あの時、僕は再生を後回しにしていた傷……妖夢さんの斬撃によってできた傷が開いて瀕死の状態だった。

 

魔理沙さんは人里の診療所に搬送しようとしていたが、それを止めてここに搬送したのが十六夜さん……いや、咲夜さんだった。

 

あれほどの傷の場合、普通であれば治療する前にもう死んでいる。

 

だが僕は半妖。

 

なんとか生きてはいた故に、治療が間に合えばそこから妖怪の再生力で治すことができる。

 

しかしそれは治療ができたらの話だ。

 

まず人里に入ること自体、僕はままならないのである。

 

今でも人里に立ち入ることはあるが、そういった時には自警団の人達の付き添いありきでしか踏み入ることができないのである。

 

そんな中で人里に搬送したところでよくて門前払い。

 

最悪その場でトドメを刺されかねなかった。

 

そういった理由で咲夜さんは紅魔館へと搬送するように魔理沙さんへと説得したそうだ。

 

そのおかげもあって僕は一命を取り留め、今日はその恩返しというべきか……治療後に請求された対価を支払いに来たというべきなのだろうか?

 

そんな訳で幾つか香霖堂の商品の中から使えそうなスクラップを幾つか見繕い、宝飾品や外の世界の家電類……

 

その他にも古道具の幾つかを修理して背負ってきた。

 

自費で調達などを賄ったおかげで財布は非常に軽くなってしまったが、命の対価として見るのなら安いものだろう。

 

 

 

 

 

 

ここに今日来ることは事前に話を通していた為、門番の「紅美鈴」さんに軽く挨拶するだけであっさりと通された。

 

彼女が手入れしているらしい見事な庭園を横切りながら正面の玄関口に歩を進める。

 

玄関口につくと扉が向こう側から開かれ、どこからともなく目の前に咲夜さんが現れた。

 

「お待ちしておりました」

 

「こんにちは咲夜さん。頼まれていた家電一式と設備類、アクセサリー類をお持ちしました」

 

「そちらの荷物ですね。少々お待ちください」

 

唐突に一瞬咲夜さんの姿が目の前からパッといなくなり、そう時間もかからずに再び同じ位置に現れた。

 

彼女の程度の能力は扱いの難しい時止めの能力とは聞いていたが、これほどまで普段から使用している様子からして相当使いこなしているのだろう。

 

「お待たせしました。受領書は……」

 

「それならこちらです」

 

僕は背負っている木箱……その側面に括り付けていた紙を取り外して彼女に渡した。

 

「……はい、サインはこちらでよろしいでしょうか?」

 

「お受け取りしました。これで問題ないですね」

 

一応古道具の支出については記録を取っているため、受領書にサインをもらった。

 

支払いの枠には僕の方で記入を行っているものの、どこにどのような品が流れたかは記録を取る必要がある。

 

まあ理由は色々とあるが……

 

この受領書については紫さんや霊夢さんに定期報告という形で報告されているとだけここでは語ろう。

 

「では僕はこれで……」

 

「あら、もう帰るのかしら?」

 

ふと、後ろの方から声が聞こえてきた。

 

その場で振り返ると、すぐ真後ろに小さな一人の少女……

 

ナイトキャップを被り、紅い瞳でこちらを見つめる翼の生えた幼き吸血鬼「レミリア・スカーレット」さんがそこにいた。

 

「こんにちはレミリアさん。ええ、まあ……僕はこれを届けに来ただけだったので」

 

「あら、せっかくなのだしお茶でもしましょう?あなたにはいろいろと聞いてみたいこともあるのだし」

 

そういわれたところで、いつの間にか景色が変わっていた。

 

目の前には紅茶と茶菓子が置かれたテラス席。

 

僕の立つ位置と向かう方向の席にはすでにレミリアさんが座っており、紅茶を飲みながらこちらに座るよう促してくる。

 

ここで断るのも失礼と判断し、僕は用意された席へとついた。

 

「さて、まずはあなたに聞きたいのだけど……あなたが元々は外来人なのは本当なのかしら?」

 

「ええまぁ……そうですけど」

 

「ふうん…?それにしては幻想郷にかなり馴染んでいるみたいね」

 

……いったいどういった意図の質問なのだろうか?

 

いまいち僕には彼女の考えが読めない。

 

「……この館にはたまに外の世界から流れてくる人間がいるのよ。大抵は人里になじめずに放浪していたのを攫ってくるんだけど……貴方にはそいつらのような感じがしないのよね」

 

攫われた人間……あぁ、前に聞いたことがある話だ。

 

確か人里でインチキじみた商売をしようとしていた外来人の男女が、突如として里で見かけなくなったと自警団の人からは聞いている。

 

まさか紅魔館に拉致されていたとは思わなかったが……聞いた話だと、おそらくは外の世界の今では聞かなくなっていた怪しいカルト宗教の信者と思われる人物達だった。

 

正直言って助けたところで里に害を与えかねないので、そのまま攫われたままのほうが世のため幻想郷のためだろう。

 

さて、そうなると僕も回答に迷うが……

 

「そうですね……僕にはなんだかんだ外の世界の空気というか、環境が合ってなかったんだと思います」

 

「ふぅん……つづけて?」

 

「外の世界は技術が発展して生活に余裕ができていました。特にこれといって明確な天敵がいるわけでもなく、緩やかに進化をすることなく繫栄してきていました」

 

「……だからこそ、外の世界では人と人の間で争いや排他的な文化を生み出しています」

 

「今でも眠れば悪夢として出てきますが、そんな外の世界の禄でもないことばかりが頭にこびりついています。そんなもののせいで僕は……」

 

僕はそこで言葉を切り、いつの間にか余計なことまで喋ろうとした口を黙らせる。

 

「……ですが、そんな世の中でも適応して輝いていられる人たちは多くいました。僕は……彼らのようにあちらには馴染めませんでしたけどね」

 

「……そう。まあ、そういうこともあるのかしらね?」

 

ひとまずは納得してくれたようだ。

 

……実際、あの世界は僕に合ってはなかったのだろう。

 

生きているだけで後ろ指を指され、重い十字架を背負わせられるあの場所は……

 

 

 

 

 

 

 

「はい、そこまでにしておきなさい」

 

 

 

 

 

 

 

ふと、手が叩かれて僕は意識を頭の中から引き戻す。

 

「……聞いた私が言うのもアレだけど、そんなに辛い物があるんなら忘れなさい。貴方はもう幻想郷の住人なのだから」

 

「……そう、なんでしょうかね?」

 

「そりゃそうよ。そうでもないと、あの博麗の巫女が貴方にあそこまで世話を焼くこともないはずよ?」

 

「霊夢さんが……?」

 

どういうことだろうか?

 

「……まあ、あまり知る必要がないことよ。気になるなら本人に聞きなさい」

 

そういって彼女はティーカップをソーサーに置いた。

 

空だったらしいカップが置かれて間もなく、いつの間にか新しい紅茶が注がれている。

 

姿は見えないが、すぐ近くで咲夜さんも待機しているらしい。

 

「さて、話は変わるけど………」

 

こうして、僕は日が落ちきるまでレミリアさんと談笑した。

 

帰りに紅魔館の大図書館から本を盗もうとしていた魔理沙さんを捕まえて連れ帰ったりもしたが、それはまた別の話。

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