東方死霊録   作:SCOPEWOLF

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どうもこんばんわ。
抜いた親知らずの跡の影響で食べれる物に制限がかかる今日このごろです。
いや本当に痛い……
それはそれとして、今回は前回紹介したフル武装の服についての設定を語る話です。

【挿絵表示】

実はフル武装の衣装については半分ぐらいあちらにおまかせしてデザインしてもらったのだとか……
まぁ、私では服のセンスが……ね?
というわけで、本編をどうぞ


日常:衣装

ある日の香霖堂……

 

「……うん、大体こんな感じかな?和人、ちょっとこっちに来てくれ!」

 

「はーい、少々お待ちを……」

 

店内の清掃をしていると何かを作っていたらしい霖之助さんが突然僕を呼んだ。

 

とりあえず軽く落とした埃を掃除機(魔導具)で吸い取り、定位置に戻して霖之助さんのいる店の奥の作業場へと入る。

 

「お待たせしました」

 

「早速で悪いけどこれを着てくれないかい?」

 

「……?これって……」

 

作業場に入った途端に霖之助さんから渡された物……

 

記憶はおぼろげだが、僕はこれを……この服を見たことがある。

 

全体的に薄い緑がかった色をした古い野戦服。

 

本来階級章が付いてる部分には何も無いが、恐らくこれは大日本帝国時代の日本の軍服……

 

恐らくは陸軍の物なのだろうか?

 

「君も今後、彼女たちに連れられて異変解決に乗り出すことがあるだろうと思ってね。即席だけど前に拾ってたちょうど良さそうな外の世界の服を改造してみたんだ」

 

「いいんですか…?こんないいものをいただいて……」

 

「構わないよ。それに、その服には僕なりにいろいろとやってみたかった機能を実験的に付けてみたんだ」

 

……なるほど、そういえばここ最近霖之助さんはいろいろな魔道具を試作していた。

 

そのプロトタイプの一つがこの服なのだろう。

 

「今のところはその服だけなんだけど……いずれは霊夢や魔理沙の服にも使いたい技術なんだ。だからこそ、君にそれの検証を頼みたかったんだ」

 

「……それは少し責任重大ですね」

 

最悪人間にとっての致命的な大怪我を負っても命だけは助かる僕とは違い、人間である彼女たちはちょっとの大怪我か死に直結する。

 

なればこそ、彼女たちを守るのに使われるのであろう服にかけられた術の検証はかなり重大な責務である。

 

「まぁそういうわけだ。取り敢えずはそれのサイズを合わせたいし早く着て欲しいかな?」

 

「……了解しました。少し失礼しますね」

 

僕は受け取った服を抱えて作業場がらぬけだし、早速その服を着てみる。

 

やはりというべきか、サイズはぴったりである。

 

流石に何着も衣服を作ってもらっている以上、その点において霖之助さんには信頼しか無かった。

 

「これに腰巻きとこれを付けて……よし」

 

それでも着慣れない服に少し苦戦しながらも、なんとか着替えることができた。

 

「霖之助さん、これでいいでしょうか?」

 

「……サイズもぴったりだね。うん、それで問題ないよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけで、早速僕達はこの服の最後の調整の為に外に出ていた。

 

「じゃあまずは霊体化してみてくれないかい?」

 

霖之助さんの指示を聞き、僕は死霊変化の「ゴースト」を発動して身体を霊体化させる。

 

少し身体が全体的に薄い色合いとなり、半透明な状態へと変わる。

 

「よし、じゃあそのままで……」

 

すると、霖之助さんは肩に担いでいた火縄銃らしき見た目のそれ……

 

つい最近、共同で開発していた銃型の魔道具「魔導銃壱式」を僕の方へと向けた。

 

「霖之助さん……!?一体何を……」

 

僕が慌てて止めようとするも時すでに遅く……

 

 

 

――ズドンッ!!!!

 

 

 

「ガッッ!?!?」

 

 

 

大きく銃声を轟かせ、特大の魔力弾が僕に直撃した。

 

強い衝撃を受けて吹き飛ばされた僕はそこで違和感を感じる。

 

僕の今の状態であるゴーストの霊体化。

 

これは物理的な攻撃を透かせることができるのだが、反面魔力弾や霊力弾といった非実体のエネルギーによる攻撃にめっぽう弱い。

 

具体的に言うと、この状態で弾幕ごっこなどをして被弾しよう物なら容易く身体に穴が空いてしまうのである。

 

だが、僕は今魔力弾を受けたはずなのに大きく吹き飛ばされただけ……

 

特に身体に穴が空いた感覚もない。

 

痛みに悶えながら下を見下ろすと、本来であれば空いてるだろうはずの風穴は身体のどこにも無かった。

 

「うん、問題なく機能してるね」

 

「き、肝が冷えましたよ。霖之助さん、これは一体……?」

 

満足そうに頷く霖之助さんに対し、僕はなんとか立ち上がりながら問いかけた。

 

「ほら、この前の異変で君がバッサリと大きく斬られてただろう?斬られたのが君で、なんとか死ぬのは避けられたけど……あれが霊夢や魔理沙だったら確実に死んでただろう?」

 

……確かに、それはそうだ。

 

あの時斬られたのは僕の実力不足故だったが、万が一あの二人が同じく斬られていたのであれば……

 

あまり想像はしたくないが、間違いなく斬られた時点で死んでいることだろう。

 

「あの子たちにかぎってそんなヘマはしないだろうけど、万が一のこともあるからね。前に君から聞いていた外の世界の防具の話を元に僕なりに再現してみたんだ」

 

外の世界の防具……

 

恐らくだが、防弾ベストや防刃チョッキ等の布製の防具のことだろうか?

 

「その服に使った術なんだけど、「非実体のエネルギー弾に対して対消滅するように魔力波を放つ」ものと「物理的なダメージに対して一時的に繊維の密度を高めて防ぐ」ものを組み合わせてみたんだ」

 

「……なんかだいぶ盛られてません?後者は分かりますけど、魔力波……?」

 

あまりにも出来すぎているその二つの術に疑問が出るが、それよりも先に気になるのは前者の「対消滅するように魔力波を放つ」の部分だった。

 

「実はこれを作ってる時に妖怪の賢者が訪ねてきてね。外の世界の兵器の中には爆発を爆発で防ぐものがあるって聞いてこれを思いついたんだ」

 

爆発を爆発で……?

 

そんな都合のいいものがあるのだろうか…?*1

 

「それとその服を試作する時に使った材料の中には彼女から提供された外の世界の道具とかが使われてるよ」

 

「外の世界の……ですか?」

 

霖之助さんの言葉に僕は自身の記憶を探ってみるが、こんな都合のいい性質の道具があっただろうか…?*2

 

一応服に組まれているということは霖之助さんの謎の合成技術で使われた元の品があるはずなのだろうが、全くと言って心当たりがない。

 

「とはいえ、それも万能じゃないんだけどね。守るたびに服の中に仕込んでいる専用の形代を消費しちゃうからメンテナンスのたびに仕込み直さないといけないし……」

 

「それにしてもおかしくないですか…?あきらかにオーバーテクノロジーというか、もはやチートじみた能力なんですけど……」

 

「いや、そんなことはないさ。いくらか組み替えはしたけど、それの機能の大本はすべて外の世界の道具たちなんだからね」

 

ホントにそうなのだろうか……?

 

あまりの破格の性能に僕はそんな疑問の声しか浮かばなかった。

 

「ふむ……これならさらに発展できそうだね。次は自動修復機能でも作ってみようかな?」

 

「いや、それは流石に無理では…?」

 

突拍子もない霖之助さんのアイディアに対し、僕は頭を抱えつつ天を仰ぐ。

 

 

 

余談だが、このあとに来店した紫さんに事の顛末を伝えると何故か苦笑いを浮かべていた。*3

 

霖之助さんが一体何処に向かおうとしているのか、それは神ですら知る由もなかった。

*1
和人は爆発反応装甲の存在を知りません。

*2
和人は知りませんが、一部はフィクションの中での存在を再現しています。ただし、その再現にはいくつかのこちら側の技術が取り入れられてます。

*3
あくまで紫は雑談がてら冗談のつもりで外の世界の道具について霖之助に教えた。まさか本当に再現するとは思ってもみなかったのである。

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