東方死霊録   作:SCOPEWOLF

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新年あけましておめでとうございます。
はい、今年最初の死霊録の投稿となります。
正月ネタを作ることも考えはしたのですが………
まぁシナリオ進めたほうが有意義だと考えた次第であります。
………もうちょっとこっちも伸びたらそういうのも書こうかなぁ……?
それはそうと本編をどうぞ。
そして、今年もよろしくお願いします


五.鈴仙・優曇華院・イナバ

強い。

 

それが、僕が今相手にしている人……鈴仙さんへの印象だった。

 

動きに無駄というものがなく、的確に隙をなくしつつ弾幕を張られている。

 

僕も押し負けないように弾幕を張っているが、中々思うようには展開できていない。

 

というのも……

 

 

 

「幻波「赤眼催眠(マインドブローイング)」!!」

 

 

 

「……ッッ!!!!また……!!」

 

 

 

鈴仙さんの目が光った直後に展開された弾幕の輪郭が歪んだようにぼやけ、治ったかと思えばズレた位置から飛んでくる。

 

しかもずっとそうなってるわけではなく、時折間をいくつか挟みつつそれを受けてしまっている。

 

その影響なのかどうにも感覚自体もズレてきており、先程もなんとかギリギリのところでグレイズして避けた。

 

……だが、このままではいずれ被弾してしまうだろう。

 

(……恐らく、あの赤い目が幻覚を見せてますね……なら!!)

 

僕は大きく後ろへと下がり、ゴーストへと変化した。

 

「……!やはり……!」

 

ゴースト……つまり幽霊は目という機能が働いてるわけではない。

 

実際は生命力等の目に見えないエネルギーを感じ取り、まるで見えているかのように振る舞うことができているのだ。

 

亡霊であればその限りではないこともあるのだが、僕がなれるのはあくまで幽霊。

 

色覚こそまともに働いてないが、その一方で鈴仙さんと彼女の弾幕はよく見える。

 

もちろん当たればゴーストの特性上最悪死にかねないのだが……

 

「当たらなければどうということはありません……!!」

 

幻覚さえ封じてしまえば後はどうとでもなる。

 

伊達に魔理沙さんや霊夢さんに鍛えられた訳でもなく、危なげなく張られた弾幕を回避していく。

 

「………!?幻覚が効かなくなってる……!?」

 

さすがに僕の動きが変わったためにか、鈴仙さんはすぐに幻覚が効かなくなっていることに気が付いた。

 

「……なかなかやってくれるわね。でも、これならどうかしら!!」

 

しかし、すぐに切り替えたのか弾幕のパターンを変えてきた。

 

先ほどのスペルカードもすでに時間切れでスペルブレイクしており、その手には二枚目のスペルを構えていた。

 

僕もそれを迎撃するためにスペルカードを…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……き……から……よ?』

 

 

 

 

 

 

『も………さない………から』

 

 

 

 

 

 

 

『ずっと一緒にいようね、和人君♡』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふふ、うまいこと決まったわね。

 

なかなか厄介な能力を持ってたみたいだけど、それならそれで対策のしようはある。

 

恐らくは変身系……それも、目に頼らずにこちらを感知できる何かへの変化。

 

いくらか可能性はあるものの、そのうちいくらかへの共通の対策がある。

 

こちらを感知する際、何か魂のようなもののエネルギーを探知していると仮定しよう。

 

この場合、探知の際に波長をいじることで幻覚の代わりに相手の精神に干渉することができる。

 

どうやら賭けには勝てたらしく、目の前の相手……半妖の少年は完全に動きを止めていた。

 

なんか固まっているこのような体勢だが……まあいいだろう。

 

「さて……そのままおとなしくしてなさい」

 

あらかじめ用意していた縄を手に取り、彼へと近づいていく。

 

別にそのまま放置しててもいいのだが、念には念を入れるべきだ。

 

干渉自体とりあえず動きが止まりそうな箇所にちょっかいをかけただけなのでいつ解けるかもわからない。

 

ひとまずは縛り上げてそこらへんに転がしておけば………

 

 

 

 

―――ゾクリ

 

 

 

 

突然、いやな予感がして私はその場から思いっきり後ろへと飛んで下がった。

 

それと同時に、突如少年の体からどす黒い靄のようなものが噴き出し始めた。

 

「く、もう切れちゃったの……!?」

 

しかも、どうにも先ほどまでの様子からして何かおかしい。

 

恐らくだがまずい方向で正気を失わせてしまったようだ。

 

ただ単に正気から狂わせてしまえば動きを単調化させることができたりとこちらに都合がいいのだが、彼の場合はどうにも暴走してしまっている。

 

幸いにも戦闘しながら「永遠亭」からは多少なりとも離れたところに誘導できたが、このまま放置しておくとどう転んでいくか分かったものではない。

 

面倒だが確実に仕留めよう。

 

「幻朧月睨」(ルナティックレッドアイズ)ッ!!」

 

私はラストワードを発動し、少年へと放った。

 

だが………

 

 

「あ゙………あ゙ぁ゙………」

 

 

スペルを発動するには遅かったようだ。

 

 

「イやダ………やメテ………クるナ…………クルナクルナクルナクルナァぁァぁぁァァァッ!!!!!」

 

 

「なっ……きゃぁっ!?」

 

少年から発生している禍々しい靄が一気に噴き出し、私はその衝撃で大きく吹き飛ばされた。

 

なんとか受け身を取って着地するも、勢いよく噴き出ている靄に身体をさらに飛ばされそうになる。

 

しかし徐々にその勢いは収まってきていた。

 

なんとか立てるぐらいに収まってきたその時、まるで球体になるかのように靄が集まりだした。

 

集まった靄は竜巻か何かのようにその場で高速回転しだし、突然霧散し始めた。

 

そして、その奥から現れたのは………

 

 

 

 

 

 

『オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ッッ!!!!!!』

 

 

 

 

「ウッソでしょ………なんなのよアレ……!?」

 

私を見下ろすかのようにそびえ立つ、巨大な樹木の化け物であった。




自然は時に生命へと怨念を抱く
ある時は奪われ、ある時は破壊され、ある時は冒涜的な仕打ちを受ける
それゆえに、自然は生命の血を以てその怨念を形とした
来るものを拒み、去る者であろうと止まらない
冷徹無情なる殺人マシンが咆哮を上げた
次回「妖樹「呪われ蠢く樹木子」」
戦場の中に咲く花は何色か?
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