東方死霊録   作:SCOPEWOLF

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どうもこんにちわ。
さて、前回で暴走からの今回の話ですが………
描写に残酷な描写、下手すればグロに片足突っ込んだ描写となっております。
ご閲覧に際して、その点はご注意ください
それでは、本編をどうぞ


六.妖樹「呪われ蠢く樹木子」

まずい……完全にやらかしてしまった。

 

半妖の少年が変身した木の化け物の攻撃を避けつつ、私は自身の失敗を悟った。

 

普通であればただ恐怖の感情を呼び起こして動けなくさせるはずだったのだが……どうやら、彼のトラウマを踏んでしまったらしい。

 

しかもそれがトリガーとなってしまったのか彼の中の力が増幅され、完全に暴走してしまっている。

 

 

 

 

 

「オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ッ!!!!」

 

 

 

 

 

「くッ……!」

 

そして、その攻撃はあまりにも苛烈だった。

 

まるで鞭のように振り回される枝や蔦……地面から飛び出す木の根もそうだが、その隙間を縫うように弾幕が展開されている。

 

時折彼が放っていた爆発する槍型弾。

 

それをまるで多連装のミサイルのように連続して飛ばしてきており、爆発後に発生する弾幕も合わせて弾幕を展開する暇すらない。

 

切り札であるラストワードを先程咄嗟に使ってしまった故に通常のスペルカードしかなく、状況は段々と悪くなる一方だった。

 

そんな中、ふと化け物の動きが急に止まった。

 

その周りには無数の槍型弾が展開されており、いつでも放てる態勢である。

 

にも関わらず、それを放つことなく化け物は動きを止めた。

 

「……!この隙に……!」

 

即座に私はスペルカードを抜き取り、発動を宣言した。

 

「散符「真実の月(インビジブルフルムーン)」ッ!!!」

 

スペルの宣言と同時に大量の弾幕を展開。

 

本来であれば展開された弾幕を幻覚を利用して撹乱しつつ襲わせるのだが、今の彼に幻覚を使ったところで大した効果はないだろう。

 

しかし、このスペカは現状私が使えるもののなかで特に物量がある。

 

力押しになるのは気に食わないが、こうでもしないとコレを抑え込むのは困難である。

 

……だが、そんな私の渾身のスペカも無に帰した。

 

 

 

『オ゙オ゙オ゙オ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ッッッ!!!!』

 

 

 

「……!?一体何を……!?」

 

突然、化け物は先ほどまで振り回していた枝や根の一部を地面へと全て突き刺す。

 

すると次の瞬間、地面から幾重にも根や枝などが絡み合った壁が出現し、その隙間から大量の槍型弾が飛び出してきた。

 

これはまさか……

 

「簡易的な要塞を作ったっていうの……!?」

 

理性や知能などまるでないかのように暴れ回る化け物。

 

しかし、ここにきて戦術を大きく変えてきた。

 

早急に制圧しようとした私への対抗として、防御陣地の構築と迎撃システムの即興での構築。

 

まるで長期戦になると私が不利になることを悟っているかのように、化け物は次々に弾幕の種類を増やしてくる。

 

レーザー、私と同じ銃弾型、さらには地面から生えてきた蔦に付いた禍々しい花が開花して放たれる花弁型。

 

物量も防御面でもガチガチに固められた弾幕が私を襲った。

 

そして………

 

 

――バーンッ!!

 

 

「なっ、しまっ………」

 

遂に壁を削り切ることができず、スペルブレイクしてしまった。

 

その途端、さらに苛烈な弾幕が展開され始め………

 

「きゃあぁぁぁッ!!!!」

 

遂に回避が間に合わず、幾つもの弾幕に撃ち抜かれて墜落してしまった。

 

「うっ……!?カハッ……!?」

 

ドサリと地面に叩きつけられ、一瞬意識が飛びかけた。

 

何とかすぐに態勢を立て直そうとしたが………もうすでに遅かった。

 

――シュルル、ガシッ!

 

「えっ……!?ちょっ……きゃあぁぁぁッ!?!?!?」

 

突然、両手と両足を拘束するように蔦が絡まって捕まってしまったのだ。

 

突然のことに対応できず、私はそのまま何もできずに空へと持ち上げられた。

 

「えっ、ちょっと待って!?私、そういう趣味は………!?」

 

思わずこのシチュエーションに対し、月にいた頃同僚が持っていたいかがわしい本の内容を連想して叫んだが………

 

そんな生易しいものではなかった。

 

 

――ギリギリギリッ………!

 

 

「いぃッ!?痛、痛い痛い痛い痛いぃぃッ!?!?」

 

私に待っていたのは望まぬ快楽ではなく、手足をちぎり取らんばかりに引っ張られる痛みだった。

 

「や、やだ………!?やめてぇぇぇッ!?」

 

思わず恥もプライドも全て投げ捨てて泣きながら懇願してしまうが、化け物にそんな言葉は届かない。

 

女としての尊厳を奪われるのももちろん嫌だが、こんな残酷な死に方をするのはもっと嫌だ!

 

「お、おねがいだからひっぱらないでぇぇぇ!?ちぎれちゃう、手足ちぎれちゃうからぁぁぁぁッ!?!?」

 

段々と強くなってくる蔦が引っ張る力。

 

悲鳴を上げる関節の骨。

 

しかし、それをするのは淡々と感情もなくこちらに殺意を向ける化け物。

 

 

――ゴキンッ

 

 

「ア゙ア゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ッッッッ!?!?!?!?」

 

遂に耐えきれなくなったのか右の股関節が外れ、その痛みに私は絶叫を上げる。

 

 

 

――痛い

 

 

 

――痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いッ!!!!!

 

 

 

 

「ゆ゙る゙じで………!も゙ゔお゙ぞわ゙な゙い゙がら゙………!

ごゔげぎじな゙い゙がら゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ッ!!!!!!」

 

しかし、涙に塗れた私の声が無感情な化け物に届くわけもなく………

 

 

 

――ゴキンッ

 

 

 

「い゙や゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ッッッッ!?!?!?!?」

 

 

容赦なく左腕の骨が外れた。

 

まだ両手両足ともにつながってはいるが、このままでは本当にちぎり取られてしまう。

 

「も゙ゔや゙だぁ゙………だずげでお゙じじょ゙ゔざま゙ぁ゙………」

 

敬愛するお師匠様………「八意永琳」へと助けを求めるが、永遠亭からここは遠い。

 

それに、今は化け物になっている少年の仲間が永遠亭に攻め込んでいる可能性がある。

 

そうなれば助けが来る可能性も限りなく低くなる。

 

てゐに至っては彼が到着する少し前にズタボロの状態で兎たちに運ばれていた。

 

誰も助けが来ない………

 

その絶望は、私の心を強く蝕んでいた

 

「だれ゙が………だれ゙がだずげで………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「不死「火の鳥-鳳翼天翔-」ッ!!」

 

「人鬼「未来永劫斬」ッ!!」

 

「死符「ギャストリドリーム」〜♪」

 

「式神「前鬼後鬼の守護」ッ!!」

 

 

 

 

炎の鳥が、斬撃が、蝶を模した弾幕が、大量の小弾が私の両手両足を引っ張っていた蔦を引きちぎった。

 

突然宙に解放された私の身体はそのまま落下し………

 

「おっと、大丈夫か鈴仙ちゃん?」

 

「も゙………も゙ごゔざぁぁん!!!」

 

モンペ姿の白髮の少女「藤原妹紅」によって受け止められた。




築かれたのは自然の生み出した要塞
それを穿つのは植物の天敵
炎、刃物、死、獣………
いき過ぎた自然は刈らねばならぬ
それこそ大自然の理なり
次回「要塞」
偽りの月が滅び、夜明けを迎える時は近い
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