東方死霊録   作:SCOPEWOLF

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どうもこんばんわ。
ちょっと話の展開が予想外に長引き、結果(上)と付け加えることになってしまいました。
いやまぁ……ここ割と大切な部分なので下手に省けないんですよね……
というわけで、長々と書くのもアレなので早速本編をどうぞ



二.運び屋(上)

「お~いカズ〜……って、椛?どうしたそんな殺気立って」

 

「あぁ、魔理沙さん。実は例の件で………」

 

和人が奥の方へと引っ込んで数十分後、いつものごとく彼の元へと差し入れと幾つかの触媒の材料を持って魔理沙がやって来た。

 

魔理沙は厳戒態勢で仁王立ちする椛へと話しかけ、彼女もまた魔理沙が敵意を持ってここを訪れることがないと知っているため、先ほどまでの殺気だった様子から一転して友好的に話しだした。

 

 

 

――少女説明中――

 

 

 

「……なるほどな。やっぱそうなったかぁ…」

 

あちゃ〜と言わんばかりに魔理沙は手を頭へと当て、溜息を深く吐いた。

 

「おそらくではありますが、そうしないうちに文さんあたりがこちらへと来るかと思います。

魔理沙さんは……」

 

「ま、私はこれに関しちゃ下手に手を出せんよなぁ。

でもまぁ……別にここでちょっとばかり休んでいくのは構わないだろ?」

 

「……ならば、そちらの方でお休みください。

一応工房の方へは何人たりとも通さないように言われておりますので」

 

「あいよ〜……なんかいるか?」

 

「お構いなく。事前に瓢箪に詰めて頂いているので」

 

そう言いながら椛は腰に吊るした瓢箪を揺らして見せ、それを見た魔理沙は他に何を言うでもなく母屋の中へと入っていった。

 

しばらくして魔理沙はお茶とどこからか持ってきたらしい煎餅をお盆に乗せ、縁側で再び殺気立ち始めた椛をぼーっと眺めながらくつろぎ始めた。

 

とても静かな秋めく空、ささやかな音を立てて吹いた風が薄く赤みを帯びた葉を散らして運ぶ。

 

まるで今も平和で、かわりない日常が流れているかのような光景だった。

 

……しかし、そんな平穏はそう長くもつこともなく崩れ去った。

 

「あやぁぁぁぁぁッッッ!?!?!?!?」

 

――ズドォォォォンッ!

 

突然、誰かの悲鳴が轟いたかと思うと中庭の方へと何かが飛来して着弾した。

 

突然のことに驚いて魔理沙はお茶を吹き出しかけたものの、すぐに着弾地点へと目を凝らした。

 

するとそこには……

 

「あ、あややぁぁ………」

 

「文!?おい、大丈夫か!?」

 

目を回し、地面にめり込むように叩きつけられた文の姿がそこにあった。

 

慌てて魔理沙は駆け寄って揺さぶりをかけたが、そうしない内に何かの影が高速で椛へと接近してきていた。

 

「………ッ!?ハァァァッ!!!!」

 

それにいち早く気づいた椛は足を踏ん張り、盾についたギミックを発動した。

 

盾に掘り込まれた紅葉マークに霊力が集まり、彼女に覆いかぶさるように結界が展開される。

 

そして結界が展開されたその直後、大量の土煙が舞うとともに腕がちぎれ飛びそうな威力のとてつもない衝撃が椛へと襲いかかった。

 

「………ッッッッ!!!!!!」

 

しかし、椛は力強く歯を食いしばってその攻撃を耐える。

 

下手人の着弾時に発生した土煙が次第に晴れ、そこから現れた人物に椛は驚きと訝しみの混ざった目を向けた。

 

「博麗の巫女……!?何の真似です!」

 

「何の真似?それはこっちのセリフよ、山の天狗…!」

 

明らかにキレていると分かるドスの効いた声を上げる少女……

 

霊夢は椛へとそう返しながら大幣を大きく振り払った。

 

しかしその振り払いを真正面から受けることはなく、椛は受け流すように盾を斜めにして構えつつ後ろへと下がった。

 

「くッ、致し方ありません……!制圧します!

狗符「レイビーズバイト」!!」

 

「霊符「夢想封印」……!」

 

まるで狼の牙を模しているかのような形状と配置の弾幕が展開され、霊夢が放った夢想封印を噛み砕くかのごとく動いて対消滅した。

 

その間に椛は霊夢へとフェイントを混ぜながら駆け寄り、その手に持つ剣へと妖力を込めた。

 

そんな椛へと霊夢は再び大幣を振り上げて襲いかかるが、椛も負けじと剣を振りかぶって応戦する。

 

 

――ガキンッ、ガキンッ、ガガガガガッ!

 

 

とにかく攻める霊夢に対し、椛は襲いかかる大幣や弾幕を剣と盾でいなし続ける。

 

が、さすがに霊夢に対しては分が悪いのかジリジリと椛は追い詰められていった。

 

「……天狗にしてはよく粘るわね」

 

ふと、突然としか言えないタイミングで霊夢がポツリとそんな事を呟いた。

 

「私はここを守るように命を受けているので……そう簡単に突破されては大天狗様達や天魔様に面目が立ちませんから」

 

「ふ〜ん、そう……」

 

 

「じゃあ、さっさとくたばりなさい」

 

 

再び彼女から放たれたその濃密な殺気に、椛は思わず後退りした。

 

しかしそれでも剣と盾は手放さず、戦意も失ってはいなかった。

 

軽く溜息を吐きつつも、彼女の目には静かな闘志が宿っていた

 

 

「……例え相手が博麗の巫女であろうとも、私は私の職務を全うするまで…!

いざ、参る!」

 

 

「私を敵に回したことを後悔させてやるわ……!潰れなさい!」

 

 

二人は同時に地を蹴り、それぞれの獲物を構えて鋭く突き出すように振りかざした。

 

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッッ!!!!!!!」

 

 

「ゼリャァァァァァァァァッッッ!!!!」

 

 

気迫と共に二人の獲物が振るわれ、目にも留まらない速さで交錯しようとした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこまでです、お二人とも」

 

 

 

 

 

 

 

そんな声がどこからともなく聞こえたかと思えば、突然二人の間へと巨大な木の根らしき物が現れた

 

「「……!?」」

 

突然のことに二人は驚く間もなく、二人の攻撃はその木の根に当たって防がれた。

 

防いだ衝撃で粉々になった木の根を傍目に、二人は声のした方へと振り向く。

 

「警護を頼んでいた椛さんならいざ知らず……

霊夢さん、急にやってきてそうそうに荒事とはあまり褒められたことじゃないですよ?」

 

地面に突き刺した槍を引き抜き、それを肩に担いだ和人は呆れたような目を霊夢へと向けていた。




怒る巫女は言う
これは己へと売られた喧嘩だと
天狗は言う
我々は関係ないのだと
食い違う二者の言葉
それはかの者たちが流した嘘なのか?
次回「運び屋(中)」
そして、また一人と誘われやってくる
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