東方死霊録   作:SCOPEWOLF

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どうもこんばんわ。
さて、今回はブリーフィング回です。
次回から本格的に異変解決が始まります。
これ入れずにやると流れが作りずらいので仕方ないね()
というわけで、早速本編をどうぞ。

追記:やっと……やっとこの作品にも評価がついた……!
低評価とは言えど、何もないよりは遥かに良いですね


四.運び屋(下)

「……では、改めて作戦を確認します」

 

和人宅地下。

 

バンカーのような構造の施設のブリーフィングルームのようになっている場所にて、和人は幻想郷の地図が置かれた台へと駒を並べつつ口を開いた。

 

「まず今回の作戦では二人を陽動として展開し、敵がそちらに注意を取られている隙に本命の「運び屋」が河童の集落へと重要物資を配達。

その後運び屋も陽動組や天狗の主力部隊と合流し、配達された物資によって稼働する予定の「切り札」と共に敵勢力の制圧を行います」

 

そう言いながら彼が地図に描かれた黒点……和人宅のある辺りへと赤青黄色の色がついた駒を置いた。

 

「陽動役の一人……霊夢さんは妖怪の山山頂への最短ルートで侵攻し、敵の本拠地である神社へと直接的に攻撃して目を惹きつけてください」

 

「望むところよ!……アンタからアレも借りてくことだし、盛大にかましてあいつらに泣きっ面を張り付かせてやるわ!」

 

いつにもましてやる気充分といった様子の霊夢。

 

彼女の目線の先には黒い長方形の大きなトランクケースらしき物が映っていた。

 

「もう一人の陽動役の射命丸さんは偽の荷物……急ごしらえですが、自立稼働可能な弾幕ごっこ用の自動機銃「タレット」を持って正規ルートをできるだけ早く飛行しつつ河童の里を目指してください」

 

「あやや、まさか私も囮になるとは……

いえまぁ、大天狗様からの命令でもありますのでしっかりこなさせてもらいますけどね?」

 

解せないと思いつつも、上司からの指示故に不承不承ながらもこの作戦に頷くしかない文。

 

彼女が陽動に当てられているのには色々と事情が重なってのことだが……それはまた後に語られるだろう。

 

「そして、運び屋の魔理沙さん。

先ほどお伝えした手順で入ることができる非常用の隠しトンネルを通り、この重要物資と設計図が入っている箱を河童の秘密工廠へと運んでもらいます」

 

「まさかそんな重要そうなもんを任されるとは思わなかったがなぁ……

まぁ、やれるだけやってやるぜ!」

 

そして、最後に指名されて握りこぶしを作りながら意気込む魔理沙。

 

以上三名が妖怪の山へと直接向かう組となる。

 

「……今回の作戦は状況次第では配置や行動に多少の変化を生じさせる必要があります。

その為、連絡と支援をスムーズに行うために皆さんにはそれぞれこの子達を同伴させます」

 

そう話しつつ、和人は近くの机に置いていたソレを持ち出した。

 

 

 

 

まるで微動だにしないそれは……生きているカラスと瓜二つなナニカであった。

 

 

 

 

「……相変わらず見ても精巧だよなぁ。

まるでホントに生きてるかのような質感だぜ」

 

「こんなに本物っぽいのに、これ「ゴーレム」とかいう魔道具なのよね……?」

 

「外の世界の技術を元にしたとは言ってましたが、中々面白いものを外の方では作ってますよねぇ」

 

和人は自身が持つ鳥……もとい、ゴーレムの動力を起動させて台の上へと置いた。

 

「この鳥型ゴーレムは試作品ではありますが、組み込んだ遠隔操作関係の装置の影響でこの子達越しに通信ができます。

これを利用してここを通信拠点としつつ、皆さんの状況を逐一報告し合います」

 

「それでこの子達の操縦ですが……

僕と妖怪の山の天狗•河童陣営の妖怪から一人……そして先ほどお招きした鈴仙さんの三人がそれぞれに担当します」

 

「まさかお薬を売りに来たらいきなり山の戦争に巻き込まれるとは思わなかったけど……

まぁ、せっかくの機会だし協力させてもらうわね」

 

あまり緊張した様子もなくそう意気込む鈴仙。

 

彼女は先ほど和人へと定期的に行ってる訪問販売の件で訪ねてきたのだが、そこを霊夢によって捕まった挙句強引に参加させられることになってしまった。

 

本人も幻想郷の最新技術に触れられるならと満更ではないらしく、他のメンツほどの熱量はないもののそれなりにやる気を持って作戦に加わっていた。

 

「霊夢さんに付くゴーレムについては現地での合流とはなりますが、道案内のためにあちら側の妖怪の方がサポートに入ってくれます。

道中までは文さんと一緒になりますが、よろしいですね?」

 

「問題ないわ。

……まぁ、それまでこれを背負っていかないとだし戦いづらくなりそうだけど」

 

「そこはまぁ私が何とかしますから!

これでも私、それなりに弾幕ごっこができる方ですからね!」

 

げんなりとする霊夢に対し、文は気を取り直したかのように朗らかな態度で彼女へと胸を張っていた。

 

尚それなりにと彼女は言っているが、実際は弾幕ごっこにおいては天狗のなかでもかなりの上澄み。

 

それ以外でも大天狗ほどではないにしろ諸々の技量が抜きん出て高い方であり、少なくともハンデを背負った霊夢を守りながらであろうとも大して支障が出るようなことはない。

 

 

 

 

ある程度話もまとまり、いざ出撃と意気込もうとしたその時だった

 

「ところで、今更なんだけど……

和人が直接持っていくってのは駄目だったのかしら?」

 

突然、霊夢は頭によぎった疑問を投げかけた。

 

その問いに対し、霊夢と鈴仙を除いた事情を知る全員が苦い顔を浮かべた。

 

そして、事情を知っている者たちの内から文がそれに答えた。

 

「簡単に申し上げますと……

和人さんは確かに山へと協力していただいてるのですが、その協力の契約とかの都合で妖怪の山が直接彼に何かをやらせたりするのは禁じられているんです」

 

「それに加えて、カズが捕まってしまえば天狗共の方の情報が連中に筒抜けにされるリスクもデカい。

カズにその気がなくても、心を読んだりで掠め取られている可能性も捨てきれないんだよ」

 

続く魔理沙の補足で一旦は納得したのか、霊夢はそこで引き下がった。

 

もちろん、それだけが理由ではないのだが……

 

しかしこれ以上、彼らとしては迂闊に口には出せない。

 

「……さて、気を取り直して始めましょう」

 

「オペレーション「三本の矢」……作戦開始です」




秋めく山によぎる影二つ
それを見逃す者はおらず、かの者たちへと襲い掛かる
そして、それはもう一つ……
人知れず道ならぬ道を進む彼女にも言えたことであった
実りを人々へと告げんと、秋の気配は迫り来る
次回「秋姉妹」
回り来るは福か厄か
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