東方死霊録   作:SCOPEWOLF

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どうもこんばんわ。
なんだかんだギリギリで投稿です。
さて、今回は戦闘は一切ありません。
一切ありませんが、代わりにちょっとしたギミックが登場します。
どうやって動いてるのか、そこは個々の想像にお任せします。
というわけで、本編をどうぞ


六.厄神様の通り道

――時刻は14:00、玄武の沢中流

 

どことなく不気味……いや、不穏な気配のする獣道を魔理沙は歩いて進んでいた。

 

「なぁカズ……この妙な気配ってもしかして……?」

 

『これは"厄"ですね。

人間のような生命の負の感情などが原因で発生することが多い、自然発生系の呪いの一種です。

当然ですが、空気感染の菌みたいに触れてしまったら憑いてしまうので気をつけてくださいね?』

 

「おぉう、そりゃおっかねぇな。

カズの結界がなかったら今頃私は厄塗れってわけか」

 

カンテラの灯りを頼りに、カラス型のゴーレムが指し示す方向へと歩いていく魔理沙。

 

現在、魔理沙は遡上していった玄武の沢から離れて妖怪の山の一角へと繋がる道を進んでいた。

 

この道は限られた者しか知らされておらず、かつ通れる者もそう多くない秘匿された通路。

 

というのもこの通路、とあるにとりの知り合いの協力の元作られた物なのだ。

 

協力した彼女自身も積極的にこの道の管理などをしてくれており、特にここの道を悟られないようにこの周辺一体の森を厄塗れの環境にした件については和人も大変助かっていた。

 

なにぶん彼やこの道を通ることになる協力者の場合、自前の能力だか和人特製の結界符などでこの厄の影響を受けない。

 

対して探ろうとする誰かがいたとしても、こんな大量の厄に塗れた場所を探ろうとするなど自殺行為。

 

元からこの辺りの地域は厄が集まりやすい場所だったが、協力者のおかげでその溜まる厄の量や場所自体もある程度管理されている。

 

怪しんで探ろうにも探れない、わかりやすい隠し場所でありながら捜査の目が及びづらい。

 

ここは正に最高の隠れ家なのである。

 

最も、下手に道を外れたら一生迷い続ける羽目になる危険地帯でもあるのだが。

 

「……っと、そろそろ例の通路の入り口か?」

 

『もう後一分もかからずに到着しますよ』

 

そんな彼の言葉がゴーレムから聞こえてきてまもなく。

 

突如、厄で覆われた森の奥にこじんまりとしたお堂のようなものが現れた。

 

その横には緑髪のフリルの多いゴシック調の服装をした少女が佇んでおり、その少女の周りには一層濃い厄が漂っていた。

 

「あら?珍しいお客さんだと思ったけど……

そのカラス、もしかして和人さんのところの魔道具じゃないかしら?」

 

『雛さん、数日ぶりです。

ちょっと急ぎでここを使う必要がありまして……』

 

「……なるほど、ついに始まったのね。

ってことは私もちょっと頑張らないといけないわね」

 

そう言いつつ、少女……厄神「鍵山雛」はお堂の中に手を伸ばした。

 

しばらくガサゴソと何かをいじるような音が聞こえ、それがやんだ途端に周りの雰囲気が急にクリアな状態へと変わった。

 

先ほどまで漂っていた厄のじっとりとした空気はどこへやら。

 

彼女の周りの厄も一時的になのかどこかへ霧散しており、なんとなく魔理沙は大きく息を吐いて深呼吸してしまいたくなる感覚に見舞われた。

 

そしてお堂に体ごと入り込んでいた雛が体を起こし、数歩ほど後ろに下がると……

 

 

 

――ゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!

 

 

 

鈍く重苦しい音と共にお堂が横にズレ、その真下へと繋がる大きな通路が姿を現した。

 

『ここを進めば河童の里に直通でたどり着きます。

雛さん、こちらのことはお任せしますがくれぐれもお気をつけて』

 

「ふふ、私が人間に心配されるなんていつぶりかしらね?

私のことは心配しなくても問題ないから、早くにとりのとこに行ってあげなさい」

 

「ありがとな、えぇっと……雛で良いのか?」

 

「それでいいわ。

まぁ私に迂闊に近づいたら厄が移っちゃうし、滅多に会うことはなさそうだからね」

 

若干寂しさの混じる声でそう言いつつも、雛は穴へと降りていく魔理沙を見送った。

 

彼女の姿が暗い通路の向こうへと消え、お堂の蓋が閉じるその時まで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……おっし!こっからは飛んでって良いんだよな?」

 

『ここからは少し長いですからね。

障害物もないですし、一応前の方に気をつけながら一気に飛んでいきましょうか』

 

「オーケイ、んじゃかっとばすぜッ!」

 

和人からの許可を得て魔理沙は箒に跨ると、彼女はミニ八卦炉を穂先の部分へと取り付けた。

 

「カズ、とりあえずこの鳥を私の胸元あたりに移動させときな!」

 

『了解しました……加減はしてくださいよ?

一応僕も視点だけとはいえ、魔理沙さんと同じ視点で見ていますから』

 

「まぁそこんとこはなんとか頑張ってくれ。

……ミニ八卦炉、準備OK!」

 

キュイィィィンと甲高い音をたて、穂先についたミニ八卦炉からジェット噴射のような魔力の放出が始まった。

 

音がどんどん甲高くなっていき、それがピークに達した時……

 

「ブースト開始ぃッ!!「ブレイジングスター」ッッッッ!!!!!」

 

スペカを宣言するかのようにそう叫んだその時……

 

先ほどまで彼女がいたはずのその場所には、爆風によって飛び散った砂煙だけがのこった。

 

 

「いぃぃやっはぁぁぁぁぁァァァァァッッッ!!!!!!」

 

『あわぁぁぁぁ!?!?!?』

 

 

ものすごい勢いで地下通路を飛んでいく魔理沙と、必死に彼女の箒にしがみつくカラス型ゴーレムこと和人。

 

――時刻は14:30ほど。

 

作戦開始からしばらく経ち、各地では様々な動きが起き出していた。




時は満ちた
空を駆けた記者は遂にそう判断する
目覚める絡繰り、動き出すいくつもの人影
追いに追い続けた神は今一度、決死の大抵抗へと巻き込まれた
次回「射命丸文は追いつかれない」
妖怪の山にてくすぶる争いの火種
巻き込み火災に御用心
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