東方死霊録   作:SCOPEWOLF

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どうもこんばんわ。
ちょっと6の番号がついた戦場に行ってきて大人数での闘争の雰囲気を味わってきた今日この頃です。
いやぁ、やはり闘争とは良いものです。
たった一発のミサイルで吹き飛ぶ戦車、人(プレイヤー)の命が木の葉のごとく吹き飛び消し炭になっていくあの地獄。
そしてなんと言っても、一方的にマシンガンで敵を蜂の巣にするあの快感……
ゲームとはいえやはり闘争とは素晴らしいものです。
というわけで本編をどうぞ


七.射命丸文は追いつかれない

――時刻は14:00、妖怪の山中腹にて

 

 

「ひぃぃぃぃッ!?!?」

 

「ほらほらぁ、いい加減諦めなよ〜。

妖怪が神様から逃げ切れるわけないんだからさ〜」

 

弾幕の雨に覆われた空を風を切るかのように飛び、文は追っ手である神「洩矢諏訪子」から必死に逃げていた。

 

さっさと手に持つこのトランクケースを落としてやりたいのだが、まだその時ではない。

 

合図を待たずに投げ出してはすべてが水の泡だ。

 

なんとしてでも、合図が出るまでは耐えきる。

 

弾幕の雨を掻い潜りつつ、文はなんとかそれだけを心のなかで唱えていた。

 

と、そんな中で上空のゴーレムに動きがあった。

 

『……うん、了解したわ。

ええっと確か……この引き金だったわね』

 

 

――キィィィィィヒョロロロロロロッ!!!キィィィィィヒョロロロロロロッ!!!!

 

 

「うん?こりゃ鷲の鳴き声かな?」

 

突然鳴り響いた鷲の鳴き声と思われる音に気づいて諏訪子が上を見てみると、上空で自分たちを追いかけるように飛ぶ鷲らしき猛禽の鳥の姿があった。

 

そして諏訪子が意識をそらした隙に、文も大きく動きだした。

 

彼女は一気に高度を下げていき、山の木々の中を潜るように飛び始める。

 

それに気がついた諏訪子も追いかけようとしたが……

 

「うっわ、なんでこんな入り組んだ場所をあの速度で抜けれてるの?」

 

通れる隙間の少ない木々の中を速度を落とさず飛んでいる文に対し、諏訪子は流石に回避しきれないと悟ってか上空へとすぐに戻った。

 

「あの鳥の鳴き声の後から動きが変わった…?

もしかして罠……いやでも、流石にアレを見逃したらあとで「神奈子」に怒られるしなぁ……」

 

諏訪子は突然変わった文の動きに困惑したが、だからといって追跡をやめるわけにもいかなかった。

 

……情報だと、何か天狗達には隠し玉の秘密兵器があるらしい。

 

それがなんなのかは分からないが、配下にした妖怪の一匹曰く河童や山の外の半妖が関わっているらしいと聞く。

 

その半妖についての正体は一切彼女たちは掴めていないものの、基本山に籠もっている妖怪の間でも相当存在を知られている程度には有名らしい。

 

名前も知らない相手だが、この戦争の勝利の暁にはぜひとも守谷神社の信者になってもらおう。

 

そう打算を頭のなかで組みつつ、諏訪子はなんとか辛うじてではあるが探知できている文を追い続ける。

 

そして……

 

 

 

 

 

「……ん?ついに止まった?」

 

突然、とある地点で文の動きが止まったのを探知した。

 

諏訪子が彼女の止まった位置を確認してみると、手に持っていたトランクケースを地面に置いてスペルカードを構えていた。

 

どうやらここで迎え撃つつもりらしい。

 

「……へぇ、まさか一人で立ち向かってくるなんてねぇ?」

 

これはさすがに予想外だったのか、諏訪子は神相手に立ち向かおうとする彼女の勇敢さに感心しつつ警戒をしていた。

 

恐らくだが……何かをここに仕込んでいる筈だ。

 

いくらなんでも力が衰えているとはいえ、神相手に一妖怪が真正面から戦って勝てるわけがない。

 

となれば何かをここら辺に仕掛けているはずだが……何も感じない。

 

もはや不自然だと思えるぐらい、彼女の周囲からは何の気配も感じなかった。

 

とはいえ、自分にできることは真正面から叩きのめすこと。

 

そうでもしなければ神としての尊厳にも関わり、信仰の獲得に悪影響が出かねない。

 

仕方ないと割り切りつつ、彼女達の思惑に乗ってやらんとして諏訪子は文の目の前へと降り立った。

 

「やぁっと止まってくれたか〜。

で、せっかく止まってくれたことだしそれちょうだい?」

 

「ふふふ………御冗談を。

どうせ嫌だと言っても無理やり奪う気ですよね?」

 

「当たり前じゃん。たかが妖怪に拒否権は無いね」

 

「……まぁわかってはいましたが、えぇ………やはり神なんて禄でもありませんね」

 

「酷い言い草だなぁ。

これでも色々な祟神を治めてた、それなりに強い土着神何だけどねぇ?」

 

「あやや………まぁ強さだけなら貴女よりも怖い人がいますので、そこまで恐れることでもありませんけどね」

 

「………それってもしかして、幻想郷に元からいるって話の巫女だったりする?

たかだか人間と比べて怖くないってのはちょっと癪だねぇ」

 

諏訪子は口を尖らせつつ、文の自分への評価に対して不満を漏らした。

 

まぁそれも仕方ないだろう。

 

彼女はミシャグジを始めとして多くの祟神をその配下に置く古い時代の土着神。

 

かつては人々からの畏れを一身に背負い、国を率いて治めていた力のある神格であった。

 

しかし、そんな自分がたかだか十数年しか生きていない人間の小娘に劣ると聞けば諏訪子も黙ってはいられない。

 

「まぁ、せっかくだ。

存分に神様の恐ろしさってのを叩き込んであげるよ!」

 

パンッと諏訪子が手をたたくと同時に地面がボコリと盛り上がり、その下から巨大な白い怪物が現れた。

 

白いその巨躯はまるで丸太のように太い胴体ながらもとてつもないほどに長く、文を見下ろすその血のように紅い双眸は獲物を見定めているかのように鋭い。

 

そして何より文が感じ取った背筋の凍るような悍ましい気配………

 

古い祟神の一種「ミシャグジ」

 

一説にはカエルの姿ともあるが、同時に蛇の姿をしているともされている化け物であった。

 

「こ、これはこれは……さすがにマズいですし欲しけりゃくれてあげますよこんちくしょー!」

 

流石にこんなのを相手にするなど聞いていなかった文はすぐさま先ほどまでの威勢を取っ払い、諏訪子の方へとトランクケースを思いっきりぶん投げた。

 

「は?」

 

流石にこれには面食らったのか、諏訪子の脳の動きが一時的に止まり……

 

 

 

気づけば目の前には開かれたトランクケースと、その中から飛び出した数本の銃らしき物から発射された無数の小粒の弾幕達という光景が広がっていた。




追い詰めたのは果たして誰か?
神も天狗も集うは牢獄
誰が始めた遊戯、誰が望んだ闘争か
しかしこの場に答えなど無い
流れ流され争う者たち
その行く末を知るは、果たして何者なのか?
次回「天狗の狼煙」
祭りと書いて神遊びならば、これは果たして祭りなのか?
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