東方死霊録   作:SCOPEWOLF

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どうもこんばんわ。
ゴールデンウィークの大部分の時間をオリジナル小説の試作品執筆にあてた影響でちょっと遅れました。
この試作品、実は5/13日投稿予定で執筆を進めてるんですが……
実はあと三分の一ぐらい未完成なんですよね……
なんとか頑張りますはい……
ちなみにこの前情報は読者数が最も少ないこの作品限定です。
多分読みに来てくれる人は少ないでしょうけど、まぁあちらは試作品なので大多数の人に読まれなくても一部の人が見て感想をくれたらそれだけでも充分なのです。
というわけで、コツコツといろいろ進めつつ本編をどうぞ


九.河童の里

――時は15:10程の頃の妖怪の山の麓にある隠れ里。

 

河に近い場所でありながらも外からは見えないよう巧妙に隠されたその場所では、キャップを被った小柄な妖怪たちがあちらこちらと忙しく動き回っていた。

 

彼ら、彼女らは河童。

 

古くは川辺に生息する水生生物らしい特徴を複数持った人型の異形の妖怪なのだが……

 

幻想郷における河童は完全な人型……というよりほとんど人間と同じである。

 

強いて人間と違いがあるとすれば桁違いのパワー、そして幻想郷随一ともいえるほどの科学技術を保有していることだろう。

 

そんな河童たちは今、間もなくやってくるだろう戦の戦火とそれへの対抗策の準備に追われていた。

 

里は河童たちの技術によって外部からは見えないように隠されてはいるものの、相手側……神側についた妖怪たちの中にはこの里の存在を知るものも少なからずいる。

 

正確な場所は分からずともあてずっぽうに攻撃されてしまっては河童たちとてたまったものではない。

 

ということで現在、河童たちは自分たちの作品である大砲や絡繰り式の全自動弩砲……はてはほとんどレーザーみたいな威力である高水圧水鉄砲などで里の周辺を武装化していた。

 

その一方、里の奥にある工房には数名の河童と一名の山童が詰めかけていた。

 

「ひいいぃぃぃぃッ!?!?ひ、被弾するぅぅぅぅッ⁉」

 

「安心しろたかね!!被弾してもアンタにダメージはないんだ!!」

 

「無理無理無理無理ぃぃ!!まさか鳥とほぼ同じ視点で飛ぶなんて聞いてなぁいッ!!」

 

後ろから野次馬の河童に励まされる中、絶叫しながら操縦桿を動かしているのは山童のたかね。

 

彼女の目の辺りにはゴーグルのような機械が装着されており、ディスプレイなどがないこじんまりとした操縦ユニットで必死に鳥ゴーレムを操作していた。

 

彼女の付けているゴーグルはゴーレムに搭載された視覚映像をまるでVR映像のように彼女の目へと伝えており、映像越しに霊夢と妖怪たちのドンパチ騒ぎをまるでその場にいるかの如くダイレクトに味わっていた。

 

そんな彼女の後ろも慌ただしい。

 

「30のレンチ!二本寄越して!」

 

「脚部の溶接OK!表面の研磨と部分コーティングお願い!」

 

「ここの配線接続甘いよ!何やってんの!」

 

「シリンダー異常なし!いつでも注入できる!」

 

「成型機準備OK!エンジンの設計図まだ届かないの!?」

 

「二十番のパーツ足りねぇ!だれか取り急ぎ不足分とスペアも作って!」

 

納期直前の修羅場もかくやの工房にて、三体の機械を取り囲んで作業が行われていた。

 

機械は大体全高三m程度。

 

胴体と思われる部分から四本足と戦車の主砲のような筒を生やしており、見るからに兵器だとわかる異形の出で立ちをしていた。

 

……しかしその背部の装甲は外されており、中は本来入れられるはずの物がないかのように伽藍洞であった。

 

「ほらほら例の設計図が来たら私ら総出で取り掛かるんだから、さっさとほかの工程終わらせるよ!」

 

「「「「「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉッッッ!!!」」」」」

 

直接戦っているわけではないが、ここもまた地獄のような戦場であった。

 

と、そんな修羅場の現場へと一つの轟音と衝撃が響いた。

 

河童たちのほとんどは襲撃が来たかと身構えたが、ただ一人……にとりだけは笑みを浮かべていた

 

そして間もなく外から聞こえてきたのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

「にとりぃぃぃぃッ!!持ってきたぞぉぉぉぉッッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

魔理沙の工房中に響き渡るほどに大きな、にとりを呼ぶ声だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――時は数刻経って16:00ちょうど

 

「よぉし、積み込み始めろ!」

 

「オーライ、オーライ!」

 

「……接続よし!ぴったりはまった!」

 

「おっしゃあ!溶接とナット締めを急げ!!」

 

―――ガガガガガッ、ギュイイィィィィィッ!!バチバチババババッ!ガンガンキンッ!!

 

「……やっぱスゲーな河童たちって。

手の動きが早すぎて何やってんのか全くわからん」

 

『ここにいる方々は河童の方たちの中でも選りすぐりのベテラン技術者の方々ですからね。

外の世界から流れ着いてた古い溶接機すら自力で直して使いこなしてましたし』

 

「その溶接機って奴も香霖とカズがなんか改造したかして性能上がってんだろ?

鬼に金棒ならぬ、河童に工具ってわけか」

 

『……その名前はあまり出さないほうが良いですよ?

河童の皆さんもそうですが……昔の山の支配者の名前を出すと山の皆さん、顔を青くして気絶するか発狂して暴れたりもしますから』

 

「あいつら昔何やったんだよ?」

 

河童たちが忙しく作業する傍ら、魔理沙と和人はゴーレム越しに会話しながら休憩していた。

 

先ほどまで一部の工程を手伝ってはいたものの、魔理沙に手伝えたのは機械の動力部……

 

その一部に含まれている魔道具の部分に関することだけだった。

 

しかしあとはもう機械へと完成した動力部を積んで稼働できるようにするだけのため、機械工学そのものについてはそこまでな魔理沙はおとなしくその作業光景を見学していた。

 

「……ま、ここまでうまくいったなら後はもう私も気楽なもんだぜ」

 

『魔理沙さん油断は禁物ですよ。

……それにですね、そういうこと言ってると何かしら良くないことが起きるんですよ』

 

「んー、確かフラグ……だったか?

外の世界の漫画って本のお約束だとかなんだとか……」

 

『ことわざ的にも「油断大敵」とか「好事魔多し」とか言いますね。

こういううまくいっているときに限って何かしら起きるっていう、先人の方々のありがたい教訓です』

 

「ふぅん……ま、そういうものはあくまで絵空事の話だろ?さすがにそんなことが現実に……」

 

 

 

 

 

 

 

――ズゥゥゥゥゥゥンンッッッッ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

『敵襲~ッ、敵襲~ッ!!!!!山の上方より敵襲~ッ!!!!』

 

「……………。」

 

『……………。』

 

噂をすればなんとやら。

 

ことわざなどのジンクスとは侮れないものである。

 

「………なぁ、カズ?」

 

『……なんでしょうか魔理沙さん?』

 

「私、これ悪くないよな?」

 

『……かなり間が悪かったといいますか……まぁ、その……』

 

歯切れ悪く答える和人に対し、魔理沙はため息を吐いた。

 

世の中何事もうまくいくばかりではない。

 

ままならない気持ちの中、魔理沙は箒とミニ八卦炉を手にするのだった。




神に仕える者
世には神主、巫女、もしくは聖職者や住職も広義的にはそれにあたる
なればその少女は何者か?
廃れた役職、忘れられた信仰
風を祀り、風を鎮める神の子孫
信仰が廃れた?
ならば今ここに、新たなる信仰の風を吹かせて見せよう
次回「守矢の風祝」
戦場に吹いたは東風谷の風
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