マイクラにおぼれてギリギリ間に合いませんでした……
ところで皆さんはボトムズにおけるスコープドッグのご先祖様はご存じですか?
わたしもいろいろとボトムズについて調べてた時にそういう設定があるということを聞いたのですが……
少なくとも今のスコタコになる前にいくらかいますが……
一番古い機体は戦車味のある雰囲気の機体でしたね。
とはいえそれを持ち込んだところであれなので、代わりにちょっと変わり種の機体を代用品として設計してきました。
さすがにここで出すにはいろいろと技術レベルが追いついてないだろうとは思いますし、多少は……ね?
というわけで本編をどうぞ。
――時刻は16:20、河童の里
外からドゴンドゴンと響く弾幕ごっこによる戦闘の音に怯えつつも、河童達は着実に最終チェックを済ませていた。
「脚部ホイール、動作チェック!……よし正常!」
「ターレットレンズ、切り替えに異常なし!
映像の方も良好!」
「シリンダー内のポリマーエーテル、圧力正常!
三機とも稼働準備OK!」
「武装も点検と装填完了!装填システムも異常なし!」
「全工程、施工完了。部品の接続不良も無し」
「よぉし、例の鳥達を乗せたげて!
たかね、後は私が変わるよ!」
「うぅ……もうこんな経験ごめんよ……!」
河童たちの最終チェックの結果を確認し、にとりはグロッキー状態でへばっているたかねからゴーグルを回収して操縦用のシートへとドカリと座り込む。
「OK、盟友!こっちの方は準備バッチリだよ!」
『了解しました。
すぐにプログラムをそちらに送ってインストールします』
操縦シートの前に置かれた専用のキーボードをカタカタと操作しつつ、にとりは繋ぎっぱなしの和人との通信へと声をかけた。
かけてすぐに和人の方から返事が返り、そうまもなくして操縦席に備えられた簡易モニターに「DOWNLOAD」の文字とともにシークバーが現れた。
「きたきた……!じゃ、私もコイツを……」
そう言いつつ、にとりは手にしていたゴーグルを装着した。
装着したゴーグルの側面からケーブルを引っ張り出して専用の接続端子につなぐと、先ほどまで一緒に作業していた河童達の姿がチラチラと見えだした。
試しに操縦桿を少しだけ前に傾けるように操作してみる。
それと連動するように機体は軽く前足を上げ、まるで前進するかのように関節部を伸ばして地におろした。
「よし、同期はバッチリだね。
ウィンチを降ろしてくれ!」
――ガコン
にとりの合図に合わせ、河童たちは機体を吊り下げていたウィンチを降ろす。
地面へと降り立った機体……
四足の巨人は自重で少し本体が沈んだものの、すぐにその重い胴体を持ち上げて堂々とそこに立った。
「盟友、私は里のこともあるから魔理沙の援護に入る!
二人は予定通りに天狗達のとこに向かってくれ!」
『了解しました。ご武運を…』ピガッ
最後に激励の言葉だけを残し、和人との通信が切れた。
にとりもそうだが、彼もまたこの機体の操縦に専念することになるため、この後はこうして通信する余裕が無いのである。
まぁ一応機体のスピーカー越しに会話も可能ではあるため、合流後でも対して問題はないのだが。
……とはいえ、その前に片付けないといけない相手がいるのだが。
にとりは心でそうつぶやきつつ、操縦桿を握る手の力を強くする。
ガラガラという音と共に工房の正面シャッターが開いていき、焼けるような赤い夕日が河童のトレードカラーである水色と緑のストライプ迷彩を真っ赤に染める。
あくまで彼女は遠隔での操作なのだが……
それでもこの瞬間、まるで自分がこの機体に乗り込んで一心同体となってこの景色を見ているかのように感じる。
「さぁ…ここは一つ、愉快な遠足と行こうじゃないか!」
シャッターが上がりきり、入り口で待機していた河童の一人がGOサインを出した。
「試作歩行戦車「ファイティングドッグ一号機」
出撃する!」
三つ目の異形はカチャリとレンズを回し、金属を削るような回転音を響かせながら大地を疾走し始めた。
「チィ、中々粘る!」
「これが弾幕ごっこ……!
私は……私は今、戦えてるんですね!」
同時刻、魔理沙と早苗の弾幕ごっこは徐々にヒートアップしながらも膠着状態に入っていた。
単純な技量や経験においては魔理沙が圧倒的なのだが、その一方で単純な物量や弾幕そのものの性能では早苗の方に分があった。
確かに魔理沙は強い。
それこそ博麗の巫女にして幻想郷の暫定最強格である霊夢に追いすがり、時折本気の弾幕ごっこで残機をいくらか奪うことができるぐらいには実力がある。
しかし、それは彼女が経験を元に回避のし辛い弾幕の展開法や高速機動を活かした高い練度の回避能力を駆使しているからである。
彼女が霊夢にあと一歩及ばず、人間としては強者の域で収まっている原因……
それは単純に、魔理沙には先天的な才能の不足があるからなのである。
弾幕ごっこは確かに実力が物を言う決闘方式の遊び。
経験や努力もまた、実力の一つとして弾幕ごっこでのアドバンテージとなる。
しかし、それでもなお埋められないもの……
それは、先天的な能力行使の容量不足。
より明確に言うのであれば、弾幕の出力限界量が比較的少ないのである。
例えば、強者たる大妖怪たちは圧倒的ともいえる量の弾幕を一度に展開できる。
これは容量が多い……つまるところ、一回の弾幕展開で出力できる妖力の量がかなり多い故に可能としている荒業だ。
その一方で、多少霊力などを操れる人間や妖精達のような比較的弱い部類の種族はその容量がかなり少ない。
つまり、高密度の弾幕を張りたくても単純に能力不足でそこまでの量を展開できないのだ。
そしてこの法則は魔理沙にも当てはまっており、元来人里の一人娘でしか無かった魔理沙がいくら頑張ろうとも元の出力は種族的な理由もあって上げられない。
努力と経験は確かに彼女の持ち味だが、その一方で少ない出力量による手数の少なさが目立ってしまう。
対して早苗だが……
こちらは才能については霊夢にも迫るレベルだった。
技量面や経験においては不足のある面も目立っているものの、それを覆す単純な物量が魔理沙を苦しめていた。
ある意味では霊夢に似たタイプなのだが、早苗の場合はそこに丁寧さを含むよく練られた戦術が加わっていた。
木の葉型の弾幕を一定間隔で波状のごとく展開しつつ、そこに小型のレーザーを混ぜることで回避の幅を狭める。
回避のできる隙が薄く、これには魔理沙も何回かはスペルを使って迎撃することで難を逃れていた。
とはいえ両方とも消耗こそしてはいるが、その量では魔理沙のほうが多い。
十分な準備をして襲撃してきた早苗に対し、魔理沙は普段持ち歩いている最低限の量の触媒やスペカしか手持ちにない。
そもそも今回の件に首を突っ込むことになったのも突発的だったのもあり、まともな準備など全くしてなかったのである。
じりじりとだが追い詰められているのは魔理沙の方だが……
それでも彼女にはまだ余裕があった。
手持ちこそ心もとないが、彼女にはまだ逆転の目がある。
今はとにかく耐えるしかなかった。
……そして、その時は来た。
――ギュイィィィィン!
どこからともなく金属を削るかのような甲高いローラー音が響く。
その音が聞こえると同時に魔理沙はやっとかと思いつつ、最後のスペカを発動する。
「最後に一発、こいつを食らえ!魔符「ミルキーウェイ」!!」
「おぉ⁉きれいな天の川みたいなスペルカード⁉」
大小カラフルな星形弾幕に気を取られ、早苗は近づく脅威に気が付かない。
スペルブレイクギリギリまで何とか耐えたところで魔理沙は箒を反転させた。
「わりぃが私はここまでだ。
中々筋は良かったが、もうちょっと経験を積んで出直してきな」
「えぇ⁉い、いやまだ勝負はついて……」
「いや、残念だがもうゲームセットだぜ。
……にとり!」
『あいよ魔理沙!』
「……へ?」
突然横から聞こえてきた声に驚きつつ、早苗はとっさにその方向を振り向いた。
『吹き飛びな、外の緑巫女!』
そこにいたのは半透明の異形の戦車……
それがこちらに砲塔を向け、光弾と思われるものを発射していた。
「ひょあッ⁉ま、まにあわ……」
―――ドゴオオォォォォォォォンッ!!
「きゃぁぁぁぁぁぁぁッ⁉」
不意を突かれた故にか早苗は避けきれず光弾に直撃。
ちょうど残機が切れてしまっていたのだろうか。
早苗はそのまま爆発に飲まれ、吹き飛びながら意識を遥か彼方へと飛ばした。
闘犬は目覚め、戦場へと解き放たれた
食いつくは妖怪、噛みちぎるは敵の軍勢
恐れおののけ幻想郷
畏怖とはなにも、妖怪だけの特権ではないのだと
次回「戦争」
戦を制するは神か、妖怪か……それとも人か?