東方死霊録   作:SCOPEWOLF

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どうもこんばんわ。
なんだかんだ戦闘シーンが「これでいいのかなぁ…?」と思いつつも、ある程度型が決まりだしている今日このごろです。
戦闘シーンって中々描写が難しいんですよねぇ……
どうやって躍動感のある文章にするか……
それを考えるのは楽しいですけど、あくまでこれ私視点で躍動感を感じる程度なので読者の皆さんがどう思うかのフィードバックが全然ないんですよねぇ……
皆さんの思う理想的な戦闘シーンとはどのようなものなのでしょうか?
というわけで、今回はモブ視点の本編をどうぞ


十三.戦争

……その異常が起きたのは太陽が遠くの彼方に沈む頃だった。

 

俺達不特定多数の妖怪の集まりは白狼天狗の集団と交戦していた。

 

「撃てぇ!撃ちまくれぇッ!!」

 

「ガッ!?お、おのれぇ……」

 

「貴様ぁッ!よくも仲間を!」

 

「行けぇ!!天狗とはいえど、所詮は下っ端の白狼天狗!

俺達の圧倒的な数なら容易く押しきれる!

弾幕を高密度で展開して連中のカビの生えた誇りごと撃ち落としてやれぇッ!!!」

 

「怯むなぁ!山の裏切り者たちなど取るに足らん!

盾持ちは弾幕部隊の防衛、弾幕部隊は連中をカス弾ごと迎撃!

その他部隊は奴らを拘束しろ!」

 

怒声にも似た号令に従い、幾人もの妖怪と白狼天狗たちがぶつかり合う。

 

俺は山の神連中側に付いており、後方から突撃部隊を援護するように力の限りの弾幕を展開していた。

 

俺は大して力のない、いわゆる雑魚妖怪だ。

 

辛うじて妖力弾を撃てはするものの、小型弾以外だとレーザー弾を一発一直線に撃つことぐらいしかできないほどに力が弱い。

 

その分一発の威力と精度は高いのだが、幻想郷の名のある強力な妖怪たちはどいつもこいつも俺とは比較にならない量の弾幕を洗練された配置と精度で放ってくる。

 

俺達雑魚に近い妖怪でも常闇の妖怪や夜雀の妖怪、蛍の妖怪等の飛び抜けた奴らもいるにはいるんだが……

 

俺にはアイツラのような力は無い。

 

故にこうして群れることによって、数の暴力に物を言わせた戦い方しかできないのである。

 

とはいえ、相手は白狼天狗。

 

いくら数では勝るとはいえど、妖怪としての格や戦闘の練度は俺達木っ端以下の雑魚とは大違い。

 

「ギャッッ!?!?」

 

「ガァッ!?!?」

 

「ゴブァッ!?!?」

 

次々と襲いかかってくる天狗の弾幕。

 

近くにいた仲間達が次々と被弾してしまい、そのまま吹き飛ばされて気絶していく。

 

それでもなお、俺は撃ち続けた。

 

撃って、撃って、撃ちまくった。

 

気づけば白狼天狗の弾幕部隊は四割、盾持ちの防御部隊は二割ほど数を減らしていた。

 

一方こちら側の妖怪たちも三割ほどが吹き飛ばされ、気絶かあるいは打ち所が悪く絶命していた。

 

スペルカードルールの制定以来、人間も妖怪も基本は死なない程度の威力の妖力弾やらなんやらで戦いだした。

 

……しかし、それでもなお打ち所が悪かったりすると稀に死ぬ奴が出る。

 

積極的に戦うことが少ない人間たちならまだしも、しょっちゅう争いやらなんやらに巻き込まれたりすることの多い俺達弱小妖怪たちはそれなりに殺されやすい立場に置かれている。

 

今死んだ奴は……吹き飛ばされた先の岩に頭を叩きつけ、首が丸ごと潰れた状態でくたりと動かなくなった。

 

周囲は地獄絵図だが、その一方でそんな状況でも俺達のほうが優勢だった。

 

 

「手長殿足長殿、出陣!」

 

 

俺達の後方からそんな声が響き、次の瞬間には長い手のようなものが頭上を通って眼前の白狼天狗たちを薙ぎ払った。

 

「久々の戦……それも洩矢神の下で戦えるとは。

これ以上ない程に光栄でございますね、足長?」

 

「おうとも、手長よ。

……まぁ、この程度の木っ端天狗では我々の敵ではないのだがな?」

 

後方からやってきたのは夫婦の神……手長と足長という名前らしい名前通りの見た目の神々だった。

 

詳しくは知らないが、どうやら俺達がついてる山の上の神の一柱と何らかの繋がりがある神々らしい。

 

そして流石は神というべきか、あっという間に二柱によって白狼天狗たちが伸されていく。

 

「好機だ!

押し込めぇぇッ!!」

 

こちら側の音頭を取っている妖怪の指示に従い、俺たちも前線を押し上げるように突撃を開始した。

 

「ぐッ………!!退けぇぇッ!一度引いて状況を立て直す!」

 

さすがに分がかなり悪くなってきたからなのか、白狼天狗を指揮しているらしい大柄な天狗……恐らく大天狗と思われる奴が逃げ腰の指示を出し始めた。

 

……この状況、どう考えても俺達が勝っている。

 

あの天狗達に対し、俺達みたいな弱小の雑魚妖怪が勝ち戦を取れている。

 

その事実に俺たちは高揚していた。

 

いける、このまま押し込めば……

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思っていた時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――…………ィィィンッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

……?

 

何だ、この音は?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――…………ィィィンッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何かが……

 

何かが俺たちに近づいてくる?

 

だが、この異様な音は一体……?

 

そう思った時、俺たちの目の前へとソレは姿を現した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ギュィィィィィィィンンッッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なんだあの化け…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ドルゥゥゥゥゥゥッ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「ギャァァアァァァアァァァァッ!?!?」」」」」

 

突然そんな聞き馴染みのない轟音が響いたかと思うと、ソレの股下と思われる辺りから伸びた棒らしきものが回転して大量の小粒弾を高速でばら撒き出した。

 

嫌な予感がして岩の裏に慌てて隠れると、先ほどまで隣を走っていた仲間の妖怪たちが次々に被弾して吹き飛ばされた。

 

「あ、アレは…………まさか河童の絡繰人形なのか!?」

 

「ば、化け物……!早く逃げ………」

 

 

 

 

――ガコンッ、バシュシュシュシュシュンッ!!

 

 

 

 

何かが開いたかのような硬い音が聞こえると同時に、上から筒状のナニカが降ってきた。

 

……俺は雑魚達の方でもそれなりに長く生きてきた。

 

それ故にかその筒状のナニカにいやなものを感じ、妖力弾を撃って筒状のものを迎撃した。

 

すると……

 

 

 

 

――ガギャッ、ドォォォォォンッ!!!!

 

 

 

 

筒状のものがひしゃげたかと思うとその場で爆発し、中から大量の色彩豊かな小粒弾が全方位に広がりだした。

 

俺のところへと飛んできたやつは何とか迎撃して小粒弾も何とかやり過ごせたが……

 

他のやつはそうもいかなかった。

 

 

 

 

 

 

――ドゴゴゴコゴォォンッッッ!!!!!

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「ギャァァァァァァッッ!?!?」」」」」」」

 

またもや悲鳴が轟き、仲間だった妖怪たちが吹き飛ばされていった。

 

仲間たちが次々とやられていき、優勢だったはずの状況が一転して絶望的になっていた。

 

しかし………俺たちにはまだ勝札がある。

 

「おんや………これまた珍妙な絡繰を出してきましたね」

 

「ふむ、噂に聞く河童とかいう妖怪の作った物か?

だが、そんな玩具のようなガラクタが神に通用するとでも……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ズドンッ!ドゴォォォォンッ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゴボッッ!?!?ご、ごでば………」

 

「足長ァァァッ!?!?!?」

 

絡繰の胴体。

 

そこから長く突き出た竿のような棒から放たれた一発の霊力弾と思われる弾が足長へと着弾し、弾幕を伴う大爆発を引き起こして神の片割れを一撃で沈めてしまった。

 

「お、おのれぇッ!!よくも旦那をやりましたね!

ガラクタめ、神の怒りに触れたことを後悔……」

 

 

 

 

 

 

――ズドンッ!

 

 

 

 

 

 

 

「甘い!そんな見え見えの攻撃が当たるわけ………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ズドンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガァッ!?!?な、な……ぜ……」

 

 

手長が怒りの声を絡繰に浴びせた直後、そんな言葉など聞いていないかのように絡繰は霊力弾を発射。

 

しかし足長がそれにやられたことを知っているために、手長は体を反らすようにして容易く回避してみせた

 

………のだが、突然目の前の絡繰とは別の方向から霊力弾が飛来。

 

不意を突かれた手長は直撃を受けてしまい、夫同様に地へと伏してしまった。

 

もう一つの霊力弾が飛来してきた方向をみてみると、そこにはもう一体の化け物………

 

明らかに俺たちのような弱小妖怪ではどうやっても勝てないだろう絡繰の化け物が、二つの方向からそれぞれこちらに向けて竿のようなナニカを向けながら迫ってきていた。

 

『山の神社に付いた妖怪の方々へと警告します。

その場で武器などを捨てて腕を頭の上で組み、膝をついて投降してください。

これから五つ数える間にそれらが行われなかった場合、敵意有りとして制圧射撃を敢行します。

繰り返します、その場で武器を捨てて腕を組み投降してください』

 

「馬鹿め!!そんな脅しが通用すると……」

 

 

 

――ズドンッ!ドゴォォォォンッ!!

 

 

 

化け物から発せられた警告に反発するように、指示役の妖怪が声を上げた。

 

……しかし、その直後に声を発していた方ではない化け物から霊力弾が放たれてその妖怪だけが吹き飛ばされてしまった。

 

『残念だけど、これは脅しじゃなくて警告よ?

逆らうなら容赦なくぶっ放すわ。

それじゃあいーち……』

 

その声が聞こえた途端、俺達はすぐに手に持っていた武器を捨てた。

 

言われたとおりに腕を頭の上で組み、その場で膝立ちするように座り込んで降伏することを化け物へと伝えた。

 

『……5秒も要らなかったわね』

 

『まぁまぁ……とりあえず天狗の皆さんにこの場は任せましょう?』

 

そんな声が化け物から聞こえてきたのと同時に、先ほど一度退避していた白狼天狗たちが戻ってきて俺たちを縄で縛り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この戦で、俺は一つ学ぶことになった。

 

俺達並みに力が弱いとナメてた河童達だが、奴らの強さは他でもない技術力なのだと。

 

……俺、釈放されたら職人になろうかな?




戦車……
それは生まれたその時より戦場の形を書き換えた、古代から存在する強力な兵器
時代とともに装甲がつき、専用の武装がつき、そして今や走る鉄の塊へとその姿を変えてきた
キャタピラ?
そんなもので泥まみれの戦場を走れる訳がない
陸上の生物が生み出した進化の賜物
足こそか戦場を塗り替える最後の一手なのである
次回「戦車」
見よ、これが鉄の塊(ボトムズ)
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