はい、またまた大遅刻です……
いやまぁ、オリジナル作品のプロット作ったりBF6してたりで時間なくなってしまいまして……
不定期投稿とはいえ一応週一投稿のつもりでやってるため許してヒヤシンス
とまぁそんな事はさておき本編をどうぞ
「いやぁ、まさかこっちで生きてたなんてねぇ〜?
随分とおっかない熊に追いかけられて死んだって聞いたけど、そりゃこんな場所に迷い込んでたら死んだと思われても仕方ないけどさ〜」
「ははは……まぁ僕もアレは色々と想定外でしたね。
まさか逃げ込んだ先が幻想郷の結界のほつれの一つで、しかも出る場所によってはその場で死んでてもおかしくはないって教えられましたし……」
「本当によくそれで生きてたね君。
僕の店にたどり着けなかったらそのまま妖怪にでも食われてただろうし、本当に奇跡の生還みたいな感じだね?」
香霖堂の奥。
霖之助さんの自室兼応接間である畳の間。
お茶請けの煎餅をボリボリと噛りながら談笑する神……諏訪子さんを前に、僕は冷や汗をかきながらもこの人……いや神との面識は僕視点では無い。
それも当然というべきか、外の世界での彼女たち神は信仰の力が弱くなったことにより弱体化。
どうやら血の繋がり有りかつ現人神としての素質があったらしい東風谷さんしか彼女たちを認識していなかったそうだ。
そして諏訪子さんはというと、どうやら祖母に連れられて参拝しにきていたことを覚えていらっしゃったらしい。
僕の祖母は生前生まれ故郷の町にある神社によく通っており、母方の祖父母の家で暮らすようになってからはよく連れて行ってもらっていた。
祖母が熱心な信者であったためか僕のこともよく見ていらっしゃったらしく、僕自身の信仰心とは関係なしに見守ってくれてはいたそうだ。
「……とりあえずまぁ元気そうでよかったよ!
熱心に信仰してくれたあの子の孫だし、私にとっても孫みたいなものだからねぇ~」
「あはは……もったいないお言葉です」
相当上機嫌なのか、諏訪子さんはけらけらと笑いながら僕の肩をバシバシと叩いてくる。
どうやら祖母は目の前の神に相当気に入られていたらしい。
「……しっかし、相当面倒なことにもなってるねぇ?
その呪い……中途半端だけど、ほとんど魂に溶け込んじゃってる」
「えぇ……もうこうなってしまっては僕や霊夢さんでもお手上げです」
……流石は神。
もしくは彼女曰く祟り神だからなのだろうか?
僕にかかっている呪い………死霊化の呪いをあっさりと見破っていた。
この呪いについて、何度も霊夢さんを交えて色々と試行錯誤したことがある。
が、おそらくあの日………
魔理沙さんを庇って呪いを受けた時に魂と半端ながらも根深いところまで混ざり合ってしまったらしく、これを取り除こうとすると下手をせずとも魂にも損傷が生じるようだった。
魂の損傷は人間のみならず妖怪としても致命的であり、良くて廃人悪ければ死に至る可能性も高いらしい。
そんなわけで僕はこの呪いを受け入れて共存することとし、妖怪としての自覚も持ちながら人としての精神を忘れないように心がけている。
諏訪子さんの目に、僕がどう映ってるのかは分からないが……
少なくとも、僕としては自分は自分のままであるという認識でしかない。
「……ま、見た感じ変な影響は出てないみたいだしそのままでも良さそうだね。
少なくとも君はまだ妖怪じゃなくて人間だよ」
……?
「えっと……?」
「おっと、私としたことが肝心なことを伝え忘れてたねぇ」
突然の諏訪子さんの発言に困惑していると、彼女は再びひとしきりけらけらと笑ったあとに真剣な顔で僕に向き合ってきた。
「いやさぁ?もし君がその力に振り回されてたりしたらその呪い………丸ごと私のミシャグジ様に食べさせようかなって思ったんだよ」
「それは………中々恐ろしいことを」
一瞬で僕の背中に冷たい物が走った。
これまでに何度か処理の難しい呪いを能力の応用で喰らった事はあったが、まさか喰われる側に立たされていたとは思わなかったのである。
「……だけどさ、少なくとも君はその力に振り回されたり溺れたりしてるわけじゃない。
しっかりと向き合ったうえで自分を見失わずに使いこなせてる。
力を持て余した人間がどんな結末を辿るのか……
私は永く生きてる間に何度もそんなのを見たからね」
そう語る諏訪子さんの顔にはどこか悲しげな表情が浮かんでおり、恐らくはその見ていた人の中には彼女にとって大切だったりした人もいたのだろうと感じさせられた。
「早苗は私らが力の使い方とか心構え、過去に起きた現人神に関係してる色んな失敗談とかをよく言い聞かせていたからまだいいさ。
……でも、君は早苗と違って力を振り回そうとする理由があるし実際普通の奴だったらそうなるのさ」
力を振り回す理由……
確かに、心当たりが無いわけではない。
むしろ普通だったらこんな力……下手すれば厄災を起こすこともできるだろう危険な力を手に入れたらそれを振り回したくもなるだろう。
でも、僕は……
「……僕は、それでたくさんの人たちを不幸にしたところで自分が楽になれるとは思いません。
確かにあの人たちを殺した奴らは憎かったですが……
それで関係ない人たちまで巻き込んじゃったら、僕はあいつらの同類になったも同然です。
そんな姿をあの人たち……父さんや母さん、お爺ちゃんにお婆ちゃん……それに"あの子"にも見せられないですから」
「……心配の必要は無かったみたいだね」
僕の答えに諏訪子さんはフッと笑い、手元に残った煎餅を口に放り込んだ。
「うん、少なくともあの子の神様としてできることはこれだけかな!
よかったら君もあの子のように私らを信仰しない?
なんでも叶えたりとかはできないけど、こうしてお姉さんが相談にのってあげるよ〜?」
「あ、あはは……それについてはちょっと検討させてもらいますね?」
手をパンッと叩いた諏訪子さんは話題を変え、そこから日が暮れるまでずっと話し込んでいた。
店番を任せた魔理沙さん曰く客がいなくて暇だったらしいが、かなり申し訳ないことをした。
途中でなぜか恋バナへと話題が移ろうとした時に店番ほっぽり出して首を突っ込もうとしていた件についてはまぁ……些事として見逃すことにしよう。