東方死霊録   作:SCOPEWOLF

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どうもこんばんわ。
さて本編に行く前に少々お知らせが……
色々と事情がありまして、本作はしばし休載することとなりました
詳細は下のリンクから活動報告をご覧ください。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=343572&uid=376604

なお、再開する際に投稿予定の話でから次回予告が復活します。
というわけで本編をどうぞ


日常:秋終わりの熊落とし

秋の紅葉が散り始め、肌寒さが一際肌を刺激し始める頃。

 

人里近くの山にて、和人は村の自警団に所属する男二人と共に山の一角に身を潜めていた。

 

彼らが潜伏して覗く先には無数の獣。

 

この時期にしてはかなり細い肉付きをしている血走った目の獣たち……飢えた熊の群れがそこにいた。

 

「……このへんじゃぁ見ない熊だな。

坊主、あれになんか覚えはあるか?」

 

「ツキノワグマよりも大柄でがっしりとした体付きに、黒褐色や茶色の毛……

恐らくですが、外の世界の北側の土地に生息しているヒグマという種類の熊だと思います。

ツキノワグマよりも凶暴かつ力が強いので、外の世界でも人里付近に現れるとかなりの騒ぎになってます。」

 

「そりゃこんなデカブツに襲われたら並の人間なんざすぐお陀仏だなぁ。

半妖さんよぉ、あんなデカブツを鉄砲でやれんのか?

それもあの数をだぜ?」

 

遠くの茂みの中で隠れる和人と自警団員の一人が冷静に熊たちを分析していると、横から茶々を入れるように若い自警団員が和人へと絡んできた。

 

「……正直、幻想郷で使われてる球弾式の銃だと威力が不足してるかもしれません。

里中の火縄銃とかを集めたとしても殺れて数匹、下手すれば一匹も仕留めきれずに里の方へと流してしまう可能性があります」

 

「へぇ……じゃあよ、アンタが持ってるらしい外の世界の銃ならどうよ?」

 

若い自警団員は目を細め、和人の腰に下がっている八卦銃へと目線を向ける。

 

その視線に若干の薄気味悪さを感じつつも、和人は淡々と彼の言葉に対して首を横に振った。

 

「これは弾幕ごっこ用に作られたものなので、熊に対してはあまり効果が期待できません。

よくて威嚇射撃ができるぐらいで、仕留めるには威力不足です」

 

「ふ〜ん……?じゃあ、あれをアンタはどうするんだ?

他になんかいい策でもあんのかよ」

 

「おい、坊主が俺らの護衛としてここまでついてきてくれてるのを忘れたのか?

そんなに早く連中を狩りに行きたいんならあの群れの中に放り込むぞ」

 

「へ、冗談だよ冗談。

だが実際あれをどうするんだよ?」

 

「……一先ずここは予定通りに追跡用の魔道具を放って里の方に戻りましょう。

少なくともこれは僕たちがここで論じてても解決できないと思いますし」

 

そう言いつつ和人は覗き込んでいた茂みの中から後退し、後方に置いておいた木箱を開けて中の物を取り出した。

 

精巧に作られた鳥を模したゴーレム「レイヴン」の背中のスロットに和人が一枚の札を差し込むようにセットすると、レイヴンはひとりでに動き出して熊たちの上空を飛び始めた。

 

「……本当に、アンタは色々と便利なものを持ってるな」

 

「あまり多く量産はできませんけどね。

色々と詰め込んだ影響で一体作るだけでも長屋が三戸ぐらいは建てられるぐらいはお金と資材が消し飛びますし、何より取り扱いや整備が難しくて現状僕か河童の方々ぐらいしか取り扱えませんから」

 

「……あんなチビっちゃい絡繰一つで長屋が三つも建つのか?

こりゃ俺たちみたいな普通の人間じゃどうやっても手が届かねぇだろうな」

 

「そもそもアレは特注品ですからね。

どうやっても一般向けでは作れないので、退魔師さんたちのところで修行して式神を扱えるようになったほうが早いと思います」

 

若い自警団員の嫌味っぽい言葉を軽く受け流し、和人はさっさと撤退の準備をする。

 

中年程の自警団員もそんな彼の行動に倣うように準備を始めた為、若い自警団員も大人しく彼らに従って撤退し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こぉの大馬鹿もんがぁぁぁッ!!」

 

 

「グァァアァァアァッッッ!?!?!?」

 

人里に戻って早々、中年の自警団員の報告を受けたらしい長老がすっ飛んできて若い自警団員をアッパーカットで吹き飛ばした。

 

和人はその光景に目を丸くしていたが、里の人々は「またか」と言わんばかりの呆れ顔でまるでそれが日常であるかのように振る舞っていた。

 

「じ、じいさま……顎が……顎が…………」

 

 

「顎なんぞ割れてもしばらくしたら治るわバカモン!」

 

 

殴り飛ばした若い自警団員をつかみ上げ、長老はブンブンと振り回しながら説教を続ける。

 

 

「あくまで霊宋寺殿は客人!

大切な客人に護衛を頼んだのはお前達の護衛であって熊の対応じゃないのが何故わからん!」

 

 

「し、しまぁ………く、首しまぁっ………!?!?」

 

 

「加えてこともあろうに物乞いのように霊宋寺殿の所有物を狙っていただと!?

恥を知らんか、この馬鹿孫がぁぁぁぁッッ!!!」

 

 

「あ、あの………

もう気絶してらっしゃいますからその辺で………」

 

和人が止めに入った時には若い自警団員………長老の孫は泡を吹いて気絶しており、それに気づいた長老は彼をその辺に投げ捨てて和人へと頭を下げていた。

 

 

「この度は本当に済まなかった!

この馬鹿には後できっちりそちらに謝罪をさせた上でワシが責任を持って性根を叩き直そう!」

 

 

「い、いえいえ………

僕もそんな被害があったわけじゃないですし……」

 

このあとしばらく和人と長老の多少の問答があったものの、しばらくしてやっと本題である熊についての話題が出た。

 

和人は熊退治の方には参加しなかったが、話によると大量の爆竹や鬼の形相の長老が追い回すことで地下の旧地獄へと繋がる大穴に熊たちを誘導し、偶然居合わせた魔理沙と霊夢のスペルカードで全ての熊をそこに叩き落としたらしい。

 

なんとも豪快なやり方だが、人里ではこの旧地獄落としが定番のやり方となってるそうだ。

 

その話を聞かされて宇宙を見たように呆けていた和人だったが、一応今回の功労者である霊夢と魔理沙の二人を労うためにすぐに切り替えて宴会の手伝いを買って出るのであった。

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