(完結)ヘスティア・ファミリアに犬と猫が居るのは間違っているだろうか   作:景田

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新しい魔法

「魔法?発現したんですか?」

 

「覚えてないのかい?」

 

どうやらお祝いをしたところまでは覚えているようだが【魔導書(グリモア)】を読んだことは忘れているとのこと。

 

「再臨魔法…【英雄道化(アルゴノゥト)】?」

 

「そう、こんな魔法が発現したんだ。ベル君って英雄に憧れているのかい?」

 

「まぁ、はい。【最後の英雄】が夢ですから…でも僕が1番憧れている英雄は【エピメテウス】…【アルゴノゥト】じゃありません。どちらかといえばお爺ちゃんの方が好きだったと記憶しています。」

 

「取り敢えずは、使ってみないと効果が分からない、『再臨』で何を現すのか、ボクでもよく分からないからね。」

 

「神様もですか?」

 

「あぁ…庭で発動してみよう。アルフィア君も待っているはずだぜ」

 

「えぇ…今朝の4時半ですけど」

 

「ボクの眷属は基本的に皆6時には絶対起きるからね。アルフィア君とザルド君、三隊長は4時に起きたよ」

 

「取り敢えず行ってきまーす」

 

 

 

まぁ本当はあの魔法の意味を知っているんだけど、其れをベル君に伝えては駄目だ。色々と面倒な魔法だなぁ…

 

『あの魔法はなんなんだ…【英雄道化】…アルゴノゥト…』

 

『ん?あの魔法?あれは前世の現れワン』

 

『前世?!一体全体どういう事だマドク!』

 

『あの【特殊な魔導書(グリモア)】はその人の前世を引き出して魔法とする本ワン。例えば小人族(パルゥム)の女神とも言われた【フィアナ】が転生した【何者かA】に【特殊な魔導書(グリモア)】を読ませるとフィアナの代名詞【凶猛の魔眼】が魔法として発現するワン。』

 

『つまりベル君の前世は【アルゴノゥト】だって言いたいのかい?!いやまぁそう思うとダンジョン初日でミノタウロスに遭遇するイレギュラーも少し納得出来るけどさぁ………もしや【アルゴノゥト】の物語のミノタウロスも…』

 

 

「―――綴れ冒険、笑覧の劇場、さあ喜劇を始めよう】!英雄道化(アルゴノゥト)】!!!

 

ゴーーーーーン

 

「なんにゃあ?!こんな朝っぱらから鐘の音?!」

 

「巫山戯けるなワン!何処の奴等ワン!」

 

「皆落ち着け皆!この鐘の音は恐らくベル君の魔法だろう」

 

「「「ベル坊の?」」」

 

「見に行こう!アルフィア君達と訓練しているはずだよ」

 

 

 

「ふっ!」

 

「ほほぅ?どんな魔法かと思ってみれば【炎で形作られた剣】と【雷で形作られた剣】を生み出し、自身に【炎雷の付与魔法(エンチャント)】を付与…」

 

「いや付与魔法(エンチャント)というよりかは加護だなザルド。大鐘楼の音で身構えてみれば大した事ないな」

 

「ははは!大した事のない魔法で失礼!麗しきお方!」

 

「………誰だ貴様は…」

 

「"私"は【喜劇の道化】、【アルゴノゥト】だ!そんなに眉間に皺を寄せてしまっては綺麗な顔が台無しですよ、お姉さん?【ファイアボルト】!」

 

「その胡散臭い雰囲気…虫唾が走る!【【福音(ゴスペル)】】!」

 

「アルフィア!流石にそれはやり過ぎだワン!」

 

「【【【五月蝿い(ゴスペル)】】】クロク」

 

「ぐっ!【ファイアボルト】!味方同士で仲間割れとは!随分と余裕がなさそうですね、お姉さん!女性は余裕を持った方が(おのこ)にモテますよ」

 

「十分モテている方だ。というかコイツらが仲間だと?巫山戯るな、【【【福音(ゴスペル)】】】。」

 

「ぐほっ!…【雷よ(ユピテル)】!」

 

「雷剣から雷の放出…麻痺も在るのか。残念だが私に状態異常は効かないぞ」

 

「嘘ですよね?!」

 

「そういえばベルには言ってなかったな。」

 

「どうやら人格と一部の記憶だけ変わっている様な形ですかニャ?ベル坊…彼は自身を【喜劇の道化】や【アルゴノゥト】と言ってたニャン。詠唱にも【アルゴノゥト】に関連するものばかりニャ。人格と記憶の変更先は【アルゴノゥト】で確定ニャ、つまりニャ、あの剣は【雷霆の剣】と【炎の魔剣】、【炎雷の付与魔法(エンチャント)】は【雷の大精霊(ジュピター)】の加護を模したものニャン。【炎雷の付与魔法(エンチャント)】の炎の部分はよく分からニャいけど」

 

「ははは!白く雪のように美しい毛並みの子猫ちゃんによく観察してもらって嬉しいよ!」

 

「気持ち悪いニャこいつ!」

 

「これには私!深く傷ついてしまうネ!【炸響(ルギオ)】!」

 

「【魂の平静(アタラクシア)】」

 

「やっぱり無効化ってズルくない?!

無効化TUEEEEEEEEEE!

 

「其れには同意見だ、さっきのは良かったぞ!」

 

「ありがとう、屈強なお方!」

 

「くっ!ザルド叔父さんと背中を追っかけて来ていたお前は何処に!」

 

 

 

「す、凄いワン…ベルと魔法使用後のギャップによる精神攻撃と絶え間ない攻撃…多少手加減をしているとは言え隊長達と渡り合っているワン!」

 

「凄いニャ!ベルー!頑張れー!」

 

 

 

「見てみろ!私に応援くれる愛らしい子猫ちゃんがいるぞ!」

 

「やっぱりキモいニャ!」

 

「何か聞こえたような気がしたけれど私は気にしない!」

 

「全く口数が減らないな、【福音(ゴスペル)】」

 

「都合が良い耳ニャね!ベル坊!」

 

 

 

「ブデたいちょー僕も混ぜてー!【残光】〜!」

 

「しぶ?!待て、ただ歩くみたいに常時斬撃を【残光】にして飛ばすな!」

 

「うわっ!やはり恐ろしい【残光】!」

 

「避けれてるのは【雷の大精霊】の加護の御蔭か?【アルゴノゥト】」

 

「そうだネ!【雷の大精霊(ジュピター)】の加護は速さにも効果があるヨ!」

 

 

 

「うわぁ…なんともまぁ規格外な戦い…」

 

「ん?君は―――アーディ君か」

 

「そう!私はガネーシャ・ファミリアの【象神の詩(ヴィヤーサ)】LV.5!【アーディ・ヴァルマ】でーす。大鐘楼の音で何事かと見に来てみれば…魔法?だったんですね!新しい眷属ですか?」

 

「あぁ…ベル君って言うんだ。朝から騒音をすまないね。」

 

「いえいえ!こっちは感謝したいくらいです。なにせ素晴らしいものを観させてもらっているんですから!…それにしても…本当に【アルゴノゥト】みたいですね!」

 

「それは…そうだね。ベル君は今、魔法で【アルゴノゥト】になっているんだ。」

 

「えぇ!あの【アルゴノゥト】?!英雄譚好きなのかなぁ」

 

「好きらしいから英雄譚の話を今度してみると良いよ」

 

「ありがとうございます!ヘスティア様!」

 

「それはこっちのセリフだよ。アーディ君、ゼノスター君はどうなっているかい?」

 

「ゼノスター君は元気に働いていますよ?」

 

「そうかい!良ければガネーシャの所で働いているゼノスター君の事を聞き―――」

 

「良いで―――」

 

 

 

「ふむ…騒がしくなってきたな。そろそろ纏めて吹き飛ばすか…【【【福音(ゴスペル)】】】」

 

「え―――」

 

麗しきお方の素晴らしい魔法の影響を受け、私、【アルゴノゥト】は其処で意識を闇に落としたのである…

 




はい、アーディさんは生存しておりまーす。

つまりもしかしたらあの乙女達も………
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