転生先はガンダムの世界?え?生き残れ?は?   作:スウェーデンクラス

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第13話 大規模戦術演習 後編

司令部まで残り500メートルという地点で俺の部隊は一時進撃を停止、敵司令部を偵察していた。

 

「すまない、遅くなった」

 

シャアが部隊を引き連れて、俺たちの横側に着く。

 

「遅かったじゃないか、もう俺たちだけで落としてしまうところだったぞ」

 

「責めないでくれ、敵が思いのほか多かったんだ、それで?敵の具合は」

 

俺とシャアは敵司令部をライフルのスコープで確認する。

 

「ふむ、やはり司令部ということだけあって、守りは堅牢だな」

 

「あぁ、しかしこっちには俺の隊とシャアの隊だけだ、正面から行けば辿り着くまえに戦死だな」

 

敵司令部は守りは硬く、ちょっとやそっとの攻撃では攻め落とせない事は確実だった。

 

「ならば、陽動を仕掛ける。俺の部隊が派手に攻撃し、敵の注意を引くその隙にお前の部隊が側面から接近して司令部の中に突撃しろ」

 

シャアは俺を真っ直ぐ見ながらそう告げる。

 

「いいのか、うまく行けばそのまま敵司令部を落とせるかもしれないが、失敗すればそのままこっちのチームが負けるぞ」

 

事実、演習開始から敵司令部まで到達できたチームは俺とシャアの2部隊だけだった。

これは、俺たち以外の部隊が敵の防衛ラインを抜けていないか、若しくは、最悪の場合司令部の防衛部隊以外全滅しているかのどちらかということだった。

それに、シャアがこのような賭けの作戦を立案したのが驚きという気持ちもあった。

 

「ふん、理論的すぎる用兵はダメだとどこかの誰かが言っていたのでね」

 

シャアはいたずらっ子のような笑みで、こちらの問いに答える。

 

「それはいったい何処の誰だろうな」

 

俺も内心の、驚きを隠しながら笑って答えた。

 

「よし、司令部まで残り200メートルの距離になったらスモークを焚く、俺たちがスモークから飛び出し敵の注意をひいている間に、スモークの中を突っ切って、遮蔽部に隠れながら司令部まで行け」

 

「わかった、それでいこう、俺たちが司令部を落とすまで戦死判定になるなよ」

 

「戦死するつもりはないよ、いくぞ!」

 

シャアの号令の下、俺たちは敵司令部を落とすべく行動を開始した。

 

-----

 

敵司令部まで残り200メートルまで来たところで、予定通り作戦が実行される

 

「よしスモークグレネードをなげまくれ!辺り一帯を煙で覆うんだ!」

 

俺の号令のもと部隊員が各々でスモークグレネードを投擲する。

辺りに煙が充満したところを、2つの部隊が突き進む。

もちろん敵も黙って突如現れた煙の塊を見過ごすわけがなく、煙に向かって撃ちまくる

 

ダダダダダダ!

 

「なかなかの弾幕だな!」

 

「奴らも必死ということさ」

 

俺とシャアは身を屈ませた状態で素早く動く。

 

「ぐぁ!あぶね!やつら滅茶苦茶に撃ちまくりやがって!」

 

部隊の仲間の1人がそう叫ぶ。

 

すかさずシャアが、部隊員に対し

 

「屈め!敵は狙ってなんかない、当たらなければどうということはない」

 

俺はその言葉を聞き、

 

 

(うん?なんかその言葉聞いたことなるな、なんだっけ?)

 

(まぁいっか)

 

前世のガンダムオタクの友人がよくゲームをしながら言っていたような気がするセリフだったが、今はそんなことよりも優先することがある。

 

「イオリ!俺たちが今からスモークから飛び出して、陽動攻撃をしかける!そちらは手筈通りに!」

 

「了解した!」

 

シャアの部隊がスモークから飛び出し、敵司令部に攻撃を実行する。

 

「全隊、前進!!」

 

シャアの部隊が先陣を切って 司令部正面へ突撃 する。

 

ダダダダダッ!!

 

敵の防衛部隊が一斉射撃を開始。

機関銃陣地の攻撃も加わり、シャアの部隊は瞬く間に 銃撃戦の渦 に飲み込まれた。

 

「慌てるな! まずは敵の注意を引く!」

 

シャアは冷静に指示を出し、味方の狙撃手を配置する。

 

「高台に上がれ! 敵の火力を削げ!」

 

パンッ! パンッ!

 

狙撃手たちが次々と 敵の機関銃手を無力化 していく。

 

「よし、このまま 前線を押し上げる!」

 

シャアの部隊は 一歩ずつ確実に前進 し、敵の注意を完全に引きつけることに成功する。

 

「イオリ、頼んだぞ」

 

------

 

シャアが陽動を行っている間にその間に 俺の部隊は司令部の裏手へと静かに回り込んでいた。

 

「いいぞ……奴らは気付いてない」

 

ビルの影を利用し、慎重に進む。

しかし、突然 警戒中の敵兵と遭遇 してしまう。

 

「っ……!」

 

敵兵も驚き、咄嗟に銃を構えようとする。

 

パンッ!

 

俺の射撃が敵兵士を無力化する。

 

「付近の敵を片付けるぞ!」

 

部下たちも素早く対応し、確実に敵兵を排除していく。

 

「よし、突入準備!」

 

俺たちは司令部の裏口に到達し、突入の準備を整える。

 

「ブリーチ準備」

 

「準備よし」

 

全員が、突入態勢になり、俺が突入のハンドサインを送る

ドンッ!!

 

爆薬が炸裂し、一気に 司令部内部へと突入する。

 

「撃て!!」

 

ダダダダダ!!

 

敵兵たちが迎え撃つが、奇襲されたことにより狼狽えてる様子だった。

統率が取れていない部隊に負けるほど俺たちはやわじゃ無い。

 

「制圧しろ!」

 

パンッ!

 

パンッ!

 

素早い銃撃で 次々と敵を無力化 していく。

 

「こっちはクリア!」

 

「司令部まで、あと一歩だ!」

 

俺は仲間たちと共に、最奥の指揮室へと向かう。

 

 

-----

 

ドォン!!

 

爆薬が炸裂し、分厚い金属製の扉 が吹き飛んだ。

 

「突入!!!」

 

号令と同時に、隊員たちが一斉に指揮室に突入した。

 

「左右クリア!」

 

「前方異常なし!」

 

突入班が素早く部屋をクリアリングしていく。

 

だが次の瞬間——

 

「敵兵接近!!」

 

ダダダダダ!!

 

部屋の奥から待ち伏せしていた敵兵が一斉射撃してきた。

 

「ぐぁ!」「あんなところから…!」

 

「遮蔽物につけ!」

 

イオリはすかさず壁際に飛び込み、状況を把握する。

 

(最後の抵抗か?敵兵は5~6名か……)

隊員たちは即座に遮蔽物に隠れながら応戦するが、敵も防御を固めている。

 

即座に命令を下す。

 

「敵正面に向かって閃光弾を投げろ」

 

「了解! 」

 

カツンッ……ドン!

 

爆発音と共に100万カンデラ以上の光が敵を包み込む、敵兵があまりの眩しさに咄嗟に両手で顔を隠す

 

「今だ! 突っ込む!」

 

俺を先頭に、隊員たちが一気に攻め込む!

 

「ぐあっ!!」

 

敵兵が撃ち倒され、次々と制圧されていく。

 

最後に残った重機関銃手が反撃しようとするが——

 

「遅い!」

 

ナイフを抜き、素早く相手の腕を切り払う!

 

「ぐっ……!」

 

敵兵は銃を取り落とし、そのまま昏倒。

 

「制圧完了!」

 

「やったぜ、隊長!」

 

「まだだ……敵司令官が残ってる」

 

最後の敵兵が守っていた扉の中には、敵チームの司令官役の士官候補生が残っていた。

 

「決着がついたぞ、降伏しろ」

 

「全く、そっちのチームにお前とシャアがいるのはせこいだろ、せめて分けろってんだ。降伏するよ。」

 

敵司令官役の学生が愚痴ってから降伏を宣言した。

 

ビーーーーー!!!

 

突然大音量でブザーのような音が鳴り響く。

 

「両チームそこまで!!本演習はブルーチームが敵司令部を陥落させたことによりブルーチームの勝利!各自武装を解除し、所定の場所まで移動するように」

 

教官から、俺たちが所属するブルーチームの勝利宣言がなされた。

 

------

 

夕焼けが空を染める中、演習地には撤収作業をする士官候補生たちの声が響いていた。

 

俺はヘルメットを脱ぎ、乱れた髪を手でかき上げながら、演習で共に戦った仲間たちと談笑していた。

 

「ったく、最後の突入、死ぬかと思ったぜ!」

 

「まあ、あんだけ暴れりゃ、敵もお手上げだったろ」

 

「イオリの指示がなきゃ、俺たちもバラバラだったさ」

 

部隊の仲間たちが口々に称賛の言葉をかけるが、俺は苦笑しながら手を振った。

 

「いやいや、お前らがしっかり動いてくれたおかげだろ。それに——」

 

そう言って、イオリはふと振り返る。

 

少し離れた場所で腕を組みながらこちらを見ているシャアと目が合った。

 

俺はニヤリと笑い、シャアに歩み寄る。

 

「シャア、お前のおかげだぜ。あの陽動がなかったら、俺たちはもっと苦戦してた」

 

「ふん……当然のことをしたまでだ」

 

シャアはそっけなく答えたが、その口元はわずかに笑っていた。

 

「けど、お前がここまでやるとはな……正直、驚いた」

 

「へぇ、シャアが俺に驚くとは珍しいな」

 

「誤解するな。俺はお前がここまで成長していることに驚いただけだ」

 

シャアはふっと鼻を鳴らし、続ける。

 

「だが、まだ甘いところがあるな。敵の指揮室内に踏み込んだ時、伏兵にあったらしいな」

 

「……ぐっ!」

 

俺は言葉に詰まる。

 

「それに、あの突入の時、お前が少しでも判断を誤っていたら、部下を危険に晒すことになっていた。結果的に成功したが、それは俺の陽動がうまくいったおかげでもある」

 

「……まあ、それはそうだな」

 

苦笑しながら、肩をすくめた。

 

「お前の陽動が完璧だったのは認めるよ。正直、あそこまできっちり敵を引きつけてくれるとは思わなかった」

 

「当然だ。作戦を遂行する以上、無駄な失敗は許されん」

 

「はいはい、お前の完璧主義は知ってるっての」

 

軽く笑いながら、シャアの肩を軽く叩く。

 

「でもさ、こうやってお互いに補い合えたんだから、悪くない演習だったろ?」

 

シャアは一瞬黙った後、わずかに口元を緩めた。

 

「……まあな。お前と組んで動くのは、悪くない経験だった」

 

「だろ?」

 

満足そうに頷く。

 

「それにしても、お前は本当にすげぇよな。シミュレーターでも実戦形式の訓練でも、全然勝てる気がしねぇ」

 

「当然だ。俺は負けるつもりで戦ったことはないからな」

 

シャアの声には一切の迷いがなかった。

 

俺は苦笑しながら、ふと空を見上げた。

 

遠くに沈みかけた太陽が、赤く染まった空を照らしている。

 

「なあ、シャア。お前はどこまで行くつもりなんだ?」

 

ぼそりと呟くと、シャアはしばらく黙った後、静かに答えた。

 

「……さあな」

 

その言葉の奥に、何かを秘めたものを感じる。

シャアの横顔を見つめながら、確信した。

 

(こいつは俺とは違う……もっとずっと大きな何かを見据えてる)

 

だが、それが何なのかは、まだ分からない。

 

それでも——

 

「ま、俺は俺のやり方でやるさ」

 

俺はそう言って、歩き出した。

 

シャアは少し遅れて、無言のままその隣に並ぶ。

 

長かった1日が終わり、士官候補生としての時間も残りわずかだった。




ながすぎぃーー!!
戦闘描写ってやり始めたら、あれもやりたいこれもやりたいってなるから長くなるんかな?

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