転生先はガンダムの世界?え?生き残れ?は?   作:スウェーデンクラス

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第2章 第14話 卒業 新天地

士官学校の朝は、いつもと変わらず規則正しく始まる。だが、この日は違った。

 

配属の内示発表の日。

 

2年間、必死に学び、鍛え上げられてきた士官候補生たちにとって、まさに人生の分岐点となる日だった。

 

どの部隊に配属されるか。

どんな指揮官の下で戦うのか。

どの戦場に立つことになるのか──。

 

そのすべてが、今日決まる。

 

士官候補生たちは朝からそわそわしており、普段は冷静な者でさえ、落ち着かない様子が見受けられた。

 

そして、時間になると全員が大講堂に集められた。

 

壇上には、士官学校長と各科の教官たちが整列している。その姿は、まるで軍法会議のように威圧的だった。

 

「では、これより士官候補生の配属先を発表する。」

 

学校長の低く重い声が講堂に響く。

 

場内は、一瞬にして静寂に包まれた。

 

──名簿が読み上げられていく。

 

成績上位者から順に配属先が告げられた。

 

「シャア・アズナブル──宇宙攻撃軍第3機動艦隊所属、第1MS中隊配属。」

 

瞬間、場内の空気がわずかにざわめく。

 

シャア・アズナブル。

 

今や士官候補生の間ではその名を知らぬ者はいない。圧倒的な技量と頭脳を持ち、MS操縦や戦術シミュレーションでは常にトップクラスを維持していた。

 

彼が宇宙攻撃軍に配属されるのは、誰もが予想していたことだった。

 

壇上のシャアは淡々と立ち上がり、「了解しました」と短く返事をする。その落ち着きぶりは、周囲の候補生たちとは一線を画していた。

 

そして、次々と名前が呼ばれていく。

 

「イオリ・クローネ──突撃機動軍・特殊海兵隊配属。」

 

──瞬間、イオリは一瞬だけ眉をひそめた。

 

特殊海兵隊?

 

聞き慣れない名前だった。

 

「……了解しました。」

 

立ち上がって返事をしながら、心の中で苦笑する。

 

成績上位者の中では、やや異質な配属先だった。普通ならエースパイロット候補は宇宙攻撃軍に回されることが多い。

 

なぜ俺が特殊部隊に?

 

そんな疑問が頭をよぎるが、ここで考えても仕方がない。

 

その後も発表は続き、歓喜と落胆が入り混じる候補生たちの反応が広がっていく。

 

配属発表が終わると、候補生たちは次々と席を立ち、友人同士で集まり、それぞれの配属先について語り合い始めた。

 

 

俺が講堂を出ようとしたとき、背後から足音が聞こえた。

 

「イオリ、少し時間はあるか?」

 

低く落ち着いた声。

 

振り向くと、シャアがいた。

 

「もちろん。」

 

二人は講堂を出て、少し離れた静かな廊下へと歩いていく。

 

シャアは腕を組み、俺の方を横目で見ながら口を開いた。

 

「突撃機動軍の特殊海兵隊……かなり特殊な配属だな。」

 

「お前もそう思うか。」

 

俺は苦笑しながら答えた。

 

「お前の実力なら、宇宙攻撃軍に配属されてもおかしくなかったはずだ。」

 

「俺もそう思ってたんだがな……。」

 

俺は壁にもたれかかり、天井を見上げた。

 

「でもまあ、決まっちまったものは仕方ない。特殊海兵隊ってのはどんな部隊なんだ?」

 

「調べたことがある。」

 

シャアは冷静な口調で続ける。

 

「特殊海兵隊は、ジオン軍の中でも最前線での強襲上陸を専門とする部隊だ。戦線突破や敵拠点の制圧を任務とし、通常の部隊よりも格段に厳しい戦闘を強いられる。」

 

「……要するに、捨て駒ってことか?」

 

「そうとも言い切れん。」

 

シャアは首を横に振る。

 

「特殊海兵隊は精鋭揃いだ。ジオン軍の中でも、選ばれた者しか配属されない。お前の技量が評価されたのは間違いないだろう。」

 

「……まぁ、そういうことにしとくか。」

 

俺は肩をすくめた。

 

「お前は宇宙攻撃軍か。エリートコースだな。」

 

「ふっ、どうだろうな。」

 

シャアは薄く微笑んだ。

 

「だが、こうしてお前と別々の部隊になるのは少し寂しいな。」

 

「……珍しいことを言うな。」

 

「ふふ、そうか?」

 

「いや、お前、普段はそういう感情をあまり表に出さないだろ。」

 

からかうように笑ったが、シャアはその言葉には答えず、ただ前を見据えていた。

 

──これから先、二人は違う道を歩む。

 

しかし、士官学校での2年間は確かに二人の絆を強くした。

 

「お前とはまた戦場で会いそうだな。」

 

「その時は、共闘か、それとも敵同士か……。」

 

シャアは冗談めかして言ったが、イオリは肩をすくめる。

 

「なんで敵になるんだよ。俺たちはずっと味方だ」

 

「……そうか。」

 

シャアは短くそう返した。

 

その表情はどこか寂しげだったが、イオリはそれ以上は何も言わなかった。

 

「何かあれば連絡してくれよな、助けがいるならすぐ行くよ」

 

俺はシャアにふざけるように言う

 

「それはこちらのセリフだよ、泣きながら連絡してくるのを楽しみに待っているよ」

 

シャアも負けじと言い返す、そこには、お互いを信頼した者同士にしか分からない空気感があった。

 

「死ぬなよシャア」

 

「お前もなイオリ」

 

もはや、恒例となっているお互いの拳を合わせる。

 

こうして、彼らの士官学校生活は終わり、新たな軍人としての道が始まる。

 

──一年戦争の幕開けへと向かって。




アンケートですが、
シーマ様強すぎだわーー笑
あと、地味にゲレ子善戦だなー、あの子はインパクトあったもんなー笑
さぁお待ちかねのヒロインですがー!
まぁ配属先みればもう分かりますよね笑
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