転生先はガンダムの世界?え?生き残れ?は? 作:スウェーデンクラス
士官学校の朝は、いつもと変わらず規則正しく始まる。だが、この日は違った。
配属の内示発表の日。
2年間、必死に学び、鍛え上げられてきた士官候補生たちにとって、まさに人生の分岐点となる日だった。
どの部隊に配属されるか。
どんな指揮官の下で戦うのか。
どの戦場に立つことになるのか──。
そのすべてが、今日決まる。
士官候補生たちは朝からそわそわしており、普段は冷静な者でさえ、落ち着かない様子が見受けられた。
そして、時間になると全員が大講堂に集められた。
壇上には、士官学校長と各科の教官たちが整列している。その姿は、まるで軍法会議のように威圧的だった。
「では、これより士官候補生の配属先を発表する。」
学校長の低く重い声が講堂に響く。
場内は、一瞬にして静寂に包まれた。
──名簿が読み上げられていく。
成績上位者から順に配属先が告げられた。
「シャア・アズナブル──宇宙攻撃軍第3機動艦隊所属、第1MS中隊配属。」
瞬間、場内の空気がわずかにざわめく。
シャア・アズナブル。
今や士官候補生の間ではその名を知らぬ者はいない。圧倒的な技量と頭脳を持ち、MS操縦や戦術シミュレーションでは常にトップクラスを維持していた。
彼が宇宙攻撃軍に配属されるのは、誰もが予想していたことだった。
壇上のシャアは淡々と立ち上がり、「了解しました」と短く返事をする。その落ち着きぶりは、周囲の候補生たちとは一線を画していた。
そして、次々と名前が呼ばれていく。
「イオリ・クローネ──突撃機動軍・特殊海兵隊配属。」
──瞬間、イオリは一瞬だけ眉をひそめた。
特殊海兵隊?
聞き慣れない名前だった。
「……了解しました。」
立ち上がって返事をしながら、心の中で苦笑する。
成績上位者の中では、やや異質な配属先だった。普通ならエースパイロット候補は宇宙攻撃軍に回されることが多い。
なぜ俺が特殊部隊に?
そんな疑問が頭をよぎるが、ここで考えても仕方がない。
その後も発表は続き、歓喜と落胆が入り混じる候補生たちの反応が広がっていく。
配属発表が終わると、候補生たちは次々と席を立ち、友人同士で集まり、それぞれの配属先について語り合い始めた。
⸻
俺が講堂を出ようとしたとき、背後から足音が聞こえた。
「イオリ、少し時間はあるか?」
低く落ち着いた声。
振り向くと、シャアがいた。
「もちろん。」
二人は講堂を出て、少し離れた静かな廊下へと歩いていく。
シャアは腕を組み、俺の方を横目で見ながら口を開いた。
「突撃機動軍の特殊海兵隊……かなり特殊な配属だな。」
「お前もそう思うか。」
俺は苦笑しながら答えた。
「お前の実力なら、宇宙攻撃軍に配属されてもおかしくなかったはずだ。」
「俺もそう思ってたんだがな……。」
俺は壁にもたれかかり、天井を見上げた。
「でもまあ、決まっちまったものは仕方ない。特殊海兵隊ってのはどんな部隊なんだ?」
「調べたことがある。」
シャアは冷静な口調で続ける。
「特殊海兵隊は、ジオン軍の中でも最前線での強襲上陸を専門とする部隊だ。戦線突破や敵拠点の制圧を任務とし、通常の部隊よりも格段に厳しい戦闘を強いられる。」
「……要するに、捨て駒ってことか?」
「そうとも言い切れん。」
シャアは首を横に振る。
「特殊海兵隊は精鋭揃いだ。ジオン軍の中でも、選ばれた者しか配属されない。お前の技量が評価されたのは間違いないだろう。」
「……まぁ、そういうことにしとくか。」
俺は肩をすくめた。
「お前は宇宙攻撃軍か。エリートコースだな。」
「ふっ、どうだろうな。」
シャアは薄く微笑んだ。
「だが、こうしてお前と別々の部隊になるのは少し寂しいな。」
「……珍しいことを言うな。」
「ふふ、そうか?」
「いや、お前、普段はそういう感情をあまり表に出さないだろ。」
からかうように笑ったが、シャアはその言葉には答えず、ただ前を見据えていた。
──これから先、二人は違う道を歩む。
しかし、士官学校での2年間は確かに二人の絆を強くした。
「お前とはまた戦場で会いそうだな。」
「その時は、共闘か、それとも敵同士か……。」
シャアは冗談めかして言ったが、イオリは肩をすくめる。
「なんで敵になるんだよ。俺たちはずっと味方だ」
「……そうか。」
シャアは短くそう返した。
その表情はどこか寂しげだったが、イオリはそれ以上は何も言わなかった。
「何かあれば連絡してくれよな、助けがいるならすぐ行くよ」
俺はシャアにふざけるように言う
「それはこちらのセリフだよ、泣きながら連絡してくるのを楽しみに待っているよ」
シャアも負けじと言い返す、そこには、お互いを信頼した者同士にしか分からない空気感があった。
「死ぬなよシャア」
「お前もなイオリ」
もはや、恒例となっているお互いの拳を合わせる。
こうして、彼らの士官学校生活は終わり、新たな軍人としての道が始まる。
──一年戦争の幕開けへと向かって。
アンケートですが、
シーマ様強すぎだわーー笑
あと、地味にゲレ子善戦だなー、あの子はインパクトあったもんなー笑
さぁお待ちかねのヒロインですがー!
まぁ配属先みればもう分かりますよね笑