転生先はガンダムの世界?え?生き残れ?は?   作:スウェーデンクラス

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第16話 第3小隊始動、そして愛機

シュレンケ大尉らと、酒を乾杯した後、大尉はグラスに酒を入れながら

 

「よし、じゃあ小隊長クラスとの顔合わせは終わりだな、あとは自分が率いる小隊員との顔合わせだ」

 

「そいつらは別のブリーフィングルームに来るよう伝えてある、今から行ってこい」

 

「了解です、その後は?」

 

「その後は、ハンガーに行って自分が乗ることになる機体を見に行ってこい、クルトに機体を準備させておく」

 

「お前の初めての機体だ、自分の手足のように動かせる程調整しておけよ」

 

大尉は、俺にニヤリと笑いながら言い放った。

 

「了解です、それでは失礼します、また後ほど」

 

そう言い残すと、メインブリーフィングルームから退出した。

 

俺は、割り当てられた小隊の二人と初めて顔を合わせるために、指定されたブリーフィングルームへと向かっていた。

 

士官学校を卒業したばかりの自分が、いきなり小隊長になる。期待と不安が入り混じる中、扉の前で一度深呼吸をして、思い切ってノブを回した。

 

室内には二人の兵士がすでに待機していた。

 

「お、小隊長来たっスね!」

 

元気よく声を上げたのは、カール・シュナイダー二等兵。短く刈った金髪に、いかにも陽気そうな笑顔を浮かべた青年だ。姿勢こそ軍人らしく直立しているが、その態度はどこか砕けている。

 

「……初めまして、少尉」

 

もう一人の男、エリック・ハルトマン伍長は、カールとは対照的に寡黙で落ち着いた雰囲気だった。短めの黒髪を整え、どこか冷静な眼差しでイオリを見つめている。

 

二人の前に立ち、イオリは軽く咳払いをしてから口を開いた。

 

「俺はイオリ・クローネ少尉だ。本日付でお前たちの小隊長になった。よろしく頼む」

 

二人は直立し、敬礼を返した。

 

「カール・シュナイダー二等兵っス! いやぁ、新人の小隊長さんかぁ~、なんかワクワクするっスね!」

 

「エリック・ハルトマン伍長。……よろしくお願いします」

 

「まずは簡単に自己紹介をしよう。カール、お前から頼む」

 

「了解っス!」

 

カールは勢いよく一歩前に出ると、胸を張った。

 

「カール・シュナイダー、18歳っス! モビルスーツの操縦はそこそこ自信あるっスよ! まぁ、模擬戦ではエリックにボコボコにされることが多いんスけどね……」

 

「誇ることじゃないだろう」

 

エリックが呆れたように呟いた。

 

「いやいや、エリックが強すぎるんスよ! 俺、まだ発展途上なんで!」

 

「それを言うなら、精進するんだな」

 

「うっ……はいっス……」

 

そんな二人のやり取りに、イオリは思わず苦笑した。

 

「お前ら、仲がいいんだな」

 

「まぁ、訓練期間が一緒だったんで!」

 

「腐れ縁みたいなものです」

 

エリックが淡々と付け加える。

 

「エリック、お前はどうなんだ?」

 

「エリック・ハルトマン、24歳です。軍歴は3年。モビルスーツの操縦に関しては自信があります。正確な射撃を心掛け、可能な限り冷静な判断を下すように努めています」

 

カールとは違い、簡潔で的確な自己紹介だった。

 

「なるほど……お前たちはどちらもパイロット経験があるのか」

 

「まぁ、一応っス! 俺はエリックには勝てませんけど!」

 

「そこは胸を張るところじゃない」

 

またも呆れたように言うエリックに、カールは「ちぇっ」と口を尖らせた。

 

イオリは二人のやり取りを見て、ふっと笑った。

 

「お前ら、なかなかいいコンビじゃないか」

 

「でしょう? 俺たち、息ピッタリっスよ!」

 

「俺はそうは思いませんが」

 

「ええ~っ!? ひどいっス!」

 

カールが大げさに肩を落とし、エリックが小さく溜息をつく。

 

イオリは改めて二人を見渡し、ゆっくりと口を開いた。

 

「俺もお前たちと初めて組むから、互いのことを知るのが先決だ。まずは訓練でしっかりと連携を取れるようにしていく」

 

「了解っす!」

 

「了解しました」

 

それぞれ違う反応を返す二人を見て、イオリは確信した。

 

こいつらとなら、やっていける。

 

「じゃあ、今から早速訓練っすか?!」

 

「そうしたいのはやまやまだが、まずは俺の機体を調整しにいく、恥ずかしながら、まだ実機には搭乗したことがないんだ」

 

「え?小隊長まだ乗ったことないんすか?じゃあ、搭乗経験なら俺の方がせんぱ……イデ!」

 

何かを言おうとした、カールにゲンコツを見舞ったエリックが

 

「それであれば、今からハンガーまでご案内します、私たちもモビルスーツを実際に使っての訓練はまだあまりしておりませんので、ご安心を」

 

「なんだよ、エリック!ちょっと調子乗っただけじゃん!」

 

「お前は調子に乗りすぎだ」

 

俺は苦笑しながら、ふたりやりとりを見ていた。

 

こうして、第3小隊としての一歩が始まった。

 

------

 

整備区画に足を踏み入れた瞬間、イオリは戦場の空気を感じた。

 

焦げた油と金属の匂い、スパナの音、溶接の火花。そこにあるのは、生死を分ける兵器を支える者たちの熱気だった。

 

「ここが俺たちのハンガーっす、ようこそ少尉!」

 

案内役のカール・シュナイダー二等兵が、少年のような笑みを浮かべて言った。

 

「お前な……もう少し落ち着け」

 

その隣で、エリック・ホフマン伍長が溜息混じりにたしなめる。

 

「いやいや、エリック伍長、俺は少尉にシーウルフ隊のことをしっかり知ってもらいたいだけっす!」

 

「お前の説明が必要とは思えんがな」

 

「ひっど!伍長、冷たすぎません?」

 

二人のやり取りを聞きながら、イオリは思わず笑みをこぼした。

 

戦場では命を預け合うことになる。こうして気軽に話せるのは、ありがたいことだった。

 

カールが勢いよく腕を広げる。

 

「さあ、少尉!俺たちの相棒が並んでるっすよ!」

 

深緑の巨体が、堂々と整然と並ぶ光景。

 

 ザクⅡC型。

ザクⅡC型は、ジオン公国軍が配備したザクⅡシリーズの初期型である。C型は核を運用する前提で設計されており、胸部には放射線に耐えれるように増加装甲が施されている物だ。

しかし、シーウルフ隊のザクは、部隊運用上核の使用は想定していないことから、核仕様はオミットされている。いわば、海兵隊仕様というやつらしい。

 

ジオン軍の象徴とも言えるMS。

 

俺は自然と息をのんでいた。

 

「おう、ようやく来たかよ」

 

顔を上げると、そこにはクルト・ヘルツァー整備長が立っていた。

 

片手にはウイスキーボトル。くわえタバコの煙がゆるく揺れる。

 

「待たせちまったな、少尉。お前の機体はこっちだ」

 

クルトが顎で示したのは、一機のザクⅡC型だった。

 

しかし、完全な状態ではない。各所の装甲が開かれ、内部フレームがむき出しになっている。

 

「これが……俺のザクか……」

 

見上げていると、クルトは酒瓶を片手に言う。

 

「お前の体格や操作の癖に合わせて、調整中ってわけだ。適当に乗りゃいいってもんじゃねぇ。戦場に出る前に、しっかりこいつと向き合っとけよ」

 

「……ありがとうございます」

 

目の前の機体をじっと見上げた。

 

その時ふと、ザクを見ていると、シールドと右側胸部に狼をモチーフにした部隊マークが見えた。

 

そのマークがついたザクに、俺は恥ずかしくも胸が躍る思いだった。

 

------

 

「よっしゃ、さっそくコックピットにのって各種調整していくぞ!はやく乗りな」

 

「了解です」

 

クルト・ヘルツァー整備長に促され、俺はコックピットに早速乗り込んだ。

 

俺はコックピットの中で息を呑んだ。

 

狭い。いや、シミュレーターで何度も訓練したはずなのに、実機の圧迫感はまるで違う。全身を包み込むような無機質な空間、計器類のわずかな光がかすかに視界を照らす。

 

『どうだ、少尉?』

 

無線越しに整備長――クルト・ヘルツァーの声が聞こえてくる。相変わらず酒臭い気がするのは気のせいか?

 

「……思ってたより、窮屈ですね」

 

俺は慎重にシートに深く腰を沈める。軍服のせいで可動域が制限されるのがわかる。手元のスイッチを確かめながら、メインパネルに視線を移した。

 

『そりゃそうだ、これは戦闘用の機械だ。快適さなんて期待するなよ』

 

「ま、そうですね……」

 

正直なところ、想像以上に機械の圧力を感じる。

 

シミュレーターでは、コックピットの狭さこそ再現されていたが、こうして実際に座ると、機体そのものの重みを感じるのだ。エンジンが発するわずかな振動、座席に伝わる鉄の冷たさ――そういう細かい感覚が、訓練では味わえなかった現実を突きつけてくる。

 

『おい、少尉。機体の制御系、チェックしてみろ』

 

ハッチの外から整備長の声が響く。

 

「了解……」

 

俺は慎重にスイッチを入れる。

 

パネルが一斉に光を帯び、機体の動作が開始される。

 

メインモニターが起動し、視界が開ける。整備ハンガーの内部が、淡い緑色の映像で映し出された。まだ機体は固定されたままだが、それでも視界が開けたことで、息苦しさがわずかに軽減された。

 

ザクⅡC型、起動。

 

「動力系統、正常。モニターの表示、問題なし……」

 

『おお、ちゃんと動いてるっすね!』

 

陽気な声がインカム越しに聞こえてくる。カール・シュナイダー二等兵だ。

 

『なあ少尉、初めての実機の感想は?』

 

「……でかい。あと、生き物みたいだ」

 

俺は正直な感想を口にする。

 

『ははっ! 生き物って、それは言い得て妙だな』

 

クルト整備長が苦笑する。

 

『機体ってのは、乗り手によってクセが出るもんなんだ。調整次第で反応が変わるし、パイロットの乗り方に馴染んでいく。まあ、最初は違和感しかないだろうが、慣れればお前さんの手足みたいに動くさ』

 

「……そうなるといいんですけど」

 

俺は深く息を吐き、次の手順へと進む。

 

『少尉、システムの詳細チェックもお願いしますよ!』

 

整備クルーの指示が飛ぶ。

 

「了解。推進系統、チェック開始」

 

俺は慎重にレバーを操作し、各部の動作確認を始める。

 

ペダルを軽く踏み込むと、機体の駆動系統が唸りを上げ、わずかに動こうとする力を感じる。

 

「こいつ……思ったよりも敏感だな」

 

『そりゃあ、ザクⅡC型はもともと核運用を想定してたからな。機体の基本設計がしっかりしてるんだよ』

 

整備長の声が入る。

 

「核運用……」

 

前世では核はタブーとされてきたものだ、それがこの世界では当然のように武器として、使われる。

その、前世と現世の乖離に俺は身慄いした。

 

『まあ、今はそんなもん積んでねぇけどな。ただ、おかげで機体フレームは頑丈だし、エネルギー供給系統も優秀だ。通常戦闘でも扱いやすい機体になってる』

 

なるほど、確かにモニターの出力を見る限り、エネルギーの安定度は高い。

 

『少尉! そろそろ腕試ししてみたくなってきたんじゃないっすか!?』

 

カールがいたずらっ子のように言う。

 

「そうだな……でもまずは、この機体に慣れないとな」

 

『真面目だなぁ。エリック伍長、俺たちも見習わないとっすね』

 

『カール、お前はまず自分の操縦技術を心配しろ』

 

『えー、俺だってそこそこやれるじゃないっすか!ねえ、少尉!』

 

「俺に聞くな」

 

俺は苦笑しながら、再び計器類に目を落とした。

 

――まずは、こいつを俺の相棒にするところから始めないとな。

 




アンケート結果がめちゃんこせってますね!
ちなみシーマ様が上だと面倒見のいい姉御ってかんじ、副官だと姉さん女房的な立ち位置になると思っていただければ分かる?かな?笑
次の話まではアンケート取りますね!でも参考なので、どっちになるかは僕の気分次第エッです笑
搭乗人物多くなってきたので、搭乗人物欄こんど作りますね。
あとザクの説明は僕なりの解釈とオリジナル要素入ってます。
あと、この海兵隊はみんな心綺麗です笑
シーウルフ隊のマークなんかいいのないかな。
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