転生先はガンダムの世界?え?生き残れ?は?   作:スウェーデンクラス

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第3話 出会い

ジオン公国士官学校は、サイド3の首都ズム・シティの中心部に位置する由緒ある軍学校だ。

かつてはジオン・ズム・ダイクンの理念を掲げ、スペースノイドの自治を重んじる教育機関だったが、公国独立とともに急速に軍事色を強め、今では完全に公国軍の士官養成機関となっている。

 

そんな士官学校の正門前には、初々しい士官候補生たちが集まり、緊張した面持ちで開門を待っていた。

 

「これが……士官学校か」

 

イオリ・クローネは、立派な石造りの門構えと、中央にそびえる校舎の姿を見上げた。

青みがかった金属の装甲板があちこちに貼られ、要塞のような威圧感を醸し出している。

門の上には、ジオン公国の紋章が誇らしげに掲げられ、奥には訓練用のグラウンドや、整然と並ぶ寮の建物が見える。

 

「さっさと並べ!お前らは今日から士官候補生だ!」

 

軍服姿の教官が怒鳴ると、新入生たちは慌てて整列した。

 

イオリも列に加わる。

周囲を見ると、ほとんどが15~17歳ほどの少年少女だ。

士官学校は、主に貴族や有力者の子弟が多いと言われていたが、実際には一般家庭や孤児院出身の者もそれなりにいるようだった。

 

(……これが俺の新しいスタートか)

 

少し深呼吸しながら、前を向く。

 

入学式会場

 

整然と並ぶ士官候補生たちの前には、壇上が設けられ、黒い軍服に身を包んだ高官たちが並んでいた。

 

「静粛に!」

 

司会役の将校がマイクを通して声を響かせる。

 

「これより、ジオン公国士官学校の入学式を執り行う!」

 

開会の言葉に続き、新入生代表が登壇し、宣誓を述べる。

 

「我々士官候補生は、ジオン公国の未来を担う軍人として、忠誠と規律を重んじ、己を鍛え、栄光ある公国軍に身を捧げることを誓います!」

 

静かながらも力強い誓いの言葉。

壇上から見ると、整列した候補生たちの群れが一糸乱れぬ隊列を成していた。

 

(軍人としての第一歩、か……)

 

そんな感慨に浸る間もなく、高官の演説が始まる。

 

「諸君は、ジオン公国軍の未来を担う者たちである。我々は長年、地球連邦の圧政に苦しめられてきた。しかし、今や我らは独立を果たし、真の自由を手に入れる時が来た!」

 

壇上の将官が拳を振り上げると、場内の空気が一気に熱を帯びる。

 

「ジーク・ジオン!!」

 

「ジーク・ジオン!!」

 

会場中に響き渡るシュプレヒコール。

イオリも、周囲に合わせて右腕を突き上げる。

 

(……これが、ジオン公国の現実か)

 

入学早々、軍国主義の熱気を肌で感じることとなった。

 

入学式が終わると、新入生たちはそれぞれの寮へと案内された。

 

ジオン士官学校の寮は 2人1部屋の相部屋制 で、室内には 二つのベッド、簡素なロッカー、勉強机、最低限の生活必需品 が備えられている。

 

「……ここが俺の部屋か」

 

イオリ・クローネは支給された軍用バッグを肩にかけ、割り当てられた 「第3寮・2階・25号室」 の前に立つ。

 

中に入ると、すでに先客がいた。

 

金髪に整った顔立ちの少年が、無駄のない動きで荷物を整理している。

 

イオリと目が合うと、彼は静かに口を開いた。

 

「……君がルームメイトか」

 

低く落ち着いた声だった。

 

「イオリ・クローネだ。よろしく」

 

イオリが名乗ると、相手も軽く頷く。

 

「シャア・アズナブルだ」

 

その瞬間、イオリの脳内に 微かな違和感 が走った。

 

(……シャア?)

 

記憶の奥底を探る。

 

どこかで聞いたことがある。

いや、「聞いた」だけではない。 知っている 名前だった。

 

だが、はっきりとしたイメージが浮かばない。

 

(どこで……? なんで引っかかるんだ……?)

 

まるで霧の向こうにあるかのように、記憶はぼんやりとしている。

 

だが確信があった。

 

「シャア・アズナブル」という名前には、何か特別な意味がある。

 

……だが、考えれば考えるほど、霧が深くなるような感覚だった。

 

(まあ、いい……そのうち思い出すかもしれん)

 

考えても仕方ないと判断し、イオリは軽く息をついて気を取り直した。

 

 

「寮の規則はもう確認したか?」

 

唐突にシャアが問いかける。

 

「ああ、一通りな」

 

「そうか。なら問題ない」

 

それ以上、シャアは特に話しかけてこない。

 

イオリも特に会話を続けるつもりはなかったので、空いているベッドに荷物を下ろした。

 

(……落ち着いた雰囲気の奴だな)

 

初対面の印象は、「冷静で隙がない」だった。

 

お互い干渉しすぎず、適度な距離感を保ったまま、それぞれの作業を続ける。

 

しばらくして、シャアが 軍用時計を確認 すると、淡々とした口調で言った。

 

「そろそろ消灯時間だ。おやすみ、クローネ」

 

「……おやすみ」

 

そう言って灯りを消す。

 

暗闇の中で、イオリは再び考えた。

 

(……シャア・アズナブル)

 

この名前を知っている。

 

だが、どうしても思い出せない。

 

そんなモヤモヤした気持ちを抱えながら、イオリは静かに目を閉じた。

 




主人公 原作知識知らなさすぎて、自分が死亡フラグに立てまくる存在に気づいていません笑

ヒロインは誰でしょうー!

  • ニナ・パープルトン
  • トップ 08小隊のザク部隊の隊長
  • モニク・キャデラック
  • ケルゲレンの女性オペレーター
  • シーマ・ガラハウ
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