転生先はガンダムの世界?え?生き残れ?は? 作:スウェーデンクラス
士官学校での訓練内容は実技的なものもあれば当然座学もある。
「ジオン公国の理念と歴史」というタイトルの講義が開かれ、大勢の候補生たちが教官の言葉に耳を傾けている。
(……まあ、当然の内容だよな)
この世界が『機動戦士ガンダム』の世界であることは、転生直後から理解していた。とはいえ、原作のストーリーには詳しくない。
なんとなく「ジオンって悪役側だったはず」くらいの認識しかなかったが、こうして実際にジオンの立場から歴史を学んでみると、また違った印象を受ける。
「ジオン・ズム・ダイクンは、地球連邦政府の腐敗に異を唱え、宇宙移民者(スペースノイド)の権利を主張した——」
教官が淡々と語る。
(ジオン・ズム・ダイクン……たしか、この人がコロニー国家の独立を唱えたんだっけ?)
「しかし、彼の志は道半ばで潰えた。ダイクンが急逝し、後継者争いが勃発したのち、ザビ家が政権を掌握した」
候補生たちは皆、真剣な表情で講義を受けている。
ふと隣を見ると、シャアが静かに座っていた。
相変わらずの金髪碧眼。
そして何より、驚くほど冷静だ。
彼はジオンの歴史をどう思っているのだろうか?
(……まあ、口に出すようなことじゃないか)
軽く首を振り、講義に集中し直した。
座学のあとは、体力測定と軍事訓練が始まる。
「まずは体力測定からだ!」
教官の掛け声とともに、候補生たちは整列する。
「腕立て伏せ100回、腹筋100回、スクワット100回! その後、1.5キロのランニングだ!」
(うへぇ、いきなり厳しいな……)
そう思いながらも、地道にこなしていく。
転生前の自分より遥かに若く健康な肉体を持っているとはいえ、士官学校の訓練は本格的だ。
「50! 51! 52……」
隣を見ると、シャアが黙々とこなしていた。
息一つ乱さず、涼しい顔で腕立て伏せを続けている。
(……化け物かよ)
俺や他の学生が苦戦しているのをよそに、シャアは全く疲れる気配を見せない。
その後のランニングでも、シャアは軽々と先頭を走り抜けた。
(やっぱり普通じゃないな……)
そう実感せざるを得なかった。
⸻
そして、ついに実戦的な訓練が始まった。
候補生同士の模擬戦だ。
「では、次の組。クローネ対……アズナブル!」
(シャアと戦うのか……)
俺は木製のナイフを握りしめ、シャアと向かい合う。
「よろしく頼む」
シャアが静かに言う。
「……ああ、こっちこそ」
合図とともに、シャアが一瞬で間合いを詰めてきた。
(は、速い!?)
俺は咄嗟に防御姿勢を取るが、次の瞬間にはシャアのナイフが肩をかすめていた。
「くっ……」
反撃に出ようとするも、シャアはすでに次の動きに移っている。
攻撃の流れが全く途切れない。
(ダメだ、圧倒されてる……!)
わずか数分後、俺は木剣を弾き飛ばされ、敗北した。
「……完敗だな」
息を切らしながらそう言うと、シャアは軽く頷いた。
「君もなかなかやる。だが、まだまだ改善の余地がある」
「……ははっ、そうかもな」
こうして、俺とシャアの間に一方的なライバル関係が生まれた。
連続投稿ー
もう弾がない、どうしよう
ヒロインは誰でしょうー!
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