転生先はガンダムの世界?え?生き残れ?は? 作:スウェーデンクラス
士官学校の訓練は地獄だった。
毎朝、起床ラッパと同時に布団を跳ね飛ばし、決められた時間内に身支度を済ませ、駆け足で訓練場へ向かう。
その中で一際目立っていたのが、シャア・アズナブルだった。
どんな訓練も完璧にこなし、走り込みではトップを譲らず、格闘戦でもほぼ無敗。
(原作の登場人物ってのはみんなこんななのか?)
最初のうちはシャアの動きにただ圧倒されていたが、イオリは次第に違う感情を抱くようになった。
(絶対に食らいついてやる……!)
(シャアに負けてるようじゃ、絶対に生き残れないよな!)
その日から、イオリはシャアを意識し、全ての訓練で彼に追いつこうと努力し始めた。
⸻
ある日の格闘戦訓練。
「次、クローネ対アズナブル!」
「……またお前か」
シャアが木製のナイフを持ちながら呟いた。
「今度こそ……一本取ってやる」
息を整え、シャアの構えを観察する。
(他の奴らと何が違う?)
シャアは隙がない。
攻めればカウンター、守れば崩される。
だが、何度も戦っているうちに、わずかだが彼の動きに規則性があることに気づいた。
(左のフェイントから……右へ回り込む癖がある)
次の瞬間——
「ッ!」
俺は意識的に一歩下がり、シャアの動きに合わせて回り込む
「ほう……?」
シャアの動きが一瞬、止まった。
(読めた!)
俺は全力でナイフを振り下ろした——が、
「……甘い」
シャアは寸前で回避し、カウンターでナイフを叩きつけた。
「……くそっ……!」
「今のは悪くなかった。次はどうする?」
シャアはわずかに口元を緩め、再び構えを取る。
この瞬間、俺も笑みがこぼれる
(やっと俺を見やがったな!)
⸻
「持久走10キロ! 途中でバテたやつは夕食抜きだ!!」
教官の怒声が響く。
士官候補生たちは、息を切らしながらも前へ進もうと必死だった。
しかし、俺の視線は一人の背中だけを追っていた。
「ハァ……ハァ……」
その人物——シャアは、まるで歩くようなペースで走っていた。
(なんであいつ、あんな余裕なんだよ……!)
俺は歯を食いしばり、ペースを上げる。
「……おい、アズナブル……!」
「ん?」
並びかけた瞬間、シャアがこちらを向く。
「俺……お前に……負けねぇぞ……!」
「そうか」
シャアは微笑んだ——そして、
「なら、ついてこい」
次の瞬間、シャアは急加速した。
「——ッ!」
(こいつ……!)
無我夢中で食らいつく。
この日を境に、俺は「アズナブルの隣を走る男」として教官たちの目に留まり始めた。
⸻
士官学校に入学して初めてのモビルスーツ(MS)シミュレーター訓練の日がやってきた。
「本日より、諸君らには基本的なモビルスーツの操縦を学んでもらう」
教官が説明しながら、候補生たちをシミュレーターに案内する。
「まずは基礎操作から始める。機体はザクⅠを想定している」
俺は座席に深く腰掛け、操縦桿を握った。
(俺の知識じゃ、こいつをどう動かすかなんてほとんど知らねぇ……)
しかし、やるしかない。
(落ちこぼれたら、ここで終わりだ)
最初の訓練は歩行、旋回、スラスターの調整といった基礎操作。
「おいクローネ、動きが固いぞ!」
「す、すみません!」
一方、隣のシャアのシミュレーター画面を見ると——
(……もうあんなにスムーズに動かせるのか)
シャアはスムーズに操縦し、まるで本物のパイロットのようだった。
「ふむ……意外と簡単だな」
「なっ……」
「クローネ、もっとスラスターを調整しながら旋回してみろ。機体を慣性で流せばスムーズに動く」
「お、おう……」
(差ばかりつけられるな……)
イオリは再び操縦桿を握り直し、試行錯誤しながら動かし始めた。
(……負けるかよ!)
士官学校の生活が始まって数週間が経ち、イオリは毎日の訓練と授業に追われる日々を送っていた。
「今日の訓練は基礎戦闘技術か……」
スケジュールを確認しながら、イオリはグラウンドへと向かう。
そこではすでに訓練が始まっており、教官が鋭い声を飛ばしていた。
「貴様ら、戦場に出たら一瞬の判断ミスが命取りだ!基礎がなっていない者は死ぬぞ!」
模擬戦闘が始まると、イオリは自然とシャアを目で追っていた。
彼は周囲の生徒たちと比べても、明らかに動きが洗練されている。
素早く的確に相手の動きを見極め、一瞬で隙を突くその技術。
「……やっぱりつよいな」
イオリは息を飲みながら、次は自分の番だと気を引き締めた。
訓練が進むにつれ、俺はシャアの実力を認識するだけでなく、強く意識するようになった。
――どうしても勝ちたい。
そんな思いが強くなるにつれ、訓練では常にシャアを相手に選ぶようになった。
「また君か、クローネ」
シャアは苦笑しながらも、毎回真剣に相手をしてくれる。
だが、何度挑んでも彼には敵わなかった。
「……くそ、また負けたか」
倒れ込んだ俺に、シャアは手を差し伸べた。
「随分と俺に執着するな。理由を聞いてもいいか?」
「お前が強いからだよ」
俺は素直に答えた。
シャアは少し驚いたような顔をしたが、すぐに笑った。
「ふふ、単純な動機だな。しかし悪くない。君は他の連中とは違うな」
それが、シャアが俺を意識し始めた瞬間だった。
日が経つにつれ、二人の間には自然と友情が芽生えていった。
食堂で並んで食事をすることも増え、寮の部屋では夜遅くまで語り合うこともあった。
「イオリ、士官学校に入る前はどんな生活をしていた?」
シャアの問いに、一瞬考えた後、孤児院で育ったことを話した。
「ふむ……意外だな。だが、君の根性の強さはそこから来ているのかもしれない」
「そっちは?実家が軍人だったんだろ?」
「まあな」
シャアはそう答えながらも、それ以上は詳しく話さなかった。
(……何か隠してるな)
そう感じたが、無理に聞くことはしなかった。
そうして時が経ち、シャアはガルマと親しくなるようになった。
「シャア、今日もガルマと訓練か?」
「ああ。奴はまだまだ未熟だが、飲み込みは早い。お前も一緒にどうだ?」
「……いや、俺は遠慮しとくよ」
俺は適度な距離を保つことにした。シャアとガルマの間に、どこか違和感を感じたからだ。
(まあ、気にしすぎか)
そう思いながらも、どこか引っかかるものを感じていた。
士官学校での日々はまだまだ続く。
イオリはシャアと競い合いながら、確実に成長していた。
そして、数年後に訪れる激動の時代へと向かっていく――。
だーめだ、
文章がむずかしぃ!!
ヒロインは誰でしょうー!
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ニナ・パープルトン
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トップ 08小隊のザク部隊の隊長
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モニク・キャデラック
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ケルゲレンの女性オペレーター
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シーマ・ガラハウ