今回は日記と実描写がセットです。
5月・日
波乱万丈なクラス対抗戦を終え、平穏な日常が戻ってきた。まあ暫くしたら金と銀がやってきて荒れるんだが。
とにかく本日は平凡な1日だった、授業を受けて放課後は五人に増えた一夏、春樹、箒、セシリア、鈴の練習を観察。
以前まで利用していた野次馬達は鈴の威嚇により解散された。どうやら一夏が見世物にされるのは中学の頃の経験から気分が悪いらしい。やっぱり今回の世界は鈴のヒロイン力が高い、頑張れセシリア。
とにかく野次馬という隠れ蓑を失った為、遠見チートを使って観察に変更した。
鈴、セシリアという遠距離、近距離を得意とする代表候補生がいるため、今日からは二人が残り三人を模擬戦を交えて教えるらしい。
が、超細かいセシリアと超感覚派の鈴という二極である二人は相性が悪くセシリアvs鈴に発展、アリーナの時間一杯まで決着は付かなかった。
5月%日
本日も授業を受けて原作メンバーの練習の観察。
それから今日、そろそろISを使った実技練習が始まることを告げられた。
……私や箒、後数名は授業外で訓練機を乗り回しているが、本来ならこれから歩行、飛行、武器の使用といった基礎的な事を叩き込まれ、そこから原作でいう学年タッグトーナメントで初実戦となるのだ。
しかし今年は男性操縦者の影響がよくも悪くも出ており、彼らに近い私は一般生徒から見たらとんでもない待遇だなぁ。
と、彼らと一緒に練習しながら思った。
また一夏に捕まり、メンバーの一人として練習に加わったのだ。
ここで初めて私と鈴が面と向かい合ったのでどうなるかと思ったが、案外受け入れてくれた。一夏が誘ったというのが大きかったようだ。
本人から名前で良いと言われたので、今後は何の遠慮もなく名前で書いていく。
セシリアと鈴の二極化をどうにか中間にできないか他のメンバーと四苦八苦しながら練習を行い、最後に総当たりの模擬戦。
戦績は専用器には負け、同じ訓練機の箒には勝った。剣で戦う相手には引き撃ちに限る。
5月☆日
本日も変わらず、授業と観察。
昨日の実技開始の報せから、本日は学年別トーナメントの情報も知らされた。例年から変わる可能性があることも語られたが、これを目標に実技を行う様にと千冬先生から告げられた。
観察の方は本日は訓練機は全て予約済みという事は昨日確認したので混ざることは無く、遠視で観察した。
基本は昨日までと同じだ。が、箒にちょっと変化が見られた。
箒は私に負けたのが悔しかったのか、セシリアを練習相手に引き撃ちを相手にした時の練習をしていた。
一生徒対策の練習に専用機持ちの代表候補生とか、贅沢過ぎて思わず笑い声が出た。
セシリア本人も動きながらの射撃練習として受け入れていたので良いのだろうが。
5月&日
本日も授業とメンバーの観察日和。
今日の授業で山田先生がISとはパートナーに合わせて成長する存在であると教えてくれた。
その流れで下着の例えを出して、一夏と春樹に伝わりにくいですね、と慌てていた。
やはり急に生えてきた男性操縦者への教育とは大変な物だ。
観察は本日も遠視。
昨日の箒にあてられたのか、一夏と春樹もセシリア相手に引き撃ち対策の練習を頼んでいた。
とは言え、セシリアは一人何だから無理があるだろう。なんて思っていたらまさかのビットを使い引き撃ちしていた。
しかもビットは四機という事で、鈴まで参戦。
流石は代表候補生と言うべきか、鈴は引き撃ちへの対策ができていた。残りの三人は鈴を参考にしながら練習していた。滅茶苦茶贅沢だな……
セシリアはビット操作の練習として大変だったが満足したらしく、最後は全員何かしら掴んだようだ。
5月※日
本日は5月末前日。
内容は……少々刺激あり、といった所か。
今日の放課後は箒に再戦を申し込まれ、訓練機も空きが合ったので承諾。
私は相変わらず引き撃ち戦法。対して箒は打鉄の特徴である盾を使った接近してきた。
実に模範的な正解だ。一方向からしか弾は来ないのだからそちらを集中的に守る。シンプルだからこそ刺さる対策。
ので、私も模範的な対策で対抗させて貰った。
近接機体には引き撃ち、盾を使った突進に対してはーーー機体を振れば良い。
引きながら盾の側面に回り込んで攻撃を加え、時には上から下からも混ぜて引き撃ちしていった。
結果は、私の負けだったが。
……最後に私が機体を振る前に、瞬時加速で距離を詰められ切られたのだ。
流石にブレードの間合いでは銃は勝てない。
悔しいが、箒も瞬時加速が成功するかは賭けだったらしいのでよしとする。
次からはどう戦おうか……
追記
夢の中で久々に上司の神様と会った。
距離が近すぎて怒られるかと思ったが、むしろもっと行けという指示だった。
えぇ……
5月※日 夜
神様曰く、春樹本人の物語としては普通過ぎて人気がイマイチなようだ。
だが、春樹の影響を受けた一夏やそこから更に影響を受けた鈴やセシリアは人気だそうだ。
もうちょっと春樹自身に頑張って欲しい神様は、私を使い横からテコ入れをしたいらしい。
なんなら乗っ取るつもりで良いから、とまで言われた。最悪春樹は空気になっても良い、という事らしい。
面倒が過ぎる……でも思い当たる節はあるのだ。
春樹は基本的には原作イベントをそのままで起こると考えて行動している。
前回のゴーレムも1機目は予想通り、といった感じで対処していたが、2機目にはろくに動けず結局原作通りに一夏が参戦して箒が出て来て……結局オチは原作と同じ同じ。
もうちょい転生者であり世界に変化をもたらす異物として自覚が欲しい所だ。
私が表だってー夏達と関わって行くことで変化の象徴になれば、少しは変わるだろうか?
ま、仕事な以上やらないという選択肢は無い。
5月∥日
本日は5月の末日、変化は……まぁ、私だ。
昨日までは一夏や箒が声をかけない限りは関わろうとせず、練習も基本は観察のみにしていたが今日からは上司のお達しで積極的に関わらせて貰う事にした。
どうせならこの代表候補生と専用機持ち達の練習という贅沢空間で私の実力を上げさせて貰おう。
メンバーには箒に負けて悔しかった、と言っておいた。まあ事実だし。
ともかく本格参戦し、いつものメンバーに私が加わることとなった。……あんまり変わった気がしないのはこれまでも関わりすぎだった、という事か。結局いずれはこうなる事は決まってたのかもしれない。
一先ず、次の金銀とトーナメントからガンガン行かせて貰おう。
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「おや」
IS学園で布団に入った後、繰空廻の意識は白い空間に居た。
毎回転生を行う前に訪れる空間であり、廻は自らが神に呼び出されたのだと悟った。
「まぁ、色々と干渉し過ぎでしたかね……注意程度なら良いんですが、最悪クビでしょうか」
ま、そっちの方が良いかもしれませんが。
なんて呟いた廻の前に椅子が現れる。座るよう指示されたと認識した廻は椅子に腰かけ、どうなるか考えること体感数分。
「や~ごめんごめん。色々と込み合っててさ」
金髪に白い服の青年、廻の上司である娯楽の神が現れた。
廻は直ぐ様立ち上がって、「お疲れ様です」と声をかける。
「はいはいお疲れ様。あ、座って座って? ちょっとした話だけど立ちっぱなしなのはねぇ」
廻に座るように促してから、神が自身の椅子とテーブルを出現させて腰かけた。
その様子から「(あ、これ想像より面倒なやつ)」と考えた廻もそのちょっとした話の為に椅子に座る。なお、その思考は神に筒抜けだが、事実なので神は黙認した。
「それで、呼び出した訳はなんでしょう? てっきり干渉のやり過ぎで注意かクビかと考えていたのですが」
「はっきり言うねぇ。干渉が多いのはあるけど、それが君の良いところでもあるよ? 少なくともクビにする程じゃない。ていうかその影響で織斑一夏に良い影響が出てて面白いし、むしろ今回はそっちの方が良いかも」
そう言われて、廻は神の言葉の意味を読み取ろうとする。
自分は原作キャラに干渉して変化を起こした。それを面白いと言い、更には今回の転生ではむしろ進めようとしている。
そこから導かれる答えは
「空野春樹はあまり人気が無い、と?」
「流石。彼の影響を受けた原作キャラは良いんだけど、肝心の本人がねぇ」
良く言えば王道的、安心感があり昔からいるオールドタイプ。実家のような転生者。
悪く言えばマンネリ、刺激が足りず平凡。昔から無数にいるごく普通の転生者。本人よりも回りの方が面白い。
このような意見が転生者空野春樹の評判だった。
それを聞いた廻も、思うところがあるため顔を難しくするだけだ。
「鈴や一夏への影響はかなりだと思いますが」
「それね、本人はなにもしてないんだよ。回りが勝手に春樹君を持ち上げただけで春樹君殆ど関わってない。一夏の悪堕ちフラグを作ったと思ったら、別に狙ってもないし結局折れたしね。まだちょっと残ってそうなのは良いポイントかな」
「原作に入ってからは……」
「君の方が知ってるでしょ? 原作準拠でちょくちょく変えてくるけど、昔からかやってる転生者が多いのばっかり。ゴーレムの3機目を撃破する、とかやってくれたら大盛り上がりだったんだけどねー」
「流石に無茶が過ぎますよ」
と、言いながらも廻自身クラス対抗戦の時の事を思い出してため息が出た。
ゴーレムの2機目に対して驚愕と共になにもできず、結局は原作主人公の活躍により原作通りの結末。
その後の一夏、鈴、セシリアの会話はかなり驚きだったが……春樹の評価に繋がるかと言うと微妙だ。
「多分だけどさー、彼この後は普通にシャルちゃんの事を見抜いてヒロインに加えて、ラウラと戦ってなんか良い感じに落とすんじゃなーい? そんで銀の福音で第二形態になるけど、白式雪羅が黒くなっただけになりそうだよねー」
予想できる未来を語る神に、廻は否定の言葉は出さない。なぜなら廻も同じ想像をしているから。
世界に変化をもたらす異物である転生者、しかしその異物自体が弱ければ
それは、娯楽として面白くない。
楽しくなければ、打ちきりの可能性だってある。
「ま、そんな訳でこのままだといつものテンプレ転生者となる春樹君を助けるべく、君にこれを渡そうと思いまーす」
「……物語変革許可証、ですか」
神はヒラヒラと一枚の紙を廻に渡す。
その内容を見て、廻は思わず出た溜め息を隠そうともしない。
そんな彼女を置いて神は話を続ける。
「その通り! 春樹君だけだとちょっと面白いか不安なので、観測者である廻君もまた世界に影響を出すことを許します。もうガンガンやっちゃって! なんなら春樹君を空気にしても良いから! そして原作とは違うんだぞーって春樹君の尻に火をつけてやれ!!」
「どっちですか……まぁ、はい。了解しました、私は今後は積極的に関わっていきます」
「流石! 任せたよプロの観測者~。じゃ、そろそろ時間だね、良い人生を!!」
神様の言葉に、廻の意識が遠のく。
元の世界に戻されるのだと分かっている廻は逆らわずにその意識を元に戻す。
気が付けば、そこはIS学園の寮の一室。
いつもの屋根だった。
時計を見ればまだ真夜中、だが廻は先程の会話を忘れないよう、日記に記し始めるのだった。
簡単キャラ紹介
繰空廻
今まではあんまり原作メンバーには自分からは絡んで無かったが、この後からはガンガン行くだろう。
ぶっちゃけ今までとあんまり変わらないとは言ってはいけない。
それが彼女の味だからね(by上司)
空野春樹
あんまり神々からの人気が無い転生者。
「原作準拠を目指せば無事に解決するだろう」という考えが根にあるのでまずはそれを取り除きましょう。
という訳で、オリチャー発動! 観測者である廻に変革を許可!!
今までが空気だったので次からはキャラとして出していきたい。
篠ノ之箒
引き撃ち対策としてシールドの活用と、瞬時加速の技術を獲得。
打鉄って瞬時加速できんのかな……と思ったら貴方の負けです(n敗)
一旦書き溜を全部出したので、暫くは更新無しです。
銀の福音戦までは書ききって、その後は別の作品にも手を出す予定です。