脱ニート中の元職業軍人の俺が炎の銀兵士に詰め寄られている件   作:ライハイト

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13話 銀色の影

 

 『過去』は人を弱くする。

 彼女――11号のコードネームを持つ兵士がそう考えるようになったのはそう昔のことじゃない。

 繁栄と終末がもたらした、多くの悲劇があった。

 

 クローン。

 知能構造体。

 エーテル技術。

 はたまた『虚狩る災具』とも言うべき人の身には過ぎた暴力の具現。

 

 ホロウという災害が蔓延るこの終末世界で生まれた、()()()()()()()()()()()()の中で確かに存在した家族の絆ががもたらしたもの。

 

 それこそを彼女は『弱さ』と断じた。

 兵士に過去はいらない。

 戦うのに過去は必要ない。

 戦場で過去は刃を鈍らせることしかできない。

 

 

 そんな折だった。

 

 

 奇天烈な縁を辿ったかの兵士が、双刃を携えて現れたのは。

 

 

『だって――もう利権だのなんだのってのはもう懲り懲りなんだ』

 

 

 彼に抱いた彼女の最初の印象は――あぁ、またかというものだった。

 失敗。敗走。喪失。

 兵士をやっていれば、少しでも間が悪ければ誰にでも訪れるような戦場ではあり触れた末路。

 強くても死ぬし、弱くても死ぬ。

 だがそれは、決して否定されるべき弱さじゃない。ましてや軟弱と吐き捨てるようなこともしない。

 

 だってそれは本来であれば護られるべき弱さで、戦いなどというものから遠ざかるべき、誰もが持っている弱さなのだから。

 

 ……もっとも、それを御してこその兵士と考えるのが11号が11号たる所以なのだが。

 

 兵士とは、軍人は戦場を生き抜いてようやく半人前。

 帰れなかった人間はごまんといる。帰りたいと願って帰れなかった人間も、どうしようもないくらい存在している。

 それに耐えられず軍から身を引く人間もまた、同じようにありふれている。

 

 

 だから彼もそんな元軍人の一人だろうと11号は結論づけた。

 

 

『誰が邪魔だの、金にならないだの、そんなのに振り回されてると何の為に、誰の為に頑張ってるのかわからなくなってくる』

 

 

 ――――少なくともこの言葉が出てくるまでは。

 

 

『――エーテリアスとして処理されるんだ。ソイツがどんな理由で戦場に立って、どういう理由でそうなったのかなんて聞きもせずに』

 

 

 彼を弱くしたのは、軍の『過去』であり弱さそのもの。

 

 過去は人を弱くする。

 

 強く在れとする軍において、そのような脆弱は存在してはならない。

 

 

 だがそれが市民を護る義務がある軍の『過去』によるものだとしたら、どうだろうか。

 

 

 兵士は人か。

 兵士は武器か。

 兵士は機械か。

 

 

 そんな禅問答めいた言葉が、11号の中で浮かんでは消えていく。

 

 ……ドックタグを握りしめる癖があるのは知っている。

 11号とて軍人だ。加えて任務の分野において適正の差はあれど、彼女レベルとあればどれもが高水準に達する。人の癖を短時間で見抜くことは必須技能と言ってよい。

 

 だからこそ彼女には感じ取れた。

 

 燃え残りでしかなかった彼に唯一残った――己すら焦がし尽くす、烈火の如き激情を。

 

 

『――――冗談じゃない。認められるか、そんなの』

 

 

 そこには怒りがあった。

 覆い隠しきれぬ憤りがあった。

 灰になってもなお灼熱を抱く業火が、その言葉に熱として乗っていた。

 

 彼はこれを演技と言っていたけれど。

 これまで見せたちゃらんぽらんな空気を微塵も感じさせず口にするその姿は、その性根がどんな人間だったかを想像するのは容易い。

 

 

 だが――だからこそ、解せない。

 

 

『少なくとも俺は、11号に居てくれて良かったって思うよ』

 

 

 全く『過去』を振り切れていないのに。

 

 未だに『過去』が心身を蝕んでいるのに。

 

 

『だって11号は俺に成果を示さなくても一緒に居てくれただろ』

 

 

 どうして、それほどの言葉を己にかけてくれるのか、彼女はわからない。

 

 否、切り捨てた『過去』に確かに答えがあった。

 

 だが捨てたからこそ、11号は理解できない。

 

 

 かつて姉同然に慕っていた家族の姿が思い浮かぶ、その理由を。

 

 

『言っただろ。背中を任せろって。だから俺も預けるさ』

 

 

 散々裏切られて、利用されて、最後には捨てられたのに。

 

 

 何を信じて、彼は再び戦場に立つことが出来たのだろう、と。

 

 

 

 

 

 

「――――ワナワナ?(どうしたの?)」

 

「……いえ」

 

 11号の意識が追憶から現実へと舞い戻る。

 場所は幾重ものエーテル合金の壁に囲まれ、夜の暗がりと相まって鬱屈とした空気を全体に漂わせている潜入中の基地内部。

 

 人目を忍ぶその状況において、彼女はまるでどこぞの誰かのように能天気にこちらを心配してくるひと回り小さなボンプを見やる。

 

 どう答えるべきか一瞬だけ逡巡して……結局彼女は思ったまま口を開いた。

 

「あなたの主人のことを、考えていたの」

 

「ンナー?(ごすじん?)」

 

「別に大したことではないわ。それよりも無駄話はこれまでよ。しっかり隠れていて……」

 

「ンナンナ!(あったかいから良い!)」

 

「そう……主人に似てるのね」

 

 きゅっと。

 

 11号は託された『炎の化身』の熱を抱きしめるように、柔らかに手を置いた。

 

 与えられた熱を、逃がさないように。

 

「急がないと」

 

 気配を殺し、音も殺して基地内部を目指して駆け出す。

 

 背中を護ってくれるという言葉を信じて。

 

 轟々と胸の内で燃え盛る忠義の炎の中。

 

 その言葉はどうしようもなく――11号を嫌な気分になどさせなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『放棄されてただけあって所々に侵蝕を受けてる箇所があるね。エーテリアスだってそこそこ居る』

 

「なるべく接触は避けよう。ナビよろしくな、プロキシ」

 

『まっかせて』

 

「エアリス、周囲の感知はそのまま続けろ。解析結果は随時更新して俺に伝えてくれ。急げよ」

 

『ンナンナ……(今アストラ様のブログ読んでたのに……)』

 

「仕事しろ馬鹿タレが』

 

 放棄された基地ということもあってか、内部は侵食症状に塗れてるうえ、まるで縄張りに根を張る猟犬のようにエーテリアスが徘徊している。

 

 恐らくは基地が正式に稼働していた頃に内部を徘徊していた知能構造体の成れの果てか何かだろうが、それを特定することに特段意味はないだろう。

 

 現状、ホロウについてはその成り立ち以外はほとんどが判明していない。

 そのエネルギーをいかに転用できるか。それらは人体にどのような影響を与えるか。活性化は空間にどのような変化をもたらすのか。

 

 そういったことばかりで、その『成り立ち』については何もわかっていない。

 

 だが一つ言えるとすれば、エーテリアスがいるからホロウがあり、ホロウがあるからエーテリアスがあるということ。

 

 そしてエーテリアスがいるということはホロウが活性化し、あらゆる機材は機能不全に陥る。

 

 故にこそ、こういうシチュエーションでのプロキシ、とりわけ『パエトーン』の存在には破格と言えた。

 

 ……それだけに、11号に単独行動をさせてしまっている現状は心苦しいことこのうえないが。

 

 まぁ身から出た錆というやつだ。人数が多い分、迅速に仕事をこなすことで帳尻を合わせようと誰に言うでもなく密かに胸に誓う。

 

『……正直、一時はどうなるかと思ったよ』

 

「何が?」

 

 そういつものノリで軽く返す。

 

 ホロウなんて常に敵陣みたいな場所にいるのだ。会話も片手間にこなすくらいがちょうど良い。

 

 そんなことを思っていたことがいけなかったのだろう。

 

 

『だってコーバス――()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 そんな、最近めっきり意識することの無かった――否、意図的に思考から除外していた現実に、返す言葉を失っていた。

 

 

「――――」

 

 

 足を止め、膝までの高さしかない小さな姿を見下ろす。

 オレンジのスカーフを巻いたボンプな彼女にその向こう側の、天真爛漫さを絵に描いたような顔に青い空の奥に暗く立ちこめる曇天のような暗さを滲ませた表情を幻視する。

 

 そんな顔をされると……どうにも弱い。

 

「まぁ、な」

 

 だから凍結した思考が捻り出せた言葉はこれだけ。

 もっと気の利いた言葉をかけろよって指摘は全く以ってその通り。

 

 でも俺だってそこまで余裕があるわけじゃない。

 

 彼女に気づかれないよう、胸から下げたドックタグを静かに握り締めた。

 

『……お医者さん、今はなんて?』

 

「定期的にホロウに入ってた方が安定してるってさ」

 

 先行しながらそう応じる。

 俺の体に現れる異常は様々だ。だがその原因はいつも一つで、加えてエーテルによって過剰な肉体変容が起こったとかそういう話でもない。

 

 全ては、俺の心の問題だった。

 

 具体的には心因性のパニック発作、発熱、嘔吐、動悸、呼吸障害。行き過ぎた時はぶっ飛んだ自傷行為……挙げればキリがない。

 

 初期の頃は寝て起きて気づいたら頭や腕が血だらけになってることなんてざらにあった。

 

 リンちゃんが話した内容通りなら、その対応は原因から遠ざけるのが医者として然るべき対応だろう。

 

 だが、俺の場合はそうはいかなかった。

 

 その一環が、この定期的なホロウの突入だったのだ。

 

『……色々あるよね。11号もそうだけど、防衛軍にも』

 

「でも今は安定してるだろ?」

 

 あくまで『比較的に』という枕詞がつくが。

 

 現状はある意味で荒療治による怪我の功名とも言うべきなのだろうか、こうして誰かと一緒ならホロウに入っても戦闘に支障がない程度には改善が見られている。

 

 まぁ……それでもたまに発作は起きるんだけども。

 

『こう言っちゃアレだけど、軍から距離を取れたことは本当に運が良かったんだろうね……結果的に通院してる人にかける言葉として適切かどうかわかんないけど』

 

「俺としては薬代が減って助かってるよ。浮いた金でラーメン食べれる」

 

『あんたねぇ……』

 

「姉ちゃんに貰った薬代でラーメン食いに行ったこともある」

 

『それは一回本当にぶっ飛ばされといた方が良いよ……?』

 

 そう、全てはリンちゃんの言った通り。

 

 万年人手不足、質も量もいくらあっても足りてない防衛軍から身を引くことのできた理由の大半がこれにある。

 

 黒い狐の剣士を相手にし、胸に矢を受けた日より後のことだ。

 

 たしか大佐だったか、少佐だったか。とにかくえらい美人な人だった。

 

 ある種の恩人の階級を思い出せない出来の悪い頭に軽く眩暈がしてくるが、その人の命令という形で俺は正式にカウンセリングを受け、診断書をしたためることが出来たのだ。

 

 俺は『単独』でホロウに入ると――錯乱状態になってとても戦闘など出来るような体じゃなくなっていたのだ。

 

 笑えるだろう。実際に俺は笑った。笑えてきてしまった。笑うしかなかった。

 

 そのあまりもの無様な末路に。

 

 戦うことを求められた俺はそこで、戦う人間としての資格すら失っていたことに、心底笑えた。

 

『11号と口論始めた時はヒヤヒヤしたよ……昔これでパニックになって呼吸困難になっちゃった時のこと忘れたとは言わせないからね!』

 

「今はちゃんと薬持ち歩いてるんで問題ないですー」

 

『私の! 精神衛生上の! 問題! 目の前で死なれたらすっごく嫌なんだから! 意地でも生き抜いてよ!?』

 

「はいはい。あ、次の隔壁開けといて。たぶん近道だ」

 

『ほんとにわかってるのかなぁ……』

 

 悩まし気にそう呟くリンちゃんに苦笑いが零れる。

 だが客観的に凄く適当に流してるように見えるが、ニート時代に俺を養ってくれていた姉ちゃんに並んで、ここまで回復するキッカケをくれたこの『パエトーン』は頭が上がらない存在だったりするのだ。

 

 現在のアウトローが始まる発端となった『ヴァルチャー』と『カロン』による防衛軍にまつわる一連の出来事。

 

 下手人を殺す手前までいったあの日、リンちゃんらがいなかったらどうなっていたことか。

 

『うーん……まぁ、こうして冗談言えるくらいに回復したって思えば凄い進展なんだろうけどさ』

 

「なんでだ。今みたいに軽い冗談くらいは言ってただろ」

 

『嘘おっしゃい。全く喋んなかったし当たり前だけど超暗かったじゃん。それに変化と言えば、11号に対する振る舞いだよ振る舞い!』

 

「11号の?」

 

 ……ここで11号が、それもリンちゃんの口から出てくるのがいささか不穏だが、まぁ聞いてやる。

 

 先の車の中での一件からして既に碌でもないこと考えてるのが見え見えだけども。

 

『ここに来る前の話、叱ってたんでしょ? コーバスなりに』

 

「……いやいや俺じゃとてもじゃないがそんなこと……なんでそんなことになるわけ?」

 

 考えてみて欲しい。俺だぞ。

 元姉のすねかじりなうえにインターノットでネットサーフィンすることを見聞を広めるなんて高尚な言い方をしてるが、結局は無職の自分に何か詰め込もうとする悪足掻きを履歴書に書く。その癖なんか普通は知らないことを知っている風体をして仕事をこなしているなんか気持ち悪いやつ。

 

 それと比べられるなんて流石に11号だって可哀想だろう。

 

 あとは……うん、アレだ。

 

 口にすることは憚られるから絶対に言わないが、俺とて11号という兵士を好ましく思っているということだろう。

 

 逆を言えばそれ以上の意味はどこにもないのだ。いや、ほんとに。

 

『うーん……』

 

 ……だというのにこのプロキシは。きっと面白半分で碌でもないことを考えているに違いない。お人好しだってここまで来れば傍迷惑だ。

 

 いや、なんとか復職するまでに回復させてくれたきっかけだからそんなこと口が裂けても言えないんだけど。

 

『女の勘、ってとこじゃダメかな?』

「……ハァ」

『あー、なにそのため息』

 

 前言撤回。なーんかそれっぽいこと言ってるが、出力された言葉は結局なんも考えてないやつの言い分だった。

 これみよがしに呆れを表現しようかと溜め息を吐いてみたが、やはりリンちゃんとて年頃の女性だ。そも、あまり俺に気遣い過ぎても仕事に支障が出よう。

 

 ということでさらば俺の尊厳。出来れば数分後くらいに戻ってきてくれることを願う。

 

「いいかリンちゃん。キミは確かに魅力的だし、アキラくんにはないポジティブシンキングは尊敬すべき美点だ。ただなぁ、花より団子感というか俺としてはもう少し色気を――」

 

『パエトーンドロップキィィィィック――――!』

 

「ドゥワーーーー!?」

 

 直後、俺を襲ったのは某格闘ゲームなんて目じゃない。

 

 唸る風を伴いながら空気を穿たん勢いで抉りこむボンプの錐揉み回転ドロップキックが、何やらエグめの生々しい打撃音を奏でながら俺の延髄に打ち込まれた。

 

『随分と随分なご高説を垂れてくれたねぇー? コーバスくーん』

 

「お、恐ろしく速い錐揉み回転を加えた飛び蹴り、俺じゃなくても見逃しちゃうね」

 

『もしこれをあんたのお姉ちゃんに報告すればお兄ちゃん諸共治安局に留置される』

 

「ま、待ってください! 発言を訂正させてください! 元軍人コーバスは己と一族を悪しきホロウから解放するべくこの血を生涯マーレに捧げます……!」

 

『マーレってなんだよ』

 

 そんなの俺も知らん。

 こんなのはノリと勢いである。苦痛と困難をその二つで乗りこなす術は知っている。軍の教本にもそう書いてあったし! クソほどにも役に立ってないから帰ったら燃やそう! 

 

「っと、茶番はそこまでだリンちゃん」

 

『あんたが始めたんだよ』

 

「黙ってくれ……!」

 

『シンプルな懇願』

 

 マジもんの茶番を繰り広げていたら、『モグラさん』もとい反乱軍が求めている兵器の資料が保管されているとされる場所は目の前。

 

 一見何もないように見えるが、その辺りはエアリスに既にルート上の各所の解析を進めてある。

 

 この基地の構造上、なければおかしい部屋があったから間違いなくそこに隠されているということは明白だった。

 

『コーバス、入口らしきものは発見したよ』

 

「エーテル合金でこの辺り一帯は補強されてるけど……隠蔽にしてはザルだな。何か隠してる、と言ってるようなものだろコレ」

 

 恐らくこれを仕掛けた人間は軍内部でこれらを知られることを恐れたか。

 だが俺に見つけられてしまったのは何とも運が無いと言えよう。

 

 何せ元とは言え専門分野だ。そして隣にいるのは専門家なんて言葉が優しく聞こえてくるようなプロフェッショナル。この布陣でなにか見つけられない方がおかしい。

 

「おおかた不用意に触れたら警報が流れて辺りが封鎖されるシステムなんだろうが、そんなのは偽の信号を流すことが出来れば割と簡単に――よし、ビンゴ」

 

 一見何もない箇所が不自然に切れ目を見せ、横開きの扉が開かれていく。

 

 まぁ基本だよなぁという感慨とも呆れともつかない微妙な心持ちで内部に入り込み、エアリスに解析と並行して肉眼で周囲を見渡した。

 

『……かなりあるね』

 

「偽装だな。杜撰だけど」

 

 しばらく人が来ていないのか、あるいは諸々を抜き出した後なのか、辺りには乱雑に資料の紙束やら図面やらが散らされている。

 

 エーテルの影響で施設の主電源はまだ維持されているようだが、各種の機材は既に破損しているか、あるいは侵蝕の影響を受けていることが伺える。

 

『PC周りは……当然駄目になってるよね。偽装って見識が正しければ記録の吸い出しが出来なくなっても問題ないよう紙で管理してる筈』

 

 リンちゃんの言う通り木を隠すなら森の中。

 デスクやら床やらには決算報告書や任務の記録といった雑多な書類でうまく紛れさせているものの隠しているがゆえに本命がこの場所にあるというのを克明に俺に伝えてくれる。

 

 これ見よがしに耐侵蝕仕様の金庫なんかも存在しているがそれも無視だ。

 

 がさこそと如何にも紙の山と言った具合で盛られてる書類の束を物色し続ければ――。

 

 

「……これだ」

 

 一つのファイルを見つける。

 

 早速手をつけて、中身を覗いてそれらの内容を読み上げた。

 

 

 

 

「なになに――シルバー小隊に、シルバーソルジャー計画……?」

 

 

 

 

 だが俺は改めて知らしめられることになる。

 

 

 人類を護るという大義の元で、防衛軍がどれだけ倫理観の無いことに手をかけようとしているかということを。

 

 

 

 

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