課長とスパンナさんとアーネストさんが乗っているキュリアクス。
サギリとアマサキさんが乗っているティラネード。
そして俺が乗っているゲシュペンストプロトタイプの三機が出撃した。
ラミィ「どういう事ですかこれ!?説明してください!!」
サギリ「えぇと・・・新人ちゃんは本来なら戦術研究科に配属されるはずだったのよね・・・。」
ラミィ「わ、私も・・・そのつもりで入社したんですけど・・・。」
サギリ「戦いは戦場で起きるものよ。習うより慣れろ。これマルちゃんの教えね。」
エイミス「そんな事言ったんですか!?」
マルク「言ったな。」
メリル「この人、とんでもない性格してるわ・・・。」
悪かったな。
俺もそれで習った口なんだよ。
サギリ「そういう事だから、コ・パイのシートでそれ学ぼっか。」
ラミィ「で、でも・・・パイロットスーツも無しで・・・。」
サギリ「VTXユニオン社訓その1。『人は宝』よ。」
ラミィ「な、何です?その社訓って・・・。」
マルク「VTXユニオン社員の心得を説いた物だ。全部で48まである。押しつけがましくて俺は苦手なんだがな。」
サギリ「私も苦手ぇ~。でもいい事を言ってるのもあるのよ。さっきの『人は宝』ってのは、人材こそが最も大切な物って意味だし。」
マルク「まぁその心得の事は置いといてだ、その機体はスーツ無しでも戦えるだけの安全性を備えてるから問題はない。」
サギリ「だっさいスーツに着替えなくてよかったわね、これが。」
マルク「さて、お喋りはここまでだ。敵が来るぞ!」
前方に数体の量産機が現れた。
識別信号は出してない。
恐らくVTXに恨みを持ったテロリストだろう。
ラミィ「あ、あれが敵・・・。」
アマサキ「ではサクライ君。レッド君。こちらはティラネードとゲシュペンストの支援に回ります。」
サギリ「承知しました課長。前線はお任せください。」
マルク「好きに動いていいぞ。俺がフォローする。」
サギリ「いやんマルちゃん愛してる!やっぱ持つべきは頼れる同僚だね!」
マルク「はいはい。」
俺らは前方の敵に向かって行った。
ラミィ「ど、どうして敵に向かって突っ込むんですか!?」
サギリ「なるべく前で敵を迎え撃つためよ。」
ラミィ「敵の方が数で勝るのですから、防戦に徹して援軍を待つのがセオリーでは・・・。」
サギリ「ただ勝つだけでは駄目。目指すはパーフェクトウィンよ。」
ラミィ「そんなにティラネードの優秀さをアピールして、ボーナスが欲しいんですか?」
何処かアマサキさんは怒りをあらわにしてサギリに問いかけた。
そんな事も気にせずにサギリはあっけらかんに「そうだ」と答えた。
マルク「アマサキさん。誤解しないで上げてください。確かにこいつの場合ボーナス目当てもあるけど、それに加えて周囲の他の課の社員が居る施設に被害を出したくないんです。」
俺の言葉にアマサキさんは「あっ」っと気付く。
マルク「がさつ、大雑把、テキトーの彼女ですが、自分のやるべき事はしっかりやる人です。なので軽蔑しないで上げてください。」
サギリ「さっきから私の事、褒めてると同時に貶してない!?あ~もう!新人ちゃん!記念すべき初仕事よ!ティラネードの機体ステータスと武装確認して!」
ラミィ「は、はい!!」
君の役目は、その機体を活かした最適な戦術を構築する事だ。
頑張れよ。
サギリ「頼むわね新人ちゃん。プロジェクトTNDと私のボーナスのために。」
最後の一言余計だぞ。
エイミス「大丈夫なんですか?あの人。」
マルク「大丈夫だ。アイツは天才だからな。」
俺の言葉と同時にサギリは敵機体に向かい、ビームガンで攻撃を仕掛け始めた。
サギリ「覚えておいてね、新人ちゃん。お金をもらうのがプロの仕事。つまり、沢山お金を稼げるのが良いプロよ!」
普通の会社だったら、こんな戦闘しないだろうが。
うちはそういう会社だって事を、アマサキさんは思い知らされるだろうな。
サギリの援護をしながら自分も戦闘に参加し、テロリスト共の機体を撃破し、順調に機体数を減らしていった。
エイミス「課長!所属不明機、また来ます!」
アマサキ「これは・・・。」
テロリストたちとの戦闘してる中、エイミスが何かを探知したようだ。
その数秒後、数機の機体が現れた。
マルク「あれは・・・木蓮の兵器。」
サギリ「木蓮ですって!」
木蓮の兵器。
高性能AIを搭載されたバッタ。
そして、バットの後ろにはマジンという機体。
そいつらは何の通信もなく、俺達を狙撃し始めた。
マルク「随分と失礼な挨拶だな。」
ラミィ「もう蜥蜴戦争も終わって、木蓮の人達も地球連邦の一員になったのに・・・!」
マルク「今の連邦の体たらくを見れば、不満を持つ人間が出てくるのも分からなくはない。」
メリル「テロを肯定する気!?」
サギリ「私達は誰かの主義や主張になんて興味はないわ。重要なのは、この黄昏の時代にはあんな連中が腐る程いて、それが私の大切なものに手出ししようとしている事よ。」
大切な物・・・か・・・。
ラミィ「もういやっ!!」
急にティラネードだ変な方向へと動いた。
まさか、アマサキさんがコントロール権を奪ったのか。
マルク「何をしてるんだ!こんな戦闘中に!」
ラミィ「帰してください・・・私、戦うのは嫌です!」
サギリ「駄目よ。」
ラミィ「だったら、会社を辞めます!そうすれば・・・。」
マルク「逃げても無駄だ。」
ラミィ「え?」
マルク「例えここから何処かに逃げても、いずれ戦いに巻き込まれる。君も感じてるはずだ。」
ラミィ「じゃあ・・・どうすれば・・・。」
マルク「お前にとって一番安全な場所は、サギリが乗るティラネードだ。」
ラミィ「え・・・。」
マルク「サギリは天才だ。君を守るくらい訳はない。それに俺もついてる。だから怖がる必要はない。」
ラミィ「・・・・。」
マルク「俺達が守る。もちろん、スパンナさんとアーネストさん、それにアマサキ課長もね。」
もう二度と、あの人たちの二の舞にはさせない。
サギリ「ちょっと!私は!!」
マルク「お前は俺が守らなくても大丈夫だろ。」
サギリ「酷い!差別だ!パワハラだ!」
ラミィ「パワハラって・・・(立場的には主任が上なんですけど・・・)。」
マルク「差別はしていない。お前は昔に比べて強くなった。これは信頼だ。だからラミィとティラネードを任せられる。」
サギリ「え・・・。」
マルク「本当に危なくなったら、ちゃんとお前も守るから安心しろ。」
サギリ「・・・・それなら・・・いい。」
ん?何か思った反応と違うな。
メリル(まさか、あの堕天使を照れさせるなんて・・・。)
エイミス(レッド補佐、何者?)
するとバッタ二機がティラネードに向かって来た。
エイミス「敵機、ティラネードに接近!」
俺はゲシュペンストに搭載されたライフルで一機を撃墜。
もう一体を撃墜しようと瞬間、どこからか飛んできた攻撃によってもう一機のバッタも撃墜された。
マルク「こちらに味方してくれる奴が来たみたいだな。」
ラミィ「え?」
アマサキ「ステルス機能を解除するようですね。」
そこに現れたのは、GGGのビッグボルフォッグだった。
ボルフォッグ「こちらはGGG諜報部所属のボルフォッグです。これよりそちらを援護します。」
マルク「助太刀感謝します。」
サギリ「ありがとう忍者君!おかげで助かった!」
そんな会話の中、更にバッタたちがティラネードに向かって襲いにかかる。
だが、こっちから手を出す気はない。
何故なら、彼以外に助太刀する援軍が来たからだ。
そう思った時、バッタたちが撃墜していった。
そこに現れたのは・・・。
メリル「う、嘘!あれってグレートマジンガーじゃない!」
そう、グレートマジンガーとその隣に居るのは統合軍の三番隊量産機イチナナ式。
乗ってるのはミケーネ戦役の英雄「剣鉄也」だ。
どうやら、他のテロリストや木蓮機体は総合軍が対処してくれているようだ。
実にありがたい。
鉄也「こちらは地球連邦軍だ。これより、そちらと協力してテロリストを叩く。」
マルク「了解しました。」
サギリ「とんでもない助っ人が来てくれたけど、頼りっきりじゃいられないわよ。やれる?新人ちゃん。」
ラミィ「わかりません・・・。」
マルク「今はそれでいいよ。まだ入社したばかりだ。じっくり考えると言い。」
ラミィ「レッド補佐・・・。」
サギリ「私からのアドバイスは、分からない事は試してみる。失敗しても生命までは取られないから。」
マルク「今、生命を取りに来る奴らが目の前に居るんだが?」
サギリ「大丈夫よ。私とマルちゃんが居るんだから!」
・・・それもそうだな。
サギリ「やるわよ。今後のためにもテロを仕掛けてきた連中にVTXの怖さを教えてやらなきゃ。君の力も貸してもらうわよ。新人ちゃん!」
ラミィ「は、はい!」
どうやら、アマサキさんの覚悟は決まったようだ。
なら、俺も2人のために力を出し切ろうか。
グレートマジンガーとイチナナ式、GGGのボルフォッグの協力によって、テロリストたちを鎮圧させ難を逃れた俺達。
サギリ「予定通りのパーフェクトウィンよ!」
ボルフォッグ「その機体がVTXユニオンの開発した新型ですか・・・。」
マルク「名はティラネードです。完成した暁には、是非ともご用命を。」
ボルフォッグ「了解しました。その旨、報告させていただきます。では失礼します。」
そう言って、役目を終えたボルフォッグはそのまま去って行った。
恐らくGGGへと帰還していったのだろう。
流石、EI事件で活躍した勇者だ。
そして、もう1人の勇者。
グレートマジンガーのパイロット、剣鉄也さんは、特務三課と協力し共に行動する事になった。
おそらく、社長のアシストなんだろう。
サギリ「新人ちゃんったら、何をそんなに時間かかってるのかしら?これじゃあ歓迎会が始められないじゃない。」
マルク「あくまで主役はアマサキさんだからな。あんまりガバガバ飲むなよ。」
サギリ「その時はまたマルちゃんに介抱してもらうから。」
マルク(スパンナさんとアーネストさんに丸投げしよ。)
俺らは、アマサキさんが居るはずだろうロッカールームへと向かっていた。
というのも、VTX始動とアマサキさんの入社記念として、皆で歓迎会をやろうという事になったが、時間が経ってもアマサキさんが来ないため、サギリと一緒に迎えに行く事になった。
ロッカールームのドアを開け、中に入った。
サギリ「お~い新人ちゃん。化粧直しに時間かけ過ぎよ。他のメンバーは剣さんも含めて、みんな集まってるのよ。主役の新人ちゃんが来なきゃ、歓迎会が始められないじゃない。」
話ながら奥に進む俺達。
そこにラミィはいたが・・・。
ラミィ「せ、センパイにレッド補佐。」
先ほどの茶髪とは違い、今のラミィの髪は水色で瞳は紫へと変わっていた。
サギリ「え・・・ええ・・・?その髪・・・。」
流石のサギリも、ラミィの姿に驚いているようだ。
ラミィ(見られた・・・もう終わりだ・・・。)
・・・・・・・。
マルク「アマサキさん。」
ラミィ「は、はい・・・。」
マルク「早く歓迎会に来てください。皆さん待って居ますから。」
ラミィ「え!?」
マルク「行くぞサギリ主任。」
サギリ「えぇ!?ちょっと!?引っ張んないで!?」
ラミィ「・・・・」
ロッカールームを出てしばらくラミィから距離を取ってから歩くスピードを落とし、サギリの腕を離した。
サギリ「マルちゃん、あれって・・・。」
マルク「気になるかもだが、気付かないふりしておこう。」
サギリ「・・・そうね。」