ニチアサの世界に転生とは聞いていたが…! 作:よく酔うエンジン
序章なんですが、そこそこ長くなるかもです。ある程度成熟させた少年を物語に絡ませたい故…申し訳ないです!
とはいえ、流石に20話とかにはならないのでそこはご安心を…!
転生してから数年ほど経った。
一時は転生先でも野垂れ死ぬんじゃないかと不安になったが大丈夫だった。
とある親切なおじさんに拾われたのだがその話は後でしよう。
(ふむ…何も変わりないな)
窓から眺める景色を見ても、ぶっちゃけ前世とは全く違いない景色だ。
ニチアサ作品の世界と言っていたとはいえ、青い空…白い雲…言っちゃなんだが、特に転生前となんら変わりない。平和な世界が俺の目の前には広がっていた。
神様から貰ったサングラスを通してみても、異世界人である「アノーニ」が紛れてたり、看板や本の文字が文字化けしていたりはしない。
このサングラスには、原作ドンブラザーズにて、俺らの日常世界の影に隠された世界である「脳人レイヤー」を見ることができる機能がついている。
その「脳人レイヤー」と呼ばれる世界は、現実と電脳空間が合わさったかのような特殊な景観をしており、トランポリンのようなギミックや色々な場所にワープできるドアが点在していたり、人間に擬態している「アノーニ」と呼ばれる生命体を見抜けたり、文字や文章が文字化けしている…など色々現実とはかけ離れた特徴がたくさんある。
なので、これで原作のような景色が見れればこの世界は「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」の世界で確定するのだが、サングラスを通してみても、なんら変わりない街の景色が映し出されるだけだった。
「うーん……地名も違和感なし…か…」
今現在、俺は街の図書館にいる。
目的は、図書館にある地図帳を使うためだ。
ライダーや戦隊に出てきた街がないか地図帳で調べているのだ。
神様は転生する際に、"なんの作品の世界か自分で当ててみろ"と言っていたのだ。
ニチアサの特撮ヒーローものの作品に出てくる街の名前は大体特殊だったりする。
なので、そう言った作品の中にある特徴的な名前の街があれば、この世界がなんの作品の世界なのか特定することができる。
例を挙げれば
「仮面ライダーW」のいい風が吹く風車の街"風都"
「仮面ライダー鎧武」の巨大な木のようなユグドラシルタワーがある医療福祉都市"沢芽市"
「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」の俺がもらった力の元ネタ、ドンモモタロウが守る"王苦市"
辺りだろう。
と思ったのだが…
(うーむ、収穫なしだな。)
ぶっちゃけ、これと言って特徴的な名前の街はなかった。
俺はため息を吐きながら地図帳を返して図書館を出る。
確認しておくが、この国は一応日本である。
そして、馬鹿でかい壁で日本が三分割されて混沌を極めてたり、人間たちに成り代わり地球を支配しようとする機械生命体やら、死んだら灰になるグレーの怪人やらが跋扈しているデストピアというわけでもない。
大きく見たらなんも変わりない普通の日本だ。
だが、ところどころ前世じゃ見かけなかった名前の街もチラホラとある。
異世界であることには変わりなさそうなのだが、結局何の作品の世界かは特定出来ずじまいだった。
にしても、地名といえばではあるが、
(うちの市の名前も大概特徴的なんよなぁ)
図書館の出口の階段を降りる間際、図書館の看板をちらっと見てよく思う。
そこには『七色ヶ丘市立図書館』
と書かれていた。
なんというか…戦隊モノの街にありそうな名前だなーとよく思う。
他にも、希望ヶ花市とかしか、いかにもな名前があったが…多分俺が見てた作品にそんな街はなかったと思う。
うーむ、大好きな作品達に出てくる街の名前を忘れた気はないけど…とは言え、前世も含めると俺の精神年齢は20をとっくに越してる。つまり、古い作品で言えば見たのは実質20年以上前!みたいな作品もあると言うことである。それに、俺がこの世界で生きていくにつれ、前世で見た作品達の記憶もどんどん薄れていくだろう。
もしかしたら地図帳の中にはとっくに、ここがなんの作品の世界なのかを示す街が綴られているのかもしれないが、俺が忘れているだけという可能性も捨てきれない。
まあ、例えそうじゃなかったとしても数年経てば俺が知っている作品達の街が新しく出来たりするのだろう。
その時になればなんの作品に転生してきたかわかるはずだ。
時が来るまで待つとするか。
***
「ただいまー」
比較的大きめのモダンな雰囲気がある「赤峰」という表札がかかった家の扉を開ける。
ここは俺の転生先のお世話になっている家である。
「ん、お帰り〜桃冴。んでどうよ、お前のお求めの町は見つかったのか?」
「いや…なんにもなかった…」
俺は、この世界で「赤峰桃冴(あかみねとうご)」という名前を受け取った。
名前の由来は、当然「桃太郎」である。
俺は桃…あの神様が転生する時に入れてくれた桃のカプセルからこの世界に生まれたわけなので、最初は桃太郎と付けようとしたらしい。
しかし、流石に安直すぎるだろうということで、こういう名前になったらしい。
「あ、しっかり手ぇ洗えよ?最近感染症とか流行ってるらしいからな」
「はーい」
彼の名前は「赤峰桐治(あかみねとうじ)」。
俺を拾ってくれた張本人だ。
一時は転生先でも野垂れ死ぬんじゃないかと不安になったが大丈夫だった。
絵本の世界ならまだしも、現実で桃に運ばれてどんぶらことやってきた赤ん坊なんざ、どう考えても関わらない方がいい案件だろうに、親切にも彼は俺を引き取ってくれたのだ。
ちなみに、転生者云々…というのは彼は知っている。
なにやら、俺が生まれて来た桃のカプセルに手紙が付属していたらしい。そこには俺用の転生後の戸籍謄本といった生きていくのに必要なものに加えて、俺の情報が書かれていたという。
元々俺は転生した云々は話す気は始めはなかったのだ。
よく考えて欲しい。転生した人を受け入れて育ててくださいなんて相当なお人好しじゃないと無理な話だろう。
外見は赤ん坊でも精神年齢は17歳。ぶっちゃけ赤ん坊の皮を被ってるだけで乞食となんら変わりない。
そんなやつ、普通家に招いて我が子のように育ててくれるだろうか。
それをしてくれたのが彼だった。
俺は本当に転生させてくれた神様といい桐治の親父さんといい、人との縁に恵まれてる。本当にありがたい事だ…
ドンモモタロウが縁を大切にする理由もよーくわかる。まあ、彼の場合色々ぶっ飛んでて妖怪縁結びなんて言われたりしてるけど。
「そう言えばお前、さっきなおちゃんが来てたぞ?サッカー一緒にしようってさ。」
「ん?なおが?」
「ああ、お前が図書館行ってるって言ったら残念そうな顔で帰っちまったよ。」
そうか…なおには悪いことしたな。
なおというのは、俺の幼馴染の一人である。
名前は「緑川なお」。家が近くということもあってよく遊んでいる同年代の女の子のことだ。
足が速くて真っ直ぐな少女であり、俺とはよく気が合う。
よくサッカーで一緒に遊んでるのだが、大きな蜘蛛の巣にボールがひっかかっただけで泣き出して俺に取ってくれと頼むくらい虫嫌いで可愛い一面もある。
名前的に、100%戦隊グリーンにふさわしいなってこっそり思ってたりする。なんか足早いから、「魔進戦隊キラメイジャー」の「キラメイグリーン/早見瀬奈」みたいだし。
(なおには今度謝らないとな…さて…)
それはさておき、俺は日課を行う為に身長くらいある大きな袋を持って庭に出る。
「ふう…夜だけど暖かくて助かるな…」
俺は、ポケットから、赤いサングラスを取り出して、顔につける。
「来い!ドンブラスター!」
手をかかげ、ドンモモタロウへと変身するアイテムの名前を叫ぶ…が
「…やっぱり、まだダメか…」
転生してからずっと試しているが、俺は神様からもらった転生特典である変身能力を一度も使えた事はない。
憧れの戦士になれる…とあの時は目を輝かせたが、変身どころか武器すら出せたことがない。
神様は俺が成長しないと変身すらできないと言っていた。
とはいえ…俺は何をどう成長すれば、変身できるようになるのだろうか。
(まあいいや…俺が今できる事は…日々鍛錬をし、強くなる事…!)
「ふんっ!ふんっ!はあっ!!」
日課とは、日々の鍛錬…素振りである。
俺は、持ってきた袋から竹刀を取り出し、構えを取って振り出した。
俺はニチアサ作品の世界…つまり、具体的になんの世界の作品だろうと正義のヒーローと悪の怪人達が跋扈する世界に生まれて来たわけだ。
時期がくれば、きっと俺が知る原作が始まり、正義のヒーローと悪の組織との対決が始まったりするのだろう。
そうなると、町はどうなるだろうか。
散歩しているだけで、人々を襲う危ない怪人が現れたり、ヒーローと怪人が命懸けの戦いを行う危険な現場に遭遇する可能性がある。
そうなると、せっかく転生した命を無駄に散らす事態になってもおかしくない。
変身できるならば話は別だろうが、今の俺に変身能力はない。
そんな事態に陥った時に、もしくは陥らないためにはどうすればいいだろうか。
そう、強くなればいい。
そんな怪物が出ても、変身せず打ち倒す…!とまではいかなくても、自分の身を守れるくらいには強くなっておきたい。
「ふん!ふん!はあっ!ふうっ!」
神様が嘘をついていなければ、俺の体の中には、使えないだけでスーパーヒーローであるドンモモタロウに変身する能力はあるはず。
その変身能力を引き出すと言う意味でも、俺は成長して強くならなくてはならない。
「101!102!ふんっ!」
ぶっちゃけ、欲を言えば俺はこの世界の戦士達と並んで悪に立ち向かうヒーローになりたい。
まだ未開花とはいえ、せっかく戦う力を貰えたんだ。活かさないのは勿体無い。
にしても…最初は、成長しないと変身できないとは何事だと思って、神様に怒りが湧いたが、よくよく考えてみれば、これはこれで結構いいのかもしれないと思ってる。
しかし、いくら変身する力を持っていようが、弱ければ何も意味はない。
目の前の悪を打ち倒せる、目の前にいる人を守れる最低限の力を持っていなければ、たとえ変身できても何も意味はない。
それを神様は暗に伝えようとしてくれていたのではないだろうか。
確かに俺は変身能力を手に入れた。しかし、変身できないのならぶっちゃけヒーローでも何でもない。
それに、今の俺の肉体は子供の肉体…まだ転生してこの世に生まれてきて数年の可愛い子供だ。
今の俺は、よく言えばヒーローの卵。悪く言えばヒーローになれると粋がっている小市民だ。
(………だとしても…俺は…やはり…ヒーローになりたい)
だが、神様が提示していたヒーローになる条件と言うのは、”俺が成長すること”と言われただけで、何をどう成長したらいいのかは一言も言われていない。
サングラスを受け取るときに、変身能力について色々説明を(直接脳内に)受けたとはいえ、その点については特に言及されていなかった。つまり、俺自身の手で、どうにか
「ふうっ…!とりあえず、200回終わり…!」
俺は前世でも武道や剣道を習っていた。元々、ヒーローに憧れて強くなろうとしていたからだ。
ぶっちゃけ、前世も含めれば俺は15年くらい剣道をやってる事になる。体格は仕方ないにしろ、何年も積み上げて来た技術や感覚というものがなんとなくだが染み込んでいる。
とはいえ、前世とは肉体は違うわけなので、そうやって体に染み込んでた長年の経験や技術で無双!みたいなことにはなってない。
でも、普通にここ近辺なら負け無しであり、表彰台に立ったこともあるくらいには強いのだが、事実ガチモンのやばい天才に県大会で負けてしまったりしている。当面は、県大会でも勝ち上がるのが目標だ。
それもまた、成長の一つだろうからな。
まあ、それは置いといてだ。とにかく、俺は変身するために、そして成長するためにこうして鍛錬を積み重ねているのだ。
(…成長…か。この世界にいるヒーローたちに出会えたら、何か分かったりするのかな…今の俺に足りないもの…とかが)
会った事ないが、この世界にいるはずのヒーローの事を少し考えてみる。彼らを実際に見てみれば、今の俺に必要な要素。ヒーローになるために、成長するために必要なことがわかったりするのだろうか。
にしても、それは置いておいて…やはり楽しみだな…一体俺はなんの作品のヒーロー達に出会うことができるんだろう。スーパー戦隊の人たちでもいいけど、できれば仮面ライダーの人がいいな。
ライダーと戦隊レッド(仮)の俺が並ぶ構図…割とワクワクする。
んー…でも、戦隊も戦隊で、歴代のレッドに並んで俺が…って言うのも捨てがたい…
まあいいや、考えるのやーめた。突き詰めると面倒くさくなりそうだし。
とはいえ…楽しみだなぁ。どのみち変身できないのだとしても、憧れのヒーローに会うのに相応しい男にならねぇと。
一体、この世界のヒーローはどんな人たちなのだろうか…楽しみだ。
「はっ……はっ……ハクション!!」
「あ!こら!あかね!厨房でくしゃみしたらあかんやろ!」
「あっ!すんまへん!ウチとしたことが!!」
「珍しいなあ。元気いっぱいのあかねちゃんがくしゃみなんて」
「最近感染症も大阪じゃまだまだやが関東の方やと流行ってるらしいしな。きぃつけや?」
「うう…誰ぞに噂でもされとんのやろか…」
ちなみに、戸籍謄本は桐治が名付けた瞬間勝手にその名前に刻印された模様。神様パワー恐るべし。
少年こと桃冴は、まだまだヒーローの器には遠い模様……にしても、最後のくしゃみ…どこのサニーだろうか?
Q.なんでドンモモタロウとスマプリ掛け合わせたの?
A.(その2)ドンモモタロウにはプリキュアの様に悪を倒すのではなく浄化する力があるから(ヒトツ鬼を倒すのではなく元の人間に戻している)
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