ニチアサの世界に転生とは聞いていたが…! 作:よく酔うエンジン
そういえば皆様、戦隊大投票見ましたか?
結果は詳しくは言いませんが…ドンブラが結構ランキングに名前を刻んでたり、私の最推しである圭一郎がしっかりランキングに出たり…嬉しかったなぁ。
てか、投票した推しレッドが二人が出てくれるの嬉しすぎる!!
そして、なんやかんや新しい作品がしっかりランキングに入ってるってことは…つまり新作が強い…新規も入ってきているということ!戦隊シリーズの未来は明るい…!!
てか、12000字超えちゃった…まあいっか!次回から調整してけば!
というわけで、後半になります。
ドン3話だけ話数がカサバッチマウヨー!
雪森さん。SIGSEGVさん。スマラカタさん。誤字報告ありがとうございます!
「………………………」
「一体、貴方は誰なの…?怪獣さん」
さて、どうしたもんか。
俺は入手した”キラメイジャーギア”を手で転がしながら考える。
いつしか来るとは思っていたが、まさかこんなにも早く決断しないといけない時が来るとは。
プリキュアの物語に関わるべきか否か
その決断を俺は今迫られている。
彼女達に色々喋り今後ともプリキュア達に深く関わっていくか、何も喋らずにワープドアで逃げるか。大まかに分けるとその2択であろう。
ここで俺について色々説明することにしたのなら、俺は今後深くプリキュアの物語に介入していくことになる。
別にプリキュアと戦うことは俺は別に嫌ではない。俺が知らない戦うヒロイン達である彼女達と共に戦うことで新たなことを学べる可能性もあるし、下心込みでも普通に可愛い子達と肩を並べて戦うのは思春期な俺にとっても嬉しいことだ。
しかし、俺が彼女達に関わる事は即ち元々あった"プリキュアの原作"からかけ離れて、新たなる物語が展開されていくということになる。
原作すら知らない俺目線、その物語の結末がどうなるかは予想することなどできない。この世界は既にヒトツ鬼というイレギュラーな存在のせいで最悪な結末へと進み始めている…らしい。
仮に俺がプリキュア達に深く関わる事でバタフライエフェクトが起こり、その最悪な結末がさらに酷いものとなってもおかしくない。だからベストなのはプリキュア関係なしにヒトツ鬼を狩り続けることだけど…
ていうか、それもプリキュア達に関わるってことになると、おそらく俺はもうあまりフリーに活動できなくなって一人で討伐はやりにくくなる可能性がある。
プリキュア達がどういうタイムスケジュールでどんな形で戦っているか知らないのでなんともいえない。が、イレギュラーであるどこにでも要望さえあれば現れるヒトツ鬼退治の観点から見ても、単独行動を取れるようにはしておきたい。
一瞬、メインで一緒に戦いはしないものの、陰ながらサポートするタイプにするか….?と思ったが、俺の変身後の性格とかヒトツ鬼に吐いて考えると、多分色々焦ったくなってどのみちサポートだけじゃ満足できなくなって敵に斬りかかってしまいそうだし…というか、こういうのって中途半端に関わるのが変な事態になった時対応しづらくなりそうな気もするし…ここは二つにひとつだな。積極的に関わるかもう関わらないか
うーん…やはりこれから起こり得ることに備えてやっぱ話さないでおくか….?
「怪獣さんもバッドエンド王国と戦う戦士さんクル?」
「私たち、プリキュアってのをしてるの!で、あの悪い鬼さんや狼さん達と戦ってるんだけど…もしよければ手伝って欲しいの!ほら、えーと…敵の敵は敵って言うし!」
「えっと…ハッピー、それなんか違ない?それ単純に敵やあらへん?」
「えっと…確か敵の敵は味方じゃない?先週の太陽マンのセリフが正しければ…」
「あっ!!え、えへへ…そうだったかも…」
「…………………」
(うーん…どうするべきか…話すべきか…)
「てか、怪獣さん不気味なほどなんも喋らへんな」
「うぅ…さっき一緒に必殺技使ってくれた時はしっかり喋ってたのに…」
「ピース!必殺技じゃなくて決め技クル!」
「いやそれ訂正必要なん!?」
目の前でコントが繰り広げられているが、さてどうしよう。
うーむ、まずい。全然決断できない。もう面倒臭いし全部喋ろうかな…でも、それで彼女達がさらに危険な目に遭うっていうなら責任負いきれないし…とはいえ、このまま黙っていても良くない気がする。
なんか喋らないと…と考えていた時だった。
「もしかして…真っ赤な衣装、そして桃太郎さんと同じベルト、桃太郎さんの仲間?」
「ん……?」
「え…?ベルトが同じって…そうなん?」
「うん!あの赤くて逆さハートのマークがついたベルト!確か桃太郎さんがつけてたのと同じだよ!」
ハッピーが俺の腰を見ながらそう問いかけてくる
え?何言ってるんだ?桃太郎さんってのは多分ドンモモタロウのことだろうが、ドンモモタロウは俺なんだけど…って、あっそうか。
今俺の姿はリュウソウレッドの姿だ。
そして、彼女達の前でアバターを切り替えるのを見せたことはない。
きっと、俺のことをドンモモタロウとは違う別の戦士だと思っているのだろう。
(……折角だ、その勘違い…上手く使わせてもらおう)
俺は無理にこの場で決断しなくても良いいい案を思い浮かんだ。
それは、"ドンモモタロウの俺"ではなく"リュウソウレッドの俺"としてプリキュアの物語に介入するということだ。
ドンモモタロウはあくまでも別の戦士って事にしておいて、リュウソウレッドの姿でプリキュアに会うようにすれば色々都合が良いかもしれない。
何故ならば、リュウソウレッドとして太刀振る舞う時はプリキュアの関係者として立ち回らないとなので色々動きが制限されて面倒くさくなりそうだが、ドンモモタロウの姿で活動する時は依然としてプリキュアとは関係なしにフリーに動けるからだ。
こうすればプリキュアと関わりつつ、俺も今まで通り自由に行動できる。
最悪何かやはり俺が関わらない方が良かったってなった時に、リュウソウレッドの姿でもう二度と彼女達の前に現れないようにすれば良いしな。もしそうなっても、ドンモモタロウは依然フリーに立ち回れるし。
「ご…ごほん。そ、その通りだ。俺はお前達が桃太郎さんと呼ぶ男の仲間だ」
てな訳で、ここは一つ嘘をつかせてもらうとしよう。
原作タロウは嘘が吐けず、嘘を吐いたら死ぬ特殊体質持ちだが、幸い俺にその体質は受け継がれていない。
それを活かしてここは誤魔化させてもらうとしよう。
よし、とりあえず方針は決まった。
リュウソウレッドの姿で彼女達の仲間の1人として色々立ち回りつつ、色々やばくなったらプリキュア達から離脱する。で、ドンモモタロウは1人でいそいそとプリキュア達が関わる前に単独行動しまくってヒトツ鬼を狩る。よし、それで行こう。
「わー!!やっぱり!」
「ほへぇ…うちら以外にも戦士って沢山おるんやな…」
「え、えっと、そ、そうだ」
「成程クル!キャンディ知らなかったクル!」
「あ!それで、一緒に戦ってくれたり…?」
「いいだろう。乗りかかった船だ。協力させてくれ」
「本当!!?やったぁ!!」
よし、今後はこれでリュウソウレッドの姿のまま立ち回っていくことが増えることになるだろう。とりあえず当分はこれでプリキュア達の物語に関わりつつ様子見ってところかな…
「……違うよね?
「ん?」
しかし、そう思った矢先、否定の言葉が入った。見てみると、たった1人俺の言葉を真に受けなかった少女がいた。キュアピースである。
「え?ピース…?どうしたの?」
「なんや?違うって…」
2人の言葉を差し置いて、彼女は俺の方をじっと見つめてくる。
「ヒーローさん…星ぞ…ンンッ、ハッピーの言う
「え…?」
「ピース、それってどういう…?」
「
……あの時のヒーローさん?
まさかとは思うが、今の嘘バレてるのか?待て待て、割と良い感じに辻褄は合ってると思うのだが…
この時俺は気づいてなかった。
俺が彼女を庇った時の言葉は、黄瀬やよいという俺の友人を守る際に放った言葉とそのまま同じだったということを。
素でどうやら同じことを言っていたみたいだった。
「ピース…どう言うことや…?」
「直感だけど…私、この人、ハッピーが言ってた桃太郎さんだと思うの」
「えっ…ええええっ!!?どっどどどどういう事!?」
「クル!?クンクン…確かに、桃太郎さんと同じ浄化の力の気配を感じるクル!」
おいおい待て待て、ついさっき思いついたとはいえ俺のプランが崩れつつあるんだが?誤魔化そうと思ってたが‥核心に迫られて内心俺はものすごく焦ってる。いやまあ、嘘をつこうとした事以外別に何も悪い事した訳ではないが…それでも嘘は嘘、バレそうになるとビビるのが人間だ。
「私ね…今の事もあってわかったの、あの時、ヒーローさん…桃太郎さんが私のことを何年か前に守ってくれたのは夢じゃないって」
「…………」
守ってくれた…だと?
待て待て、俺は君を守ったことなんてさっきの魔進鬼の攻撃の時くらいだぞ?何年か前…?悪いがこんな特徴的な女の子守ったことあるなら絶対記憶に残ってるはず。だがそんな記憶ないぞ…?
(いや…待てよ…?)
もしや、彼女の
まさか、この黄色い髪の子って…
「覚えてる?
鮫の皮を被ったような化け物?
もしかしなくても動物鬼のことか?
「あの時に守ってくれた言葉…そのままそっくり同じだったよ…あの時の事は、夢みたいな事だったからずっと記憶に残ってるの…」
「……だが、見ての通り俺は桃太郎とは程遠い姿だぞ…?さっきから言ってるが俺は桃太郎さんでは…」
「その姿、
「っ!?」
何!?そ、そこまで見抜かれてるのか!?でも、見せたことなんてないぞ!?なんで!?なんでわかるんだ!?
「えっ!?ピース、それどう言う…」
「なんや?フォームチェンジって?」
「状況毎に適した姿に変化する最近のヒーローには基本備わった機能なの。で、姿は変わっても、ベルトは大幅に変わらない。太陽マンでも追加アイテムでベルトの形は変わったりする事はあっても大元は変わらない。特撮ヒーローの中じゃ普通だよ!それに…私見たことあるの、桃太郎さんが別の全く違うヒーロー…
「………………」
「私、ずっとお礼を言いたかったの。星空さんにヒーローさんの話を聞いてから、ずっと。また私を守ってくれたかっこいいヒーローさんに会いたかったのは勿論そうだけど、それよりもずっとやりたいことがあるの。あの時に言いそびれちゃったから。守ってくれてありがとうって、ずっと言いたくて」
………成程……な。
「あーっ!!待って!そういえば!!」
「うわっ!?どないしたんや!?ハッピー!?」
「思い出した!それ!それ!!」
ハッピーは、ズビしと俺のザングラソードに向けて指を刺してくる。
「思い出した!あの黄色い刀!桃太郎さんも使ってたよ!!」
……あ。
スッ…
「おい!今背中に隠してももう遅いで!?あぁもうハッピーと言い怪獣さんと言い隠し事下手な人ウチの周りにおおすぎひん!!?」
やばい、すっかり忘れてた。思いっきりリュウソウ斬を使うときに必殺技のために召喚して彼女達の前で使ってしまった。
「でも隠したって事は…!」
「クル!きっと桃太郎さんクル!」
「あの時ヒーローさんがいてくれたから、今の私がいるの!もし違うのならごめんなさい!!けど、もしあの時のヒーローさんなら…お礼を…言わせて欲しいの」
そう言って、ピースは少し涙目になりながら頭を下げて上目遣いでこちらを見つめてくる。
この目線、無意識でやっているのだろうか…なんというか、心が揺らされる。
はあ、どのみちザングラソードのことも指摘されてしまったしここまできたら…もう誤魔化せないな。
「よくわかったな」
俺は、リュウソウジャーギアを外して、アバターを解除して、
「えっ…ええっ…!ほ、ほほほほ本当に桃太郎さんだった!!?」
「めちゃめちゃ凄いやんピース…名探偵みたいやったで!」
「えへへ…ありがとう!ほとんど桃太郎さんが守ってくれた時の言葉での直感だったけど…ずっと憧れて思い出しながら描いてたヒーローさんのことだもん…ヒーロー好きとして間違えれないもん!」
「ハッピーも!刀のこと凄いクル!」
「数日前に見たばかりだったからね!見間違えるはずないよ!」
…俺が初めて守った女の子…
全部繋がった…先程ピースが言った状況この目の前にいる女の子は黄瀬やよいに違いない。今まで彼女が言った事とかを照らし合わせれば間違いなくそうだ。
そして、さっき言いかけたりしてた言葉や特徴的な関西弁。おそらくだがハッピーとサニーはおそらく星空みゆきと日野あかねだ。
こちらはおおよそ正体の特定はできた。ならば、こっちの変身前の姿を晒す…とまではいかないけど、ドンモモタロウの姿くらいなら晒してもいいだろう。流石に不公平だもんな、色々と。
「改めてお礼を言わせて!ありがとうヒーローさん!」
そう言って、ピースこと黄瀬さんは俺の手を握って笑顔を向けてくる。
いや、ごめん。めちゃめちゃ可愛い。
えっ…いやっ…失礼かもしれないけど、黄瀬さんってこんなに可愛かったんだ…マジマジとよく顔を見るとそう思ってしまう。
「あっ…あぁ…うん」
照れながらも答えるが…やっぱ恥ずかしい。アバター越しとはいえ女性に手を握られるとは…
「にしても…あれがハッピーが言ってた桃太郎さんなんよな?なんか、ホンマに桃太郎なん?なんか色々違う気がするんやけど…」
「えへへ…今風のデザインなのかなって。あ!そうだそうだ!私もいっぱい色々話したいことがあったの!桃太郎さん!」
そう言って、俺とピースの横にずいっとハッピーが出てくる。
「ねぇ桃太郎さん、なんで私たちに桃太郎さんだって言わないで誤魔化そうとしたの?ていうか、あの時も…なんで急にいなくなっちゃったの?」
「…すまん。別に悪気があったんじゃない。正体がバレると色々面倒くさくなると思ってなるべく言いたくなかったんだ。それに…あの時は色々あってな」
「ほへー…そういうことやったんか…うちらと一緒なんやな」
「うちら…?というと?」
「あっ…実は、私たちも他の人には正体とかプリキュアに関する事は喋っちゃいけないの…でも、桃太郎さんにならいいよね?」
「んー…きっと大丈夫クル!」
ふむ…やはりプリキュアの中にも正体バレ禁止的なルールがあるのだろうな…まあ、俺はもう半ば確信に近いレベルで察してしまったが。
にしても、確定したわけではないけど…あの3人がプリキュアだったとは。彼女達との縁は良縁だったみたいだな。
今思い返してみれば、日野と星空さんとかやけに仲良くなってんなとは思ってはいたけど…プリキュアになっていたからだったのだろうか。そして、黄瀬さんはなんか色々と一皮も二皮も剥けたような気がする。
てか、何よりも全員めちゃくちゃ可愛くなってるし…普段の姿を知っている分、ギャップ差というやつだろうか。なんか…色々落ちてしまいそうだ(?)
「私ね、キュアハッピーって言うの!私も改めてお礼をさせて欲しいの、ありがとう!助けてくれて!」
「ウチはキュアサニー!気軽にサニーって呼んでな!」
「私はキュアピース!さっきプリキュアになったばかりだけど、ずっっとヒーローさんみたいなスーパーヒーローに憧れてたの!」
「キャンディはキャンディクル!メルヘンランドの妖精さんクル!」
…こうやって自己紹介してくれるあたり、すっかり俺のことは味方って思ってるみたいだな。お気楽なのか馬鹿なのか、優しいのか経験不足なのか、安全意識が欠けてるのか無意識なのか、果ては全部か…
てか、メルヘンランド?なんだそれ…まあいいや、一旦考察は置いておいて…
「まあ、色々聞きたいこと答えたいことがあるが…先ずは名乗ってもらったからには、俺も名乗らないと無礼だな」
とりあえず俺も名乗るとしよう。
こうして、まだプリキュア達にしっかり関わると決めたわけではないけど、名前くらい言ってもいいだろう。姿も晒してしまったし。
そう思い、俺は改めて腰に手を当てて彼女達に向き直る。
「俺の…名前は…」
***
「あれ〜…やられてんじゃん…」
ここは学校の屋上、不思議な格好をした少女が屋上の淵に座り、地上で戦闘を終えて談笑をしている戦士たちを眺めていた。
「にしても嬉しいなぁ…まさか誕生の瞬間を見れるなんて…キュアピースかぁ…!あの子も可愛いぃ〜!!」
手を合わせて笑顔になりながら、その少女はある1人の少年の方へと視線を流す。
「んで…誰アレ、あの丁髷がウルフルンが言ってたグラサン野郎って子?何アレ、本当にプリキュア?」
彼女は、視界に収めている真っ赤な戦士の装束をを見に纏った少年に怪訝そうな目を向けていた。
「んー…プリキュアに関することなら何となくわかるんだけどなぁ…全然力の底が読めないや〜…よーし」
そう言って、彼女は徐に立ち上がり、パチンと指を鳴らすと手にポンっと
「借りるね♪
そう言って、彼女は手首をスナップしてそのカードのようなものを、
「最後の力を振り絞ってねヒトツ鬼ちゃん♪」
そして、彼女は手のひらをそのカードに向けて見せ、呪文を唱え始める。
「大いなる闇の神の力よ…不幸を糧に、抜け殻を憑代に、記憶を怒りに、最後の力を解放し、結末を塗り替えよ…!」
ゴゴゴゴゴゴ……!!
「出でよ……!”魔進鬼ング”!!」
そう彼女が言葉を放った瞬間、膨大なバットエナジーがそのカードを中心に集まり出した…!
***
「俺の…名前は…」
俺が、そう言って自分の名前を名乗ろうとした瞬間だった。
「ッ…!?」
「な、なんや!?」
「きゃあっ!?何この音!!?」
俺の背後から、突如として巨大な警告音のようなものが鳴り響き、慌てて振り返る。
そこには、俺がヒトツ鬼を倒した辺りの場所にて、「蟾ィ螟ァ蛹」と書かれた黄色い看板が、侵入禁止と言わんばかりに周囲を覆っており、膨大な負のエネルギーが満ち溢れて炎のように燃え盛っていた。
(これはっ…まさか…!)
俺は、この光景に見覚えがあった。そして、これから起こりうることが予想できてしまった。
(この気配…この音…間違いない!!)
とにかくこの場にいてはまずい、俺は慌てて近くにいたピースとサニーの体を掴んで背後へと引き下がる。
「ピース!サニー!離れろ!ハッピー!!お前もだ!」
「わわっ!?ちょ!自分どこ触ってるんや!」
「きゃあっ!!?」
「えっ…ええっ!!?」
瞬間、巨大な紫色の炎がが膨大な負のエネルギーと共に天に向けて高く伸びた!
ビビビビビッ…
「な…なんやこれ…!?」
「町が…!」
その炎が天に昇ると同時に、この空間全てが
見渡してみれば、建物がまるで二重になったかと錯覚するようにぼやけており、所々まるで電子基盤を剥き出しにしたような空間が生み出されていた。
そして、その歪んだ町は上空へと浮かび上がり、まるで今俺たちがいる町を
「な、なんやあれ!!」
「空にもう一つ街が!!?」
「空が……!あっ!あれ!!」
ハッピーが指を差した方に目をむける。そこには、勢いよく燃え盛りながら街へと昇る紫色の炎があった。
そして、その歪みの町に昇り終えた炎は、紫色に激しく巨大に燃え盛り始め、
『ウゥゥ……アァァ』
「嘘…炎が…!お化けに…!?」
「いや…あれは!!」
そして、燃え盛った炎は段々と収まり、燃え盛る紫炎の中から赤い二つの光がぎらりと悍ましく光り出す。その赤い二つの光がによって映し出されるは、50m程あってもおかしくない巨体。刺々しい兜から見える赤い眼球がまたギラッと光ると耳をつんざくような雄叫びが街中に響き渡った。
大量の紫のオーラを糧にして、宿主の欲望によってありったけの力を込めて燃え盛る紫の炎が切り裂かれ、その化け物がついにその巨体を露わにした。
「クルー!?"ヒトツ鬼ング"クルー!!」
胸につけられた悍ましい鬼の顔
ギラギラ輝く兜をつけた赤い目
何よりも目を引く巨体
人に取り憑き感情を昂らせ、欲望を憑代に傍若無人に好きなまま暴れ回るヒトツ鬼が、新たなる巨大な肉体を持って転生し、空に浮かぶ不気味な光の街にその咆哮を響かせた。
「何やアレ…!何がどないなっとるんや…!!?」
「もしかして…別のヒトツ鬼?」
「で、でも見た目が全然違うよ…!!」
「違うクル!アレは"ヒトツ鬼ング"クル!!!」
ぴょこっとキャンディがハッピーの頭の上に乗って指を差すも、その顔は恐怖で今にも泣きそうになっていた。
「え?キャンディ、何…?それ…?」
「ヒトツ鬼を撃破した際に、奴らの力が暴走すると出現する存在。それが"ヒトツ鬼ング"だ。ああやって上空に別の世界を作り出してそこで暴れ回る」
キャンディの代わりに、俺が説明させてもらおう。
まず奴の存在を初めから説明するとなると、スーパー戦隊シリーズにおける"恒例行事"とも言えるロボ戦について解説しないといけない。
スーパー戦隊シリーズでは、三作目である"バトルフィーバーJ"と言う作品から巨大な敵にこちらも巨大ロボに乗って戦うのがある意味お約束となっている。
基本的に、その巨大な敵というのは敵組織が操るロボットだとか、今さっき倒した怪人が巨大化したりして誕生する。今回の場合後者に該当する存在だ。
その中でもヒトツ鬼ングは原作"暴太郎戦隊ドンブラザーズ"にて出現した巨大な怪物だ。
原作でも同じようにヒトツ鬼を討伐すると、内に秘められた人間の欲望が暴走してああやって巨大化してしまうのだ。
今までヒトツ鬼を倒した時は起きていなかったのに、今になって現れるとは…そもそも今までなんで起きてなかったんだ…?
(ん…?いや…ちょっと待ってくれ)
俺は、ヒトツ鬼ングについて考察をしていると、一つある矛盾点に気がついた。
(
俺は、手に持っていたキラメイレッドが刻印されたアバタロウギアを見つめる。
スキン持ちヒトツ鬼は、浄化を完了するとアバタロウギアをドロップする。
さっきの魔進鬼は既にキラメイジャーギアをドロップしているので本来ならば完全な浄化ができずに巨大化してしまうヒトツ鬼ングにはならないはずである。
しかし、目の前にいるのヒトツ鬼ング…一体どうなってるんだ?いや、元々俺が倒しまわっているヒトツ鬼も本来のヒトツ鬼とは違う存在。おそらく別の巨大化のメカニズムがあるのだろう。
いや、それはそうとて、ヒトツ鬼ング…というよりあの上空に作られた脳人レイヤーには
『キラァガァァァ!!』
バチィン!
「まずい…始まったか…!」
噂をすればなんとやら…上空の電脳空間にて、ヒトツ鬼ング…いや、"魔進鬼ング"は手に持った
その瞬間だった。
ドゴォン!!
「何…!?あっ!」
「学校が…!!」
そして、その崩れたブロックの落下予測地点には、ネガティブな状態になって行動不能になっている生徒達がたくさんいた。
「っ…!危ない!!」
「あかん!!」
「ドンブラスター!!」
ハッピーとサニーが慌ててその生徒達の元へと駆け出す。それと同時に俺はドンブラスターを召喚して、落ちてくる瓦礫を射抜いて粉々にして砕いた。
ドォン!
「っ…ぐうっ…!とりゃあ!!」
「はあっ!」
2人も落ちてくる瓦礫を受け止めて、なんとかして生徒達に被害が加わらないように別の場所へと放り投げてくれた。疲れている体だろうに、無理をさせてしまった。
とはいえ、申し訳ないけど助かった。全部落ちる前に破壊できるかなんてわからなかったからな。
「これ…もしかして…
「…正解だ、ピース」
後ろで様子を観察していたピースの言った事は正解だ。これがさっき触れた厄介で凶悪な性質である。
あの電子空間のような町は原作ドンブラザーズにも出てきた、ヒトツ鬼ングが暴れ回る場所である脳人レイヤーの一種である。
そして、あの町では、フィールドに建てられた電子部品状の建物を攻撃した場合そこへ与えたダメージは現実空間にフィードバックされ、脳人レイヤーの建物に相当する建物が崩れたりして被害を及ぼしてしまうという厄介な性質が存在するのだ。
つまり、上の世界で物を壊せば壊すほど現実の俺らの街もぶっ壊されてく。
「そんな…じゃあ早く倒さないと!」
俺が、脳人レイヤーとかそう言った専門用語を端折りながら軽く説明すると、ハッピーが真剣な面持ちで空を見上げる。
「でも!どうするんやアレ!ウチら空飛べへんで!?それに、もうキメ技使ってもうたし…どうやって戦えばええんや!?」
そう、しかし元凶がいるのは青空…いや、どんよりしたオレンジ色の曇り空に浮かぶあの電子空間のような街である。あそこに行く手段がなければ倒すどころかまず奴に攻撃することすらできない。
てか、キメ技使ってもうた?だと?
もしや、あの必殺技って回数制限あるの?不便すぎやしないか?
「あーっ…!!えっ…えーっと…キャンディどうしよう!!」
「クルゥ…キャンディもわからないクル…!!」
「「「ええええぇぇぇっ!!?」」」
「そんな…じゃあ、私達このまま何もできずに見てることしかできないの…?」
「そんなの…そんなの嫌よ!」
ふむ…話を聞く限り、プリキュア陣営はどうやらアイツをどうにかする力はないみたいだな…まあ、たとえあったとしても
(アイツ…この世界における異物は…俺の獲物だがな!)
「ここは俺に任せな!」
「えっ…も、桃太郎さん?あっ!どこいくの!!?」
「瓦礫処理は任せるぜ!来い!エンヤライドン!」
すると、どこからともなく真っ赤な鳥のような巨大なバイクが現れて、俺はそれに跨ってエンジンを吹かしてその場を出発した。
「なんやあれ…?ば、バイク…?」
「あっ!!御神輿の時の!!」
「お…オミコシ…?」
「行くぜぇぇぇ!!」
そして、フルスピードで走っていた俺は、サングラスを擦ってエンヤライドンの進行方向上にマンホール型のジャンプ台を生成する。それに乗っかってヒトツ鬼が暴れ回る脳人レイヤーに急行する。
バウン!
「あーっ!!す、すごい!と、飛んだ!バイクが飛んだよ!」
「アレなら…あの空の街に行けるで!」
空に向けて飛んでいる内に、俺はドンブラバックルからとあるギアを取り出す。
それは黄色い縁の
「あの時は排水溝に入っちまって使えなかったが…ようやく出番だぜ!」
『いよぉ〜!!どん!どん!どん!どんぶらこ!!』
「はあっ!」
上空の脳人レイヤーに到着すると同時に、データが詰まった弾丸がエンヤライドンを包み込み、
***
「……………」
付近のとある建物の屋上にて、マントをひらつかせながら1人の戦士が立っていた。
Vの字のアンテナを持っており、特徴的な見た目をしている。
そして、その男は腕を組みながら学校の方を見つめていた。
そして、ドンモモタロウが黄色いギアをセットしたのを見ると、徐に赤い銃を取り出した。
『ギアトゥゥゥリンガー!!』
そして、その戦士は
バシュン!
そして、引き金を引くと、巨大なVの字の様なエムブレムがエンヤライドンに乗って走るドンモモタロウの元へと射出された…!
そこには
***
エンヤライドンで脳人レイヤーへと突入が完了し、バイクをドリフトさせながらヒトツ鬼ングが暴れ回る場所へと向かうと、ドンブラスターによるコールを受けて、どこからともなくワープドアが開いて、30m程の巨大な真紅の恐竜が姿を現した!
『ヴォォァッ!』
奴の名前は"ジュランティラノ"。歴代恐竜系スーパー戦隊の戦隊レッドの巨大戦力であるティラノサウルス型をした巨大兵器である。
原点では意思が入っておっさん口調で喋るキカイノイドなのだが…ここではそのガワだけお借りしたコピー体のようなものなので、喋ることはない。
「うええぇぇっ!!?こ、今度は恐竜さん!?」
「わー…メカメカしくて良いデザイン…!」
「ってピース!そこじゃないやろ!一体何がどうなってるんや…?空になんかもう一個世界ができて…でっかい奴二体目出てきて…あーもうわけわからへん!!」
「クル!あの恐竜さんからはアカンベェやヒトツ鬼みたいな雰囲気を感じないクル!きっと桃太郎さんの仲間クル!」
「そ、そうなん…?」
ジュランティラノは、すぐさま俺の横へと降り立ち、エンヤライドンと共に並走してくれる。すげえ…初めて召喚したが…マジで来るとは…!まあ、何はともあれ!
「これで奴と戦える…!」
『ガァァァッ!!』
俺は、街の中をジュランティラノと共にエンヤライドンに跨りながら並走しつつ、改めて
俺が合体コールを発令しながら飛び上がると、乗っていたエンヤライドンが二回りほど一気に巨大化し、自律走行を始めて一気に加速する。
『ヴォアァッ!』
大きな雄叫びを上げながらジュランティラノも加速して横に並び立ち、内部に含まれた合体用のプログラムが作動する。
ピーッピピ!ピッピッピー!ピー!
まるでスポーツの審判が持っているような笛の音が鳴り響き、コールを受け取った二体が光り輝く。
ジュランティラノが大顎が分かれるかの如く変形して左腕と左足に。
エンヤライドンが前輪やミラー部分を切り離して右腕と右足に。
そしてそのまま二体がガッシンして巨大な人形を形成する。
その流れで俺は巨体の中に存在する真っ赤な、所々で歯車が回るコクピット部分に転送された。
それと同時に、武器、防具、そして頭部が着装されて、その巨体が顕になる。
「うええぇぇぇ!!!?何アレえぇぇ!!?」
「わー!すごいすごい!!ロボット!ロボットだぁっ!!スーパーロボットだぁっ!かっこいい!」
合体が完了し、歌舞伎の見栄を張るようなポーズを構え、俺はその名を叫ぶ。
「"ドンゼンカイオー"!」
「いよっ!!全力全開!」
全高48mの巨体
鳥を模したヒロイックなフェイス
両手についたアバターウェポン
この世界において初めてとなる戦隊ロボが爆誕し、電脳空間に存在する学校を模した建物の上に立ち、目の前で怒気を溢れさせる魔進鬼ングを見下ろす。
生命体が一人も存在しない無機質なネオンが光る街に二人の巨人が向かい合う。
『芸術ゥゥ…!爆裂ゥゥ…!!』
「さあて…もうひとつ祭りと行こうか!!」
ピースこんな賢くないだろって?いやぁ…好きな分野ならば彼女も頭冴えるかなと…()
よく知らんキャラが2体現れたが…一体こいつらは…?
さてさて、次回からロボ戦でございます!
申し訳ないのですが、試験が近いので当分(1週間くらい)投稿できないかもです…あ、書きたいものたくさんあるのでまだまだエタる気はありませんので安心を!!
Q.なんでドンモモタロウとスマプリ掛け合わせたの?
A.(その22)ロボ好きのやよいの前に戦隊ロボを出したらいい反応するかなと思ったから
感想お待ちしています!
読者層調査です。この小説を読んでいる皆様に質問なのですが、どの作品を見た上でこの小説をお読みになっていますか?
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ドンブラもスマプリも見たことあるよ!
-
ドンブラは見たことあるけどスマプリはない
-
スマプリは見たことあるけどドンブラはない
-
実は両方とも見たことない