ニチアサの世界に転生とは聞いていたが…!   作:よく酔うエンジン

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おっっっひさしぶりです!覚えていますか?よく酔うエンジンです!

まず最初に謝罪を…お待たせして申し訳ありませんでした!

何があったかと言いますと、ニチアサ見る時間を取れないくらい受験勉強で忙しくて、書かなきゃ書かなきゃと思ってはいたのですが、書かずじまいで終わる日が続いていて…いつの間にかだれてしまって…本当にお待たせしてごめんなさい!

ふと感想欄を見てみれば…みなさん、ずっと待ってくれてて…こんなの、人として書かねぇわけにはいかねぇ!!と奮い立って書かせていただきました!

今後は、勉強の都合もあってかなりマイペースandスローペースになると思いますが…忘れず書いていきたいと思います!

久々に書いたもんなので、文章力が落ちているかもしれませんが…温かい目で見守ってくれたら嬉しいです!
シリウスシェリフさん。akihaさん。吾輩は猫である?さん。佐賀らしんさん。火羅狗さん。誤字報告ありがとうございます!


感じろ!家族のハッピー!

 

「くっ…」

 

「大丈夫!?お兄ちゃん!」

 

 

 勇者が膝をつき、弟妹達が駆け寄る。ふっ、まあ無理もないだろう。

 

 

「くっ…姫を離せ!邪悪の王め!」

 

「なーっはっはっは!!」

 

 

 膝をついた勇者…その者を嘲笑うかの如く特徴的な笑い声を発しながら、マントを翻しつつ、剣を天に突き立て、5人の少年少女たちの前に立つ存在がいた。

 

 その者の名は…

 

 

「そう…俺様は…邪悪の王"ギラ"…!卑怯!卑劣!最低…!俺様が!世界を支配する!!」

 

「きゃーっ!助けてー!!勇者様ー!」

 

 

 後ろにいる特徴的なマゼンダ色の髪のお姫様が助けを求める声を上げ、勇者に向けて手を伸ばす。

 

 

「絶対負けない…!この聖剣の力…見せてやる!みんないくぞー!」

 

「「「「おー!!」」」」

 

 

 勇者達は姫の助けを求める声に応じて立ち上がり、こちらに剣を構えて突進してくる。その勢いたるや、まさに平原をかける肉食獣の如し。

 

 

「なにっ…その剣は…まさかっ…!伝説の戦士達にしか使えないはず!だが丁度いい…その剣の力!見せてみろぉ!」

 

「くらえー!!」

 

 

 邪悪の王は勇者が振るう剣を受け止める。その腕にビリビリと力が伝わり、勇者が只者ではないことは嫌と言うほど伝わってくる。

 

 

「ほう…やるではないか…想定外の力だ」

 

「いくぞー!ファイヤーサンダー!!」

 

 

 大きな声で必殺技の構えを取る目の前の勇者をみて、そのオーラに圧倒される。こちらも全力を持って応えねば負ける…!

 

 

「なーっはっは!ならば俺の最終奥義を見せてやる!」

 

 

 互いが一歩間合いを広げて構えを取る。両者剣を構えて、キッと睨み合いながら、ジリジリと機会を伺い…

 

 

「やあぁぁぁっ!」

 

「せいやぁっ!」

 

 

 勇者が剣を振るった瞬間、一歩遅れて邪悪の剣が迫る勇者に牙を向く。

この軌道ならば…剣は互いに勝ち合う。鍔迫り合いとなるだろう。

 

 この勝負、体格の面で言えば邪悪の王に分がある。剣の勝負となれば負けはしないだろう。しかし、その邪悪の王であろうと勇者の強力な必殺技を受けて仕舞えば、ひとたまりもなく地面に倒れ伏してしまうだろう。だが、止まるわけにはいかない。

 

 何としてもこの剣を受け止めなくては…この場で倒れては世界を支配することができない。世界を支配し、暴力により支配される恐怖の王国を作る野望を完遂するべく、全力を持って応えなくては。こちらが負ける。

 

 そして、互いの信念がぶつかり合い、火花を散らす。一瞬拮抗しているかのように見えたが、邪悪の王が押され始める。

 

 勇者の世界を救う信念に圧倒されているのだ。その信念の前にジリジリと押され、ついに魔王の剣が弾かれる。そして、ガラ空きになった胴にその刃が迫る…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こら〜!!!お姉ちゃんいじめちゃダメ!!てか、チャンバラは危ないから禁止って言ったでしょ!!」

 

「わーこっちには鬼が出たぞー!!」

 

「お、鬼!?ちょっと!待ちなさい!」

 

 

 ことはなかった。

 

 そう言って、勇者達…いや、緑川家の弟妹達が笑顔で散っていく。

 

 障子を開けてエプロン姿で現れたのは…俺の幼馴染の1人にして、この家の頼れる長女。緑川なおである。

 

 

「全く…って!!とうご!!!?なんでいるの!!?」

 

 

 なおがこちらの方を見て驚く。いやまあ、当然の反応だろう…なにせ、家に上がるときになおに挨拶していないのだから。

 

 

「すまない…用事があって来たのだが、けいた君達に遊ぼうって言われてしまってな」

 

「えっ…いや…それはいいんだけど…その…」

 

「ごめんなさい緑川さん…その…弟君達と遊ぶの手伝ってもらってたの」

 

 

 俺は、ブランケットという名のマントを取り外し、邪悪の王の剣という名の柔らかいゴム製の剣を床に置く。

 

 まあ、なんでこんなことをしてたのかを順番に説明しよう。

 星空さんがなおの家で目を回して倒れてるのを目撃した俺は、庭越しに家に上がった。

 いやまあ、玄関から入らないと立派な不法侵入なんだけど…星空さんが目を回してぶっ倒れていたので、万一のことがあるとやばいしさ…うんハイ。何度もなおの家には来たことあるので、まあ良いかなということで…うん、よくないな。

 

 それは一旦置いといて、星空さんに話を聞くと、諸事情あってなおの家に上げさせてもらい、なおが昼食を作る間、弟妹達の面倒を見ることになったのだという。しかし、あまりにも元気いっぱいな彼らに振り回されてしまっており、それでぶっ倒れてたのだという。

 

 キャンディが外に出て行ったのは、大方助けを呼びに行ったか、1人だけ逃げて脱出したかのどちらかだろう。

 

 なんだと思って安心し、そのまま正面玄関から入るべくその場を去ろうとすると、過去に俺がトラックから助けた次女のはるちゃんがこちらに気がついたのだ。そして、お兄ちゃんとも遊びたいと言い出して、他の弟妹達も遊びたい遊びたいと言い出して家に引っ張り上げられてしまい…

 

 

「という訳で、こうして遊んでた」

 

「だ、だからって!せめて玄関から家に上がって来てよ!呼んでもいない友達が急にいたらびっくりしちゃうって!」

 

 

 うん、ごもっともである。一旦待っててねって言ってインターホン鳴らしてくればよかった。てか、最近俺なんか黄瀬さんの絵の件といい、かなり悪いことばかりしてないか…?俺が理想としてるヒーローはこんなことはまずしないだろ…自分が恥ずかしくなってきたぞ…まあそれは一旦置いておいて。

 

 

「というか、星空さんも、とうごが言ってこないなら言いに来てよ…」

 

「え、えへへ…お姫様役だったから、つい嬉しくて夢中になっちゃって…」

 

「ていうか!とうごも!危ないから遊んであげる時はチャンバラはしないでって言ったでしょ!」

 

「いやー…またやってやってと言われたからついな…」

 

 

 話を戻すと、俺となおが幼馴染であったことからも分かる通り、緑川家とは昔から縁がある。それで、よく緑川家に遊びに来て、なおと遊ぶついでに弟妹達とよく遊んであげていた。弟や妹達の扱いもお茶の子さいさい…と言うわけではないが、まあかなり慣れている。んで、今回は星空さんのヘルプで、昔よくやっていた邪悪の王様ごっこをして遊んであげていたのだ。

 

 今回は、俺が邪悪の王を演じて、星空さんに邪悪の王に攫われた姫様を演じてもらい、弟妹達には勇者役をやってもらった。

 

 邪悪の王様…これはまあ、圧倒的なシナリオや世界観、キャラ、映像美などから戦隊史上最高傑作の一つとも言われる"王様戦隊キングオージャー"の主人公である、反逆の王"ギラ"の作中でやってたロールプレイのモロパクリなのだが…まあ、それは一旦置いといてだ。

 

 

「あ、そうだ、これ忘れないうちに、親父さんからお裾分けで…よかったら」

 

「えっ…あっ!ありがとう!」

 

 

 俺は、お使いで頼まれていた食品をなおに手渡す。エプロン姿を見る限り、これから昼食なのだろう。おかずの足しにでもしてくれるといいが。

 

 

「わぁ…!これ桐治さんの?いつもありがとう!」

 

「お礼は親父さんに言ってくれ。あの人もあの人で子供はよく食うもんだっつって気にしてないだろうし」

 

 

 なおの場合大家族だから、一回での食事で消費するご飯の量も多いに違いない。少しでも足しにしてくれたら嬉しい限りだろう。

 

 

「あ、そうだ!とうごもよかったらご飯食べて行かない?これから昼食なんだけど」

 

 

 風呂敷に包んだタッパーを台所に置きながら、なおが昼食の誘いをしてきた。

 ありがたい話である。いつもならお邪魔させていただくところなのだが…

 

 

「いや、俺はいい。この後別の店でご飯を食べる予定でな。またご縁があれば是非ということで」

 

「えー!?じゃあもう赤峰君帰っちゃうの?」

 

「悪いがそう言うことになる」

 

「やーだ!とうごお兄ちゃん!もっと遊んでいってよ!」

 

「こーら!ワガママ言わないの!」

 

「はいはい、安心しなけいた君。また近いうち来る。こう言うときワガママを言ってはかっこよくないぞ?」

 

「ちぇ…はーい…」

 

 

 日野のお好み焼き屋にお邪魔したときにも言ったが、俺は割と食にこだわる一面がある。

 最近近所にできた行列のできる料理店に並び、是非とも今日いただこうと思っているのだ。

 

 いやまあ、ぶっちゃけその店には並ぶ時間を考慮しなければいつでも行けるので、せっかくなら緑川家にこのままお邪魔してろやと思うかもしれないが…

 

 

(知り合いとは言え…クラスメイト2人の女の子と食事だなんて…ちょっと…いやかなり恥ずかしい!)

 

 

 精神年齢は30を超えているとは言え、肉体は14歳…青臭い思考が俺の心にはある。実を言うと、行列云々よりも単純にこっちの方がメインの理由だ。

 

 緑川家だけで食べるのならなんの抵抗もないし別に良いのだが、今回は星空さんがいる。ちょっと…というよりかなり居づらい。普通に同学年の可愛い女の子2人とご飯食べるとか、思春期真っ只中のこの体にはかなりキツイ。なので断らせていただこう。

 

 

「んじゃ!月曜また学校で!」

 

「うん!手伝ってくれてありがとね!」

 

「ばいばい!お兄ちゃん!!」

 

 

 そう言って、俺は緑川家を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………待てよ、星空さんにドンモモタロウのことについて今明かせばよかったんじゃ…まあいいか!月曜日で」

 

 

 とりあえず、人が増える前になるべく早くお店の方に行くとしますか!

そう思い、俺は駆け出すのだった。

 

 

 

***

 

 

「いっくぞー!」

 

「こっちこっち!」

 

 

 場所は打って変わって近くの河川敷。昼食も終わり、みんなで外に遊びに来たのである。

 

 弟妹達は、河川敷のサッカーボールで楽しく遊び、なおとみゆきは河川敷の坂の上の方でその様子を眺めている。

 

 

「星空さん、片付けまで手伝ってもらっちゃって、ありがとうね」

 

「こちらこそ!お昼ご馳走様!美味しかったー!」

 

 

 ところで、星空みゆきがなぜ緑川家にお邪魔しているかと言うと、みゆきがなおをプリキュアにスカウトしようと思ったからである。

 

 先日、なおが弁当の場所の取り合いで先輩達を正論で追い払った所を見て、なおのことをかっこいいと思い、プリキュアになって欲しいと思って頼みに来たのだ。

 

 一応、あの日が終わって放課後すぐ頼もうとして、なおが所属するサッカー部の見学に行っていたのだが、話しかけようとしたらなおのファンの女の子達にあっという間になおが囲まれてしまい、話しかけられず仕舞いだったのである。

 

 今日は休日なため、学校はお休みだったので会えない。そんな中でどうしてもプリキュアになって欲しいと考えた彼女は、"緑川さんに会いに行こう!"と無計画に家を飛び出した。しかし、みゆきはここら近辺に引っ越してきたばかり。それどころかなおの家すらちゃんと知らない。勿論道に迷って途方に暮れていたのだ。

 

 そこで、迷子になって困っていたところを買い物帰りのなおに発見されて、家にご招待された形となる。

 

 

「緑川さん偉いなぁ…兄弟の面倒ちゃんと見て…」

 

「そんなの当たり前だよ。一番上のお姉ちゃんだもん。それに、弟達と一緒にいると楽しいし。あたし、家族が大好きなんだ…」

 

 

 中学2年生だと言うのに、弟妹達の面倒をしっかり見て弱音一つ吐かないなおの原点。それは"家族が大好き"と言う感情だった。

 

 彼女にとって家族は何よりも大切な存在だ。そして、どんなに辛くても、家族が好きだから頑張れる。

 

 

「すごいなぁ…あ、ねえねえ緑川さん。少し気になったことがあるんだけど聞いても良い?」

 

「ん?何?星空さん」

 

「そのね、赤峰君とのことなんだけど…ちょっと気になっちゃって…他の人よりもすっごく仲良さげに見えて…赤峰君と…もしかしてその…お付き合い…とか?してたりするのかなって…」

 

「お、おおおおおお付き合い!!?し、してないしてない!!とうごとはそんなんじゃないから!ただの幼馴染だから!!」

 

 

 なおは首をブンブン横に振る。こう言った恋愛面の話はなおはピュアッピュアである為、好意を抱いてる抱いてないの話の前に恥ずかしくなってしまうのだろう。現に顔が海老のように真っ赤っかである。

 

 

「あ、そうだったんだ!幼馴染かぁ…だから弟くん達とも仲が良かったんだ…」

 

「あー、それは勿論。何せ3歳くらいの頃からの付き合いだからねー…弟達が生まれた後もよく遊びにきてくれて、みんなと一緒に遊んでくれてさ」

 

 

 赤峰とうごの家である赤峰家とは家ぐるみの付き合いである。とうごの親である桐治と、なおの父である源次はよく酒を酌み交わす程仲が良く、とうごもなおも同年代なこともあって昔からよく遊んでいた。

 

 

「ほへー…そんな昔からご縁があったんだ…」

 

「ご縁…あ!実を言うとね、昔はあんなんじゃなかったんだよ?小5の頃くらいからかな…急に縁縁言い出しちゃって、妖怪縁結びになっちゃってさ」

 

「えー!そうなんだ…でもなんで…?」

 

「あたしも気になって聞いてみたんだけど、ある作品のヒーローに感化されて真似し出したとか言ってた」

 

「ほぇー…」

 

 

 だが、これは桃冴が言ったそれっぽい嘘である。

 桃冴は、原点である桃井タロウと違い嘘をつくことができる。"神様からもらった力のせい!"だとか"ドンモモタロウの変身者の桃井タロウが…!"なんて言えるはずもない為、何故縁縁言うのかの説明にとうごはよくこう言っていた。

 

 

「とうごってさ…縁縁言ってるけど、昔からずっと頼りになって、ほとんど何にもできてさ…昔、あたしも大切なこと気づかされたこともあったり、はるの命を救ってくれたこともあってさ…」

 

「えっ!?い、命…!?な、なにそれ…?」

 

 

 思わず飛び出たなおの言葉に、みゆきは驚く。

 

 

「あぁ…えっとね、他の人にはあまり言わないでね?昔、はると外に出ていたときにはぐれちゃったことがあるの。そのとき、とうごがたまたま近くにいてはるのことを連れて来てくれたんだけどね」

 

「うんうん…」

 

「やっと再会できた!ってところで、はるが私の方に駆け出して、車道にとびだしちゃったの」

 

「う…嘘!そんな…!」

 

 

 アホの子属性があるみゆきでもなんとなくわかる。この先で何が起きたのか。

 

 

「うん、トラックが高速ではるの方に突っ込んできたの。ブレーキが壊れてたんだっけな…あの時、私、はるが死んじゃうかもしれないってなったのに、ずっとはるを探して町中走り回ってたせいで足が動かなくってさ…叫ぶしかなくって…」

 

「う、うん…」

 

「でも、とうごが咄嗟のところで自分も飛び出してはるを助けてくれたんだ」

 

「ほっ…良かったぁ…じゃあはるちゃん、怪我はしてないんだね!」

 

「うん、服がちょっと汚れちゃって、怖い思いさせちゃったくらいかな」

 

「…にしても…そんなことがあったんだね…」

 

 

 今でも鮮明に思い出せる。あの時、とうごがいなかったらはるは…と考えると、背筋がヒヤリとする。本当に生きてて良かったと心の底から思えたし、とうごに心の底から感謝した。

 

 

「それでさ…その時に動けなかった自分が許せなくって…姉として最悪だななんて思っちゃってさ…」

 

「そ、そんなことないよ!緑川さんみたいな素敵なお姉さん、私見たことないもん!」

 

 

 "姉として最悪"と言う言葉にみゆきは反応した。この言葉は嘘偽りのない事実だ。今までの様子を見ればそんな言葉、まるで似合わない。と彼女は感じた。

 

 

「あはは!ありがとう星空さん。大丈夫、今はそんなこと、もう思ってないから。何せその時に、"お前に不似合いだ!長女らしくそろそろしっかりしろ!"とうごに一喝されちゃったからね」

 

「う、うんうん…!」

 

「あたしさ…あの時言われてなかったら、ずーっとクヨクヨしちゃってたんじゃないかなって思っちゃうこともあってさ…まだ小さかったし」

 

 

 そう言って、彼女はきゃっきゃと河川敷の下の方で遊ぶ弟達の方を眺める。

 

 

「あたし…決めたんだ。その時から…家族を守れるくらい強くならなきゃって…ピンチになっても、すぐに駆けつけられるくらい速くなってやるってね」

 

 

 これは彼女なりのあの時できなかったことに対する贖罪。そしてもうそのようなことは起こさないと言う決意である。

 もう絶対、家族に怖い思いはさせない。そう思っていれば、弱音を吐く余裕なんてありはしなかった。家族の世話が辛くないのは、こう言った強い決意があったからと言うのも理由の一つだろう。

 

 その思いを語った時、みゆきの目が再度輝いた。

 

 

「うわぁっ…!すごい…!勇気があって、かっこよくて、頼りになって、優しくって…!うん!やっぱり決まり!」

 

「え?」

 

 

 急にみゆきが立ち上がる。

 彼女は思った。やはり、緑川なおというこの女の子は、絶対にプリキュアに相応しいと。だから、今この場で改めて仲間になってほしいと。

 

 

「あのね!一緒にやって欲しいことがあるの!」

 

「えっ…ええ…?」

 

 

 そうみゆきが言ったときだった。

 

 

「おーーい!」

 

 

 河川敷の遠くの方から声が聞こえる。

 そちらの方を見てみれば、オレンジ色と黄色の髪をしたかわいらしい少女がそれぞれこちらに向けて走って来た。

 

 片方は手をこちらに振りながら。片方はキャンディを抱えながら息絶え絶えに走って来ている。

 

 

「ごめん!遅なったわ!」

 

「お待たせー…ぜぇ…ぜぇ…」

 

「あかね…やよいちゃん!?」

 

 

 なんと、そこに現れたのは日野あかねと黄瀬やよいであった。

 無論、なおはこの場に2人がいるなんて予想もしていなかったので驚きの表情を隠せない。そのなおに向けて、みゆきが口を開く。

 

 

「私が呼んだの!」

 

「え?」

 

「みんなで遊べば、もっとウルトラハッピーかなーって!」

 

 

 実は、先ほどキャンディに頼んだのである。

 弟達にぬいぐるみと勘違いされて揉みくちゃにされたキャンディに、あかねとやよいも呼んできて欲しいと。

 元気いっぱいな弟達の世話の手助けをして欲しいと思ったからと言うのももちろんあるが、大きな理由としては、みんなで遊べばもっとハッピーになれるからと言う方が大きい。

 

 笑顔やハッピーは大きくて多い方が絶対にいい。彼女はそんな優しい考えを持つ女の子だった。

 

 

「ふふっ…ありがとう!」

 

「あ!お好み焼きのお姉ちゃんだ!」

 

「遊んで遊んで!」

 

「さっかーしよ!」

 

「おわっ!?ちょちょっ!!?」

 

 

 すると、弟達も気がついたようで、あかねに飛びかかる。

 何人も一気に来たので、いくらバレーで体を鍛えているであろうあかねも支えきれずにその場に倒れてしまった。

 

 

「あわわ!!あかねちゃん大丈夫!?」

 

「こーら!お姉ちゃん困ってるでしょ!離れなさい!」

 

「ねーねー!お姉ちゃん達もサッカーしよう!」

 

「えっ…だ、大丈夫かな…呼ばれたから来たけど、私運動そんなにできるわけじゃ…」

 

「やよい!なに弱気なこと言っとるんや!ウチらのチームワーク見せたろや!」

 

「えっ…う、うん!」

 

「うん!みんなで遊ぶ方が絶対ハッピーだもん!ほら!緑川さんも行こ!」

 

「えっ!?あちょっ!!」

 

 

 転校して来た時、自己紹介の時にもみゆきが言った"ハッピー"という概念。彼女は、うまく自分で言語化することができず、具体的にどんなものかは言えず、なんとなくでしか語れない。

 

 でも、こうしてみんなで集まって遊んで笑顔になることは絶対"ハッピー"だ。そう彼女は確信していた。

 

 

(あとは…とうご君もいたらウルトラハッピーだったんだけどなぁ…はっぷっぷー)

 

 

 彼女はそんなことを思いながら、みんなを連れて河川敷のグラウンドの土を踏んだのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 河川敷で緑川家が遊ぶ少し前のこと…まだみゆきがなお達とご飯を食べていた頃…

 

 

「ん?今誰かオニって呼んだオニ?」

 

 

 空に、不穏な大柄な赤い肌の大男の影があった…そう、アカオーニだ。

 けいたがなおに向けて放った鬼という言葉が聞こえたのだろうか。自分の名前が呼ばれたように感じたみたいである。何はともあれ、彼は金棒を携えて、空から街を見下ろしていた。

 

 

「まあいい…今日も人間どもからバッドエナジーをだっちゃり吸い取ってやるオニ…!」

 

 

 そして、バッドエンド王国の魔の手が再度世界に迫ろうとしていた…!





ギラの邪悪の王ロールプレイは、名乗りの方ではなく、1話の孤児院でやった奴を再現してみました。

とうごが割とグレーなことやったり、嘘をつける設定にしたのは、実はこれあえてなんですよね(?)

原作の桃井タロウ要素を引き継ぎつつも、あくまでも桃井タロウではないというキャラなので、何かしら明確な差別点…アナザーキャラらしい対比点が欲しいな…ということでこんな感じになってます。

そこ等辺のとうごのキャラ性としては、曲がったことは好みませんが、必要ならすることがある。そして、しっかり曲がったことをしてる自覚はあり、恥じることができる…だからこそ、今の自分はヒーローではない、ヒーローに相応しくないと思ってる節もある。って感じですね()

とはいえ、どこかでタロウの力が強まった的な感じで、それ等の要素が消える可能性もありますが…まあそこは今後の展開次第ですね。

Q.なんでドンモモタロウとスマプリ掛け合わせたの?

A.(その24)
あかね→
キュアサニーに変身する太陽サンサンな明るい女の子

どこぞの総理大臣→
「ハッピイィィサンシャァァァイン!!!」

感想、お待ちしております!

サルブラザーって見た目だけならかっこいいと思いますか?

  • 思う!
  • かっこいい…とは思わんかな()
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