英雄の話をしよう   作:季節

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第二話

 ここはダンジョン都市オラリオ、中世な街並みのこの町では数多くの神が存在している。そして神は地上の子供に自身の神血《イコル》を与えることによって、ファミリアを作る。眷属になった子はバベルの底にあるダンジョンに潜ることによって、己のレベルを高めていく。

 

「なんて、とんでもない世界にきちゃったなぁ」

 

 やぁ、みんな大好きマーリンお兄さんだよ♪さてモルガンから魔術を受けて目を覚ますとそこは見たことのない異世界だった!流石の私でももうダメかと思ったよ。しかし嘆いてばかりでは藤丸君にも怒られてしまからね、早速動き出し、私の素晴らしいトーク技術によって色々な情報をかき集めていたのさ!

 

「それにしてもこれからどこに行こうか、冒険者の話によるとファミリアに属していないものはダンジョンに入ることが禁じられているらしいから、そうなると日銭を稼ぐこともできない。」

 

 まぁ私は別に人から感情を摂取出来れば食事などは必要ないんだけれどね。それでもダンジョンというものには少し気にはなるし、一度入ってみたい気持ちはある。さてどうしたものかね

 

「うぉ!花畑やん!おいにいちゃん!街中であんまり魔法を使わん方がええで〜」 

 

 ふと気前のいい、しかしどこか悪戯心が感じられる声がした。振り返ってみるとそこには、赤毛の女性と金髪の小さい少年がいた。

 

「あぁ、ごめんよ。これは魔術じゃないんだ。私の意思に関係なく出てくるんだ、綺麗だろう?」

 

「うーん、嘘はゆうてへんみたいやなぁ。」

 

ほう、この情報は初めて聞くね。勘かあるいは・・・

 

「ロキ、あまりファミリアとして恥ずかしくない態度を取ってくれ」

 

「すまんすまん、にしてもあんた面白い体質してんなぁ、どこのファミリアに入ってんの?」

 

「ロキ、そうゆうのはあまり聞くものじゃないよ。すまないうちの主神が答えたくないなら答えなくてもいい」

 

「大丈夫ですよ。ファミリアの情報は申し訳ないですが、うちの主神はあまり人に知られるのが好きじゃないみたいで、あまり口外しないようにしているんですよ。」

 

「嘘やな」

 

当たりだね。

私は気づかれないように小さく杖を地面に小突く。

 

「神に嘘はつかれへんよ。正直にゆうた方が身のためやで。」

 

「んー流石は神と行ったところかな、なんとなく予想はしていたけど嘘まで見抜くとは恐れ入ったなぁ」

 

「嘘こけ、最初から試すつもりやったやろうがい」

 

ニタニタと意地の悪い笑みを浮かべながらこちらへの警戒は未だ解いていない。先ほどの金髪君もいつでも攻撃出来るようにしてるしね。潮時かなぁ

 

「すまない、非礼を詫びよう。攻撃する意図はない。ただ私も情報が欲しいんだ」

 

「フィンこれは本当や、それにしても情報ってなんや、こんなん常識みたいなモンやぞ」

 

「それはすまない、こちらも突然異世界に飛ばされているからね。

有益な情報が欲しいんだ」

 

「なぁ!異世界やって!?」

 

「ロキ!」

 

「大丈夫だよ、結界はすでに張ってある。」

 

 

 

フィンサイド

 

彼が衝撃発言をして、ロキが驚愕している際に勇者(ブレイバー)の思考は一瞬にして、今後の嫌な予感をすぐに連想させた。

まずい異世界から来たなんて、そんな情報こんな大通りで言うなんて他の神が聞いたらハイエナの如く群がってくるに違いない。こんなことならリヴェリアも連れてくるんだったと後悔している。

 

「大丈夫だよ、結界はすでに張ってある。」

 

そう言われて周囲をよく見ると確かに道行く人々が僕達のことをまるで気づかないかのように歩いていく。それにしても

 

「・・・フィン気づいとったか」

 

「いや、全く気が付かなかった。恩恵を受けていない状態で、これほどの結界を張るなんておそらくリヴェリアでも無理だよ。」

 

「せやんなぁ、ならあながち異世界からきたっちゅう話は本当になるんかぁ」

 

「いやぁ、すまないね。私も必死でね。情報が欲しいんだ。君たちについて行ってもいいな?」

 

僕に気づかせないほどの魔法、それに彼が言っていた異世界というのも気になる。

 

「いいだろう。僕達のホームに連れて行こう。」

 

「ちょ!?フィンまじかいな?こんな爆弾抱えたくないで!?」

 

「ロキ、すまないが彼に興味が湧いている。それにこれほどまでに魔法の力があるなら少なくても君を守りながら逃げるなんて不可能に近い、大人しく連れて行った方がいい」

 

「はぁ〜〜、しゃあないな。」

 

「ははは〜、すまないね」

 

「一応、君の名前を教えてもらってもいいかな?流石に名前くらいは聞いておきたい。」

 

「もちろんだとも!」

 

すると男はわざとらしく咳払いをして、名乗り始める。

 

「私はマーリン、人呼んで花の魔術師。気さくにマーリンさんと呼んでくれ、堅苦しいのは苦手なんだ。」

 

後にこの時を振り返った自分は思った。あの時全力で逃げておけばこの碌でなしと関わることはなかったと。

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