こんにちは!あるいはこんばんわ!
もしかしたらおはようございます…かな?
キトキト………キト郁代です!
現在華の女子高生!キャ〜〜〜ッ!
この春から東京の秀華高校に入学しました!この高校を選んだ動機は…制服が可愛かったから!
入学初日にはもうほぼクラス全員の女子とロイン交換をして、まだこのクラスになってひと月くらいしか経ってないのに4月の私の誕生日には沢山の人にお祝いして貰っちゃった!
知ってます?女子の情報収集能力って。凄いのよ?
お誕生日会では、もう私の好みを反映したプレゼントの山!嬉しい!
初夏にもなれば他のクラスにも友達が沢山出来て、この先の学校生活は楽しいが溢れそうなくらい充実した毎日が予感出来て。もう毎日が予定で一杯!楽しいも一杯!
…ただ…そんな中、やけに私になびかない女子が居ました。
「…どいて」
「あ、ごめんなさ〜い!」
お手洗いの前で友達と喋っていたら、ちょっと邪魔しちゃったみたい。
その人は何故かピンクのジャージの上に黒いトレンチコートを羽織り(制服必須じゃ無いから良いのかもだけど)、ピンク色の髪は伸ばしっぱなし、前髪で目が見えない上に猫背なので余計に近寄り難い雰囲気の女子。
でも…でも!見えちゃったの!通り過ぎる一瞬、その大きくて綺麗な空色の瞳。顔立ちも整っていて、背筋を伸ばして髪をアレンジすればモデルも出来るんじゃないかっていう位の美人さん!
「あ…あの!貴女のお名前は?」
つい浮かれて話し掛けてしまう。
「………」
振り返ってはくれたけど、何も言わずにそのままトイレの中へ。
超面食いの(自覚はあるの)私としては是非お友達になりたい!そう思いトイレの中へ追い掛けて行こうとしたら友達に手を掴まれて。
「キトちゃん、あの人に近付かない方が良いよ」
って。
「え〜?なんで?」
あんな素敵な顔面の人、是非お友達になりたいのに!
「…あの人さ、入学当初から良く無い噂で持ち切りなんだよ」
別の友達が教えてくれた。
聞く所によると、彼女は5組のゲトウさん。入学式当日に他校の生徒とトラブルになって欠席したらしい。
いざ学校に来てからも、授業はサボる、出席してもひたすらブツブツ言っている、おまけに休み時間は何処に行っているか解らない…と。
「噂だと殴り込みに来た他校の人と喧嘩してるとかって。現にしょっちゅう指に絆創膏巻いてるしね」
「私も聞いたー!何かシモキタの街中を彷徨ってたって。良からぬトコに出入りしてるとか」
「あ、私も聞いた事ある。青い髪の他校の人とつるんで歩いてたとかって。何か怪しい笑い方してたんで、クスリでもやってるんじゃない?って見た子は言ってたけど」
えー?あんなに顔の良い人がそんな訳無いじゃない(断言)!きっと何かの間違いよ!
それから、ゲトウさんの事が気になってしょうがなくなった。
だって、あんなに顔が良いのよ!?それに、一度だけコートを脱いだ姿を見た事あるけど…スッゴイのよ!
何が、って?
その双丘よ!聳え立つ2つの山!マウンテン•ゲトウよ!
何カップかしら。思わず悔しくなるわね。私のソレが砂場の砂山だとすると、アレはまさに富士山…いえ、エヴェレストだわ!
かと言って身体が太い訳じゃなし。どちらかと言うとスレンダーよね。そこにエヴェレストが聳え立ってるのよ。犯罪だわ!イカガワしい!つい揉み…ゲフン。
とにかく
その陰のあるような存在感と良い、そこに備わったあの容姿とボデー。
存在がエロい。風営法違反だわ。いえ、猥褻物陳列罪かしら。
更に
…自分の事「俺」って言うのよ!
オレ女子なの!もう堪らん!啜りたい!齧り付きたい!一晩中舐め回したい!
そんな妄想をしながらゲトウさん観察を続けていた、ある日。
☆
「…あのさぁ!」
「ひゃい!」
今日も今日とて物陰に隠れて観察していたら、角を曲がった所でゲトウさんが待ち構えていた。
ここは下北沢の街中。ゲトウさんが一体何処に行っているのか気になって後を付けていた。そうしたら見つかっちゃった。てへ。
私にじりじりと迫って来るゲトウさん。対する私はじりじりと後退って、とうとうブロック塀に背を預けた。
「どう言うつもり?」
「な、何がでしゅか!?」
その時、私の顔の横で豪風が吹いた。同時に鈍い破壊音。ゲトウさん、壁ドンでブロック塀を破壊しちゃった!
「俺の後つけ回してさぁ。何が目的なの!?しらばっくれても駄目だよ。調べはついてるんだ。
ゲトウさんが顔を近づけてくる。その蒼い瞳に吸い込まれそう。兎に角顔が良い。あ、エヴェレストが私の胸を圧迫してくる!そして顔が良い!もうこれは、これは…
「…何してんの?」
目を瞑り、唇を突き出す。いわゆるキス待ち顔。
まだかしら!いきなりそんな関係になるなんて気が早い!?いえ、そんな事無いわよね!だって今、まさしく告白されてるんだもの!でもこれでニンシンしちゃうかも困ったわカモォ〜〜〜ン!
「………」
ピュッと。
唇に何か挟まれた。え!?いきなり舌!?そう言うのがお好み!?ナンテコッタ!レモン味の唇を味わう前に舌の味を確認する事になろうとは!大人の階段を一気に千段くらい登ったキ•ブ•ン!
お父さんお母さんごめんなさい!郁代はもう無邪気だったあの頃に戻れません。これからこの人と13階段だろうと東尋坊への道行きだろうとどこまでも二人で登って行きますレロレロ。
…あれ?何か薄くて硬い。そして味気ない。例えるなら、紙を舐めてるような。
そおっと目を開ける…と、目の前にはもう誰も居らず。
慌てて辺りを見回すと、ゲトウさんは既に先の角を曲がる所で。
唇に挟まれたのは名刺大のナニか。それを手で抜き取り、叫ぶ。
「ゲトウさん、待って!」
「…俺の事が知りたきゃ、ソコに来な」
それだけ言って去って行きました。
…行っちゃった。クスン。
手に持った物を見る。…何かのお店のカード?
「STARRY?…ライブ…ハウス?」
私は、そのカードをレロレロしながら想いを馳せた。
そこが…私とゲトウさんの決戦の場なのね。
どう言う場所か解らないけれど、取り敢えず私がゲトウさんを組み伏せれば勝ちね。そうしたら後はあのエヴェレストを揉み…「郁ちゃん?」
「キャァァァァァァァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
驚いた瞬間、スマホを放り投げてしまった。それは放物線を描き、ひとりちゃんのエヴェ…胸の上へポスリと。
それを見届けると、現実逃避をするように気を失った。
…………………
……………
………
…
「…あれ?」
ここは?…何やら極上の枕で寝ているような。
目を開ける。ウチのリビングが横倒しに見えている。
う〜ん。
反対を向く。モコモコの暖かいモノに包まれる。思わず深呼吸。良い匂い。
「あはひゃひゃひゃ!郁ちゃんくすぐったい!」
上から声が聞こえた。上を向く。二つの質量の暴力が目に入る。つい鷲掴み。
「あうっ!…郁ちゃん、めっ!」
ペチリと額を叩かれた。まるで小さい頃のふたりを叱る時のように。
痛くないもーん。
「ねぇ、ひとりちゃん。私何でひとりちゃんに膝枕されてるの?」
首から下は…うん、いつものソファーの感触。頭だけが天にも昇る心地良さ。
「何で…って、郁ちゃんが「あひゅう」とか言って突然気を失っちゃったから…スマホまで放り投げて」
………え"!
…段々と思い出して来た。やっば!やっば!!!
「…ちなみに、私のスマホ…は?どこかな〜、とか?」
聞いた直後、所在を確認。それはひとりちゃんの手の中に。
「…郁ちゃん………この「ゲトウさん」って、多分私ですよね。わたし、「俺」とか言わないですよ?それに何です?ピンクジャージに黒のトレンチコートって。そんなので学校行ってたら、変人を通り越してます。あと何でリョウさんと虹夏ちゃんがわたしの手下なんですか?おかしな通り名まで付けて。怒られますよ?それとあと…」
ごめんなさい。わたしが悪いの。だからもう、死体蹴りするような事は止めて…
ひとりちゃんのナイトウェアをビショビショにするくらい泣き濡れたのでした。
━━喜多郁代、最近の趣味━━
妄想夢小説を綴り、ニャーメルンに投稿する事。
アカウントネームは【IKUIKU♡イクッYO!】
その投稿数は、40を超える。
いずれも後藤ひとりとのあられもない妄想。投稿全てR-18タグ付き。
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「うへへ、やっぱりマリーちゃんは初めての相手だけあって、忘れられないよ」
あれは中学一年の頃。何も出来ず、何者にもなれず…そんなわたしに手ほどきをしてくれたのがマリーちゃんだった。
初めての強烈な印象。優しく手を引いて…なんてしてくれなくて、いきなり痛みを伴った洗礼を受けた。
──私の言う通り動けば良いの!何で出来ないの!?一緒にキモチヨクなりたくないの?さぁ、おいで。もっと激しく!もっと軽やかに!さあ、動いて!──
…なんて、突き放しながらも受け止めてくれて。
それがわたしの初体験。
………
そうそう、カールちゃんも印象深いな。
この頃は伸び悩んでて、いつも重い気持ちを引き摺ってた。
そんな時出会ったのがカールちゃん。
──ねぇ、私と居るとつまらないの?それなら何処かに行かない?…そう。怖いのね。仕方無いわ。なら私が全部包み込んであげる。ほら、心も身体も開いて?そう、全部曝け出すの。………あぁ、貴女の指使い好きよ。キモチヨクなっちゃう!──
そんなカールちゃんに救われた日々。改めて気持ち良さを教えて貰った。
…気持ち良いと言えば…このコ。ペッキーちゃん。
わたしが初めて注目を浴びた時。このコも一緒だった。
二人で公衆の面前であんな激しい行為を見せるなんて!穴があったら入りたいくらいだった。
──そう、上手よ!皆に見られながらスるのって、スリリングでキモチイイ!さぁ、私達を見て!それで興奮して!──
君との行為は最高に気持ち良くて。忘れられなくて。何度も求めてしまった。まるでヘンタイになってしまったかのように。
最高、と言えばこのコ!マァームちゃん!
黒くて太くて硬い、最高なモノを持ってた。
激しいプレイにも音を上げず、どんな行為を求めても答えてくれた…天にも昇る気持ち良さを与えてくれた、特別なコ。
ああ…また、あの太くて硬いモノを求めたい。最高な声を上げて、鳴いてくれるから。でも余りスるとわたしの身体が壊れちゃいそう。やっぱりあのコは程々が良いのかな。
あと、気持ち良さで言えば………ん?
「どうぞ、続けて?」
………ん"ん"!?
何と無く横を見ると、郁ちゃんがわたしの隣で膝を抱えて座りながら、笑顔を浮かべている。
「い、い、郁ちゃん!?お風呂に行ったんでは!?」
「どれだけ経ったと思ってるの?もう1時間以上過ぎてるわよ?」
笑顔を貼り付けてわたしの髪を撫で付ける。…怖い。
「作業があるからって、私に一人風呂なんかさせてさ。寂しかったのに。上がってひとりちゃんを呼びに来たら、なんか楽しそうにお話してるし。ソレ、私よりも良いんだ?」
…え"!全部声に出てた!?と言うか全部聞かれてた!
「そ!あ、そ、なんと言うか…え、あの、これ…は…その、ですね…」
最早言葉にならない。説明しようにも出来ない。そっと、ローテーブルの上のファイルを閉じる。その表紙には「思ひ出」と綴られている。
「あ、の…郁ちゃん、あいしてる」
取り敢えず、全力で誤魔化してみる。
「…ふぅん」
不発。
次に、左手を取り薬指にキスをする。この間わたしが贈ったリングの上から。
「そんなキザな事、何処で教わったの?ペッキーちゃんかマァームちゃん?」
またもや不発。旗色がどんどん悪くなる。そして郁ちゃんの笑顔が凄味を増していく。対してわたしはどんどん血の気が引いていく。
「わかった」
唐突に。郁ちゃんがひと言。表情が読めない。目が昏い。
「…ごめんね、ひとりちゃん。欲求不満だったのね。気付いてあげれなくてごめんなさい。それは私の責任だよね。最近ちょっと回数が減ってたから、それでそんなおかしな事しちゃってたのね。ひとりちゃんの体調を考えての事だったけど…そっ、か」
…週5が週3になっただけなんですけど!そもそも週3日もHPがゼロになる日があるなんて、おかしくないですか!?わたし、自分でも良く生きてるなと思ってるんですけど!?
そんなわたしには目もくれず、「うん、うん」と一人で納得してる郁ちゃん。
そして一人で「…ヨシ」と何か納得したかと思うと、おもむろにわたしの手を取る。
「さ、おいで。私がその欲求を解消してあげる。それが妻の役目だものね。幸い明日はオフ。明日の朝まで…いえ、昼まで寝かさないから」
妖しい笑みを浮かべ、自らの巣に引き摺り込む特級の女郎蜘蛛。
…わたし、明日が命日らしいです。
━━後藤ひとり、最近の趣味━━
今迄使い潰したピックをファイリングし、全部に名前を付けてそれを思い出と共に懐かしむ。
使い潰したピックの数、その激しいギタープレイもあって二桁を数える。
ちなみに、ピックに付けた名前がどれも昭和のお菓子の名前のようなのは、ひとりのセンスの悪さを伺わせる。
ここに幸あれ。
何とか生き延びろ、後藤ひとり。