数日後、事件の喧騒が落ち着きを取り戻した東京駅前交番。朝の陽光が窓から差し込み、静かな空気が漂う中、いつものメンバーが顔を揃えていた。
警視庁丸の内警察署管轄 東京駅前交番
亜美はデスクに座り、目の前に置かれたおにぎりを手に持つ。
「結局、鮭弁は食べられなかったけど、これでもいいか……」
少し不満げに呟きながらも、彼女は一口かじる。隣で千夏が書類を整理しながら笑った。
「麦野先輩、超諦めが早いですね。次はちゃんと鮭弁ゲットしてくださいよ」
「うん、そうだね」
綾が穏やかに頷きつつ、コーヒーを淹れる手を止めて二人を見る。
「でもさ、あの事件のおかげで感謝状もらったんだから、結果オーライじゃないか?」
聡が椅子にふんぞり返りながら言う。彼の手には新聞が広げられていて、神田万世橋ビルの事件が小さく記事になっていた。
「表向きは國鉄の警四に持ってかれたけどね」
亜美が少し拗ねたように言うと、千夏がニヤリと笑う。
「それでも麦野が活躍したのは事実ですよ。部長だって内心喜んでたんじゃないですか?」
「喜んでたかなぁ……クビって何度も叫ばれてた気がするけど」
亜美が苦笑いを浮かべると、交番内に小さな笑い声が響いた。
一方、神田万世橋ビル近くのカフェ
直人と翔がテーブルを挟んで座り、遅めの朝食をとっていた。
「うめーーーーな!」
翔がまたしても豪快に弁当をかき込み、直人が呆れた顔で箸を止める。
「お前、事件の後でもその食欲変わんねぇな」
「事件って言っても、俺ら関係なかったしな!」
翔が笑いながら言うと、はるかが隣で静かに微笑んだ。
「でも、高山君が助けてくれたから、私無事だったよ」
「そ、そうか……?」
直人が照れくさそうに目を逸らすと、あおいがコーヒーカップを手に持って割り込んだ。
「まぁ、高山がはるかを脱がせたのは許してないけどね!」
「だから違うって! 暗殺猫が――」
直人が慌てて弁解するが、あおいが「フンッ!」と鼻を鳴らして遮る。
「まぁまぁ、結果的にみんな無事だったんだからいいじゃない」
奈々がのんびりした声で仲裁に入り、場の空気が和んだ。
警視庁丸の内警察署 交通課
典子はデスクに座り、事件の報告書に目を通していた。隣に立つみりあがコーヒーを差し出す。
「麦野、無事で良かったわね」
「まぁね。あいつが無茶しなけりゃ、こんな騒ぎにならなかったんだけど」
典子がため息をつきつつも、口元に微かな笑みが浮かぶ。
「でも、あの桜井って子、なかなかやるじゃない。謹慎中なのに大活躍よ」
みりあが言うと、典子が頷いた。
「五能教官も認めてたわ。あの子、将来が楽しみね」
そして……
どこかの駅のホームで、五能教官が制服姿で立っていた。彼女の隣には、里美と愛生が並ぶ。
「今回の件で、RAILJACKの動きが少し見えたわ。次はもっと早く潰す」
五能教官の声に、里美がキリッと応じた。
「そうですわね。私たち特殊捜査班がしっかり対応します」
「はい! 次は私ももっと頑張ります!」
愛生が元気よく言うと、五能教官が小さく笑った。
事件から数日が経ち、それぞれの日常が戻ってきた。亜美は鮭弁を追い続け、直人と翔は食事を楽しみ、はるかは鉄道への愛を失わず、あおいは相変わらずの勢いで突っ走る。典子は部下たちを見守り、五能教官たちは新たな任務に目を向ける。
神田万世橋ビルの騒動は終わりを迎えたが、彼らの物語はまだまだ続きそうな予感が漂っていた――。