どうやら機械の天使に転生したみたいです 〜ぶっちゃけ人類は滅んでいるし天使と悪魔が戦争してるし最初からオワタ〜   作:鐘餅

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番外編そのニ
後一話で番外編は終了して本編に移ります


これで貴方も神星言語マスターっ!

 やあや、やあや。どうも、どうも。

 

 読者の皆様初めまして。

 僕の名前はマルコ。

 マルコシアスです。

 以後、お見知りおきを。

 

 さて、朝目が覚めると、いきなり知らない部屋にいました。

 ええ、ええ、そりゃもう混乱しましたとも。出せやゴラーと叫びながら、色々脱出を試みましたね。

 しかし、すべて失敗に終わりました。

 この部屋はどっかの変態が作ったんです?

 代わりに、一枚のカンペを見つけましたよ。

 え〜と、何々?

 

『このコーナーは、今後増えるであろう神星言語の描写に合わせ、その構造を詳しくお伝えするためにもうけたコーナーです。少々粗雑な面もありますが、お楽しみ頂けると幸いです。尚、一時的にマルコ君の脳に干渉し、あれやこれやと知識をインストールして、このコーナーのみメタ発言が可能となっております。苦手方はご注意下さい』

 

 ……。

 はい、だそーです。

 さらっととんでもねーことが書かれていることに、若干恐怖を禁じ得ないのですが、その下にある『解説始めないと出られないよ?』という言葉ももっと怖いので、大人しく従います。

 

 ということで、これで貴方も神星言語マスターっ! のコーナーの、始まり始まり〜。

 イェ〜イ! ドンドンパフパフ!

 

 それでは、最初に神星言語の歴史から見ていきましょう!

 

 そもそも神星言語とは、星に語りかけることを目的として作られた人工言語です。

 かつては特権階級の人々の間で公用語として用いられ、現在は星導環術式(コード・ステラ)や悪魔が使用する 凶星図魔法術式理論(ステラマジック・セオリー)に使われていますね。

 その起源は古代の人々と……とされていますが、これは正しいようで少し違います。

 何故ならこの神星言語、元々はまったく実用的ではなかったのです!

 

 原始的な神星言語は、読者の皆様で言うところのお経に近いものだったと思われます。

 カンクル部族の司祭の一族が開発した、儀式用の特別な言葉だった訳です。

 そのため、すっごく難しい&そもそも魔術用の言葉じゃない! という……。

 

 ですがここに転機が訪れます。

 魔女ククルルと天才イカロスの出会いです。

 イカロスはククルルの教えにより、魔術の知識を知りました。

 そして、こう考えたのです。

 

『あれ? これ、俺らが使ってる儀式用の言葉を使えば、もっと効率化出来るんじゃね?』

 

 これが、見事にドンピシャだったようですね。

 かくしてイカロスの手により、儀式用の言葉は再編され、現代の神星言語へと発展しいきました。

 まあ……それでも習得には時間がかかるくらいには複雑な代物になりました。

 そのためか広まるにつれ、意味が変質したり、方言が混ざったり、挙げ句の果てには亜種が生まれまくったりと、大分カオスなことになっていったみたいで……最終的には『もっと簡単に! もっと分かりやすくしよう!』という動きが生まれ、それが星導環術式(コード・ステラ)へと繋がっていきます。

 

 なので星導環術式(コード・ステラ)は文法関係なく、単語の羅列さえ合えば、多少雑でも術式は成立します。後は機械が勝手に制御してくれるので、基礎さえ覚えれば実にシンプル。

 そのため一般庶民に爆発的に広がっていきました。

 

 ですが、ここで問題がいくつか発生します。

 その一つが宗教問題です。

 元々祝詞であった神星言語。カンクル族が王となったことで、ダイダロス王国の周辺地域やその他の大陸でも、神星教は広く信仰される様になりました。

 そういう人達にとってみれば、この星導環術式(コード・ステラ)はふざけたものだったでしょう。

 なんせ、元の神星言語からかなり崩しまくっているのですから。

 こんなにも軽々しく方式を変えるなんて、ありがい言葉も陳腐になってしまうものです。

 絶許だったでしょう。

 

 けれど、それ以外の人々からすれば、そうではありません。

 確かに星導環術式(コード・ステラ)にも弱点はあります。従来の魔術に比べて、威力や多彩さがないのです。しかし汎用性は群を抜いています。

 この誰にでも扱える新魔術は、元々あった従来の魔術の実に五割を駆逐しました。

 そして星導環術式(コード・ステラ)を扱う人々は、機械化へと発展の舵を切ります。

 

 一方で、それに反対する人達は、より魔術を精錬させるべく、基本となる理論を作り上げました。

 それが 凶星図魔法術式理論(ステラマジック・セオリー)

 これは数ある神星言語の中でも、どんな魔術でも適用出来るとされた、謂わば共通語のようなものです。小さい子達にも分かりやすく教育するために整備された、基礎中の基礎ですね。

 

 早速、この 凶星図魔法術式理論(ステラマジック・セオリー)の神星言語を見ていきましょう。

 

 文章デデン!

 

『Ekt La, yaw Qb per sulM.』

 

 ……えー、はいはい。

 まったく分からない、暗号みたいなのが出てきましたね。

 滅茶苦茶意味不明な文字列です。

 しかしこちら、皆様の言語である日本語に訳すとこんな感じになります。

 

『私は、犬を飼っています』

 

 至って普通の文章ですね。

 よく見ると、それぞれの単語が日本語の文章と対応していることが分かります。

 そう。

 何を隠そう、イカロス王が作った神星言語は、皆様の言葉を参考に作られたのです。

 

 なので、基本的な文章構造はSOV式です。

 助詞や品詞が存在し、否定系や変化系も、日本語に則したものとなっています(ただし命令形のみ、GAL+動詞です)。

 けれど、日本語にはない概念が一つだけ。

 それが付与詞です。

 これは、名詞や形容詞、動詞の意味を強めたい時に使います。

 

 先程の文章に、付与詞を付け足してみましょう

 

『Ekt La, yaw Kidff Qb per sulM.』

 

 こちらを訳すと、

 

『私は、可愛い犬を飼っています』

 

 となります。

 ちなみに、普通に可愛い犬という時は、

 

『kidgul yaw』

 

 と言いますが、この場合、付与詞を使った方が何倍も意味は強くなります。

 そのため正しく訳すと、『私は、超絶カワイイキュートな犬を飼っています』となるかもしれません。

 そのくらい付与詞を使うと、意味が過剰となります。

 

 これを踏まえた上で、以下の神星言語の文章を見ていきましょう。

 

『Ekt La Noma La Lelii.』

 

『vasterm La 1/2. figdrsz Io wen fate sulM.』

 

『famo La faz Swalo An brz Lucco.』

 

『knsacl la Vanessa An Wilhelm.』

 

『yaw la Cialis Eurya Brian sulM.』

 

『Ekt La pyung Ow lozama sallff sulM.』

 

 これらの日本語verが、こちら。

 

『私の名前はレリィ』

 

『誕生日は1月2日。今年で十歳になります』

 

『家族は父スワロと弟ルッコ』

 

『使用人はヴァネッサとヴィルヘルム』

 

『犬は、シアリズ、エウリア、ブライアンです』

 

『私は皆を心の底から愛しています』

 

 先程も言った通り、それぞれの単語が日本語の文章と対応しています。

 神星言語の単語をそのまま変換して頂くと、その意味が分かるかと思います。

 

 例えば一人称ですが、これは『Ekt』。

 助詞の『は』は『La』。

 十は『wen』。

 

 いくつか法則があるのでご紹介しましょう。

 まず文頭は余程のことがない限り、小文字で表記されます。

 反対に助詞の頭文字は、大文字ですね。

 単語と単語の間は開けるのが普通です。

 また、日本語では動詞の変化形はそのまま動詞の文字が変わるようですが、神星言語では当てはまりません。

 

 一番初めの文章から抜粋すると、飼うという単語は『per』です。

 ここに過去形を追加すれば『per gen』となり、これが一つの単語として機能します。

 ですので『私は、犬を飼っていました』は、

 

『Ekt La, yaw Qb per gen sulM.』

 

 となります。

 

 敬語は語尾に『sulM』を付けるだけで成り立ちます。

 ここら辺は割と緩く、テキトーでも構いません。何故なら元々神星言語自体が既に神へ送る言葉であるため、そもそも謙譲語や尊敬語が発展しづらかったのではないかと思います。

 

 逆に発音は複雑です。

 母音と子音は単語によって変わりますし、なんならそこに法則性があるのかというと、あまりないという……。

 恐らく音声アプリで読み上げて頂くと、その通りの音になるかと思います。

 それよりも、イントネーションやリズムが重要ですかね。

 魔法大国の初等科の子達なんかは、よく発生練習や歌の練習をしていたそうですよ。

 特にお年寄りとかは、その名残で神星言語を言う時、よく早口になったりしたそうです。

 

 ……と、一応、基礎的な解説はこれくらいでしょうかね。

 これらの知識があれば、きっと皆様も神星言語をマスター出来ること間違いなし!

 頑張って下さい。

 

 あ、僕はここらでお暇させてもらいますよ。

 丁度出口も開いたみたいですし。

 あー……これで、やっと愛しのベルゼブブさんの元へ帰れます。

 久しぶりに、ベルさんの服を嗅ぎたい気分です。

 実際に会えば、どう僕を蔑んだ目で見てくれるのでしょう……。

 想像するだけで興奮してきました。ハア、ハア……♡

 

 そう言う訳ですので、貴方も神星言語マスターっ! のコーナーはこれにて終了です。

 短い間でしたが、お付き合いありがとうございました。

 

 ではでは――本編で会えることを、楽しみにしています。




ざっくり設定29
機械大国/魔法大国
神星言語は元々、カンクル族の司祭の家系が使っていた儀式用の言葉である。そのためそもそもお経に近く、魔術に用いるには実用的でなかった。それをイカロス王が編纂。意味を整理し、魔術に使用出来る言語として成立させた。だが、それでも難解かつ使いこなすには相応の時間がかかるため、限られた人だけが習得出来るものだった。そこで『もっと簡潔に、分かりやすく』しようという動きが生まれ、それが星導環術式(コード・ステラ)の誕生に繋がっていく。しかし、昔ながらの神星言語を大切にしている人々からすれば、星導環術式(コード・ステラ)は揺るがしたいものであり、対抗するべく 凶星図魔法術式理論(ステラマジック・セオリー)と呼ばれる基礎的な言語を生み出した。かくして、世界は星導環術式(コード・ステラ)を要とする機械文明と、 凶星図魔法術式理論(ステラマジック・セオリー)を中心とする魔法文明の二つに分かれていく。そしてそれぞれの文明の国々はやがて連合を組むようになり、一つの国家ように機能するようになったことから、連合は大国の名を名乗るようになる。それに伴い、大国に属する国は領と呼ばれるようになり、王族や貴族は力を失っていった。レリィが生まれた頃には、既に民主主義に移行していたようである。
大国同士の国力は互角で、どちらが優れているかと言ったことはなかった模様。ただし機械大国は単一民族の国が多く、移民や少数部族は嫌われる傾向にあった。一方、魔法大国は多民族国家で、多様な価値観を受け入れる寛容な雰囲気が流れていた。
ツヴィウル一家は父スワロが妾腹かつ母が魔法大国の出身だったため、見た目と合わせて忌み嫌われ、肩身の狭い思いをしていたという事情がある。
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