あきつ丸(仮)が往く!大海賊時代特殊任務!   作:月日は花客

113 / 113
ゾロ目で再会!!!!







111:あきつ丸、巡リ会ウ!

 

「ロビン!!」

 

 抱きしめたその黒色は、最初は少し強張っていたけれど、じわじわとその体に熱を綻ばせていった。

 思わず抱きついてしまったけれど、彼女の顔が見えず慌てて肩を掴み直す。

 俺がずっと探していた──ロビンが、ベッドに上半身を起こしていた。

 

「あきつ丸……さん」

「ロビン殿ォ〜! よ゙かったぁ、よ゙かったぁ」

「あきつ丸、さん……!!」

「うん、うん。自分であります!」

 

 泣いたのなんてそれこそいつぶりだろう。

 今までは、必死で必死でそんなことも忘れていたから。目から溢れ出す水が自分でも抑えられなかった。

 顔を見て、ついにロビンも感極まって泣き出した。

 

 ただ、そうして俺たちが泣きあうのを、後ろの二人は部屋を出ていって待っている。

 ありがたかった。ミホークにそこら辺の情緒があったことは驚いたが、ベックマンが連れていったのかもしれない。

 とにかく、今は目の前の再会を、ただ喜んでいた。

 

「……どうして、シャンクス殿の船に?」

「あら、それはこっちのセリフよ」

 

 目に独特の痛みと、頭痛を少し感じながら俺はベッドサイドに置かれていたピッチャーに手を伸ばした。

 再会に酒はいいが、ロビンと飲むならアルコールは違う気がしたから。

 お互いに枯れかけの喉を潤しつつ、改めて状況確認に入る。

 お互いにそういうとこは冷静な性格は、まだ変わってないらしい。

 

「わたしは、気づいたら南の海のどこかにいたわ。クウイゴスの木の棒のおかげで溺れなかったの」

「ああ、そこはやはり」

 

 ゼフの超絶ファインプレーのおかげで、ロビンは溺死を免れていた。今度、お礼にできるかぎりの財宝か珍しい食材でも渡してこよう。本当に命の恩人だ。

 ロビンは、少ない荷物の中から一本の磨かれた棒を取り出す。それはやはりゼフが持っていたものと同じクウイゴスのものだ。

 しかし、初手で南の海に行っていたらしい。海流の流れはグランドラインじゃなかろうと、理解の範疇には及びにくい現象が起きるものだ。

 

「そこから、船を経由してグランドラインに渡ったわ。あきつ丸さんが探して来てるんじゃないかって。わたしもまさか南の海に来ちゃったとはね……」

「ああ、そこですれ違っていたのでありますな。自分は、しばらく東の海にいたであります」

 

 海賊船でもない連絡船で東の海から南の海に行くのは案外遠い。グランドライン経由で行った方がなにかと近いのはある。が、幼女が身一つでグランドラインの船に乗ったというと肝の冷える話だ。

 

「路銀は?」

「船のお手伝いとか護衛をしてたわ。ああ、わたし強くなれたのよ、あきつ丸さん」

「う……あまり喜んでいいことなのか……」

「あら、わたしはあきつ丸さんに近づけた気がして嬉しかったわ。あの日々もそう考えると悪いものじゃなかったかも」

 

 逸れた挙句危険な海に放り出された末に、強くなれたと笑われても、保護者的な立場からすると頭が痛い。

 確かに、戦闘や対処を教えていたが、本格的に海のならずものを相手するのはもっと大きくなってからと考えていた。

 が、彼女は想像以上にたくましかったらしい。

 

「それから、やっぱり会えないから一度ワノ国に行こうとして……途中、ある人と出会ったの」

「うーん、見事に行き違いが……。して、その人とは?」

「サウロっていうの」

 

 サウロ! 生きていたのか。

 いや、オハラに流れ着いていなかったから、どこにいるのかと思ったが……。

 ワノ国方面にいるとは、何があったんだ?

 海軍を辞めたのかもわからんな、後で詳しく聞こう。

 今はロビンの話に耳を集中させる。

 

「サウロも、波に飲まれて迷子になってたみたいで……漂着していたの。あの海域は電伝虫も通じ辛くなってるから、助けを呼べなかったのね」

「へぇ……それはまた、ものすごい偶然であります」

「わたしも流石の荒れ具合にワノ国へ入国できなくて、立ち往生になったのだけど……そこでね、あきつ丸さん!」

 

 ワノ国近海は確かに作画が違う荒れ方をしているが、電伝虫も通じない程だっただろうか。

 基本力技で登るしかない滝は、ロビンには荷が重いだろう。氾濫したような大波は能力者には荒れ狂う死にも見える。

 ロビンは、サウロの話題になるとパッと顔を明るくした。それが、彼女にとって良い出会いだったことを示している。

 サウロとロビンは原作からして相性が良い。懐くのも当然と思えた。

 

「サウロって凄いのよ。わたしの能力は自然系じゃないけど、掴みにくいはずなのに……体を硬化させてたら、能力じゃない本体を簡単に掴めたの」

「ほう、それはそれは」

「しばらくの間、サウロとワノ国近くの島で修行してたわ。グランドラインの海賊はやっぱり強くて……なんとか切り抜けてこれたけど、このままじゃダメだと思ったから」

 

 予想外のところで修行イベントが生えてきている。

 誰が予想できる? オハラをなんとかしたらワノ国近くでサウロとロビンの鍛錬が始まるって。

 しかし、雑魚でも今のロビンには相当辛いことが予想できる海賊をなんとか伸して、護衛までできていたとは……想定より強いな、ロビン。

 でも、原作のアグレッシブさを思うとさもありなんと納得できるから俺は口を挟めない。

 サウロは覇気使えるレベルだったのか……それでも、クザン相手は辛かろうな。生きていて良かったと思おう。

 

「ようやくサウロの救助が届いたところで別れて……その時点で、あきつ丸さんの手配書が流れているのを知ったの」

 

 ロビンが取り出した手配書には、俺の写真がデカデカと載っている。

 本当にどこから撮ったのか、この写真。

 折り目もなく保管しているところに、ロビンのマメさを感じつつ、また水を呷る。

 

「賞金首になったからには、あまりまともなルートで探せなくなっちゃって……グランドラインにいた赤髪海賊団の船に密航したの」

「ブフッ!?」

 

 噴き出した。

 は!? エ!? アカガミカイゾクダンノフネニミッコウ!??

 何を言ってるのこの子。

 

「四皇の船に律儀に『乗せてください』なんて言う一般市民はいないわ」

「そ、そうでありますけどぉ……」

「まぁ、当然バレちゃったんだけど、シャンクスさんは『おもしれーな! 知ってるやつだし、いいぜ!』って」

「赤髪ィ!!」

 

 何してんだ。と言う気持ちとナイス!!という気持ちが混ざり合ってなんとも言えない形容し難い色になった。

 ただ、ノリで決めたあたりクルーの反応は渋かっただろう。特にベックマン。

 

(確かにそれはそれ、これはこれだが、今は我々は彼女を警戒していないぞ。それは嬢ちゃんの努力の賜物だがな)

(……それでよく四皇が成り立つでありますね)

(どうにでもできる、という余裕があると言ってくれ)

 

 もちろん、ロビン一人で赤髪海賊団をどうこうできるとは流石に思わないが……。雑なところはとことん雑な海賊だ。それが()()()のかもしれないが。

 

「そうして、今に至る……って感じね。あきつ丸さんの方は? 賞金首になったのは知っていたけれど」

「うーん、聞いていると本当に綺麗にすれ違っているであります。自分もまぁ、寄り道は多くしていたでありますが」

 

 これまでの経緯をざっくり話すと、ロビンはなんだかニマニマと目を細めた。

 

「笑うところはあまりなかった気がするでありますが」

「そう? 奴隷になる人を助けるなんてあきつ丸さんらしいと思っただけよ」

「うう……その結果、回り回って手配書がロビン殿に渡ったと考えると無駄ではなかった……のでありますかね」

 

 ロビンの生死が絶望的だった時は本当に不安定だったが、ゼフにより光明が差したあたりでなんとか持ち直せた。

 やはりゼフにはできる限りのお礼をせねば。バラティエ五階構造にするか?

 

「ふふ、でも、一番嬉しかったのは……」

「へ?」

「わたしがいないところで、そんなに弱ってくれたこと、かしら」

 

 首を傾けたロビンは、髪が少し伸びていた。

 背も高くなって、どこか前よりも艶が増したように思える。

 その成長を間近で見れなかったことが悔しいのか、見ぬ間に育ったことに喜ぶか。

 やはり、どちらかわからない。

 

「ふふ、とにかくまた会えて良かった」

「自分もであります。また二人で旅ができるでありますね?」

 

 *

 

 

「ハ??」

「ミホーク、今は入ってやるな」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

エンカウント率ぅ(作者:フドル)(原作:ONE PIECE)

 とある時期から何故か原作キャラとエンカウント(強制)するようになったオリ主が、これは呪いだと思いながらもエンカウントしたキャラ達から逃げたり、仲良くなったり、戦ったりする話。▼ なおエンカウントするキャラは高確率であのお方。


総合評価:19288/評価:8.84/連載:44話/更新日時:2026年09月22日(火) 02:25 小説情報

〝鬼の女中〟と呼ばれる女(作者:悪魔さん)(原作:ONE PIECE)

前世はロクな人生じゃなかったので、今世は自由を謳歌したい女海賊がいた。▼その名は、クロエ・D・リード。後に〝鬼の女中〟と呼ばれる事になる海賊である。▼これは、前世持ちの女海賊が自由気ままに海に君臨する物語。▼


総合評価:20254/評価:8.61/連載:131話/更新日時:2026年09月10日(木) 23:15 小説情報

正体不明の妖怪(になった男)、情緒不安定な百獣の腹心になる(作者:黒岩)(原作:ONE PIECE)

変な果物食べて、見知った正体不明の妖怪になりました。色々あって絶望したけどメンヘラ龍のお供として彼と愉快な仲間たちと楽しくやっていこうと思います。▼※晒し禁止


総合評価:46908/評価:8.97/連載:176話/更新日時:2025年08月12日(火) 18:00 小説情報

ヒエヒエの実を食べた少女の話(作者:泰邦)(原作:ONE PIECE)

ワンピースの世界に転生した女性がヒエヒエの実を食べて海を荒らしていく話。▼オリジナル展開、オリジナル悪魔の実、ガバガバ設定多々あります。(そのうち)主人公最強系。▼青雉(クザン)はこの作品に登場しません。▼※138話から原作の話になります。


総合評価:30889/評価:8.67/連載:331話/更新日時:2026年09月07日(月) 00:00 小説情報

とある黒猫になった男の後悔日誌(作者:rikka)(原作:ONE PIECE)

これは目が覚めたら、少年時代のキャプテン・クロになっていた男の後悔だらけの航海日誌である。▼少年漫画で海賊の世界とか暴力必須間違いなしじゃねぇか!▼海賊になんかなってたまるか俺は静かに生きるんだ!▼残念、現実は非情である。▼※頂き物ファンアートは数が増えて文字数制限に近づいたため、活動報告にてページを作ってまとめさせていただきました▼『FA保管庫』▼http…


総合評価:120317/評価:9.45/連載:204話/更新日時:2026年08月18日(火) 19:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>